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絶対に失敗しない
配管技術100のポイント

定価(税込)  2,484円

著者
サイズ A5判
ページ数 232頁
ISBNコード 978-4-526-07542-1
コード C3043
発行月 2016年03月
ジャンル 化学

内容

配管技術には、知っていると仕事がスムースに運び、失敗につながらない“ツボ(ポイント)”がある。本書は、そのポイントを100取り上げ、配管現場の事例をあげながら、図・イラストを豊富に使ってわかりやすく解説する。著者の経験をもとにした事例が満載。

西野悠司  著者プロフィール

(にしの ゆうじ)


1963年 早稲田大学第1理工学部機械工学科卒業

1963年より2002年まで、現在の株式会社 東芝 京浜事業所、続いて、株式会社 東芝プラントシステムにおいて、発電プラントの配管設計に従事。その後、3年間、化学プラントの配管設計にも従事。

一般社団法人 配管技術研究協会主催の研修セミナー講師。

同協会誌元編集委員長ならびに雑誌「配管技術」に執筆多数。

現在、一般社団法人 配管技術研究協会参与。
   
日本機械学会 火力発電用設備規格構造分科会副主査。
   
西野配管装置技術研究所代表。



●主な著書

「絵とき 配管技術 基礎のきそ」日刊工業新聞社

「トコトンやさしい配管の本」日刊工業新聞社

「絵とき 配管技術用語事典」(共著)日刊工業新聞社

「トラブルから学ぶ配管技術」日刊工業新聞社

目次

はじめに

第1章 設計図書を作成する
ポイント1 多大な工数と期間を要する配管設計
2 P&IDは隅々まで読み解く
3 ラインリストは配管の戸籍簿
4 耐圧部材質を決める配管クラス
5 アイソメ図は見やすい、しかし注意すること
6 規格・基準には日頃より親しんでおく

第2章 配管をレイアウトする
ポイント7 情報交換の媒体となる配管レイアウト図
8 配管レイアウト策定のポイント
9 ポケットと勾配に注意を向ける
10 機器周りの配管は監視、操作、分解のしやすさ
11 パイプラックと配管の載せ方

第3章 材料を選択する
ポイント12 もっとも使う炭素鋼・低合金鋼
13 ステンレス鋼管を選択する理由と弱点
14 炭素鋼系材料は低温脆性に気をつける
15 管継手、弁の材質は管の材質に準じる
16 材料の許容応力は温度に依存する
17 プラスチック管の長所と短所
18 埋設管材料は地盤変動に対応できること
19 管内外面を防食するライニング材

第4章 圧力を閉じこめる
ポイント20 圧力には応力で対抗する
21 内圧に対する強度を保障する方法
22 管の厚さは周方向応力で決まる
23 直管の強度計算式
24 エルボの強度計算式
25 管の穴は補強を必要とする
26 管のスケジュール番号は一種の圧力クラス
27 バルブの圧力クラスである圧力-温度基準
28 負圧に対する管の強度

第5章 流体を運ぶ
ポイント29 圧力損失は粘性、表面粗さ、乱れから起こる
30 ベルヌーイの式から水力勾配線を画く
31 レイノルズ数が層流・乱流を決める
32 損失水頭は一般に流量の2乗で増える
33 ムーディ線図から管摩擦係数を読む
34 水面のある流れの損失水頭を計算する
35 バルブ、管継手で生じる局所損失の計算
36 配管のサイジングと標準流速
37 圧力差から流量を、流量から口径を求める
38 ポンプがある配管系の流量を計算する
39 圧縮性流体の流量近似値を求める
40 飽和水は減圧するとフラッシュする
41 ポンプキャビテーションとNPSH
42 「重力による流れ」が安定して流れる条件
43 背圧はできるだけ低く抑える
44 Uシールの使いみち

第6章 振動・水撃の発生を抑える
ポイント45 配管の励振源と振動の分類
46 避けねばならぬ共振現象
47 振動源がなくても振動する自励振動
48 気柱振動は定在波(気柱共振)を避ける
49 疲労すれば配管も壊れる
50 流れの急変で起こる水撃
51 水柱分離は激しい水撃を呼ぶ
52 流れの衝突により起こる水撃
53 蒸気凝縮による水撃
54 耐震は支持構造物の変形・破損にも注意

第7章 熱が配管に及ぼす影響
ポイント55 変位が止まれば止まる二次応力
56 配管熱膨張とフレキシビリティ
57 熱膨張応力が降伏点になっても配管は壊れない
58 相対変位に対する許容最小スパン
59 熱膨張反力を軽減するコールドスプリング
60 高温域で要注意のクリープと応力緩和
61 静かに、繰り返しつつ進む熱衝撃
62 保温、火傷防止、保冷の厚さは早期に決める

