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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいコストダウンの本
第2版

定価(税込)  1,620円

著者
著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07655-8
コード C3034
発行月 2017年01月
ジャンル ビジネス 生産管理

内容

開発設計や生産準備、調達など上流部門と製造が連携して効果を上げるコストダウンの進め方を中心に解説する。2005年の初版発行以降、5刷まで到達した好評企画を大幅に刷新。生産条件の多様化やIoT活用時代に対応したコストダウン展開手法を図解でやさしく紹介する。

岡田貞夫  著者プロフィール

●著者略歴
岡田貞夫(おかだ さだお)
岡田技術経営コンサルタント代表、目で見て進める工場管理研究グループ代表
〈第1章前半、第3~6章〉
技術士(機械)、中小企業診断士、職業訓練指導員、環境カウンセラーの資格を有し、岡山県技術アドバイザー、中小企業大学校講師、岡山大学産学連携コーディネータを経て現在、工場を主体に経営改善、コスト改善など支援指導中
●著書
「製造コスト削減マニュアル」「コストダウンAtoZ」(PHP研究所)
「設備保全基礎」(社会経済生産性本部)
「続々目で見て進める工場管理」
「トコトンやさしいトヨタ生産方式の本:共著」
「トコトンやさしい工場管理の本」
「目で見て進める即戦購買管理」(日刊工業新聞社)ほか多数

田中勇次  著者プロフィール

●著者略歴
田中勇次(たなか ゆうじ)
国立和歌山高専特命教授、「技術コンビニ」WAKA代表
〈第1章後半、第2・7章〉
技術士(機械、建設、総合技監)、エネルギー管理士、ISO(品質、環境)、環境カウンセラー、中小企業経営アドバイザーとして人材育成、現場改善、補助事業など支援中
●著書
「よくわかる原価管理とコストダウン:共著」
「5S実践AtoZ:共著」
「モノづくり人材のためのキャリアアップ読本:共著」(日刊工業新聞社)ほか

目次

第1章 コストダウン活動による利益確保
1 モノのつくり方と原価「生産活動で発生する費用はすべて原価となる」
2 原価の仕組み「発生形態、操業度、製品との関連によって分類」
3 企業活動の結果、発生するムダなコスト「ムダなコストの発生をつかんで対応する」
4 原価低減は顧客満足の一環である「CSの一番の目的は良品廉価」
5 損益分岐点図表(利益図表)の役割「売上と費用の関係から、いくら売上があれば利益が出るかを見る」
6 原価低減と品質保証「品質保証は企業の生命線で顧客信頼の原点」
7 原価主義と非原価主義「価格は商品戦略によっていろいろな決め方がある」
8 IoT活用による原価低減(その1)「ITツールの活用が大幅なコストダウンを実現」
9 IoT活用による原価低減(その2)「蓄積した情報からITツールで改善と創造を加速」
10 ライフサイクル・コストマネジメントの視点「製品の一生涯を通してのコスト低減に取り組む」
11 総原価低減活動(その1)「全員参加のTCR(Total Cost Reduction)で」
12 総原価低減活動(その2)「特定の組織だけの活動では未達成」
13 自社に適した効果的な改善手法を選択する「あらゆる経営資源を有効活用する」
14 VE的モノの見方・考え方を取り入れる「固定観念を打破し、原点に返った発想を」
15 競合他社品の動向をつかむティアダウン「競合他社と自社の製品を比較分析する」

第2章 開発・設計へのアプローチ
16 商品企画と製品企画「企画は商品開発の源流」
17 開発段階で原価目標を設定する原価企画「製品開発計画に目標コストを織り込む必要がある」
18 コストダウン設計の進め方「コストの大半は設計段階で決まる」
19 多様化ニーズに対応できる標準化「多様化ニーズに応えて部品点数の削減と標準化を図る」
20 「なぜなぜ」で問いかける製品分析「『なぜなぜ』と投げかけて問題事象を解決する簡便な手法」
21 設計審査で評価してコスト改善「設計品質を客観的に評価し、改善する組織的活動」
22 設計ミスを改善ノウハウに活かす「設計ミス情報は設計者全員のバイブル」

