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技術士第一次試験「適性科目」標準テキスト

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 204頁
ISBNコード 978-4-526-07558-2
コード C3050
発行月 2016年04月
ジャンル その他 資格試験

内容

技術士第一次試験の適性科目で出題される可能性のある内容を集大成したテキスト。適性科目は、技術者にとっては常識的な内容でテキストや問題集は不要と思われがちだが、最近では、倫理教育や法的知識の必要性の高まりを反映して、きちんと学習が必要な問題が増えており、そのためテキストとして学べる書籍を待望する声が受験者の中で高まっている。本書は、そういったニーズに応えて、問題集形式ではなく、テキストとして適性科目を解説するもの。

福田 遵  著者プロフィール

(ふくだ じゅん)
技術士(総合技術監理部門、電気電子部門)
1979年3月東京工業大学工学部電気・電子工学科卒業
同年4月千代田化工建設㈱入社
2002年10月アマノ㈱入社
2013年4月アマノメンテナンスエンジニアリング㈱副社長
(社)日本技術士会青年技術士懇談会代表幹事、企業内技術士委員会委員、神奈川県支部修習技術者支援小委員会委員などを歴任
日本技術士会、電気学会、電気設備学会会員
資格:技術士(総合技術監理部門、電気電子部門)、エネルギー管理士、監理技術者(電気、電気通信)、宅地建物取引主任者、ファシリティマネジャーなど
著書:『技術士第一次試験「基礎科目」標準テキスト第3版』、『技術士第一次試験「電気電子部門」択一式問題200選第4版』、『技術士第一次第二次試験「電気電子部門」受験必修テキスト第3版』、『例題練習で身につく技術士第二次試験論文の書き方第4版』、『技術士第二次試験「口頭試験」受験必修ガイド第4版』、『技術士第二次試験「電気電子部門」対策と問題予想第4版』、『技術士第二次試験「建設部門」対策&問題予想第4版』、『技術士第二次試験「機械部門」対策&問題予想第4版』、『技術士第二次試験「電気電子部門」択一式問題150選第3版』、『平成28年度版技術士第二次試験「建設部門」択一式問題150選』、『技術士第二次試験「機械部門」択一式問題150選第3版』、『トコトンやさしい実用技術を支える法則の本』、『トコトンやさしい発電・送電の本』、『トコトンやさしい熱利用の本』、『アリサのグリーン市民への旅』(日刊工業新聞社)等

目次

はじめに

第1章 技術士第一次試験と適性科目
1.技術士第一次試験の試験科目
2.適性科目の出題内容と出題傾向分析
(1) 技術士法第4章と倫理規定
(2) 技術者倫理一般
(3) 研究活動における倫理
(4) 法律の遵守
(5) リスクと技術者倫理
(6) 職業倫理
(7) 安全・環境倫理
(8) 事例研究
(9) 過去の出題傾向
3.適性科目問題の出題形式
(1) 適切なものを答えさせる
(2) 不適切なものを答えさせる
(3) ○×の正しい組合せを選ばせる
(4) (不)適切な記述の数を選ばせる
(5) 文章内の単語を抜き、そこを穴埋めさせる
(6) 過去の出題形式
4.試験に対する注意事項

第2章 技術士法第4章と倫理規程 
1.技術法第4章
(1) 信用失墜行為の禁止(第44条)
(2) 技術士等の秘密保持義務(第45条)
(3) 技術士等の公益確保の責務(第45条の2)
(4) 技術士の名称表示の場合の義務(第46条)
(5) 技術士補の業務の制限等(第47条)
(6) 技術士の資質向上の責務(第47条の2)
(7) 技術法第4章の問題例
2.倫理規定(綱領)
(1) 団体の倫理規定で示されている内容
(2) 技術士倫理綱領
(3) 理工系学協会の倫理規定に関する出題例
3.技術士CPDガイドライン
(1) 技術士CPDガイドラインの目的と課題
(2) 技術士CPDガイドラインに関する出題例
4.技術者の国際的同等性
(1) 国際連携

