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目で見てわかるドリルの選び方・使い方

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07538-4
コード C3053
発行月 2016年03月
ジャンル 機械

内容

穴あけ加工に使用されるドリルの種類は多種多様で、その選び方・使い方にも多くのノウハウがある。本書は、これまでのシリーズ同様に写真やイラストを多用し、ドリルの基本知識をはじめ、選び方、使い方、勘どころ(ノウハウ)などをわかりやすく解説する。

澤 武一  著者プロフィール

(さわ たけかず)
芝浦工業大学 デザイン工学部 デザイン工学科 准教授
博士(工学)、ものづくりマイスター、1級技能士(機械加工職種、機械保全職種)
1977年3月 滋賀県生まれ
2004年2月 国家検定1級技能士取得(機械加工職種、機械保全職種)
2005年3月 熊本大学大学院修了 博士(工学)
2005年4月 職業能力開発総合大学校 精密機械システム工学科 助手
2005年6月 富士フイルムグループ フジノン佐野株式会社
(現:富士フイルムオプティクス株式会社)にて実務研修
2010年4月 東京電機大学 工学部 機械工学科 准教授
2013年4月 芝浦工業大学 デザイン工学部 デザイン工学科 准教授
2014年7月 厚生労働省ものづくりマイスター認定
専門分野
固定砥粒加工、切削加工、技能継承
著 書
・目で見てわかる「使いこなす測定工具」―正しい使い方と点検・校正作業―
・目で見てわかるミニ旋盤の使い方
・目で見てわかるエンドミルの選び方・使い方
・目で見てわかる研削盤作業
・目で見てわかるフライス盤作業
・目で見てわかる旋盤作業
・目で見てわかる機械現場のべからず集―研削盤作業編―
・目で見てわかる機械現場のべからず集―フライス盤作業編―
・目で見てわかる機械現場のべからず集―旋盤作業編―
・今日からモノ知りシリーズ「トコトンやさしいマシニングセンタの本」
・今日からモノ知りシリーズ「トコトンやさしい旋盤の本」
・今日からモノ知りシリーズ「トコトンやさしい切削工具の本」
・絵とき「旋盤加工」基礎のきそ
・絵とき「フライス加工」基礎のきそ
・絵とき 続「旋盤加工」基礎のきそ
・基礎をしっかりマスター「ココからはじめる旋盤加工」
・目で見て合格 技能検定実技試験「普通旋盤作業2級」手順と解説
・目で見て合格 技能検定実技試験「普通旋盤作業3級」手順と解説
……いずれも日刊工業新聞社発行

目次

はじめに

第1章 ドリルの種類と特徴
1-1 ドリルの種類と特徴
1-2 ドリルの各部の名称
1-3 材質による分類
1-4 構造による分類
1-5 構造の違いによる選択指針
1-6 シャンクの形態による分類
1-7 ねじれによる分類
1-8 ねじれ角と切削特性(強ねじれ、弱ねじれ、直刃)
1-9 ドリルによる穴加工のメカニズム
1-10 先端角による分類
1-11 先端角と切削特性の関係
1-12 全長による分類
1-13 溝長の選択指針
1-14 コーティングによる分類

第2章 切削条件の決め方と考え方
2-1 ドリルの切削条件
2-2 回転数の決め方(回転数と切削速度の関係)
2-3 送り量の決め方と送り速度
2-4 加工時間の計算方法
2-5 切りくず排出能力の計算方法
2-6 加工能率向上の指針
2-7 ステップ送りの利点と欠点
2-8 ドリルに作用する力
2-9 切削動力と主軸モータの動力

第3章 ドリルの主要部とその働き
3-1 ウェブと心厚(ドリルの強度)
3-2 ウェブテーパ(ドリルの剛性)
3-3 二番取り面、二番取り深さ、二番取り直径(回転方向の摩擦低減対策)
3-4 マージンとマージン幅(ドリルの直進性)
3-5 バックテーパ(軸方向の摩擦低減対策)
3-6 すくい角(すくい角の大きさは切れ刃の位置によって異なる)
3-7 逃げ角その1(ドリルの直径と送り量の重要な関係)
3-8 逃げ角その2(逃げ角の大きさは切れ刃の位置によって異なる)
3-9 逃げ面の形状とシンニングの種類(切削特性を左右する重要な因子)
3-10 溝幅比
3-11 ホーニング
3-12 チゼルエッジとシンニング

