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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい 電波の本
第2版

定価(税込)  1,620円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07525-4
コード C3034
発行月 2016年02月
ジャンル ビジネス 電気・電子

内容

電波の基本的な特性から、この特性を利用した各種応用分野の基本動作などについて、図解を中心にわかりやすく楽しく解説する。特に応用面では、初版執筆当時にはなかった、スマホや自動車における高度な応用や知能ロボット、電子医療分野など、最近の話題や技術を盛り込んで、電波関連技術を学ぶ学生や初学者のために、トコトンやさしく解説する。

相良岩男  著者プロフィール

(さがら・いわお)


昭和7年 東京都に生まれる

昭和31年 東京理科大学卒業 物理学専攻

昭和31年 沖電気工業(株)へ入社し
     
ED事業部総合技術部技師長を経て、

平成3年 KOA(株)常務取締役

平成10年 KOA(株)顧問 平成23年退職


主な著書として、「わかりやすいOPアンプ入門」「トコトンやさしい情報通信の本」「A/D・D/A変換回路入門第3版」「わかりやすいフィルタ回路入門 第2版」「わかりやすいアナログとデジタル基本・応用回路入門」「よくわかる デジタル信号処理入門」「よくわかるデジタルテレビの基本動作と仕組み」「トコトンやさしいアナログ回路の本」「トコトンやさしい電源回路の本」(以上、日刊工業新聞社刊)など多数。

目次

第1章 電波の応用
1 電磁波の誕生と電波の応用 「電波は真空中を伝播する」
2 電波を利用した時代へ 「電波応用機器はアナログからデジタルへ」
3 電波とインターネット 「モノ自身の判断でモノを制御する」
4 電波が活躍するオフィス 「インターネットの利用方法にも新しい動きが」
5 電波と産業分野 「電波はあらゆる産業分野で活躍」
6 電波を利用したデジタル電子機器誕生 「電波にデジタル技術が重畳されてきた」
7 電波と民生分野 「電波は民生電子機器分野のあらゆる領域で活躍」
8 電波を使用するための電波法 「電波は法律に従って運用される」

第2章 電磁波に含まれる電波
9 電磁波と電波 「電波は電磁波の一部」
10 電磁波の基本となる電界と磁界 「電界と磁場の性質が明らかとなってきた」
11 電磁波の存在を予測 「マックスウエルが電磁波の存在を予測」
12 遂に電磁波発見 「ヘルツが実験で電磁波を確認した」
13 電磁波は粒子であり波動 「やっと電磁波の謎が解けた」
14 電磁波は横波 「波には横波と縦波がある」
15 電波と正弦波 「電波の波形は正弦波で表すことができる」
16 電波の特性 「正弦波は周波数、波長、周期、振幅で表す」
17 電波応用の道を切り開いた金属輪 「電波の応用では同調回路と検波回路が必要」
18 同調回路で重要なコイルとコンデンサ 「電波の応用ではコイルとコンデンサは重要な役割を担う」
19 検波回路の開発が始まる 「画期的な検波器電子弁(二極真空管)の発明」

第3章 電波の性質
20 周波数分類 「電波は多くの通信分野で活躍」
21 極超長波と超長波の特性 「ELFとVLFは深海通信に適している」
22 長波の特性 「伝播には地上波、電離層反射波とがある」
23 中波の特性 「真空管の発明で電波応用が高まる」
24 短波の特性 「電離層で反射のため長距離通信用として普及」
25 超短波の特性 「アナログテレビや人工衛星通信に用いられた」
26 極超短波の特性 「デジタルテレビやデジタル携帯電話などの分野で使用」
27 マイクロ波の特性 「マイクロ波の応用は多方面に広がっている」
28 ミリ波の特性 「ミリ波(EHF)の開発は一段と加速する」
29 サブミリ波の特徴 「サブミリ波から新しい応用が開発される」

第4章 電波応用で必要な基本回路
30 電波を送信・受信する基本回路 「基本回路は同調回路と発振回路と変調 ・ 復調回路」
31 発振回路とは 「電子機器では精度の高い安定した発振周波数が必要」
32 アンテナとは 「アンテナの構造は受信周波数によって異なっている」
33 変調回路、復調回路とは 「信号は電波を変調して送信し復調して取り出す」
34 同調回路とは 「同調回路で電波から希望の周波数を選択する」
35 増幅回路とは 「増幅器の登場で電子機器は大きく発展した」
36 受信回路の方式 「画期的なスーパーヘテロダイン方式」
37 フィルタとは 「代表的なフィルタはLPF・HPF・BPF・BEF」
38 信号と雑音 「増幅器では信号と一緒に雑音も増幅される」
39 電波応用機器を支えるデジタルIC 「電子機器の性能を決めているのはCPUとメモリ」

第5章 情報機器を支える電波の応用
40 パソコンを支える電波応用技術 「パソコンは電波応用の固まり」
41 有線LANから無線LANへ 「高忠実度無線通信Wi─Fiの普及」
42 Wi─Fiの規格 「Wi─Fiの特性と動作」
43 ブルートゥースとは 「ブルートゥースは近距離無線通信」
44 超低消費電力対応のブルートゥースLE 「長時間動作可能な近距離無線通信技術」
45 RFID(非接触型自動認識技術)とは 「電波の伝播特性を応用した非接触型自動認識技術」
46 非接触型ICカード 「リーダとデータの読み書きを電波応用で行う」
47 NFC(近距離無線通信技術)とは 「お互いにデータ交換ができるNFC」
48 通信衛星とは 「赤道上に打ち上げた静止通信衛星で地球をカバー」
49 静止衛星の展開 「放送衛星 ・ 通信衛星 ・気象衛星が活躍」
50 全地域測位システムGPSとは 「GPSはカーナビなどの位置情報検索で活躍」

