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入門 粒子・粉体工学
改訂第2版

定価(税込)  3,240円

著者
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サイズ A5判
ページ数 282頁
ISBNコード 978-4-526-07637-4
コード C3043
発行月 2016年12月
ジャンル 化学

内容

単一粒子の物性と粒子集合体の特性にわけて整理し、それぞれの技術・学問の進展も含めてやさしく解説した粉体工学の入門書。初版は2002年発行で合計9刷。今回は14年振りの改訂。初版の巻末に掲載した演習問題を全面的に見直し、重要事項や専門用語の理解の程度を確認する初級問題、式に数値を入れて解いてみる計算問題Ⅰ、少し高度な計算問題Ⅱに分けて学習進度に合わせて選べるようにした。また、本文・図表についても、正確にわかりやすくすることに主眼を置き改訂を行った。

椿 淳一郎  著者プロフィール

(つばき じゅんいちろう)
名古屋大学名誉教授,こな椿ラボ主宰 教授
1947年生.山形大学工学部化学工学科卒業後,修士,博士,助手時代を名古屋大学で過ごし,主に粒子形状,粉体物性の研究を行う.米国シラキュース大学で集塵を研究し,帰国後に助教授に昇進.1987年にファインセラミックスセンター(JFCC)に移りセラミックス標準化事業を立ち上げる.1994年に名古屋大学に戻り,セラミック成形プロセス,スラリー評価および制御技術を主に研究.2012年定年退職

鈴木道隆  著者プロフィール

(すずき みちたか)
兵庫県立大学大学院工学研究科化学工学専攻教授
1952年生.山形大学工学部化学工学科卒業,修士課程修了後,京都大学大学院博士後期課程に進学し,粉体力学物性測定とモデル化を研究.1980年姫路工業大学助手,1985年米国ウェストバージニア大学で粉体力学物性の流動層への応用を研究.その後、姫路工業大学(現 兵庫県立大学工学部)で粉粒体の充填性や流動性に対する粒子径分布、粒子形状、表面状態などの影響を主に研究.

神田良照  著者プロフィール

(かんだ よしてる)
山形大学名誉教授
1940年生.山形大学工学部化学工学科卒業,修士課程終了後,東北大学博士課程資源工学専攻に進学.その後山形大学工学部化学工学科に戻る.2006年3月定年退職.修士課程進学以降定年退職まで,一貫して粉体工学,特に粉砕とその関連分野の実験,研究を中心に行って来た.

目次

第1章 粒子・粉体工学のとらえ方  

第2章 粒子および粉体の基礎物性  
2.1 単一粒子の物性  
  2.1.1 粒子径 
  2.1.2 粒子形状 
  2.1.3 粒子の密度 
  2.1.4 粒子の濡れ性 
2.2 粒子集合体の特性  
  2.2.1 粒子径分布 
  2.2.2 比表面積 
  2.2.3 粒子充填構造 

第3章 粉体の生成  
3.1 粒子の生成機構  
  3.1.1 単一粒子の破砕 
  3.1.2 成長法 
3.2 粒子集合体の生成および調製  
  3.2.1 粉砕 
  3.2.2 造粒 .
  3.2.3 造粒技術 
  3.2.4 粉体層の均一性 
  3.2.5 混合・混練 

第4章 場の中での粒子と粉体の挙動  
4.1 場の中での粒子の挙動  
  4.1.1 球粒子の運動方程式 
  4.1.2 外力が作用しない粒子の運動 
  4.1.3 重力場での粒子の沈降 
  4.1.4 遠心場での粒子の運動 
  4.1.5 電磁場中での粒子の運動 
  4.1.6 複数の外力を受ける粒子の運動方程式 
  4.1.7 粒子形状が粒子の運動に及ぼす影響 
  4.1.8 気体圧力が粒子の運動に及ぼす影響 
  4.1.9 粒子内空隙が粒子の運動に及ぼす影響 
  4.1.10 粒子濃度が粒子の沈降挙動に及ぼす影響 
  4.1.11 ブラウン拡散と泳動 
  4.1.12 水中における微粒子の挙動 
4.2 場を使った分離・分級操作  
  4.2.1 分離効率 
  4.2.2 ふるい分け 
  4.2.3 重力を利用した分離・分級 
  4.2.4 慣性および遠心力を利用した分離・分級 
  4.2.5 ?過・集塵 
  4.2.6 電磁的性質を利用した分離 

