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製品開発は“機能”にばらして考えろ
設計者が頭を抱える「7つの設計問題」解決法

定価(税込)  2,376円

監修
著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-07661-9
コード C3053
発行月 2017年02月
ジャンル 機械

内容

本書は、主に若手設計者を対象にした開発効率向上の指南書。開発テーマの探索、開発課題の設定、コストダウン、実験評価の効率化、リスク回避、不具合原因究明、他社特許対策など、設計・開発者が頭を悩ます7つのテーマごとにその解決方法を示していく。「開発の精度や効率を高めていくためには、装置の構造をどうするかに着目するのではなく、一度機能にバラして考えることが重要。全体を単純化し見える化することで開発スピードが劇的に改善される」(著者)というように、問題解決のコツが満載されている。

緒方隆司  著者プロフィール

緒方 隆司(おがた たかし)

1956年、東京生まれ。
赤井電機株式会社を経て、1989年からオリンパス株式会社にて、磁気デバイス、MO用光ピックアップ、光通信用デバイス、プリンター等の情報機器関連の開発業務、開発部長としてマネジメント経験を積む。
2010年から科学的アプローチを使った開発効率向上の全社推進業務を先導し、開発者目線での取り組みで1000件以上の事例に適用。取り組み成果はQFDシンポジウム、TRIZシンポジウムで毎年発表し、TRIZシンポジウムでは「あなたにとって最も良かった発表」賞を5年連続受賞。
2016年にオリンパス株式会社を定年退職し、現在、株式会社アイデアにてプロジェクト・コンサルティング・ディレクターとして活動中。日本TRIZ協会理事。

目次

目 次


はじめに

監修によせて

第1章 「機能」を把握する
1.1 機能で考えることのメリット
1.2 機能の表し方
1.3 空間的機能分析と時間的機能分析

第2章 科学的アプローチと機能
2.1 開発の流れに合ったQFD、TRIZ、TM(タグチメソッド)
2.2 機能で繋がるQFD、TRIZ、TM
2.3 機能を中心にしたSNマトリックス
2.4 TRIZの願望型発想法と撲滅型発想法
2.5 QFD、TRIZ、TMから目的別ソリューションへ

第3章 テーマ探索ソリューション
3.1 ニーズとシーズの見える化と顕在化ステップ
3.2 ニーズもシーズもまったく掴めていない場合の探索
3.3 ニーズもシーズもある程度掴めている場合の探索

第4章 課題設定ソリューション
4.1 課題設定のステップ
4.2 取り組み範囲の決定
4.3 優先度の決定

第5章 早期原因究明ソリューション
5.1 原因分析の基本的な考え方
5.2 原因分析ロジック・ツリー
5.3 推定原因の検証
5.4 根本原因の特定

第6章 コストダウンソリューション
6.1 コストダウンの基本的なアプローチ
6.2 製品のコストダウン
6.3 工程のコストダウン
6.4 コスト改善策の検討方法

第7章 強い特許ソリューション
7.1 強い特許を出すための基本的な考え方
7.2 網羅性の高い特許網の構築
7.3 豊富なアイデアによる請求範囲の拡大
7.4 強力な他社特許の回避

第8章 実験評価効率化ソリューション 
8.1 実験評価効率化の基本的な考え方
8.2 データから母集団を把握する
8.3 データから要因効果を予測する

第9章 リスク回避ソリューション
9.1 リスクの基本的な考え方
9.2 安全リスクの分析・評価
9.3 品質リスクの分析・評価

第10章 実際の製品開発への適用事例
10.1 デジカメ新製品での適用事例
10.2 7つの目的別ソリューションの適用概要

あとがき、謝辞
索引

はじめに

はじめに

 本書を手に取っていただいて、ありがとうございます。
 私自身は、2つのメーカーで30年以上、開発という仕事をやってきて、いろいろな製品の開発を手がけてきました。振り返ると、いつも目の前のことに囚われるような仕事のやり方で、そのために後戻りをすることも多く、結果、常に忙しいという悪循環で効率が悪かったと反省しています。
 しかし、私がオリンパス(株)を定年退職するまでの最後の6年間は、幸運にも開発現場からは少し距離をおいて、どう考えればスマートに開発ができるかを考える時間を持てました。その中で私なりに「効率的な開発とは、何が本質か?」ということがようやく少し見えてきた気がします。
 本書は問題解決の書となっていますが、残念ながらその手段を詳細に書いたものではありません。3種の神器ともいわれるQFD、TRIZ、TM(タグチメソッド)の中にある素晴らしい課題整理方法や発想法をベースに、「手法ありき」ではなく、目的に合わせて最適な方法を組み合わせていくには「どう考えれば効率的か?」をオリンパス(株)の科学的アプローチ推進者の皆さんの協力も得て目的別に整理したものです。
 一番効率の悪いやり方をしてきた私が「こうすれば効率良く問題を解決できる」といっても、誰も信じてはくれないと思いますが、「できの悪い」私だからこそ感じた「目からウロコ」のような気づきを「7つの目的別ソリューション」としてオリンパス(株)の開発者に大小1000件以上の事例で使ってもらい、試行錯誤をしながらまとめてきたものを本書に書き留めてみることにしました。
 会社人生で一番の財産は、私を変えてくれた多くの先輩方、他企業の方との出会いです。その方々から刺激を受けて成長させてもらいました。
 その方達への感謝の気持ちも込めて、本書が少しでも皆さんの日々の仕事の参考になれば幸いです。
2017年2月
緒方 隆司 



監修によせて

 オリンパス(株)では10年位前から全社で開発効率化の活動を進め、CAD/CAM/CAEなどさまざまな最新ツールを使ってきました。
 一方で、開発者自身の“考え方”は、相変わらず経験に頼ったものが多く、当時の役員から「論理に基づいた科学的な“考え方”に脱却させよ」と指示があり、2009年にわずか数人で本書の取り組みを始めることになりました。
 当初、忙しい開発者からは「こんなやり方は使えない」と散々でしたが、6年にわたり、現場の声に耳を傾けて、自前で“使える”テキストに改訂し続け、ようやく第10章で紹介するような、製品開発での実績が出つつあります。
 本書では触れていませんが、社内推進には大事なポイントが3つありました。
 ①推進者は、少数でも専任とする(兼任は忙しいと逃げるので退路を断つ)
 ②常に最新の社内事例をベースにし、“使える”テキストとして鮮度を保つ
 ③講師には、現場で問題解決にあたった実践者が立つ
 本書は、こうしたオリンパス(株)での活動を通じて試行錯誤の末、著者の緒方氏を中心にたどり着いた、「機能」の考え方を要約したものです。
 また、現場の「手法を覚えたいのではない、困っている問題を解決したい」という声に後押しされ、開発者が頭を抱える問題を目的別に大きく7つに分類し、解決方法を整理してきました(「7つの目的別ソリューション*1」)。
 これらの開発者の“困った!”は、シンポジウムなどを通じて、どの企業でも共通だとわかり、今回、少しでも参考になればと、出版させていただくことになったものです。皆さんの役に立つことを願うとともに、我々自身も発展途上にありますので、ぜひ本書に対するご意見をいただけると幸いです。
2017年2月
オリンパス株式会社 ECM*2推進部 部長 面田 学

*1 「7つの目的別ソリューション®」はオリンパス(株)の登録商標です
*2 ECM:Engineering Chain Management

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