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ひとりで全部できる
空気圧設備の保全

定価(税込)  2,484円

著者
サイズ A5判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-07560-5
コード C3053
発行月 2016年04月
ジャンル 機械

内容

トラブルが多い割に保全スキルの敷居が低く、身につけるとちょっとした気遣いで劇的な効果が期待できる空気圧設備の保全方法をやさしく写真で説く。異常発生時に迅速な処置と対策を講じ、最少の機械停止時間で安全に運転再開できるワザを身に着けることを目指す。

小笠原邦夫  著者プロフィール

(おがさわら くにお)
1973年東京都生まれ。1998年、日本工業大学大学院工学研究科機械工学専攻修了(工学修士)。同年、東芝セラミックス㈱入社。2000年に独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(旧・雇用能力開発機構)入社。現在、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 東北職業能力開発大学校 生産機械システム技術科准教授。ガス器具メーカー、食品メーカーなど生産現場で取り扱う設備の不具合原因の解決と見直し、技術支援など現場指導を行っている。

保有資格
空気圧装置一級技能士、油圧調整士一級技能士、機械プラント製図一級技能士

目次

はじめに

第1章 空気圧設備の有効利用に欠かせない保全
1-1 生産設備の動力源を知る
1-2 生産現場に欠かせない空気圧の利用
1-3 空気圧設備の構成を確認しよう
1-4 空気圧設備は必ずトラブル(異常)を起こす
1-5 少しの見直しで設備は改善される
1-6 空気圧保全の仕事はここを押さえる
配管の色や制御機器に名称を記載して役目を見える化

第2章 空気圧システムの構成を知る
2-1 空気圧システムの全体像を把握しよう
2-2 設備の仕様と働きを知る
2-3 出力部に配置される機器を理解しよう
2-4 シリンダの動きは方向制御弁の種類によって異なる
2-5 空気圧配管は分岐されている
2-6 コンプレッサがなければ設備は動かない
2-7 アフタークーラーとエアドライヤーの併用で99%の水分を除去できる
継手の呼び方と取り扱い

第3章 機器の点検ポイントを把握して正常と異常を判断する
3-1 なぜ点検が必要なのか
3-2 エア漏れが発生するとなぜ困るか
3-3 シリンダには負荷に弱い方向がある
3-4 シリンダ検出スイッチがずれるとシリンダは動かない
3-5 電磁式方向制御弁の動作を確認しよう
3-6 流量制御弁はシリンダ速度を遅くさせるのが目的
3-7 フィルターの目詰まり状況を確認しよう
3-8 レギュレータの圧力は2次側を示している
3-9 ルブリケータの滴下状態を確認する
3-10 コンプレッサの寿命を延ばす
3-11 ドライヤーの動作を確認する
流量制御弁の取り付け位置

第4章 安全な部品交換作業を身につける
4-1 シリンダの飛び出し現象に注意する
4-2 エア供給ラインで発生する残圧の危険性
4-3 残圧処理が不十分な状態ではセンサーを壊す
4-4 オールポートブロックバルブの残圧処理と飛び出し現象
4-5 エア漏れが発生したときの対処を考えよう
4-6 シリンダの動作状況を確認しよう
4-7 保全計画を立てた機器の交換作業を考えよう
方向制御弁の4ポート、5ポート弁はシリンダのサイズで選ぶ

第5章 空気圧設備保全作業の実際
5-1 配管組付作業はエア漏れ対策の基本
5-2 継手の交換作業をやってみよう
5-3 シリンダの分解と組付作業をやってみよう
5-4 制御弁の構造と主弁の動きを確認しよう
5-5 フィルターのエレメント交換をやってみよう
5-6 レギュレータの調圧不具合を確認しよう
5-7 ルブリケータの滴下不具合を確認しよう
5-8 コンプレッサの定期点検を行い寿命を延ばそう
磁気近接用スイッチを交換(購入)する際は機種を確認しよう

第6章 設備の異常を見つけて原因を探ろう
6-1 レギュレータで発生するトラブルを確認しよう
6-2 パイロット形シングルバルブの動作不具合を確認しよう
6-3 3ポート2位置弁複列式バルブの動作不具合を確認しよう
6-4 マニホールドを使用した出力機器の動作不具合を確認しよう
6-5 ソレノイドバルブからの「うなり音」を確認しよう
6-6 直流DC24Vの電磁弁がチャタリングを起こす
6-7 機器のサイズが小さいとシリンダ動作が得られない

索 引

はじめに

 みなさんは毎日稼働する設備を見て、何となく「今日はどこか調子がおかしいな…」などと判断することができます。この変化の原因はどこから発生しているのでしょうか。ねじの増し締めやシリンダ速度の調整などで解決できているでしょうか。
 これまで、部品加工や組立工場、食品製造工場などの生産現場にお伺いする機会が多く、そうした中で特に老朽化設備への対応と保全作業員の人材不足が生産現場の課題であることを痛感してきました。
 自動化された設備は油圧、空圧、電動システムが組み合わさって問題なく動作しているようですが、実は設備の至るところで負荷が発生し、今すぐにでも手を打たなくてはならない箇所が見受けられます。とりわけ10年以上経過した設備では、過負荷によるトラブルなどチョコ停が頻発しています。慢性的なトラブルに対して、迅速に対応する保全技術が求められているわけです。

 しかし、現場ではベテラン技能者の退職などにより技能伝達が十分になされないことや、業務多忙で教育に時間を割けない場合があります。先輩社員の作業を見て真似ているだけでは、正しい保全技術は蓄積されません。特に復旧作業を優先して、原因調査をしないために同様の設備異常に毎回悩まされている現場は少なくないでしょう。

 本書は、工場設備の中で、比較的扱いやすく効果が出やすい空気圧設備に的を絞りました。本のタイトルに表記したように、「ひとりで全部できる」ために生産現場で発生したトラブル事例を教材とし、問題が起きた機器や異常箇所にポイントを絞り、基本をしっかり押さえて安全な作業に取り組めるように手順を紹介しています。
 また、「ここを押さえておけば対策できる」「実際に発生したトラブルや保全のポイント」を随所に含め、本書に沿ってひとりで空気圧設備の基本操作や調整、部品交換に必要な知識、エア漏れ箇所の発見と対策ができる実用書としてまとめたものです。本書が設備への理解をより深めるきっかけとなり、保全技能・技術に関わる方々の参考になれば幸いです。
 本書の発行に際し、企画の段階から多くのアドバイスをいただいた日刊工業新聞社出版局書籍編集部の矢島俊克氏、技術的な助言を頂戴した東北職業能力開発大学校生産技術科の大石賢先生に深く感謝します。
2016年4月
小笠原 邦夫

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