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きちんと知りたい!
自動車メンテとチューニングの実用知識

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 184頁
ISBNコード 978-4-526-07613-8
コード C3053
発行月 2016年10月
ジャンル 機械

内容

メカニズムを丁寧に解説する技術書「きちんと知りたい!」シリーズ第4弾。本企画では自動車全体を対象に、メカニズムやエンジンだけでなく、ユーティリティ(使いこなし)、メンテナンス、チューニング(交換が中心)など、メンテンス系について、やり方を順を追って説明する初心者向けの入門書とは一線を画し、「なぜそうなのか?」「どうしてそうなるのか?」という、いわば“しくみ”の部分にも焦点を当てて丁寧に解説する。

飯嶋洋治  著者プロフィール

(いいじま ようじ)
1965 年東京生まれ。学生時代より参加型モータースポーツ誌『スピードマインド』の編集に携わる。同誌編集部員から編集長を経て、2000 年よりフリーランス・ライターとして活動を開始。カーメンテナンス、チューニング、ドライビングテクニックの解説などを中心に自動車雑誌、ウェブサイトで執筆を行っている。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。
◎著書:『 モータースポーツ入門』『ランサーエボリューションⅠ?X』『モータリゼーションと自動車雑誌の研究』『モータースポーツのためのチューニング入門』(以上グランプリ出版)、『スバル サンバー』(三樹書房)、『きちんと知りたい! 自動車エンジンの基礎知識』(日刊工業新聞社)ほか。

目次

はじめに

第1章 エンジン・燃料系と吸排気系
1. 燃料系
1-1 レギュラーガソリンとハイオクガソリンの違い
1-2 ガソリンの量と走行性能の関係
2. 吸排気系
2-1 スロットルバルブのメンテナンス
2-2 エアクリーナーのメンテナンスと交換
2-3 マフラーのメンテナンスと交換
2-4 エキゾーストマニホールドのメンテナンスと交換
2-5 エンジンに良い使い方、悪い使い方
COLUMN1 サーキットを走るとエンジンの調子が良くなる?

第2章 エンジン・潤滑系と冷却系
1. 潤滑系
1-1 エンジンオイルの基礎知識
1-2 目視でできるオイルのチェック方法
1-3 ドレンボルト、オイルフィルター、フィラーキャップの緩み
1-4 オイル漏れとその対策
1-5 エンジンオイルの交換時期
1-6 超低粘度オイルの有効性
2.冷却系
2-1 エンジンを守る冷却装置の働き
2-2 LLCと冷却水の見方
2-3 ラジエター、ラジエターキャップ・ホースのチェック
2-4 オーバーヒートの対処法
2-5 オーバーヒート以外で冷却水が減る場合
COLUMN2 ラジエターキャップの劣化で冷却水が減った

第3章 ハイブリッドエンジンとターボエンジン
1. ハイブリッドエンジン
1-1 ハイブリッド車の構造とメンテナンス
1-2 ハイブリッド車の渋滞での燃費
2. ターボエンジン
2-1 ターボ車の構造とメンテナンス
2-2 ターボ車のアフターアイドルとオイル管理
2-3 ターボ車のチューニング
COLUMN3 炎天下でも有効? アイドリングストップの効用

第4章 駆動系・クラッチとトランスミッション
1. クラッチ
1-1 クラッチ関係のメンテナンス
1-2 クラッチマスターシリンダー、レリーズシリンダーのチェック
1-3 クラッチのチューニング
2. トランスミッション
2-1 トルクコンバーターの構造と特徴
2-2 ATの副変速機の構造
2-3 CVTの構造と特徴
2-4 ATのスポーツ走行とメンテナンス、チューニング
2-5 MTの構造と特徴
2-6 MTのチューニング
3. デフとLSD
3-1 デファレンシャルギヤの役割
3-2 LSDの種類と構造
3-3 LSDのメンテナンス
COLUMN4  クラッチレリーズシリンダーからのフルード漏れで立ち往生

第5章 操縦系・ステアリングとサスペンション
1. ステアリング
1-1 ステアリング機構の種類と構造
1-2 油圧&電動パワーステアリングの構造
1-3 ステアリング系のメンテナンスと良くない使い方
2. サスペンション
2-1 サスペンション機構の種類と構造
2-2 ダブルウイッシュボーン式及びマルチリンク式
2-3 ストラット(マクファーソンストラット)式
2-4 その他の独立懸架式サスペンション
2-5 車軸懸架式(リジッド式)サスペンション
2-6 主なスプリングの種類と役割
2-7 その他のスプリング
2-8 スプリングのチューニング
2-9 ショックアブソーバーの構造
2-10 ショックアブソーバーの交換
2-11 ブッシュの役割とメンテナンス
COLUMN5 ショックアブソーバーが抜けるとどうなる?

第6章 足回り系・ブレーキとタイヤ/ホイール
1. ブレーキ
1-1 ブレーキの構造と種類
1-2 ブレーキのメンテナンスとチューニング
1-3 ブレーキフルードのチェック、フルード交換とエア抜き
1-4 ベーパーロックとフェード現象
2. タイヤ/ホイール
2-1 タイヤの種類と構造
2-2 ホイールの種類と構造
2-3 重いタイヤとホイールが乗り心地に影響する理由
2-4 インチアップした場合の空気圧
2-5 タイヤの性能と寿命
2-6 タイヤの保管方法
COLUMN6 ブレーキブースターを外したレーシングカーに乗る!