第3章 技術者倫理一般 
1.倫理に関する基礎知識
(1) 倫理とは
(2) 倫理問題への対処法
(3) コンプライアンス
(4) 倫理規定
(5) 倫理一般に関する出題例
2.公衆と専門家
(1) 公衆とは
(2) 専門職業人(プロフェッショナル)とは
(3) 知る権利と説明責任
(4) 公衆と専門家等に関する出題例
3.予防倫理
(1) 予防医学
(2) 予防倫理
(3) 事例研究に関する出題例
4.社会貢献と内部統制
(1) 社会貢献に関する出題例
(2) 内部統制に関する出題例

第4章 研究活動における倫理 
1.研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン
(1) 本ガイドラインの目的
(2) 本ガイドライン策定の背景
(3) 不正行為に関する基本的考え方
(4) 不正行為の事前防止のための取組
(5) 研究活動における特定不正行為への対応
(6) 特定不正行為及び管理責任に対する措置
(7) 文部科学省による調査と支援
(8) 研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインに関する出題例
2.科学者の行動規範(日本学術会議)
(1) 科学者の責務
(2) 公正な研究
(3) 社会の中の科学
(4) 法令の遵守など
(5) 科学者の行動規範に関する出題例
3.不正直な行為
(1) 技術に関する不正直な行動
(2) 不正直行為に関する出題例
4.遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律
(1) 使用等
(2) 拡散防止措置
(3) 遺伝子組換えに関する出題例

第5章 法律の遵守 
1.製造物責任法(PL法)
(1) 製造物と欠陥
(2) 製造物責任法の対象
(3) 製造物責任法に関する出題例
2.個人情報の保護に関する法律
(1) 個人情報
(2) 個人情報取扱事業者
(3) 保有個人データ
(4) 個人情報取扱事業者で個人データに該当しない場合
(5) 個人情報保護法に関する出題例
3.公益通報者保護法
(1) 公益通報の条件
(2) 通報対象事実
(3) 通報先
(4) 保護の内容
(5) 通報への対応
(6) 公益通報者保護法に関する出題例
4.知的財産権
(1) 知的財産権
(2) 産業財産権
(3) 知的財産権に関する出題例
5.著作権法
(1) 著作権法の目的と対象
(2) 著作権に関する用語の定義
(3) 著作者の権利
(4) 使用の範囲
(5) 主張できる権利
(6) 著作権法に関する出題例
6.不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
(1) 不当な表示の禁止
(2) 不当景品類及び不当表示防止法に関する出題例

第6章 リスクと技術者倫理 
1.リスクマネジメントとリスクアセスメント
(1) リスクマネジメント
(2) リスクマネジメントに関する国際規格
(3) リスクアセスメント・ハンドブック
(4) 労働安全衛生法
(5) ISO12100(機械類の安全性)
(6) リスクマネジメントとリスクアセスメントに関する出題例
(7) 国際標準(ISO)と労働安全衛生法に関する出題例
2.リスクコミュニケーション
(1) リスクコミュニケーションの推進方策(文部科学省)
(2) リスクコミュニケーション(米国環境保護庁)
(3) 食の安全に関するリスクコミュニケーション
3.ALARAの原則
(1) ALARAの原則
(2) コーデックス委員会
(3) 食品中の汚染物質に係る規格基準設定の基本的考え方
(4) ALARAの原則に関する出題例

第7章 職業倫理 
1.ハラスメント
(1) パワーハラスメント
(2) セクシャルハラスメント
(3) パワハラとセクハラに関する出題例
2.労働三法
(1) 労働基準法
(2) 労働組合法
(3) 労働関係調整法
(4) 労働安全衛生法
(5) 労働三法の出題問題例
3.ワーク・ライフ・バランス
(1) 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章
(2) 仕事と生活の調和推進のための行動指針
(3) 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章に関する出題例
4.社会的責任の重視
(1) 組織統治
(2) 人権
(3) 労働慣行
(4) 環境
(5) 公正な事業慣行
(6) 消費者課題
(7) コミュニティへの参画及びコミュニティの発展
(8) 社会的責任に関する出題例
5.入札に関する法律
(1) 入札の方法
(2) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)
(3) 罰則
(4) 入札に関する出題例

