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読み手の心を捉える!
英文テクニカルライティング

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 208頁
ISBNコード 978-4-526-07535-3
コード C3050
発行月 2016年03月
ジャンル その他

内容

本書は、技術者および技術営業職などに必要な技術英語の基礎知識およびノウハウを紹介した本。企画書、提案書、仕様書からクレーム文書や毎日行うEメールまでコミュニケーション技術としての英語を学ぶ。人に「伝える」だけでなく、説得し、「動かす」レトリックのパターンを紹介していく。

片岡英樹  著者プロフィール

(かたおか・ひでき)
岡山大学医学部非常勤講師、国際技術コミュニケーション教育研究所代表、豊田工業大学元非常勤講師(英語テクニカルライティング)。
 国立大学工学部卒業後、複数の大手ハイテク企業において、半導体デバイスの開発設計製造、海外商品企画、貿易(輸出入実務)、海外駐在、海外生産、国際財務・法務(連結決算業務)、英文特許業務および海外現地法人のManaging Directorとして国際ビジネスに従事。この間ミシガン大学に派遣されテクニカルライティングコース修了後、グローバル人材養成プログラムの責任者として、各種英語グローバル研修プログラムの企画および講師を務める。
日本英語コミュニケーション学会会員、日本医学英語教育学会会員、日本メディカルライター協会会員、日本工業英語協会会員。
 著書に『ハイテク企業における英語研修』『特許法務英和・和英辞典』『テクニカル・ライティング50のルール』(いずれも国際語学社刊)、『必携 技術英文の書き方55のルール』(創元社)、『技術英文 効果的に伝える10のレトリック』(丸善)、『NASAに学ぶテクニカルライティング』(京都大学学術出版会)、『NASAに学ぶ英語論文・レポートの書き方』(共立出版)などがある。

目次

はじめに

序章 テクニカル・ライティングはなぜ必要か
1.テクニカル・ライティングとは何か
(1)テクニカル・ライティングが示す“テクニカル”の意味と定義
(2)テクニカル・ライティングの目的
(3)テクニカル・ライティングの範囲
2.テクニカル・ライティングの対象となる文書および文学との違い
(1)テクニカル・ライティングの対象となる文書
(2)テクニカル・ライティングと文学の違い
3.テクニカル・ライティング必須の6原則

第1章 テクニカル・ライティング上達のためのキーポイント
1.技術英文と一般英文の違い
(1)正確な表現が使われる
(2)ダイレクトな表現(直接的表現)が使われる
(3)専門用語、技術用語が使われる
(4)音節の多い言葉が使われる
(5)具体的な表現が使われる
(6)物が中心で文が展開される
2.簡潔な文の3つの基本条件
(1)格調の高い複雑な言葉よりも、簡潔な言葉を使う
(2)言おうとしている意味に不必要な単語、句、文は削除する
(3)語句は定性的表現ではなく、できるだけ定量的表現(明確・具体的な語)を使う
3.読みやすさを助ける表現方法
(1)短い名詞句を長い名詞句の前に置く
(2)長い文章は15から20語の短い文に分ける
(3)過度に形式ばった、重厚な文体は避ける
(4)文は既知の情報から新しい情報の流れにする
4.“3Cと1E”の具体的表現方法
(1)「簡潔な文」を書く手法―6つのポイント
(2)「明確な文」を書く手法―4つのポイント
(3)「流暢な文」を書く手法―2つのポイント
(4)「強調する文」を書く手法―3つのポイント
5.テクニカル・ライティングにおけるToneとCourtesy
6.技術英文における誤用されやすい語句

第2章 読みやすく頭に入るパラグラフを構成しよう
1.英文パラグラフ構成法(パラグラフのABC構成)
(1)パラグラフのABC構成とは何か
(2)パラグラフのABC構成方法
2.良い要約文を書く
3.パラグラフの統一(Unity)
4.パラグラフの一貫性(Coherence)
(1)順序による一貫性をとる方法
(2)特定の移行ワードまたは移行句により一貫性をとる方法
5.テクニカル・ライティングに必須の句読点
(1)ピリオド
(2)セミコロン
(3)コロン
(4)ダッシュ
(5)コンマ

第3章 技術文書で相手を動かす「書くレトリック」の基本
1.報告文のパターン
(1)分析法
(2)記述法
(3)インストラクション法
(4)調査研究法
(5)定義法
(6)分類法
2.説得文のパターン
(1)説得法
(2)問題解決法
(3)原因結果法
(4)比較対照法
3.レトリックのパターン構成例

第4章 技術文書での数字・単位の書き方の鉄則
1.「10未満の数」は、そのままスペル・アウトして書く
2.「大きい数」は、読み手によく知られた方法で書く
3.名詞を修飾する「数字と計量単位」はハイフンでつなぐ
4.小数および分数は言葉でなく数字で書く
5.小数の桁数を増すことにより、精度を誇張する表現は避ける
6.小数の概数を示すには、数値ではなく言葉で書く
7.同一文内で複数の数を示すときは、すべて数字で書く
8.数字で文を書き始めない
9.「2つの数」が続くときは、一方の数をスぺル・アウトする
10.すべての計量単位は一貫性を持たせる
11.計量単位はスペル・アウトするか記号で書き、略語は使わない
12.計量単位の乗算は中黒(・)、除算はスラッシュ(/)で示す
13.数が1以下の場合、それに続く計量単位は単数で書く
14.主要計量単位に続けて二次的単位をカッコ内に書く

第5章 論文・レポートの書き方実例
1.論文(序文)の例
2.レポートの例(電気自動車の例)
3.自分の仕事を説明する例

第6章 提案書・仕様書の書き方実例
1.英文提案書の例
2.問題解決(提案)の例
3.英文Specification(仕様書)の例
(1)英文仕様書の基本構成
(2)英文Specification(仕様書)の英文表現のポイント

