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部品形状の急所を見抜いて最適化
プレス工法選択アイデア集

定価(税込)  2,484円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-07575-9
コード C3053
発行月 2016年06月
ジャンル 機械

内容

形状をつくり込むための考えられる手段をすべて洗い出し、どの組合せを選択した場合にどんな注意が必要かなど、ベテランが持ち併せる工法選択・展開のスキルを授ける。製品形状の特徴とプレス工法・工程展開の関係が体得でき、生産技術・金型設計者のレベルアップに最適。

山口文雄  著者プロフィール

(やまぐち ふみお)


1946年、埼玉県生まれ。松原工業㈱、型研精工㈱を経て1982年、山口設計事務所設立。現在に至る。すみだ中小企業センター技術相談員。この間、日本金属プレス工業協会「金型設計標準化委員会」「金型製作標準化委員会」などの委員を兼務する。



著書:「金属設計標準マニュアル」(共著)新技術センター、「プレス加工のトラブル対策」(共著)、「プレス成形技術・用語ハンドブック」(共著)、「小物プレス金型設計」、「基本プレス金型実習テキスト」(共著)、「プレス順送金型の設計」、「プレス金型設計・製造のトラブル対策」(共著)、「図解 プレス金型設計─単工程加工用金型編」、「絵とき プレス加工用語事典」
以上 日刊工業新聞社

目次


はじめに  




第1章 最適な工法を見抜くアプローチ


1.1 曲げ製品から学ぶ
プレス加工の標準的な工程8

1.2 工程短縮や同時組立を実現する
複合加工の活用


1.3 ブランクを材料でつなぎ加工する
順送り加工の基礎
1.4 高生産性と品質安定に寄与する
プレス自動加工の形



第2章 これだけは知っておきたい抜き加工の最適化


2.1 プレス加工の基本とされる
抜きの工程設計


2.2 製品形状と歩留りを左右する
ブランクレイアウトの急所


2.3 抜き内容を加味して構造を選択
ブランク加工用の金型


2.4 クリアランスがカギを握る
抜き形状設計・加工の工夫 


2.5 突っ切り加工に分類される
金属以外の材料の抜き


2.6 平坦度をいかに保つか
積層加工のポイント


2.7 平押しで両面だれを作る
バリなし抜き加工の極意




第3章 これだけは知っておきたい曲げ加工の最適化

3.1 形状要素を細分化して解きほぐす
曲げ加工の基本


3.2 加工が進むと曲げ部の板厚は減少
曲げ形状設計・加工の工夫


3.3 発想を豊かにする
おもしろい曲げ加工の数々
3.4 巻き取りを前提とした
端子部品の不具合対策


3.5 複数回の曲げ+成形で形状を仕上げる
外Rのない曲げ加工

3.6 ブランクとキャリアに制約が多い
曲げ順送り加工の特性を把握する


3.7 材料送り特有の課題に着目
曲げ順送り加工の注意点


3.8 成形負荷を考慮した
板ばねの加工

第4章 曲げの応用で絞り形状を引き出す成形加工の最適化


4.1 曲げ・縮み・伸び要素で立体形状に
成形加工の特徴と利用例


4.2 製品形状から分解して検討する
成形加工の形状と金型構造

4.3 しわや割れに注意
フランジ成形製品のブランク


4.4 しわの発生要因を極力つぶす
U・V曲げ組み合わせ形状の加工方法


4.5 材料の座屈を利用して行う
カール形状の加工


4.6 材料の伸びに着目
バーリング加工応用のヒント


4.7 じっくり眺めて形状の肝を読み解く
成形製品加工の急所




第5章 複雑な3次元形状を実現する絞り加工の最適化


5.1 引張力と圧縮力のバランスを重視する
円筒絞り製品の加工


5.2 しわや割れの原因を見抜く
絞り加工の不具合現象


5.3 機能特性から絞り工法が要求される
小型直流モーターケースの加工


5.4 多数個取りで効率向上にも期待
絞り順送り加工の注意点


5.5 製品の傾きをきちんと制御
絞り順送り金型の構造(下向き絞り加工)


5.6 短辺と長辺の差、絞り高さなどが作用
角絞り形状からの加工難易判断


5.7 コーナーRの小さい
バッテリーケースの絞り




第6章 塑性理論を応用したその他の加工

6.1 材料流動を積極的に活用
板鍛造でプレス加工を高度化


6.2 部品組立に付加価値をつける
プレスによる接合加工

索引

はじめに

 この本は、月刊雑誌「プレス技術」において、「見る、知る、解く プレス製品の加工と工程」のタイトルで連載していたものを改めて見直すとともに、一部加筆をしてまとめたものである。

 プレス成形に関わるいろいろな事柄は、話を聞くよりもまず見ることで多くの情報が瞬時に得られ、理解を早めることができる。そこにポイントを置いて、できるだけ写真や図で理解が得られるように工夫したつもりである。

 また、1つのテーマとする内容を、細かくいくつかの項目に分けて掘り下げ、広がりと関連をまとめて解説することを心がけた。このようにすることで内容の理解を深めるとともに、関連する要素についても知ることができるようにしたものである。内容としては、プレス加工の基本事項から、製品の作り方のチョッとしたノウハウや、工法の発想に関するヒントまでを紹介している。

 プレス加工は、主に板材から形を作る加工と言われている。工法を決めるために何が必要かと考えると、個々の加工技術とともに知恵を働かせた方案の工夫も大切である。知恵を引き出すコツは、1つのことから面へ広げて、連想して可能性を探ることにある。

 筆者は、プレス加工の基本について綴られた書を、よく引っ張り出してきて参考にする。何十年も前に見たものを、当たり前として使ってきたものを、である。そうして眺めていると、違った面が見えてくる。なぜ、今まで気がつかなかったのだろうと感じるのである。例えばブランク抜きのさん幅は、プレス加工でおそらく最初に学ぶものだろう。さん幅が狭くなるとどうなるのかということと、抜き加工でのマッチングのバリ発生が、同じ原因で発生することに気づいたのである。

 また、しごき加工では、材料をこすり上げて板厚を均一にするとともに、面をきれいにする。このときの、こすり上げられた材料はどこへ行くのか、材料はどのような動きをしているのかと考えたとき、しごき加工を抜き加工に応用したらどうなるかというような、新たな興味を沸かせることもある。基本を忘れないようにすることと、発想の種をいろいろな加工の基礎・基本に求めているわけである。

 プレス加工法は「せん断」「圧縮」「引張」応力の中で行われる。その中で「抜き」「曲げ」「絞り」「張出し」の加工に工夫され、活用されている。新たに工夫された加工法は、そう簡単に現れることはない。既存の加工方法を利用して、今までと違った加工法に使うことができれば、それが新しい付加価値を生むことにつながる。

 私たちはプレス加工の制約の中で仕事をしている。抜き加工には、「打抜き(ブランク)(穴)」「切欠き」「分断」「切断」「切込み」の5種類しか使えない。この中で、いろいろな抜き加工を成立させている。無意識の中で、この制約の中で仕事をしていることになる。そのような制約に気がつくと、いろいろと見えてくるものがあるのではないだろうか。この本が、そのための参考資料となれば幸いである。

 発行に当たって、日刊工業新聞社書籍編集部の矢島俊克さんには、いろいろなアドバイスなどをいただき、大変お世話になった。ここに感謝とお礼を申し上げる。

 
2016年6月
 
山口 文雄 

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