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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいエネルギーの本
第2版

定価(税込)  1,620円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07562-9
コード C3034
発行月 2016年04月
ジャンル ビジネス 環境

内容

エネルギー全般について、網羅的に紹介した技術読み物の第2版。それぞれの専門的な技術もやさしく解説。一般常識としてわかりやすく理解できる。第2版では、ここ10年間の動向、特に、核エネルギー(福島事故とその影響),化石エネルギー(米国でのオイルシェール革命)、自然エネルギー(太陽光発電の課題)、環境(IPCC第5次報告書,国際的な温暖化対策)などの記述を追加するとともに、刷新された技術動向を加え、また,近年問題となっている自然災害とエネルギーに関する章も追加している。

山﨑耕造  著者プロフィール

(やまざき・こうぞう)
1949年 富山県生まれ。
1972年 東京大学工学部卒業。
1977年 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了・工学博士。
名古屋大学プラズマ研究所助手・助教授、核融合科学研究所助教授・教授を経て、2005年4月より名古屋大学大学院工学研究科エネルギー理工学専攻教授。その間、1979年より約2年間、米国プリンストン大学プラズマ物理研究所客員研究員、1992年より3年間、(旧)文部省国際学術局学術調査官。
2013年3月 名古屋大学定年退職。

現在 名古屋大学名誉教授、
自然科学研究機構核融合科学研究所名誉教授、
総合研究大学院大学名誉教授。

●主な著書
「トコトンやさしいプラズマの本」、「トコトンやさしい太陽の本」、「トコトンやさしい太陽エネルギー発電の本」(以上、日刊工業新聞社)、「エネルギーと環境の科学」、「楽しみながら学ぶ物理入門」(以上、共立出版)など。

目次

第1章 見なおそう!エネルギーの基礎
1 エネルギーとは何だろう?「アリストテレスの「エネルゲイア」」
2 エネルギーは変化する「宇宙の四つの力が源」
3 宇宙のエネルギーは大規模「ニュートンの重力」
4 分子と化学の日常のエネルギー「マックスウェルの電磁力」
5 地球内部のエネルギー「フェルミの弱い力」
6 原子の内部に潜む莫大なエネルギー「湯川秀樹の強い力(核力)」
7 生体のエネルギーも電磁力から「光合成とATP」
8 熱エネルギーと「時間の矢」「熱力学の第一・第二法則」
9 エネルギー問題とは?「トリレンマの克服と安全性確保」
10 日本のエネルギー資源は?「低いエネルギー自給率」
11 超長期エネルギー予測は?「21世紀は「環境の世紀」

第2章 考えよう!地球環境
12 地球環境問題とは?「エコロジカル・フットプリント」
13 地球温暖化は本当か?「太陽の日照量変化と温室効果ガス」
14 地球のエネルギー収支は?「太陽エネルギーと二酸化炭素ガス」
15 地球温暖化対策は?「COP21でのパリ協定」
16 オゾンホールが広がる!「紫外線によるフロンの分解」
17 酸性雨とPM2・5の被害「硫黄酸化物、窒素酸化物、SPM、PM2・5」
18 希少生物を保護しよう!「環境汚染と環境ホルモン」
19 ゴミ問題を考える「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」

第3章 どうなる!化石エネルギー
20 化石燃料がなくなる?「確認埋蔵量と可採年数」
21 石炭はどのようにできたのか?「地質時代の石炭紀」
22 石炭を活用する「ガス化と液化」
23 石油はどのようにできたのか?「有機成因説と無機成因説」
24 石油資源の特殊性「原油原価とOPEC」
25 石油に代わる主力燃料は?「天然ガスとLNG貿易」
26 シェール革命とは?「シェールオイルとオイルシェール」
27 「燃える氷」は豊富か?「メタンハイドレート」

第4章 やさしく!自然エネルギー
28 自然エネルギーは無尽蔵?「再生可能エネルギーと新エネルギー」
29 水資源の活用とダムの建設「水力発電」
30 太陽光を直接電気に変える「太陽光発電」
31 太陽熱の利用は身近「太陽熱発電」
32 古代から使われた風力「風力発電」
33 海洋エネルギーの魅力「潮汐、波力、海洋温度差」
34 地熱の積極的利用「熱水発電と高温岩体発電」
35 生体に蓄積された太陽エネルギー「バイオマス発電、熱利用、燃料製造」

第5章 安全に!核エネルギー
36 核エネルギーの課題と可能性「原子爆弾と原子力発電」
37 核燃料と濃縮「同位元素とウラン濃縮」
38 軽水炉の原理は?「BWRとPWR」
39 福島第一原発事故とその影響「電源喪失、炉心溶融、水素爆発」
40 新安全審査と原発の今後「原子力規制委員会」
41 プルトニウム燃料の活用は?「プルサーマルと高速増殖炉」
42 核燃料サイクルをどうする?「核燃料サイクルとワンス・スルー方式」
43 放射線の幅広い利用「日常の放射線と医療応用」
44 革新エネルギー核融合の利用「磁場核融合と慣性核融合」

