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実践版 グローバルビジネスプロセスアウトソーシング
世界で勝つためのグローバル経営支援機能の構築

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 208頁
ISBNコード 978-4-526-07588-9
コード C3034
発行月 2016年07月
ジャンル 経営

内容

今、自社で事業のすべてを手掛けようとする総自前主義では経営スピードが要求されるグローバル競争市場に対応できない。限りある経営資源をコア事業に有効活用し、それ以外は外部に任せる割り切りが必要だ。そこで本書では、最新のBPOサービス技術や導入手法を紹介、成功する方法を解説する。

木滑和重  著者プロフィール

(きなめり かずしげ)


株式会社参謀 代表取締役社長。

ミシガン州立大学経営大学院(MBA)修了。中央大学法学部卒業。外資系コンサルティングファーム、大手電機メーカー(インド駐在)を経て現在に至る。
グローバル経営を進める日本企業や外資系企業のさまざまな課題を取り扱う。特に、グローバル企業戦略、組織改革、オペレーション改革や、PMI(ポストM&A企業統合)として、ターゲット・オペレーティング・モデルの策定からビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)やシェアードサービス導入、運用管理といったプロジェクトを得意としている。

米国公認会計士(イリノイ州)、公認アウトソーシングプロフェッショナル(COP)

目次

まえがき


第1章 グローバルBPOの変遷
1―1 BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは

1―2 グローバルBPOの変遷


第2章 グローバルBPOの導入効果
2―1 戦略・経営レベルでのグローバルBPO導入効果

2―2 業務オペレーションレベルでのグローバルBPO導入効果

2―3 財務レベルでのグローバルBPO導入効果


第3章 グローバルBPO市場規模と日本企業の取り組み状況
3―1 データから見るわが国のBPO市場規模

3―2 グローバル企業サーベイ結果の分析

3―3 日本企業のBPO取り組み状況


第4章 日本企業のグローバル化推進上の課題
4―1 グローバルマネジメントの問題点

4―2 グローバルマネジメントの最適化実現


第5章 グローバルBPOの最新動向

5―1 ITとアナリティクスの活用によるビジネス効果の創出

5―2 ロボット技術の活用

5―3 BPaaSやプライベートクラウドプラットフォームの活用


第6章 グローバルBPO導入のステップ

6―1 グローバルBPO導入アプローチ

6―2 構想立案フェーズ

6―3 設計フェーズ

6―4 BPO選定フェーズ

6―5 業務移管フェーズ

6―6 運用フェーズ

6―7 プロジェクト管理


第7章 日本企業におけるBPO導入の処方箋
7―1 トップマネジメントのコミットメント

7―2 人員の再配置

7―3 部門間の連携

7―4 抵抗勢力への対応

7―5 コスト削減効果

7―6 業務がブラックボックス化するリスク

7―7 稼働後の過剰なコントロール


附 録 ‌各国デリバリーセンターの特徴と主要BPOサービスプロバイダー
【国別編】
インド
中国
フィリピン
ベトナム
中南米諸国
東欧諸国
各国人件費比較


【プロバイダー編】
IBM
アクセンチュア
インフォシス
ウィプロ
HCLテクノロジーズ
キャップジェミニ
コグニザント
ジェンパクト
TCS(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)
WNS



あとがき

参考文献

はじめに

 

BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)は1990年代に生まれたオペレーション改革のための手法であり、今日では特段目新しいソリューションとは言えない。トーマス・フリードマンが2006年に「フラット化する世界」でその概要を紹介してからすでに10年の0月日が経過しており、日本でも多くの企業経営者が一度は導入を検討したことがあるかもしれない。ではなぜ“今”改めてBPOなのか。

筆者はこれまで約10年にわたり多くの企業でBPOの導入推進を支援する機会に恵まれたが、日本企業には、特に人材の有効活用や生産性向上に改善の余地がまだまだあり、そのためにBPOを活用すべき分野が大いにあると考えている。自社ですべてを手掛けようとする総自前主義では経営スピードが要求される今日のグローバル競争市場に対応できない。限りある経営資源をコア事業に有効活用し、それ以外は外部に任せる割り切りが必要なのだ。また、わが国の間接部門における生産性は欧米に比べ著しく劣っており、その差は拡大する一方である。

BPOは企業の間接業務を効率的に処理することに特化しており、企業の労働生産性向上の打ち手としてかなり有効である。今後、国内における労働力不足が確実視される中、改めてBPOが日本企業に与える効果を考えてみて頂きたい。



BPO業界でも大きな変化が始まっている。従来、BPOはトランザクション業務を低コスト国のデリバリー拠点に移管し、大量に処理することで生産性を高め、コスト削減を実現する、という比較的シンプルな手法として認知されてきた。BPOによる業務効率化のための手法も、リーン、シックスシグマ、継続的なカイゼン活動といった手法が一般的であった。ところが近年のデジタル化の波は、BPO業界にも大きなインパクトを与えている。ビッグデータの分析サービスやロボット技術を活用した業務プロセスの自動化、クラウド技術の活用など、次世代型のBPOが先進企業を中心に導入され始めている(本書ではこれをBPO3.0として定義している)。これは、端的に言えばコスト削減手法としてBPOを認識する時代は終わったということである。むしろ企業の競争優位を実現するための重要な戦略としてBPOを位置付け、BPOサービスプロバイダーとともに両社の強みを活かしながらイノベーションを共創していく、という方向に向けてソリューションが進化し始めているのである。



一方で、BPO導入にはいくつもの困難が伴うことはこれまで多くの企業が経験してきたことから明らかである。特に、欧米の先進企業を中心に進められてきたグローバルレベルでのBPO活用は、企業のオペレーティングモデルの変革を伴うため、組織体制、人材、業務プロセス、情報システムに至るあらゆる領域での検討が必要になる。また、人的資源の活用見直しは、現場の抵抗や反感を強く受けるため、チェンジマネジメントの重要性も指摘されている。

そこで本書では、最新のBPO導入手法やサービス技術を紹介するとともに、日本企業各社が成功裏にBPO導入を進め、戦略的なパートナーシップを構築し、企業戦略を実現していく上で留意すべき点を中心に解説している。


本書の目的

①‌グローバル化を推進する日本企業の課題を明らかにした上で、BPOがどのような処方箋を提供できるかを理解する。

②‌海外先進企業におけるBPOの活用術を理解し、自社におけるBPO導入の参考とする。

③‌実際のBPO導入プロジェクトにおける留意点を理解する。


本書は、グローバル市場において競争力を高め、グローバル化を推進しようとする日本企業を対象としている。これまでBPOサービスプロバイダーへの業務移管経験がない企業だけでなく、すでに自社でシェアードサービスセンターを設立したものの、その出口戦略としてBPOを検討されている企業にも何かしらの気づきを提供できれば幸いである。
最後に出版社の日刊工業新聞社 藤井浩氏には貴重な示唆やヒントをいただき感謝しております。


2016年7月

木滑 和重

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