第3章 生産準備で対処すべきこと
23 5Sは現場管理の出発点「5Sはモノづくりの原点であり、工場管理の基本」
24 強い現場を支える基盤―基本に徹する「ほうれんそうと5Sと目で見る管理が有効」
25 良い取引先からより安く買うことを心がける「売り手、買い手の信頼関係、共存共益がカギ」
26 買い方次第で企業利益は大きく変わる「設備計画者、現場マンも調達品価格に関心を持つ」
27 旧来設備の活用「新しい設備の増設は投資費用が大きく、固定費増を招く」
28 低コストの設備調達「設備は高価な買い物、設備担当者と購買担当者の連携・協力が大切」
29 機械設備の修理は自らの手で「設備保全は可動率100%が原則」
30 材料歩留りの向上「現場経験の源流へのフィードバックと設計段階での工夫が奏功する」
31 工場内廃棄物の低減「原価低減と資源保護に寄与する」
32 省エネ推進は全員参加で「省エネは目に見えないだけに見過ごされるが、製造コストに直結」

第4章 コストダウンの実力が現れる製造工程
33 生産方式とコストダウン「生産管理の方式には『押込み』と『引張り』がある」
34 平準化してつくる生産計画「全工程をタクトタイムでモノづくりする」
35 小ロット生産で在庫ロスをなくす「在庫はコストアップ要因である」
36 運搬システム|調達と製造物流「ラインの欠品をなくしてタイムリーに供給」
37 まずは作業改善、設備改善はその次「改善には作業改善と設備改善がある」
38 生産効率向上につながるIE手法「データの蓄積とIEで生産の効率化を見出す」
39 動作経済の原則は改善の大事な着眼点「両手と両足をうまく使う」
40 現場のムダ排除(その1)「7つのムダをなくし、製造プロセスの改善も図る」
41 現場のムダ排除(その2)「共同作業のムダ排除」
42 「取りに行く、運ぶ、探す」を減らせ「空運び、探し、取り置きなどの排除」
43 混流1個流し生産「多品種を1個ずつ1つのラインで流す」
44 製品の流し方を司るレイアウト「マテハンの良否や能率が生産コストに直結する」
45 改善の具体的進め方「1人ひとりの身の回りの細かな改善の積み重ねが大きな成果に」
46 段取り替え時間の短縮「多品種小ロット生産を実現するカギ」

第5章 コストを保証する検査と出荷
47 品質保証とコストダウンへの取り組み「不良撲滅は大きなコストダウンにつながる」
48 全数検査と抜き取り検査「検査は製品の良否判定のみで品質自体は向上しない」
49 全数検査の根本的方向「100%良品を保証でき、工数がかからない方法を工夫」
50 異品・欠品「ゼロ」の実現を「製品は品質が命、知恵を出して未然防止に努める」
51 部品加工の外注移管「売り手、買い手の共存共栄」
52 外注先への品質・コストダウン支援「応急(是正)処置と予防処置がある」
53 工場出荷品と遅延対応「物流管理の効率化に加え、小ロット多頻度納入に対応して納期を守る」

第6章 差がつく物流・サービス・顧客対応
54 物流活動とロジスティクス「物流コストはブラックボックス」
55 配送の合理化「徹底したムダ取りによる原価低減を図る」
56 物流の環境負荷低減「CO2と廃棄物の削減をさらに強化」
57 ジャスト・イン・タイム納品「顧客が欲しいモノを、欲しいときに納める」
58 サービス業の特質「サービスそのものの原価低減はできない」
59 消費とサービスの品質・コスト改善「販売前、販売中、販売後に分けられる」
60 製品の省エネルギーと維持費低減「競争優位を発揮する製品コンセプトの1つ」

第7章 トータルコストダウン活動へのレベルアップ
61 エンドレスな活動が進む環境づくり「やる気につながる環境、動機づくり」
62 サプライヤーとの協力によるコスト改善「開発購買と育成購買など双方が協力して取り組む」
63 事務・間接業務の効率化「事務・間接部門の仕事の裁量はアコーディオン」
64 製品化プロセスと省エネルギー「省エネ効果は製品化プロセスと使用者の運用方法で」
65 廃棄物処理と資源有効利用の促進「廃棄物から資源としてリサイクル」
66 持続可能な社会の構築「企業は環境負荷低減に配慮した経営を実行しよう」