第8章 安全・環境倫理 
1.家電製品の安全確保のためのガイドライン
(1) 本ガイドラインの目的と適用対象
(2) 警告表示に関する基本的な考え方
(3) 警告表示の具体的内容と表現方法
(4) 家電製品の安全確保のためのガイドラインに関する出題例
2.化学品の分類および表示に関する世界調和システム
(1) 化学品の表示方法
(2) 化学品の分類および表示に関する世界調和システムに関する出題例
3.食品表示法
(1) 基本理念
(2) 食品表示基準
(3) 横断的義務表示
(4) その他の表示
(5) 食品表示法に関する出題例
4.予防原則
5.循環型社会形成推進基本法
6.環境関連用語
(1) 持続可能な開発
(2) ライフサイクルアセスメント
(3) ゼロエミッション
(4) グリーン購入
(5) カーボンオフセット
(6) 生物多様性
(7) 生物濃縮
(8) 環境関連用語に関する出題例

第9章 事例研究 
1.実際の事例
(1) 笹子トンネル事故
(2) 回転ドア事故
(3) 複数の事例を扱った問題例
2.架空の事例

おわりに

はじめに

適性科目は、技術士第一次試験に平成13年度試験から創設された試験科目で、技術者倫理に関する問題が出題されています。適性科目が創設された当初の受験者の平均点は80~90%程度でしたので、合格基準の50%と比べるとはるかに高いレベルでした。そのため、適性科目で失敗する受験者はほとんどいない状況が長年続いていました。その理由は、倫理事例の判断をする問題が多く出題されており、常識的な判断をしていれば正答が見つかる問題が多く出題されていたからです。そのため、まったく勉強しなくとも合格する試験科目というのがその頃に受験した人の評価でした。
 ところが最近になって、法律や倫理に関係する組織が定めたガイドラインなどの内容が出題されるようになっており、適性科目の平均点が大幅に低下してきています。適性科目だけの合格率は公表されていませんので不合格になった受験者数はわかりませんが、適性科目だけは勉強しなくとも失敗しないという先入観で受験すると、痛い目に合う可能性が出てきています。
 技術者倫理というテーマは、日本では最初に日本技術士会が広めた概念です。最近では、技術者倫理違反と考えられるような社会問題が多く報道されるようになってきていますが、最初に技術者倫理を学び始めた頃とは、社会の反応が大きく変化しているように感じています。当初は、予防倫理という観点で事例研究をするというのが、技術者倫理の学び方でした。しかし、それが安易な倫理問題への意識の固定観念化につながっているのではないかという反省が、最近、多くの学協会で行われるようになってきています。その結果、技術者倫理の学び方に大きな変革が生じてきています。
 そのような、技術者倫理教育の見直しを反映しているような変化が適性科目の出題傾向に現れています。技術者倫理問題の要因を見ると、技術者が法律の内容を知らないか、不十分な知識で判断を行っているために、問題を発生させているものがあります。また、道徳や倫理に関する判断基準の個人差が大きいのも事実です。そのため、いくつかの団体から技術者倫理に関するガイドブックや指針が出されています。しかし、多くの技術者はそういったものがあることすら知らない状況ですので、それらの資料を勉強するという意識は育っていません。こういった現状を受けて、適性科目でももっと受験者に基礎知識を勉強させ、その内容を基にした問題を出題しようという動きになっているものと考えます。
 このような状況から、技術士第一次試験の受験者は、適性科目で最近取り上げている内容をしっかり勉強する必要があると考えています。一方、これまでの適性科目の受験対策書籍は、基礎科目と抱き合わせの過去問題解答集しかないのが現実です。それでは、適性科目の内容を体系的に勉強することはできません。著者は、2011年に『技術士第一次試験「基礎科目」標準テキスト』を出版し、これまでに第3版まで改版を続けています。その書籍は、基礎科目の内容を1冊で勉強できるテキストとなっており、過去問題集とは一線を画したものです。そういった経験を活かして、その姉妹本として本著を出版することとしました。本著は、最近の適性科目の出題内容を反映させて、技術者倫理に関係する資料を紹介しながら、受験者に適性科目の内容を体系的に勉強してもらえるように構成してみました。そのため、本著は単に技術士第一次試験の適性科目の受験参考書というだけではなく、これからの技術者に強く求められる技術者倫理の入門書としても役立つものと考えております。
 最後に、本著の出版に対して多大なご助力をいただいた、日刊工業新聞社出版局の鈴木徹氏に深く感謝いたします。
2016年3月 
福田 遵 

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