第4章 ドリル加工のポイント
4-1 ドリルの取り付け精度(回転振れ、心ずれ、倒れ)
4-2 保持位置(ドリルの突き出し量)の重要性
4-3 リップハイト
4-4 ライフリングと歩行現象
4-5 下穴加工(前加工)の重要性
4-6 穴入口のバリ(発生メカニズム)
4-7 穴出口のバリ(発生メカニズム)
4-8 穴の貫通時の削り残しと送り量の制御
4-9 穴の品質
4-10 ホルダの種類と特徴
4-11 切削油の供給方法(外部給油と内部給油)

第5章 優れた機能をもつドリル
5-1 センタ穴ドリル
5-2 フラットドリル
5-3 油穴付きドリル
5-4 薄板用ドリルと鉄骨用ドリル
5-5 段付きドリル
5-6 3枚刃ドリル
5-7 ガンドリル
5-8 ルーマ形ドリル
5-9 ステップドリル
5-10 スターティングドリル
5-11 コアドリル

ひとくちコラム
・ドリル加工はキリと表記される
・ドリルの刃は直径よりの長い!?
・もう1つのドリル
・テーパの種類と特徴
・ジャイロ効果
・簡単な物理
・ドリルの先端角とくさびの関係
・ミルシート
・切削速度を体感する
・「穴あけ深さ」と「穴深さ」の違い
・切りくず排出能力と切りくず排出量
・ソリッドドリルを使いこなす
・溝の重要性
・自然から学ぶ機能表面
・マンホールの蓋はなぜ円形?
・掃除ロボットの形状から学ぶルーローの三角形
・チラーとは?!
・油穴付きドリルのつくり方

あとがき
索引

はじめに

日用品や工業製品を見てみると、ほとんどのものには「穴」があいています。意識しないと気づかないですが、私たちの身の回りには穴が非常に多いのです。人に知られてない場所を「穴場」、ギャンブルで注目度の低いことを「大穴」いいますが、そもそも穴は見つけにくいものなのかもしれません。
ドリルを使用した穴加工は建築、土木、電気、機械、医療などいろいろな分野で行われる一般的な加工です。加工方法はドリルを工作物に押し込むだけできわめて単純ですが、まっ直ぐで、きれいな丸い穴をあけるのは難しく、穴加工は穴だけに奥が深い加工です。穴加工は縄文時代から行われ、刃物(切削工具)には動物の骨や竹を使っていたようです。動物の骨や竹で石(勾玉:まがたま)に穴をあけていた(工作物よりも軟らかい刃物で穴をあけていた)のですから、どのようなノウハウがあったのか興味が沸きます。
現在、穴をあけるための切削工具としてドリルがあります。ドリルはホームセンターで売られているので、実際に見たことも、触ったこともある方が多いと思います。最近ではインターネットでも購入できるようになりました。ドリルの種類を見てみると、多種多様なものがあり、選ぶだけでも一苦労ですが、所望の場所に上手に穴をあけるためには目的や用途に適合したドリルを正しく選ぶことが大切です。
本書では写真と図を多用して、ドリルの特性と穴加工の原理ついて詳しく、やさしく解説しました。本書はこれから穴加工をはじめる方から生産現場で働く技術者の方まで、すぐに使える内容になっています。本書を読んだ後には、今まで気づかなかったことに気づきはじめ(見落としていたものが見えはじめ)、ドリルを違った見方で見ることができ、ドリルを正しく選び、どのように使うか(How to)を考え、実行できるようになれると思います。修学した知識、体得した技能は一生の財産です。本書が読者さまの財産の「ひとかけら」になれば大変嬉しく思います。
最後になりましたが、本書の出版にご賛同いただき、貴重なドリルをご提供いただきました株式会社不二越およびオーエスジー株式会社に謹んでお礼申し上げます。特に、窓口として無理な要望に応えていただきました株式会社不二越の堀功さま、辻渕順仁さま、オーエスジー株式会社の升原玲子さまに心から御礼申し上げます。また、貴重な写真をご提供賜りました株式会社タンガロイ、大昭和精機株式会社、エヌティーツール株式会社、ユニカ株式会社、オリオン機械株式会社の各社に厚く御礼申し上げます。
 そして、本書を執筆する機会を与えていただきました日刊工業新聞社の奥村功出版局長、執筆、編集、校正に際し、ご懇篤なご指導、ご鞭撻を賜りましたエム編集事務所の飯嶋光雄さま、DTPを努めていただきました志岐デザイン事務所の大山陽子さまにお礼申し上げます。本書は上記の方々のご協力、ご支援がなければ完成しなかったことを記し、重ねて心より感謝申し上げます。

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