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SOLIDWORKSでできる設計者CAE
3DCAD+CAEで設計力を養え

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ B5判
ページ数 144頁
ISBNコード 978-4-526-07627-5
コード C3053
発行月 2016年11月
ジャンル 機械

内容

本書は、3DCADによる「設計」でCAEをどのように利用していくかを学ぶ本。CAEによる検証とモデリングとが強固に連携したプロセスを習得することで、本来の意味での3D設計を目指す。筐体の樹脂部品や機械部品、および機構などを題材にして、実際のモデリング、解析の方法・コツを伝授。なぜそのように部品を設計するのが良いのか、実践的なノウハウを学ぶ。なお、ツールには、SolidWorksとSolidWorks Simulation(worksのアドオンソフト)を用いる。一連のケーススタディを通して、同時にSolidWorksの解析の設定方法や評価についての機能も学ぶ。

水野 操  著者プロフィール

(みずの みさお)

1967年東京生まれ。1992年Embry-Riddle Aeronautical University(米国フロリダ州)航空工学修士課程終了。外資系CAEベンダーにて非線形解析業務に携わった後、PLMベンダーや外資系コンサルティングファームにて、複数の大手メーカーに対する3D CAD、PLMの導入、開発プロセス改革のコンサルティングに携わる。さらに、外資系企業の日本法人立ち上げや新規事業企画、営業推進などに携わった後、2004年にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、代表取締役に就任、オリジナルブランド製品の展開や、コンサルティング事業を推進。2016年に、3D CADやCAE、3Dプリンター導入支援などを中心にした製造業向けのサービス事業を主目的としてmfabrica合同会社を設立して積極的に事業を展開中。

主な著書に、『絵ときでわかる3次元CADの本 選び方・使い方・メリットの出し方』『この部品はこうやって解析する!SolidWorksでできる設計者CAE』『思いどおりの樹脂部品設計』(以上、日刊工業新聞社刊)、『3Dプリンター革命』(ジャムハウス)、『人工知能は私たちの生活をどう変えるのか』(青春出版社)など。

目次

はじめに

Chapter 1 基礎編
CAEで3次元設計をスキルアップするための基礎知識

1 なぜ、3D CADを導入したら設計力が落ちたといわれるのか?
●3D CADとCAEは不可分なセット
●CAEこそが実はコンピューター支援による設計?
●3D CADでCAEをやるべき理由
●一口にCAEと言っても
2 設計検証に必要な構造解析の知識
●材料力学を振り返ろう
●そもそも有限要素法って何だろう?
●SOLIDWORKSによるCAE(有限要素法による解析)の流れ
 ◆単品パーツの応力解析の場合
    1)解析をするためのメッシュを作成
    2)材料の物性値を入力
    3)解析対象を拘束する
    4)荷重または強制変位  
 ◆アセンブリの応力解析の場合
    5)接触条件
●様々な拘束条件や荷重条件のつけかた
 ◆拘束条件について
 ◆分割した面に荷重をかける

3 解析結果の見方
●最初に変形図を確認しよう
●応力について確認しよう
 ◆そもそも応力とは
 ◆歪みとは
 ◆応力と歪み
●主応力で何がわかるか
●ミーゼス応力で何がわかるか
 ◆応力歪み曲線
    1)延性材
    2)脆性材
●コンター図とその扱い方
●曲げ応力について

4 ところでメッシュとはどんなものだろうか
●メッシュの細かさと応力の関係
●アダプティブの活用
 ◆アダプティブh-法
 ◆アダプティブp-法

5 線形解析と非線形解析
●大変形解析をするかしないか
●材料非線形性について

6 ソリッド以外の要素も活用しよう
●2次元要素を活用しよう
 ◆ 2次元要素とは何か
 ◆ 平面応力要素
 ◆ 平面歪み要素
 ◆ 軸対称要素
●シェル要素の活用
●梁(ビーム)要素とは
 ◆ ソリッド要素での解析
 ◆ 梁要素での解析

7 様々な応力軽減手段
●ケース1:力には剛性で対抗 その1
 ◆ 解決策
●ケース2:力には剛性で対抗 その2
●ケース3:強制変位にはしなやかさで対抗 その1
 ◆ 強制変位で発生する問題への対応
 ◆ 断面係数を大きくしてみたら
 ◆ 断面係数を小さくしてみたら
●ケース4:強制変位にはしなやかさで対抗 その2
●ケース5:応力の流れを断ち切る
●ケース6:力には力で対抗 その1
●ケース7:力には力で対抗 その2
●ケース8:応力集中には形状で対抗
 ◆ 鋭角や小さなRをなくそう その1
 ◆ オリジナル形状での解析
 ◆ 応力集中を避けるためにRを角につける
 ◆ さらにRを大きくしてみる
 ◆ 縁取りをつけてみる
 ◆ 肉厚を増やす
 ◆ 鋭角や小さなRをなくそう その2
 ◆ 当初のモデルの場合
 ◆ 断面の急変を避けよう