第6章 がんばろう!エネルギー有効利用
45 エネルギーの有効利用とは?「ニ次エネルギーと省エネルギー」
46 電気エネルギーと効率「発電効率とカルノーサイクル」
47 水素エネルギー社会「水素の製造法」
48 エネルギーを蓄える「蓄電、蓄熱、蓄燃料」
49 超伝導の電力応用「超伝導電力貯蔵」
50 クリーンカーとエコカー「電気自動車と燃料電池車」
51 燃料電池の原理は?「リン酸型、固体電解質型、溶融炭酸塩型」
52 コージェネレーションとは?「熱電併給発電」
53 ヒートポンプの原理と応用「逆カルノーサイクルとしての冷凍機」
54 ごみ発電「RDF(ごみ固形燃料)発電」
55 様々な排熱利用と環境発電「温度差エネルギー利用の地域熱供給システム」

第7章 驚くな! 自然災害エネルギー
56 自然災害とエネルギー「ハザード(危険)とデザスター(災害)」
57 地震と津波「グーテンベルグ・リヒターの式」
58 火山噴火「火山爆発指数(VEI)」
59 台風と竜巻、豪雨、落雷「気象災害」
60 隕石、小惑星の衝突「NEO(地球近傍小天体)の脅威」

第8章 輝け! 未来エネルギー
61 宇宙ロケットエンジンの未来は?「核融合エンジンと反物質エンジン」
62 月資源利用の核融合は可能か?「ヘリウム3核融合」
63 宇宙太陽発電(SPS)は理想のエネルギーか?「マイクロ波送電、レーザー送電」
64 宇宙ヨットで航行?「ソーラーセイルと磁気プラズマセイル」
65 テラフォーミングは必要か?「スペースコロニーと火星改造計画」
66 未来の地球環境とエネルギー「宇宙太陽・核融合と電気・水素エネルギー」

【コラム】
●エネルギーの単位はいろいろ?(基本単位と誘導単位)
●地球温暖化対策は?(京都議定書からパリ協定へ)
●生物の活動に必要なエネルギーは?(標準代謝エネルギーと生理的時間)
●太陽や星のエネルギーは?(核融合プラズマによる元素製造)
●エネルギーの乱雑度と有効度とは?
 (エンタルピー、エントロピー、エクセルギーとアネルギー)
●超常現象でのエネルギーは本当か?(世界7不思議から火の玉、UFOまで)
●宇宙の天気は?(太陽面爆発と宇宙天気予報)
●宇宙のエネルギーは?(宇宙の膨張とダークエネルギー)

●参考資料
●索引

はじめに

 エネルギーとは何か、エネルギー問題とは何かを伝えたいとの思いで書かれた「トコトンやさしいエネルギーの本」は2005年2月に初版が発刊され、もう既に10年が経過しました。その間、エネルギー問題の変動は激しく、核エネルギー、化石エネルギー、自然エネルギー、環境問題に関連して、様々な新しい進展がありました。
 第一に、核エネルギー問題として、東日本大震災による福島第一原発の事故が起こり、日本のエネルギーの未来をどのように描くかが根本的に問い直されてきました。原子炉の安全審査の強化と廃炉や運転再開の動向も重要です。化石エネルギーとしては、米国でのシェールオイル、シェールガス革命があり、石油の資源量や価格の動向を左右してきています。また、自然エネルギーとして、太陽光発電などの自然エネルギーの進展と課題の変化もありました。エネルギー利用としては、クリーンエネルギー、エコエネルギーへの動きとしての燃料電池車の登場や自動車の自動運転化が話題になっています。環境に関しては、地球温暖化のIPCC第5次報告書が2013年~2014年に完成され、国際的な温暖化対策としてのパリ協定が2015年末に締結されました。
 本書では、それらの新しいデータや知見を反映した記述に刷新しました。また、近年話題となっている地震や火山噴火等の自然災害エネルギーに関する章を追加して、エネルギーに関する記述を豊かにしました。
 改訂しました本書では、第1章でエネルギーの基礎をまとめ、その定義や源としての物理学での宇宙の力に遡ってまとめてあります。第2章にはエネルギーの使用の急増に伴う環境汚染などの環境の基礎をまとめました。第3章から第5章までは、現在も主要なエネルギー資源としての化石エネルギー、再生可能な未来の自然エネルギー、そして、原発事故を含めての核エネルギーをそれぞれ記述しています。第6章にはエネルギーを柔軟にそして有効に利用するための各種試みをまとめています。第7章には地震、火山噴火、台風などの自然災害の膨大なエネルギーの記述を追加し、第8章には、新しい科学技術が人類の未来を切り開くであろうことを期待して、未来エネルギー・未来環境をまとめました。本書がエネルギーに関連した幅広い興味を持つ契機となれば幸いです。
 最後になりましたが、本書作成に当たり、多くの文献や白書、刊行資料などを参考にさせていただきました。数値データは年々刷新されていきますが、基本的な見方や考え方は変わらないと思いますので、本書をご活用頂ければ幸いです。また、出版に際しましては日刊工業新聞社の鈴木徹部長をはじめ、多くの関係者の方にお世話になりました。ここに深く感謝申し上げます。

2016年4月
山﨑耕造

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