第7章 電装系・エンジンの電気系、チェックランプ系、灯火類
1. エンジンの電気系
1-1 バッテリーの構造とチェックの仕方
1-2 バッテリーの交換(サイズの見方)
1-3 バッテリー上がりを起こした場合の対処法
1-4 補機類のベルトのチェック
1-5 ECUのプログラム
1-6 ECU各部センサーの位置と役割
1-7 プラグのメンテナンスと交換
1-8 プラグコードのメンテナンスと交換
2. チェックランプ系
2-1 エンジンチェックランプの意味
2-2 オイルチェックランプの意味
2-3 排気温チェックランプの意味
2-4 ブレーキチェックランプの意味
2-5 チャージランプの意味
3. 灯火類
3-1 ランプの変遷と特徴
3-2 ヘッドランプのチェック、バルブ切れの対策
3-3 灯火類のチューニング
COLUMN7 オルタネーターのVベルトが高速道路で切れた

第8章 空力系・空気抵抗と空力性能
1. 空気抵抗と燃費
1-1 クルマにとっての空力性能の重要性
1-2 現代に求められる燃費のための空力性能
2. 空力パーツによるチューニング
2-1 走行性向上のための空力系のチューニング
COLUMN8 ダウンフォースを得るためのウイングカーの話

おわりに
索  引
参考文献

はじめに

 一般的に購入できる工業製品でもっとも複雑とも言われるのが自動車です。鉄、アルミニウムといった鉱物や金属、プラスチック、ゴム、化学繊維などを利用して、エンジンや補器類、ボディ、ガラス、駆動系、サスペンション、内装といったものを作り上げているわけです。それを動かすためには、内燃機関の場合、原油から燃料を精製することが必要ですし、性能を保持するためにも各部のオイルや冷却水などが必要となってきますから複雑さはさらに増します。
 そのすべてについて一冊の本にまとめるというのは無理と承知しながら、本書では自動車の基本的な構造を踏まえ、メンテナンスや正しいチューニングの知識についてできるだけわかりやすく、実用面でも役に立つように心掛けて書くことに努めました。

◎自動車はオーナーの愛情と正しい知識で良い状態を保てる
 普段はあたりまえのように自動車に乗り込み、エンジンを始動し、特にATであればアクセルを踏むだけで加速しますし、必要に応じてブレーキを踏めば減速し、ハンドルを左右に切れば切ったとおり曲がっていく……というのは考えてみればすごいことです。しかも昼夜はもちろん季節、天候を問わず使用できてあたりまえという要求を満たさなければなりません。これらは自動車メーカーや周辺のサプライヤーの高度な生産技術があってはじめて実現できることです。
 しかし、自動車は、メーカー任せでただ「乗るだけ」ではなくて、オーナー自らが「愛情をかけてメンテナンスする」ことで、良い状態を保てる製品でもあります。
 たとえばボンネットを開けて、オイルレベルゲージでオイルの状態をチェックすれば、少なくとも交換時期を知る目安になります。自分でやるか、プロに任せるかの違いはあるにせよ、適切な時期にオイル交換をすれば、エンジンを良い状態に保つことができるわけです。ついでに、リザーブタンクの冷却水の量やブレーキフルードの量などを見れば、思わぬトラブルの予兆を早期に発見することもあるかもしれません。人間の体と同じですが、早期発見は致命的なトラブルを防げる可能性が高くなります。
 さらに一歩進んで、より自動車の性能を上げるチューニングという手法もあります。あくまでもしっかりメンテナンスしてあるという前提が必要ですが、エンジンの吸排気系(エアクリーナー・マフラー等)を適切にチューニングすることによって、動力性能を上げられる可能性もあります。

◎自動車の構造を踏まえた正しいチューニングで性能がアップする
 サスペンション系、ブレーキ系などは安全性にも直接結びつくところですが、やはり適切なチューニングによって、安全性を高めることができます。サーキット走行などをするスポーツ派は、それに適したチューニングを施すことによって、楽しく速く走ることも可能になります。
 本書では、メンテナンス、チューニングについて解説をしていますが、具体的な作業手順などはあえて記載していません。そういう参考にするべき本や動画はすでに存在していることもありますが、本書はそれよりも、「どうしてそうするのか?」「そうすることによってどうなるのか?」という部分に力を入れて書くようにしました。
 特にチューニングとなると個人がやる場合には危険がともなうこともありますし、重要保安部品として、プロに任せたほうがいい部分もあります。ただ、自分でやるにせよ、プロに任せるにせよ、構造、メリット、デメリットを知るということは「実用」として役に立つのはもちろん、知れば知るほど楽しいという部分でもあります。
 私自身、自動車好きでいろいろ自分の自動車を整備したり、ちょっとしたチューニングをすることは好きですが、専門的な勉強をしたわけではありません。多くは体験的に、あるいは取材を通して見聞きして知ったものです。そういう面では自動車工学的に誤った記述もあるかもしれません。その際には、読者諸賢のご寛容を乞うとともに、ご指摘いただければ幸いです。
2016年10 月吉日 
飯嶋 洋治

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