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物流・トラック運送の実務に役立つ
運行管理者(貨物)必携ポケットブック

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ 新書判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07592-6
コード C3034
発行月 2016年08月
ジャンル 生産管理

内容

安全への配慮を欠いたトラック運送(事故)、少子高齢化によるトラック運転者不足などが社会問題となり、貨物輸送に関する運行管理の充実、徹底が求められている。「運行管理者」の資格試験に受かるための知識と実際の実務知識は別物。本書は、貨物輸送における運行管理の実務に役立つ内容をコンパクトにまとめた。巻末には実務に使える関連資料を掲載。

鈴木邦成  著者プロフィール

(すずき くにのり)
物流エコノミスト、日本大学教授(物流・在庫管理などを担当)。一般社団法人日本ロジスティクスシステム学会理事。日本卸売学会理事。求荷求車ネットワーク「ノアのハコトラ」を運営する株式会社ジェイエルエヌの学術顧問も務める。
主な著書に『トコトンやさしい物流の本』『流通・物流業の計数管理/KPI管理ハンドブック』『物流センターのしくみと実務』『新・物流マンポケットブック』『図解 物流効率化のしくみと実務』『図解 すぐ役に立つ物流の実務』『図解 国際物流のしくみと貿易の実務』『図解 物流の最新常識』『トコトンやさしいSCMの本第2版』『絵解きすぐできる物流コスト削減』『絵解きすぐわかる産業廃棄物処理と静脈物流』(いずれも日刊工業新聞社)、『物流100問100答』(明日香出版社)、『戦略ウエアハウスのキーワード』(ファラオ企画)、『すぐわかる物流不動産』『グリーンサプライチェーンの設計と構築』(白桃書房)などがある。中国語(台湾)、韓国語訳での出版、英語共著の海外出版(シュプリンガー社)などもある。物流・ロジスティクス・サプライチェーンマネジメント関連の学術論文、雑誌寄稿なども多数。

目次

はじめに

第1章 物流における運行管理業務
■ますます重要性が高まるトラック輸送・トラック運送業
■すべての事業用自動車営業所で運行管理者を選任
■点呼、整備の徹底と乗務の記録・保存
■運行管理を徹底し、運輸安全マネジメントを推進
■多様化する顧客ニーズに応え、輸配送サービスを最適化
■運行管理の徹底でトラックドライバー不足に適応
■円滑なトラック運送に必要な運送約款
■運行管理業務に必要な法令体系を理解
■貨物自動車運送事業法の目的と意義を理解

第2章 運行管理業務の流れ① 点呼と積載量の確認
■常に安全な運行を念頭にトラック運送事業を開始!
■乗務前点呼では日常点検の確認または実施、運転者の健康状態を確認!
■運転者の健康管理に十分気をつけて、事故などを未然に回避!
■乗務後点呼では当該乗務に係わる道路状況、運行状況などの報告を求める!
■乗務前乗務後の点呼がいずれも対面でできない場合は中間点呼を実施!
■IT点呼の活用で運行の安全を確保
■受委託点呼(共同点呼)の導入で点呼の負担を大きく軽減!
■必要な情報を他営業所の運行管理者に伝達
■荷主サイドからの過積載の要求も禁止
■貨物は車両の長さの1.1倍以下などの積載方法の制限を遵守
■車両管理で重要な日常点検と定期点検

第3章 運行管理業務の流れ② 運行・乗務等の記録の管理・保存
■運転者ごとに運転者台帳を作成
■運転者ごとに「乗務等の記録」を1年間保存
■自動車事故報告書を作成し、国土交通大臣に提出
■「異常気象時等処理要領」を作成し、天災、土砂崩壊、路肩軟弱などに対応
■業務上の負傷・疾病にかかった場合使用者は療養の費用を負担
■安全統括管理者を選任
■特別積合せ貨物運送では、運行系統ごとに乗務基準を定める

第4章 安全・安心の運転者管理
■運転時間は2日平均で9時間/日以内
■連続運転時間は4時間を超えてはならない
■休憩・仮眠施設は1人当たり2.5㎡以上
■運行中のフェリー乗船は休息期間に組み込む
■交通法規に従って貨物を積載
■初任運転者にはトラックの安全な運転に関する基本的事項を指導
■事故惹起運転者は安全確保に関する法令を再確認
■高齢運転者には加齢に伴う身体機能の変化に応じた運転を指導