コラム
●原価低減にも2種類ある
●製品開発と開発リードタイム
●自前主義とアウトソーシング
●標準作業管理の重要性
●出荷納品時の不具合対策をどうするか?
●物流センターの役割
●改善から創造へ

引用・参考文献
索引

はじめに

 少子高齢化、消費者ニーズの多様化、地球環境保護対策、TPP導入、地域総活躍社会、IoTのグローバル化というように経営環境が大きく変化しています。今後、激変する経営環境にどのように対処すればよいでしょうか。顧客ニーズのさらなる多様化に加え、高品質・高機能の製品を短納期で納品し、技術と知恵を発揮してさらに売価を低く抑え、価格や技術競争に強い企業を目指すことが要求されています。
 本書(旧版)をお届けして10年が経過しました。その間、読者のみなさんからはコスト改善に役立ったとの評価をいただきましたが、激変する時代にそぐわない面も見られるようになり、このほど次世代に通用する改訂に努めました。
 言うまでもなく、原価低減は利益創出に最も重要かつ確実な経済活動です。製造現場のみならず、開発、購買、管理部門などに所属する人たちの最大の課題です。
 これまでコストダウン、つまり原価低減というと、販売価格の低減を考えた原価低減が主体でした。それが、安価で手軽に利用できるようになったITなどを駆使して全体最適を目指し、さらに視野を広げて企画→開発→生産準備→製造→検査・出荷→物流・販売→据え付け・サービス→廃棄・環境保全というように、その商品の全生涯で考えるライフサイクル・コストとして原価低減をとらえる時代に入りました。
 つまり、工場出荷時点での原価低減に加え、消費者や使用者が購入使用後の省エネルギー化や燃費率向上、安全性、CO2削減、修理費用が嵩まないこと、さらには商品寿命が尽きたときに廃棄物が少なく、分解が容易で再利用まで考えたモノづくりと、IoTを活用した総合的な原価低減のことです。生産と原価低減とは車の両輪として取り組むことが要求され、持続可能な社会の構築を目指し、環境との調和を図った原価低減が企業の生き残りの条件になってきました。
 原価を引き下げるには、ただ闇雲に頑張ればよいというものではありません。国内競合他社以外にも、海外メーカーがいくらでつくっているか知ることも重要です。それに2年先、3年先の価格の動きを睨みながら、目標とする原価を設定します。
 原価を下げていくには目標コストとの差額をはっきりさせて、挑戦項目ごとに何をどれだけ下げるかを明確にして取り組みます。重要なことは、設定した目標コストを達成したらそれで完了ではなく、次年度もさらに厳しい目標コストを決め、必達に向けてエンドレスな改善努力をしていきます。
 チームワークも大切です。全員参加の原価低減活動、つまりトータルコストリダクション(TCR)として取り組むべきです。それには、社員個人の欲求と能力開発目標とをマッチさせ、力量アップを図り、多能工化および多仕事化を実践し、エンドレスなカイゼンの進む体制づくりが欠かせません。
 本書は、製品のライフサイクルに沿った展開とし、本シリーズの仕様に合わせた見開き2ページの形式で、文章と図表や絵を組み合わせてわかりやすく説明することに注力しました。問題解決の引き金に、最初のページから読まなくても索引から必要なページを探し出し、活用できるように配慮しています。
 すでに出版されている「トコトンやさしいトヨタ生産方式の本」「トコトンやさしい作業改善の本」「トコトンやさしい品質改善の本」と合わせてご活用ください。いずれも、製造現場のコストダウン用テキストとして本書同様にご利用いただけると思います。工場に勤務する管理・監督者、スタッフの方々が自社または自工場に、ビジネスパートナーの支援などに、また販売セールスの方が開発や製造の業務理解をもとにした営業活動で顧客開拓につながり、社内活性化の一助になることを願っています。

2005年3月(初版)
2017年1月(第2版)
岡田 貞夫

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