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新 まるごと5S展開大事典

定価(税込)  2,160円

編者
サイズ B5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07578-0
コード C3034
発行月 2016年06月
ジャンル 生産管理

内容

5Sに取り組む意義の確認からリーダーの役割、実践手法、道具立て、活動評価と維持・定着に向けたアプローチまで、見開き単位でわかりやすく図解。5S活動~目で見る管理・経営につなげる手法を示す。月刊「工場管理」2015年10月臨時増刊号をベースに再編。

中部産業連盟  著者プロフィール

執筆者一覧

一般社団法人中部産業連盟

五十嵐 瞭   前専務理事 主幹コンサルタント

小坂 信之   理事 東京事業部長 主幹コンサルタント

山崎 康夫   執行理事 東京副事業部長 経営革新コンサルティング部長 主席コンサルタント

丸田 大祐   同部 所長 主任コンサルタント

佐藤 直樹   同部 所長 主任コンサルタント

鈴木 秀光   同部 主任コンサルタント

鈴木 理能   同部 主任コンサルタント

伊東 辰浩   同部 主任コンサルタント

刑部 幸夫   同部 コンサルタント

小島 康幸   同部 コンサルタント

藤田 伸之   同部 コンサルタント

今泉 宏之   同部 コンサルタント

吉田 修二   同部 部長 プロジェクトマネジャー

寒河江克昌   東京事業部 管理部長 プロジェクトマネジャー

山口 郁睦   コンサルティング事業部 第1部 上席主任コンサルタント

黒田 啓介   コンサルティング事業部 第1部 主任コンサルタント

目次

はじめに

第1章 5Sの重要性
1 5Sの心
2 5Sの大きなねらい
3 5Sの直接的目的
4 5Sの定義
5 5Sと安全

第2章 5Sの進め方
6 5Sの進め方の要諦
7 5Sの手順
8 5S推進プログラム
9 全員参加の5S
10 5Sの対象物
11 生産現場、事務現場別の5S推進の重点
12 プロセス(装置)産業の生産現場の5S
13 加工組立産業の生産現場の5S
14 個別受注産業の生産現場の5S
15 営業部門の5S
16 技術部門の5S
17 モデル職場の5S活動

第3章 5Sの組織化
18 5Sの組織化
19 5S推進ブロック化
20 5S活動管理板
21 5S委員会と職場の自主的活動
22 5S活動規約と推進マニュアル化

第4章 5Sの道具
23 5S推進&実施道具
24 標語・ポスターの作り方
25 5Sニュースの作り方
26 5Sプラン(P)とドウ(D)の道具
27 5Sチェック(C)とアクション(A)の道具

第5章 整理の進め方
28 整理の進め方
29 整理の要諦
30 整理基準・帳票の作り方
31 不要品一掃作戦
32 不要品判定と処分

第6章 整頓の進め方
33 整頓の進め方
34 整頓の要諦
35 整頓基準・帳票の作り方
36 ライン、工程、設備表示
37 ロケーションの決め方
38 通路・置き場区分の整頓
39 機械加工職場の整頓
40 組立職場の整頓
41 検査職場の整頓
42 倉庫職場の整頓
43 材料・部品・完成品の整頓
44 仕掛品の整頓
45 不良品の整頓
46 運搬具の整頓
47 型・治工具・刃具・検具の整頓
48 事務所の整頓

第7章 清掃の進め方
49 清掃の進め方
50 清掃の要諦
51 清掃ルール・帳票の作り方
52 一斉清掃および日常清掃の進め方
53 設備清掃と汚染源対策

第8章 清潔の進め方
54 清潔の進め方
55 ピカピカ作戦
56 清潔な環境の進め方

第9章 躾の進め方
57 躾の進め方
58 管理・監督者による躾
59 オアシス運動とあいさつの極意
60 職場のマナー

第10章 5Sの維持・定着
61 5Sの維持・定着の要諦
62 5S点検・パトロールの進め方
63 5Sコンクールの進め方
64 5Sレベルアップの進め方

第11章 目的別5S活動のポイント
65 安全最優先の5S
66 在庫削減を実現する5S
67 リードタイム短縮を実現する5S
68 設備保全のための5Sの進め方
69 業務改善を実現する5Sの進め方
70 海外拠点の5S展開ポイント

第12章 5Sの先の活動
71 イノベーションを自然に沸き起こす5S・VM(Visual Management)
72 ファイリングシステム確立の進め方
73 見える経営(VM)の進め方
74 VM-FMS(見えるフレキシブル生産システム)構築のポイント
75 OVMS(見えるオフィスマネジメントシステム)構築のポイント

索引
写真提供企業一覧・参考文献・執筆者一覧

はじめに

~5S活動を実際に展開する時に役に立ち、
崩れない5Sに導く一冊になることを願って


 最近、コンプライアンスや企業体質強化のためにも5Sの必要性を強く感じ、5S活動を推進する企業が極めて多くなってきている。中でも製造業および関連する物流、廃棄物の輸送、処理業において顕著である。

 5S活動は単に企業の職場環境を良くする「美化運動」に留まらず、徹底的にムダを排除して、5Sの神髄である整頓でものの見える化を実現し、企業の経営体質のバロメータである管理・改善活動を着実に推進することができる組織体制の確立を目指した活動である。すなわち5Sは、企業のすべての管理改善活動の基本となるものであり、その最大のねらいは、5S活動を通した自主性の向上、良好なチームワークづくり、リーダーのリーダーシップの養成にある。