Chapter 2 実践編 
実例で学ぶ設計検証

8 架台のバランスを検証する
 ◆ 解析のセットアップ
9 接触解析を活用して誤組対策を行う
 ◆ 「強制変位」に対する対応策と同様の対策を考える
10 梁(ビーム)要素の活用
 ◆ 改善案
11 解析でカシメ浮きを改善する
 ◆ 改善案
12 金型を抜く際の力について
 ◆ 改善案
 ◆ 改善案2
13 ダイスと焼き嵌め効果
 ◆ 単純化して解析
14 位置決めボスが筐体に与える影響の排除
 ◆ 解決例

索引

はじめに

 



筆者が、2012年に「SOLIDWORKSでできる設計者CAE」(日刊工業新聞社)を著してから、早くも4年が過ぎました。この4年の間の、3D CADやCAEを取り巻く環境は大きく変わり、Makersブームや3Dプリンターブームによって、プロの技術者はもとより、ホビーユースでの3D CADや3D CGの活用も珍しくないものになってきました。さらに、CADもローカルのPCにインストールして使用するものが主流であることに変わりはありませんが、クラウドベースで使うものも出てきています。それらクラウドベースの安価な3D CADの中には、基本的なCAEの機能を備えているものすらあります。


 その一方で、CAEが3D CADを使う設計者に広く受け入れられているのか、ということを考えると、まだそこまでは行っていないように思います。3D CADの場合には、その操作方法さえきちんと覚えれば、その道の専門家でなくても形を作ることができますし、実際にそれらを3Dプリンターなどで出力することも容易にできます。ところが、CAEの場合には、材料力学などをはじめとした機械工学の知識を最低限知っておかないと、解析を行ってもそれを解釈して設計にフィードバックすることができないというハードルが存在します。


 しかし近年、CADと連携したCAEのソフトの使い勝手自体は良くなっていますし、パソコンの性能も上がっています。解析の規模が比較的小さければ、設計で使用するパソコンでも充分に実用的な解析ができるようになっていることから、使わないのは宝の持ち腐れではないでしょうか。
 

前著では、静解析にとどまらず、固有値解析や熱応力解析などSOLIDWORKSが備えている様々な解析機能を紹介し、「こんなパーツの、こんな問題を解くには、この機能が使えますよ」というヒントを提示することを目的としていました。おかげさまで、版を重ねることもできたのですが、その一方で、「では解析でこのような問題が見つかった時には、どのように改善すればよいのか」という声にはお応えしきれていませんでした。


 さらに、実のところ動解析や熱伝導熱応力連成解析機能を知ることもよいが、もっと基本的な応力解析にフォーカスして、設計の改善につながる流れを知りたいという声もお聞きしました。設計者CAEとはいっても、すべてが小さな変形で済むわけではありませんし、アセンブリの場合には、複数パーツの接触解析を扱う必要があります。


 そこで今回は、静的な応力解析のみにフォーカスする代わりに、応力の発生する2つの要因である荷重と強制変位に対して、それぞれどのような対応策があるのか、ということを材料力学や有限要素法の基本的な知識とリンクさせて紹介していくことにしました。また、実際の問題では大きな変形や、パーツとパーツの間の接触を考慮する必要があることから、大変形解析や接触解析についても触れています。


 比較的薄いこの本では、到底設計にまつわる様々な問題についてご紹介できたとは言えません。しかし、ほとんどの問題は機械的な荷重と強制変位を原因として発生する応力に対してどのように対処するのか、ということに関係するのではないでしょうか。だとすれば、本書で提供している内容を把握していただければ、技術者の皆さんには応用していただけるのではないだろうか。そんな思いで本書を執筆いたしました。


 3D CADという道具ではどうしても形をつくることにフォーカスしてしまいがちです。もちろん、形を作るのがCADの役割ですから、当然かもしれませんが、製品設計となるとそれだけでは終わることはできません。きちんと機能して壊れないもの、でも軽くて使いやすいものを作らなければなりません。その機能を果たすのがまさに、CADと連携するCAEソフトだと言えます。


 本書は、CAEの本としては異色かもしれません。内容も比較的単純な荷重条件や強制変位に対する対応に論点を絞ったものになっています。しかし、解析結果をどのようにしてCADの形状に反映させれば良いのかという、これまでの書籍にあまりなかった視点からの内容になっており、ユニークなものに仕上がったと思います。これをきっかけに、是非CADとCAEをセットで考えてみてはいかがでしょうか?


 前著同様、3Doors株式会社の高橋和樹さんには、本書の執筆にあたり、設計者目線の本にするための数々の貴重なアドバイスをいただきました。

2016年11月吉日 
筆者

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