第5章 粉体の力学  
5.1 粒子間に働く力  
  5.1.1 付着力 
  5.1.2 付着力測定 
  5.1.3 ルンプの式 
5.2 粒子集合体の力学  
  5.2.1 粉体層の力学 
  5.2.2 粉体層力学特性の測定 
  5.2.3 粉体層の流体透過 
  5.2.4 移動層,流動層,空気輸送 
  5.2.5 コンピュータシミュレーション 

内容確認演習問題  
計算問題Ⅰ  
計算問題Ⅱ  
解 答  

索 引  

はじめに

改訂にあたって
 
本書の初版は2002年9月に出版された.以来皆さまにご愛読いただき9刷りを重ねてきた.著者らも本書を使って講義してきたが,少なからず不備が目に付き気になっていた.しかし,現職時代は忙しく改定版を出せないでいたが,定年退職を迎え時間に余裕ができて出版社の許可も得られたので,昨秋から改訂作業を進めてきた.改訂は以下の2点である.
 1)初版の演習問題は重複問題やかなり難しい問題もあったので全面改訂し,重要事項や専門用語の理解の程度を確認する内容確認問題,式に数値を入れて解いてみる計算問題I,少し高度な計算問題IIに分けて学習進度に合わせて選べるようにした.また,問題には全て解答例を載せた.
 2)章立て説立ては初版のままとし,内容の記述をより正確にわかりやすくすることに主眼を置き,用語の訂正にとどまらず,本文・図表を含めて全面書き改めた節・項も少なくない.また,例題をより充実させ,内容をより深く理解できるように工夫した.
 改定版も初版同様多くの皆さまの座右に置いていただき,お役に立てていただければ幸いである.
 改訂作業は,神田良照先生,鈴木道隆先生のご了解を得て椿淳一郎が担当した.

2016年 大暑
椿 淳一郎  

はじめに

 著者ら3人は,関西,中部,東北地区それぞれの大学で,粉体工学とその関連分野における教育と研究指導を長年行ってきている.その経験から粉体工学の重要性,将来性,他の分野との関連性を強く感じるとともに,近年の科学技術の発展により粉体工学が包括すべき内容も広範囲に,かつ深くなってきていることを実感している.また,学問,技術も当然のこととして国際化が進み,工学単位,次元の表示が国際単位系(International System of Units,略称SI単位系)に統一されてきている.以上のようなことが,常に著者ら3人の頭の中にあった.そのため,お互いの会話の中で,この時代に適した教科書の必要性を意識するようになり,まとめたのが本書である.本書の執筆に当たっては,粉・粒の性質と振る舞いを分かりやすく解説し,初学者もその概要を理解しやすいようにまとめ,粉体工学を体系づけることを心がけた.
 一般に,粉体は集合体として扱われるが,その特性を知るためには,集合体を構成する単一粒子,いわゆる“粒”の物性を最初に理解することが必要である.さらに“粒”が集合体として存在する時,“粒”としての物性がどこまで現象を支配し,集合体の特性にどのような影響を与えるのか,どのような集合体独自の特性が新たに生じるのかを把握することが必要である.そのため,本書は粉体工学の基礎を重視し,その内容を単一粒子の物性と粒子集合体の特性に大きく分けて整理するとともに,それぞれの技術,学問の進展状況も含めて紹介した.各章には例題問題を入れるとともに,巻末に演習問題を入れ基礎事項の理解を各自が判断できるように整理工夫した.

 本書が粉体工学の教科書として,また粉体技術のみならず関連諸産業に役立つ入門書のひとつとなることを願っている.
 教科書を使う立場で,本書の校閲をしていただいた山形大学名誉教授の阿部重喜先生に感謝いたします.最後に,著者ら3人の恩師である東北大学名誉教授の八嶋三郎先生に感謝いたします.

2002年5月吉日
著者一同  

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