 日本の製造業は、残念ながら、失われた20年と言われるように、全体的に衰退傾向にある。理由は人口減、為替変動、競争の激化、海外生産などにより、生産現場が減少し、雇用形態の多様化も相まって、総じて現場力が弱くなってきているからである。特に、リーマンショック時の舵取りが明暗を分けている。企業別に見ると、5Sを重要視して改善によるコストダウンに注力してきた企業と、5Sを軽視して極限までのコストカットを実施した企業では、現場力に大きな差が開いてきている。

 このような状況の中で、これから先も勝ち残る企業になるためには、顧客から信頼され、差別化された製品・サービスを提供するとともに、同業他社にはない、特色を持ち合わせた経営をしていく必要がある。

 そのためには、5Sで社員の意識を変え、行動を変え、目的・目標に向かって全員で力を合わせて達成していく必要があるが、5Sの重要性を十分理解していない経営者、管理者が見受けられる。

 たとえば、ある工場診断の時に「5Sは昔からやってきたので、納期、在庫、コストダウンおよび品質向上を中心に診て欲しい」と経営者が言うにもかかわらず、掃除は及第点としても、整頓がほとんど手つかずになっていることが多々ある。そこで「表示がまったくないために、ものの流れ、進度、不良が目で見てわかりませんし、管理の対象および管理ポイントもわかりませんね」と指摘すると、「うちの従業員はみんなわかっていますから表示は必要ありません」という答えが返ってくる。この経営者には、ライン・工程表示などの必要性が理解できていなかったのだ。けれども、工場長がライン・工程表示を進めてくれた結果、ある工程での長期滞留品が5Sで浮き彫りになった。そして、停滞原因に対する対策を実施した結果、仕掛品在庫の削減と製造リードタイムの短縮が実現できた。その後は経営者の関心が高まり、管理・間接部門の事務現場の5Sも抵抗なく展開された。生産現場、事務現場ともに5Sでものの見える化を実現しながら、工場全体のまるごとの改善が進んだことで、納期、コスト、品質の目標を達成することができた。

 1948年に創立され、今年で68年目を迎えた中部産業連盟(中産連)は、設立以来、常に新たなマネジメント手法を研究・開発し、産業界、企業に展開し、成果を上げてきた。その活動の一環として1994年に出版された『まるごと5S展開大事典』は、多くの読者を獲得し、セミナー、研修、コンサルテーションの基本図書としても広く使われることとなった。

 けれども、発行から約20年の時が過ぎたことで、日本を取り巻く経営環境が大きく変化し、同書の内容を更新する必要が生じたことから、月刊『工場管理』の2015年10月臨時増刊号として『新まるごと5S展開大事典』を発刊したところ、幸いにも多くの読者に読んでいただくことができた。そこで、さらに多くの読者に手に取っていただくために、単行本として装いを新たに出版されたのが本書である。

 本事典を発刊するにあたり、最も重視したことは、次のとおりである。

 (1) 5Sの重要性、5Sの進め方として、準備段階で実施すべき事項と内容、5S推進段階での具体的方法などについて、必要と考えられるすべての項目を盛り込むこと。これにより、読者が知りたいことを、短時間で具体的に理解することができるようにした。
 
(2)生産タイプ別、部門別、職場別、対象別などの5Sの進め方、留意点について、具体的に理解できるようにした。

 (3) 企業や工場でただちに5S活動を展開できるように、実践的で効果の上がるノウハウを豊富に盛り込んだ。
 
(4) 5Sの先の活動として、業務の見える化を実現するファイリングシステム、管理・改善の見える化を実現するVM(Visual Management)についても、進め方とそのポイントを中心に掲載。これにより、5Sを維持、継続し、その先の到達点を明確にするようにした。

 これらの実現のため、中産連所属の経験豊富なコンサルタントとスタッフが分担執筆し、写真、イラストや図表などを豊富に使い、文章もわかりやすい表現を極力使用するように心がけている。

 本事典の構成としては、12章(1章「5Sの重要性」、2章「5Sの進め方」、3章「5Sの組織化」、4章「5Sの道具」、5章「整理の進め方」、6章「整頓の進め方」、7章「清掃の進め方」、8章「清潔の進め方」、9章「躾の進め方」、10章「5Sの維持・定着」、11章「目的別5S活動のポイント」、12章「5Sの先の活動」)に区分し、さらに75のテーマ項目を設定して、各項目を見開き2ページごとにまとめた。

 上記各章のうち、経営者と上層管理者には1章、2章および12章、5S推進事務局の方には3章、4章、10章、11章、5Sを先頭に立って推進する各職場の管理・監督者とリーダークラスの方には5章、6章、7章、8章、9章について、特に重点的に読んで理解を深めていただきたい。また、巻末に五十音順の索引がついているので、これも活用していただきたい。

 本事典は、5Sに関心あるすべての読者を対象としているが、特に「5S活動を全部門・全員参加で展開していきたいが、どのようなやり方で進めていったらよいのか」「5S活動の具体的な方法について、短時間で簡潔に理解するためには、どうしたらよいか」などの問題で悩んでいる経営者、工場長、管理者、監督者および推進リーダー、スタッフの方々、製造業および付帯するコンサルティング業務に従事している経営管理指導者に向けて編集した。

 最後に、企画・構成、出版についてご尽力いただいた、日刊工業新聞社の雑誌部部長の久保敏也氏、『工場管理』編集長の永井裕子氏、および書籍編集部副部長の矢島俊克氏に対して、心から感謝申し上げる。

2016年6月

小坂 信之

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