第8章 腐食と防食
ポイント63 大方の腐食は電気化学的に起こる
64 電気化学的な隙間腐食・孔食応力腐食割れ
65 異種金属接触腐食と逆転の発想の電気防食
66 水素は金属に吸収されて悪さをする
67 流体の動的作用により起こる減肉
第9章 配管コンポーネント
ポイント68 配管に使われる継手
69 フランジ継手の形式
70 ガスケットの気密性は高い面圧
71 曲げる・分岐する・口径を変える
72 種類もいろいろあるチューブ継手
73 さまざまな機能のバルブ
74 バルブ形式と圧力クラス、選択のポイント
75 閉め切る目的の仕切弁
76 「絞り」ができる玉形弁
77 逆流により逆流を防止する逆止弁
78 90°回せば全閉・全開するバルブ
79 一気に全開する安全弁
80 結果をフィードバックして調節するバルブ
81 バルブを自動で動かす装置
82 伸縮管継手に圧力がかかると推力が発生
83 推力の受けとめ方にいろいろある
84 ストレーナの有効面積は大きく
85 トラップの用途と分類、選択のポイント
86 浮力で流体を識別するトラップ
87 温度で流体を識別するトラップ
88 サーモダイナミック式トラップ
89 配管サポートの種類と配置
90 スプリング/コンスタント ハンガ
91 ばね式/油圧/メカニカル防振器
92 配管の動きを制限するレストレイント
93 配管サポート用梁の材料力学
94 曲げモ-メント図、せん断力図を画く例題
95 温度計ウェルは接液長さが大事
96 圧力計用導管は座の向きが大事

第10章 製造・検査・据付
ポイント97 配管製造・据付手順
98 配管溶接の特徴と熱処理
99 配管の各種非破壊試験の特徴
100 最後の仕上げ配管の耐圧・気密試験

コラム
❶ 配管技術でよく使う単位
❷ 配管技術でよく使う物性値
❸ 梁の曲げモーメント・たわみ
❹ 種々断面の断面性能
❺ よく使われる国内外の規格・基準
❻ よく使うスケジュール管諸元
❼ 配管関係でよく使われる略号
❽ 有効数字を意識して計算する
❾ さらに技術を磨きたい人のために

引用・参考文献
索引

はじめに

 配管設備を建設するための技術である「配管技術」には、配管の設計、製造、検査、据付、運転、そしてメンテナンス、などに携る技術者が知っておかねばならない、あるいは、知っていると仕事がスムースに運ぶ “配管技術の壺”のようなものがあります。本書は、この“壺”を「ポイント」として100選び、「配管技術のポイント 100」とし、一つのポイントを解説文と図で、見開きの2頁に完結させました。
 カラスを理解するにはカラスをイメージできなければならない
 人が「理解する」というのは、読んだり、聞いたりする言葉によって理解しますが、実は文字や数字で直接理解するのでなく、イメージに変換してから理解しています。人はカラスを、カ、ラ、ス という文字の羅列ではなく、カラスのイメージに変換してから理解します。カラスがイメージできない、つまりカラスを知らない人はカラスをうまく理解できません。
 本書では「配管技術」の内容がイメージとして描けるように、文章や式はできるだけ簡潔にし、絵や図をできるだけ多く、かつ大きく見やすくするように心がけました。
 配管技術はあらゆる分野で必要とされる技術です
 さて、世の中、実にさまざまなところで配管は活躍しています。見える所にも、見えない所にも、配管は多数敷設されています。配管が圧倒的に多く使われる設備分野として、プラント配管、建築設備配管、導管設備配管、などがあります。本書で扱う配管の主な対象範囲は、石油精製、石油化学、電力などのプラント配管としていますが、建築設備も導管設備も同じ配管ですから、プラント配管と共通の部分を多く持っています。したがって、
 本書は、建築設備や導管設備、さらには、諸々の配管に携わる人々にも役に立つと考えます。
 配管技術は間口の広い技術です

 「配管技術」は上の図にみるように間口の広い技術です。
 配管はサイトという広いエリアに、効率よく、使いがってよく、かつ、周囲の機器、装置、ケーブル、空調ダクト、建築構造物と折り合いよく敷設されねばならないので、これら周囲のものの幅広い知識を必要とします。
 配管は、耐圧部材としての耐圧強度、配管重量、振動、土圧などに対する機械的強度が要求されます。そして、腐食や疲労という配管の宿敵にも備えねばなりません。本書は、できるかぎり間口を広げ、これらの問題にも対処できるように、100の「ポイント」を選びました。
 また、配管技術は、物理学、化学、数学、材料力学、水力学、機械力
学、熱力学、などの基礎工学のうえに成り立っています。これら、工学がわかっていると、経験したことのない事象に遭遇しても、経験したことと、基礎工学の知識を連携させて、解決への道を見い出すことが可能となります。そこで、基礎工学に属するもので、“配管技術”に関係するところは、本書のポイントに取り込みました。
 本書により、諸兄の「配管」や「配管技術」に関する理解がますます広がり、かつ深まり、本書がわが国の配管技術のレベルアップにいささかなりとも貢献できれば、著者の望外の喜びとするところであります。
 最後に、本書の執筆の機会を与えていただいた日刊工業新聞社の奥村功出版局長、また、企画段階からアドバイス、ご支援いただいたエム編集事務所の飯嶋光雄氏に心からお礼申しあげます。そして、本書執筆にご協力いただいた多くの方々に感謝申しあげます。
2016年3月                      
西野 悠司

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