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おもしろサイエンス
血圧の科学

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ A5判
ページ数 144頁
ISBNコード 978-4-526-07671-8
コード C3034
発行月 2017年02月
ジャンル ビジネス 化学

内容

「血圧」とは血液の圧力によって血管壁が押される力のことで、血液の量(心拍出量)と血管の太さ(血管抵抗)によって決まるもの。健康な身体を保持するための基盤であり、その数値は高すぎても低すぎても健康に害をなす。本書は、この血圧について、そのもととなる血液の状態から、心臓の動き、血圧のしくみ、血管の状態などを図解でわかりやすく解説する。

毛利 博  著者プロフィール

●著者略歴

毛利 博(もうり ひろし)

昭和24年10月11日生 (67歳)

昭和50年 横浜市立大学医学部卒業

昭和50年-昭和52年 聖路加国際病院 内科研修医

昭和62年-平成元年 米国サンディエゴ市 スクリップス研究所 Research Associate

平成元年-平成12年 横浜市立大学医学部第一内科学講座講師

平成12年-平成15年 慶応義塾大学伊勢医学部伊勢慶応病院内科助教授

平成16年-平成19年 藤枝市立総合病院副院長

平成17年-平成28年 北里大学医学部客員教授

平成20年-平成28年 藤枝市立総合病院病院長

平成24年-
        藤枝市病院事業管理者

平成28年-       
藤枝市立総合病院名誉院長


現在に至る



所属学会

日本血液学会功労会員

日本血栓止血学会功労会員



役職

日本検査血液学会静岡県支部長(平成21年〜平成26年)

静岡県病院協会副会長(平成24年〜)

日本病院協会静岡県支部長(平成26年4月〜)

ふじのくに地域医療支援センター理事(平成26年4月〜平成30年3月)

静岡県医師会理事(平成26年5月〜)

静岡県医療対策協議会委員(平成22年〜)

静岡県救急災害対策協議会委員(平成28年〜)



著書

トコトンやさしい血液の本

あなたの心筋梗塞・脳梗塞の危険度と予防策

病院長が教える賢く病院と付き合う方法

など



【執筆協力】

田中 匡(たなか まさる)

北海道出身。専修大学法学部卒業後、大手総合出版社の編集者。現在は、化学、理学系分野のサイエンスライターとして活躍中。

目次

第1章 
血圧のメカニズムを知ろう!
1  血圧は人間にとって大事なもの?
2  心臓の位置とその働きを知っておこう
3  心臓は文句も言わずに働く優れもの
4  全身に10万キロメートルもある血管とは何だろう
5  血圧はどのような役目をはたしているの?
6  最高血圧と最低血圧の違いと血圧測定の仕方
7  平均血圧と脈圧は動脈硬化の進行を診断する重要な数値
8  血圧の単位はなぜmmHgなのか 2
9  血圧はどのようにして維持されるのか

第2章
血圧は人間の身体を支えている
10  大事にしなければならない自分の体
11  健康寿命を伸ばすためにも血圧は大事
12  血圧が正常とはどういうことか
13  4つに分れる血圧の分類
14  血圧でわかる危険な病気
15  なぜ血圧が高くなると怖いのか
16  血圧が低いのも問題である
17  低血圧の分類とその対策を知っておこう
18  高血圧と言われたらどうしますか?
19  高血圧のリスク管理のためのフローチャート
20  血圧のコントロールと血圧を下げる薬
21  高血圧の治療はどうするの
22  2次性高血圧にはどのようなものがあるのだろう

第3章 
血圧を正しく測るのは結構難しい
23  血圧は「いつも変化している」
24  血圧はどのように測れば正しいのか
25  血圧は1回測定して高いからといって高血圧とはかぎらない
26  血圧の測定は100年前とほとんど変わっていない
27  なぜカフを巻かないと血圧は計測できないのか
28  血圧はうそをつく

第4章 
血圧と血液はどのように関係しているのか
29  血液の状態で血圧も変わってくる⁉
30  ドロドロ血液は、なぜ高血圧をまねくのか
31  健康を害する悪循環を引き起こす血液の状態
32  血圧が高いまま放置していると血管はどうなるのでしょうか
33  誰でも簡単にできる血液ドロドロ度チェック

第5章 
血圧をコントロールするには生活習慣病の克服が最優先です
34  塩分の摂り方はよく考えて
35  なぜ肥満になると血圧が上がるのか
36  高血圧に対する運動の大切さ
37  喫煙は血圧に悪影響を与えます
38  お酒は「百薬の長」というのは本当ですか
39  ストレスは血圧にとってもよくない
40  サイレントキラーが血圧を上げ、体を壊す
41  生活習慣病は包括的な管理が大切です
42  肥満こそが生活習慣の悪の根源だ
43  動脈硬化の予防のためには生活習慣の改善が必要である

第6章 
高血圧で怖い動脈硬化をどう予防するか
44  動脈硬化を抑える一酸化窒素とはいったいどういうものなのか?
45  一酸化窒素はどうしたら増えるのでしょうか
46  アディポネクチンは生活習慣病を改善する大切なホルモンです
47  IGF−1は夢のホルモン?
48  老いは血管からおこります
49  生活習慣以外に血管年齢を若返らせる手立てはあるのか

column
「五臓六腑」というのは何でしょう?
心臓はどのようにして動いているのだろう
脳出血と脳梗塞の違い
動脈と静脈はどのような違いがあるのか
現代社会は便利すぎて危険がいっぱい
脳・心臓病の危険因子としての慢性腎臓病(CKD)

おわりに
参考資料

はじめに

 私たちが日々の生活の中で、「血圧」を意識することは非常に少ないと思います。血圧は、どのようにして維持されているのか、血圧はどのくらいが正常なのか、高血圧・低血圧の定義はどのようなものかといった疑問があるのではないでしょうか。
 
血圧とは、心臓からでた血液が血管の中を流れるときに血管壁に加わる圧力のことをいいます。そして私たちの体が必要とする酸素や栄養素を全身に供給できるように、血液をくまなく循環させる役割を果たします。つまり血圧は、人間が生きていくうえで大切な役割を担っているのです。
 
 しかし、現代人は、長寿命社会、ストレスの多い環境、生活習慣の悪化などにより、日々心臓・血管系を酷使しています。どのような劣悪な状況になっても体は黙々とやるべきことを頑張って行いますが、実は悲鳴をあげているのです。
 年を重ねていくと、塩分の取りすぎなどから高血圧に、食生活の乱れから糖尿病や脂質異常症など、生活習慣病に罹患している人が大変多くなってきます。生活水準が低かったころには想像できなかった、俗にいう「贅沢病」がおきてきているのです。まさにこれは、潤沢すぎる食生活、運動不足などでおこり、最終的には肥満となってきます。
 
 生活習慣病は、「死の四重奏」とよばれ、別名「サイレントキラー」ともいわれます。この名前の由来は、自覚症状がなく、病状が徐々に進んでいき、気がついたときには動脈硬化が進行してしまい、心筋梗塞や脳梗塞になる危険性が増大するからです。
 
 さらには、生活が便利になったため体を動かすことが少なくなり、生活習慣病になる人が意外に多く、健康診断などで「血圧が高いですね。塩分を控えましょう」などと指摘され、びっくりして初めて「血圧」ということを意識した経験があるのではないでしょうか。
 
 生活習慣を改めていけば、血圧はきちんと維持されていきます。血圧は高くても低くても問題です。血圧のことを正しく理解し、これからの生活を考えていくために本書が少しでも参考となれば幸いです。

 
2017年2月


毛利 博 

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