第6章 電波を応用した電子機器
51 電波を応用した電子機器 「電波応用の電子機器はアナログからデジタルへ」
52 アナログラジオとデジタルラジオ 「ラジオ放送は中波帯と短波帯と超短波帯を利用」
53 地上デジタルテレビ 「地上デジタルテレビの基本性能」
54 地上デジタルテレビを支える基本動作 「A/D ・ D/A変換と圧縮と変調が重要」
55 携帯電話 ・ スマートフォンの通話網 「話すだけから大容量のデータを高速で伝送へ」
56 携帯電話の通話網 「携帯電話からスマホに」
57 電波時計とは 「電波時計にはJJYとGPSを利用したタイプがある」
58 レーダと応用 「レーダとは電波が物体で反射する現象の応用」
59 電波と自動車 「次世代に向けての自動車」
60 自動車社会を支えるインフラ 「利便性を求めてさらに進化するカーナビ」
61 ロボット革命と電波 「ロボットの知能化」
62 天気予報と電波 「地上の気象観測データはレーダとアメダスで集めている」
63 世界の気象衛星 「静止衛星気象と極軌道気象衛星」
64 電波で電力を伝送 「電波は通信だけでなくエネルギー供給でも注目」
65 電波を応用した家庭内調理器 「家庭では電子レンジと電磁調理器が用いられている」
66 宇宙と電波 「太陽のフレアで電波障害が生じる」

【コラム】
●エレクトロニックスは琥珀から始まった
●磁界と電界の謎の解明へ
●マックスウエルは電磁波を予測
●電磁波正体の謎解明に登場した量子論と相対性理論
●電波の応用が始まる
●日本でも電波の応用が始まった

索引

はじめに


 本書では、21世紀の重要な通信インフラである電波を取り上げ周波数範囲ごとに異なる電波の特徴、並びに周波数ごとに対応する電波の応用機器について記述することを目標としました。記述に当たり、可能な限り、平易な文章と、目で見て理解しやすい図面で表現できるように心がけました。本の構成は6章より成り立っています。

 第1章では、有線に代わって電波(無線)があらゆる産業・民生分野で活躍している姿を図解イメージで表しました。電波は便利だからといって、好き勝手に使用しては混乱を招きます。秩序のある運用が必要です。このことについて簡単に解説してあります。

 第2章では、電波とは何かについて取り上げました。電波は電磁波の一部で3㎐以下の周波数範囲を指しています。この電磁波は19世紀後半から20世紀前半にかけて大きく展開していきました。電磁波が歴代の科学者の知恵の上に発見されたといっても過言ではありません。マックスウエルは電界と磁界との関係を示す電磁方程式を導びき出し電磁波の存在を予言し、ヘルツが電磁波を見つけています。さらにプランクの量子論とアインシュタインの特殊相対論によって電磁波は粒子であり、波動であるという奇妙な性質を持っていることがわかったのです。電波はこれら科学者の研究に対する情熱が集積された結晶ということができます。電波を応用するにはこの発展の経緯を理解することが必要で、これらの経緯についても触れています。
 
第3章では、電波は超長波領域からテラヘルツ波領域まで分類されていますが、電波の特性は周波数が高くなると光の性質に近づいていき、それぞれの周波数領域で電気的特性は異なってきます。電波を応用するには、それぞれの周波数帯での性質をよく理解することが重要です。この関係を図解で示しました。
 
第4章では、電波を応用した電子機器の基本回路構成について取り上げました。情報を伝える信号は電波に乗せてアンテナから送信し、離れた場所でアンテナから信号の乗った目的とする電波を受信し情報を取り出していきます。この基本的な流れは一方向のみ信号を送るラジオ受信機やテレビ受像機と、相互に情報交換のできる携帯電話、スマホなど応用には多くの種類があります。このとき必要な基本回路について解説してあります。
 
第5章では電波の新しい利用に関して取り上げます。パソコンが登場したころは、文章を作成する、計算をする、データを保管する、印刷をする、といった限られた分野でしたが、インターネットの登場によって電波応用環境は激変してきました。あらゆるモノと接続し、モノとモノとがお互いに制御することのできるIoT時代となってきています。この便利なパソコンを動作させるため、電波は不可欠となってきました。この新しい応用における電波の使用に関して取り上げています。
 
第6章では、電波を応用した応用製品として、ラジオや地上デジタルテレビやスマホや電波時計やレーダ、さらにこれから新しい電波応用展開となる自動運転自動車社会や人工知能や電波電力送電や世界の気象衛星や家庭内調理器や宇宙と電波などを取り上げました。
 「トコトンやさしい電波の本」は2003年谷腰欣司先生によって記述され、好評を博しましたが、谷腰先生は2013年病により亡くなられました。今般、第2版に当たり、小生が大役を担うことになり、谷腰先生のご遺志を引き継いで記述いたしました。
 
最後に、本書の出版に際し、ご協力を戴いた日刊工業新聞社関係者の方々に感謝の意を申し上げます。
 
2016年2月                             
相良岩男

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