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事例でわかるプラスチック金型設計の進め方
2プレート・3プレート・分割構造金型

定価(税込)  2,808円

著者
サイズ A5判
ページ数 260頁
ISBNコード 978-4-526-07615-2
コード C3053
発行月 2016年10月
ジャンル 機械

内容

プラスチック金型の設計を学ぶにはケーススタディが有効である。最も基本的な2プレート構造金型だけでなく、今日のプラスチック成形で需要の多い3プレート構造金型やコネクタ金型のような分割構造金型の設計事例も取り上げて、プラスチック金型の設計の進め方を解説する。

小松道男  著者プロフィール

(こまつ みちお)
小松技術士事務所所長。技術士(機械部門)。
国立福島工業高等専門学校機械工学科卒業。アルプス電気㈱勤務。昭和63年、技術士第一次試験合格。平成3年、技術士第二次試験に27歳で史上最年少合格(当時)。平成5年、小松技術士事務所設立。
(一社)日本合成樹脂技術協会理事・特別会員。(独)国立高等専門学校機構福島工業高等専門学校非常勤講師。特許業務法人創成国際特許事務所顧問。JICA金型プロジェクト国内支援委員、JETRO貿易開発部専門家、日本合成樹脂技術協会金型研究会委員長を歴任。元・フランス共和国ローヌ・アルプ州クラスター親善大使。
LAUNCH:BEYOND WASTE FORUM(米国国務省、NASA、NIKE社等主催)Innovator of Innovators受賞(米国ベンチャー企業共同創設者として)。平成28年、リヨン領事事務所主催天皇誕生日祝賀レセプションでポリ乳酸特許品が招待展示される。日本機械学会畠山賞受賞。
プラスチック射出成形金型の設計製作技術、プラスチック成形品開発、超臨界微細発泡射出成形技術、バイオプラスチック製品開発コンサルティング、技術者教育、海外における技術調査・評価業務(世界19か国)に従事。プラスチック射出成形金型、バイオプラスチックに関する国内外特許280個保有。

●主な著書
「プラスチック射出成形金型設計マニュアル」(日刊工業新聞社)、「プラスチック射出成形金型」(共著)(日経BP社)

目次

はじめに

《プロローグ》
プラスチック射出成形金型設計の考え方

第1章 2プレート構造金型の設計事例
1.1 初期検討
 1.1.1 図面概要を把握する
 1.1.2 斜視図のラフスケッチ
 1.1.3 標題欄のチェック
 1.1.4 注記のチェック
 1.1.5 平面図のチェック
 1.1.6 SECTIONA-A図のチェック
 1.1.7 裏面図のチェック
 1.1.8 SECTIONB-B図のチェック
 1.1.9 必要型締め力の検討
1.2 成形品基本図設計
 1.2.1 成形材料の特性を把握する
 1.2.2 充填可否の検討
 1.2.3 金型寸法の決定
 1.2.4 パーティング面の決定
 1.2.5 抜き勾配の設定:固定側
 1.2.6 抜き勾配の設定:可動側
 1.2.7 突出しピンの配置
 1.2.8 ランナー、ゲート形状の決定
 1.2.9 生産ショット数の記入
1.3 金型構造設計
1.4 部品図設計
 1.4.1 キャビティの設計
 1.4.2 コアの設計
 1.4.3 コアピンの設計
 1.4.4 電極の設計
 1.4.5 固定側取付け板の設計
 1.4.6 固定側型板の設計
 1.4.7 可動側型板の設計
 1.4.8 可動側バッキングプレートの設計
 1.4.9 突出し板(上)の設計
 1.4.10 突出し板(下)の設計
 1.4.11 スペーサブロックの設計
 1.4.12 可動側取付け板の設計
 1.4.13 サポートピラーの設計
 1.4.14 その他のモールドベース付属品
 1.4.15 突出しピンの設定
 1.4.16 スプルーブシュの設定
 1.4.17 ロケートリングの選定
 1.4.18 リターンピン用コイルスプリングの選定
1.5 検 図
1.6 金型コスト見積り

第2章 3プレート構造金型の設計事例
2.1 初期検討
2.2 成形品基本設計
2.3 金型構造設計
2.4 部品図設計

第3章 分割構造金型の設計事例
3.1 分割構造金型の利点
3.2 初期検討
3.3 成形品基本図設計
3.4 金型構造設計
3.5 部品図設計

第4章 技術資料編
4.1 ゲートとメカ構造
 ゲート方案一覧
 アンダーカット処理方案一覧
 カートリッジヒータの選定方法
4.2 鋼材の特性
 炭素鋼の状態図
 主要鋼材の熱処理方案代表事例
 プラスチック射出成形金型用鋼のブランド名一覧
 金型の代表的表面処理方法一覧
4.3 力学計算
 はりのたわみ計算公式集
 部材のたわみ公式集
 断面2次モーメントと断面係数の一覧
 金型用金属材料の主要データ
 金属材料の許容応力データ
 段付き平板における応力集中係数αの目安(参考値)
 段付き丸棒における応力集中係数αの目安(参考値)
 材料の線膨張係数一覧
 金属間の乾燥摩擦係数
 安全率の参考値
 プラスチック成形部の必要冷却時間計算式
 長方形キャビティ側壁の必要肉厚の計算方法
 円筒形キャビティ側壁の必要肉厚の計算方法
 可動側型板のたわみ計算式
 サポートブロックの挿入による最大たわみ量の変化
 長柱の座屈強さの計算式
 コアピン類の曲げ強度の計算方法
 ノックピンなどのせん断強度の計算方法
4.4 ホットランナー構造
4.5 プラスチック材料の特性

はじめに

 本書は、「2プレート金型」、「3プレート金型」、「分割構造金型」についてケーススタディ形式で金型設計の技術的思想の積み重ね方を解説しています。「プラスチック射出成形品の生産システム」を全体最適化するためには「全体最適化は、部分的最適化の和以上のものである」というシステムのシナジー効果(synergy:相乗)を正しく理解して最適な金型を設計する術を効果的に習得できるように工夫しました。
 設計技術は意思決定の連続により進められますが、有限の前提条件と時間の中で判断を下さねばならない大変厳しい業務です。置かれた環境が異なる度に判断も変化し、得られる結論も当然に微妙に変わってきます。本書で紹介した設計事例は、ある前提条件下で得られた意思決定の事例としてお考え下さい。的確な判断を下すためには頭脳で考える“Think”することが重要です。
 第4章には金型設計に必要な技術資料を抽出してあります。鋼材を工作機械で精密加工するためには、設計者が所望の性能を発揮できると確信した検討結果が図面上に表現されていなければなりません。プラスチック射出成形金型では高温・高圧の樹脂が金型部品に短時間に衝撃的に作用して変形や繰り返し荷重を受け、出来上がった成形品は収縮時に不規則に変形したり、金型部品同士の隙間に樹脂が入り込んでバリを形成したり、結果が予測しにくい場面が頻発します。予測範囲がグレーな状態を照らすのは信頼できるデータ群です。経験と勘の金型設計からデータに基づいた金型設計へシフトするために技術資料を活用してほしいと願います。
 本書の図面編集にあたっては、㈱NTTデータエンジニアリングシステムズの鈴木貴亮氏より多大なるご協力をいただきました。ここに感謝の意を表したく思います。また、本書出版にあたっては、日刊工業新聞社の森山郁也氏の労を多としました。本書が国内外のプラスチック射出成形金型設計技術の普及と技術水準の向上にいささかでも寄与できれば著者のこのうえない幸せであります。
2016年10月
技術士・小松 道男

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