第7章 Eメールとクレームの書き方実例
1.社内Eメールの例
2.社内メモの例
3.相手の提案を断る例
4.クレームを相手に伝える例

おわりに

はじめに

2015年2月から約1年間にわたって、日刊工業新聞社の月刊誌「機械設計」において「英文テクニカル・ライティングの基礎と実践」を連載しました。お陰様で連載は好評で今回編集部から出版のお誘いを受け、連載中にいただいたご意見、および改善すべき点を検討し、かつ豊田工業大学で「英語テクニカルライティング」を3年間にわたって教えた内容も含め、使用例文も見直し、新しく加筆して読み手の心を捉える「英文テクニカル・ライティング」として、出版することになりました。まさしく私自身も欲しいと思って作った本で、必ずや読者のみなさんのご期待に添えるものと思います。
 インターネット、Eメールが普及し、研究者・設計者・技術者にとって効果的、効率的に書く技術が、あらゆるビジネス、職場、場面で必須となってきました。ビジネスにおいて、企業は生き残るため、「開発力」、「商品力」、「販売力」にしのぎを削っていますが、最終的には「コミュニケーション力」(特にライティング力)の差が生き残りを決めるという状況になってきています。このように、企業も個人も生き残りをかけ、一人ひとりが欧米のように「文書によるコミュニケーション力」が必須になっています。
 「テクニカル・ライティング」という言葉は、難しい響きがありますが、わかりやすく言えば、例えば、「吾輩は猫である。まだ名前はない」という文を英語にする場合、通常、“I am a cat. I have no name yet.”という英文を直ちに思いつくでしょう。しかしテクニカル・ライティングでは、このように言わず、一言で、“I am an unnamed cat.”という表現をとります。すなわち、できるだけ短く、文を楽しむのではなく、読み手にストレートに伝える表現をとる手法で、そのためのライティング手法であるといえます。
 本書は、研究者・設計者・技術者、およびビジネスパーソン、翻訳者、査読者、学生、先生方、そしてこれからテクニカル・ライティングをさらに学ぼうとする方々にとって、有効かつ必須の、英語で効果的、効率的に「技術文書」、「ビジネス文書」、および「一般文書」を書くための基本書です。
 すなわち、筆者の35年以上にわたる企業ならびに大学、高専での「英文技術・ビジネスライティング」の指導経験をもとに、「書く技術」としてわかりやすく、初心者であっても容易に理解できるようにまとめたものです。これらの書く技術は、自分の書いた文が読み手にどのように受けとめられるかを示し、そしてどのようにそれを改善すべきかの指針を与えるものです。
 本書は、従来「日本人の書いた英文は必ずネイティブにチェックをしてもらわなければならない」ということから脱却し、「自分でネイティブチェックができるようになる、あるいはできる助けになる」というところにその一つのねらいがあります。
 本書の構成は、まず、初心者でもテクニカルライティングの本質が容易にわかるように、序章で「テクニカル・ライティングはなぜ必要か」について説明し、第1章でテクニカル・ライティングの基本である「テクニカル・ライティング上達のためのキーポイント」、第2章で文書の設計に相当する「読みやすく頭に入るパラグラフを構成しよう」、第3章で研究者・設計者・技術者にとって「must条件」である、「生き残るためのコミュニケーション技術(=書くレトリック)」である、「技術文書で相手を動かす『書くレトリック』の基本」を、第4章で間違ってはならない、重要な「技術文書での数字・単位の書き方の鉄則」を紹介。次にテクニカル・ライティングの理解、運用を容易にするために役立つ実際例として、第5章「論文・レポートの書き方実例」、第6章「提案書・仕様書の書き方実例」および第7章「Eメールとクレームの書き方実例」を説明するという、7つの章からなっています。
 序 章 テクニカル・ライティングはなぜ必要か
 第1章 テクニカル・ライティング上達のためのキーポイント
 第2章 読みやすく頭に入るパラグラフを構成しよう
 第3章 技術文書で相手を動かす「書くレトリック」の基本
 第4章 技術文書での数字・単位の書き方の鉄則
 第5章 論文・レポートの書き方実例
 第6章 提案書・仕様書の書き方実例
 第7章 Eメールとクレームの書き方実例
 これらの章の内容を理解し、実践すれば、あらゆるビジネス場面で効果的、効率的に(短い時間で)英文技術文書を書くこと、見直すことが可能になります。
 本書で紹介したテクニカル・ライティング技術(書く技術)は、技術英文・ビジネス英文・一般英文を書くときのガイドとしてだけでなく、日本語で書類を作成するときにも利用できるので、コミュニケーション力(書く技術)を強化、改善したいと思っておられる研究者・設計者・技術者、ビジネスパーソン、翻訳者、査読者、学生、テクニカル・ライティングを教える先生方のみならず、その他多くの方々に、お役に立ち、その結果ビジネスで成功し、「生き残ること」につながることを願っています。さらに教材としても使われるならば、筆者の大いなる喜びです。
 最後に、本書の出版にあたり、豊田工業大学で「英語テクニカル・ライティング」コースを新しく開講するにあたって貴重な機会、アドバイスを頂きました豊田工業大学 原大介教授、資料などの使用を許可いただいた公益社団法人日本工業英語協会およびその他の方々、そして出版の機会をご提供いただいた株式会社日刊工業新聞社、ならびに校正、編集、出版で大変お世話になりました出版部の天野慶吾さんをはじめとする、関係者みなさんのご協力ご支援に、心より感謝致します。
片岡英樹
2016年3月

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