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電車線路とビームの話

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ A5判
ページ数 120頁
ISBNコード 978-4-526-07563-6
コード C3050
発行月 2016年04月
ジャンル その他 土木・建築

内容

架線を支持するための電車線路独自の設備である「ビーム」。鉄道の高速化と大量輸送化にともなって変化してきたこの設備には、電車を安全・確実に走らせるための様々な工夫がこらされている。本書は、長年、鉄道業務に携わってきた著者がこのビームをわかりやすく解説したもの。

大塚節二  著者プロフィール

(おおつか せつじ)
・昭和 9(1934)年 2月生 馬県出身
・昭和27(1952)年 3月  群馬県立富岡高等学校卒業
・昭和27(1952)年 3月  日本国有鉄道 橋本自動車工場
・昭和33(1958)年 3月  中央鉄道教習所 電気科卒業
・昭和33(1958)年 4月  日本国有鉄道 東京電気工事局
・昭和41(1966)年 7月  日本国有鉄道 札幌電気工事事務所
・昭和43(1968)年 9月  日本国有鉄道 東京電気工事局
・昭和53(1978)年 2月  日本国有鉄道 東京電気所
・昭和58(1983)年 3月  高崎鉄道管理局 高崎電力区長
・昭和59(1984)年 3月  高崎鉄道管理局 電気部電力課長
・昭和61(1986)年 2月  日本国有鉄道 新宿第一電気工事所長
・昭和62(1987)年 4月  東日本旅客鉄道株式会社 新宿電力工事区長
・平成 6(1994)年 3月  日本電設工業株式会社 鉄道本部設計部長
・平成 9(1997)年 6月  東京電気保全株式会社 取締役設計部長
・平成11(1999)年 7月  東日本電気エンジニアリング株式会社 取締役設計部長
・平成13(2001)年10月  株式会社シントーコー 設計部長
・平成18(2006)年 2月  大塚技術士事務所 代表
・平成22(2010)年11月  株式会社シントーコー 顧問


【資 格】
・平成 2(1990)年12月  第一種電気工事士
・平成 4(1992)年 2月  技術士(電気電子部門)
・平成 5(1993)年 3月  1 級電気工事施工管理技士

目次

はじめに

第1章 電車線路支持物の歴史
1-1 電車線構造の歴史
1-2 電車線構造とその支持方法
1-3 ビーム構造の変遷
1-4 ビームと電柱の組合せ
1-5 荷重の増加と構造の工夫
1-6 添架される設備の増加

第2章 電車線路支持物の基本
2-1 単独装柱設備
2-2 門形装柱設備
2-3 スパン線ビームもあった
2-4 高速運転と可動ブラケット
2-5 V形トラスビームのこと
2-6 鋼管ビームのこと

第3章 電車線路支持物の特徴など
3-1 鉄柱・コン柱から鋼管柱へ
3-2 鋼材強度の変遷
3-3 鋼構造の加工と組立て
3-4 鋼管単材ビームの限界
3-5 鋼管平面ビームの改良
3-6 鋼管ビームと今後の課題

第4章 鋼管ビームの計算例
4-1 単材ビーム2線跨用
4-2 単材ビーム4線跨用
4-3 平面ビーム4線跨用
4-4 平面ビーム6線跨用
4-5 篭形ビーム8線跨用

参考資料
1. 風圧荷重表
2. 電線特性表
3. 鋼材特性表
4. 許容座屈応力度表
5. 組合せ断面特性表
6. コンクリート柱特性表
7. 計算公式表

コラム
コラム① 今では記念構造物
コラム② ビームの世代交代
コラム③ 高速道路と電車線路のビーム
コラム④ 加圧ビームというビーム
コラム⑤ 郡山駅などの特殊ビーム
コラム⑥ 鋼ボルトと高力ボルト
コラム⑦ 強度があるのに撓む
コラム⑧ 長いビームの分割施工
コラム⑨ 大きな片持ち梁
コラム⑩ 建築限界支障設備の改修
コラム⑪ 信号機専用ビーム
コラム⑫ き電ケーブル専用ビーム
コラム⑬ 鋼材の曲げ加工

引用・参考文献
おわりに
索 引
執筆協力
著者略歴

はじめに

 わが国の電気鉄道の歴史は、明治の終わり頃から始まり、その技術は海外から学んだものでした。従って、使用された電車線の構造やそれを支持する構造物も外国の形式を採用したものであり、今では写真などでしか知る事ができません。
 その後、大正時代に設備されたもので電車線については殆ど見られませんが、支持物については極めて少ないものの、東海道本線の保土ヶ谷付近や神戸付近などで見る事ができます。しかし、それらの設備もいずれ新しいものに取り替えられる運命にあり、何らかの形で記録に残す必要があると思われます。
 電車線は、取替設備のため時代と線区のニーズに適したものとして常にリフレッシュされる設備ですが、支持物については寿命の長い設備であり将来を考えて設計する必要があります。
 従って、設計に当たっては常に添架される電車線設備などの条件予測と、時代に即した素材を選んで構造を検討し、更には数十年の寿命を想定して設備を決める必要がある分野の一つではないかと思います。
 ビームの元祖は、柔らかい電線で作ったもので、その名残は路面電車などの設備として今でも見る事ができます。
 しかし、電車線の構造がトロリ線1本の時代はこれで間に合いましたが、鉄道の高速化と大量輸送が求められるようになり、電車線の設備が複雑で大型化したため、硬いビームと電柱の時代になって来ました。  
 この硬いビームは、素材としての鉄鋼の生産と加工技術の発達によって、様々な構造が開発されてきましたが、現在の設備の原点を知り、より良い設備へと改良し、次世代へ引き継ぐ必要があると考えます。
 本書の内容は、これまでに私が経験し、仕事から学んだもののうち電車線路独自の設備である「ビーム」を中心に、お読み頂く方々のこれからの仕事の上で何かの参考になればと願って纏めたものです。
 私の好きな言葉に「温故知新」という教えがありますが、過去を知る事で新しい設備のあり方を考え、更に創造する事が大事だと思います。
 後半の計算例は、これまでに直接または間接に関わった設備例の一部を紹介しましたので、計算の手順・精度と言うより、ビームと電柱の組合せ方法、応力の検定方法などの参考にして頂きたいと思います。
 なお、読みやすさを考慮して一部に常用漢字に無いものを使っています。また、耐震設計については今後の新しい指針及び計算例などを待つこととし、本書では割愛させて頂きました。

平成28年4月
株式会社シントーコー顧問 大塚節二

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