第5章 トラックの運行業務に必要な実務知識
■全国の交通事故死者数は4000人台(年間)、高齢者の死者数は全体の50%超
■運行記録計の中央の目盛は走行の時間、最下部の目盛は走行距離
■事故を起こさないためにトラックの「視界」を理解
■円滑で安全なトラック運行を遂行
■地球環境保全の視点からのアイドリングストップを徹底
■トラック運転のヒヤリハットを整理して記録

第6章 運行管理の実務に役立つ貨物輸送の改善ポイント 1
■積載率を上げて輸配送コストを削減
■配送効率アップで最適化を実現
■適正なトラック運賃で効率化を推進
■TMSの導入で運行経路を適正化
■過度な多頻度納入の解消を推進
■直送方式の導入で効率的な運行システムを構築
■定期便を中心に出荷体制を整備
■綿密に配送計画を練り上げて誤配送を徹底的に防止
■付加価値の高い運行・輸送システムを構築
第7章 運行管理業務心得十箇条
其の一
プロ意識を持って運行管理業務にあたるべし
其の二
乗務を開始する運転者の健康状態、疲労の度合などをしっかり確認すべし
其の三
運行指示書の作成・乗務等の記録の保存をきちんと行うべし
其の四
運転者の酒気帯びの有無を徹底的にチェックすべし
其の五
点呼の確認事項を忘れるべからず
其の六
過積載車両を絶対に運行させるべからず
其の七
運行中の荷崩れを防ぐ適切な固縛を指導すべし
其の八
きちんと休憩・休日・休暇をとることも大切な「仕事」と認識すべし
其の九
トラック運転の特性をしっかり把握して運行安全の確保を行うべし
其の十
運輸安全マネジメントを全社的に理解すべし
 
付 録
付録1 運行管理業務における物流KPIの設定
付録2 運行業務に関連する資料
付録3 包装貨物の荷扱い指示マーク

主要参考文献/ウェブサイト
索引

コラム
トラックドライバーの身だしなみ
交通事故への対応
活気のある職場環境
自己管理を徹底
顧客重視の考え方
物流・運行管理について学ぶ姿勢

はじめに

 企業経営における物流の役割は、日増しにその重要性を高めています。なかでもトラック運送は物流の肝ともいえる存在です。しっかりとトラック運送が行われなければ物流もサプライチェーンも滞ってしまいます。
 しかし、近年は少子高齢化や若者の「クルマ離れ」などもあり、トラック運転者不足が大きな社会問題ともなっています。また安全についての配慮を欠いた運行管理が原因で大事故が発生し、マスコミで大きく報道されるケースも少なくありません。
 こうした背景からしっかりしたトラック運送についての運行管理の徹底が求められるようになりました。さらに一般貨物自動車運送事業者の営業所には運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから「運行管理者」を選任することが法律で義務づけられました。
 しかし、運行管理者の資格試験に受かるための知識と実際の実務知識は別物ともいえます。せっかくの資格を活用するためには、資格試験対策の本よりも実務に近い視点からまとめられた解説書があればベストといえるでしょう。
 そこで本書は、資格取得後の実務に役立つことを視野に入れ、貨物輸送における運行管理業務にスポットを当てました。運行管理の日常業務に際して疑問が生じたときの再確認やフィードバックなどに役立つよう、傍らに置いて使えるポケットブック形式にまとめました。もちろん、運行管理者の資格は持ってはいないが関連業務に携わっている物流担当者、これから資格取得を目指す学生や社会人の方も、本書を読むことで貨物輸送の運行管理業務の概要を把握できます。
 本書の構成は、まず第1章で「物流における運行管理業務」の概要を説明したあと、第2章で「管理業務の流れ①点呼と積載量の確認」、第3章で「運行管理業務の流れ②運行・乗務記録の管理・保存」、第4章で「安心・安全なトラック運転者管理と運輸安全マネジメント」、第5章で「トラックの運行業務に必要な実務知識」、第6章で「運行管理の実務に役立つ貨物輸送の改善ポイント」といった運行管理の実務知識を日常の業務で使いやすいかたちに整理し、解説しました。
 本書を読むことで読者の皆さんが物流において重要性が高まっている運行管理の実務において大きく飛躍されることを祈ってやみません。
2016年8月
鈴木邦成

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