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やりたくなる5S新書

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07521-6
コード C3034
発行月 2016年02月
ジャンル 生産管理

内容

「すぐに効果が出る(評価も簡単)」「活動が定着しやすい」「どこでも適用できる普遍性」=やりたくなる5S活動と定義し、その進め方を見開きで図解解説する。新しい5S活動推進の切り口を体得することで、やる気になる・元気になる現場づくりが実現するリーダー必読の書。

中崎 勝  著者プロフィール

(なかざき まさる)

株式会社ロンド・アプリウェアサービス 代表取締役社長

1957年東京都生まれ。81年慶應義塾大学工学部計測工学科卒業後、株式会社ブリヂストン入社。生産技術業務に従事する。87年日本デジタルイクイップメント株式会社に入社し、システムエンジニアリング業務に携わる。92年ロンド・アプリウェアサービスを設立。

当初はITコンサルティングをしていたが、現場改善の必要性と重要性を感じ、TPMのコンサルタントとして再デビュー。その後、QC、IEと分野を拡げ、最終的に不良ゼロ、ロスコストマネジメント、SCMとトータルコンサルティングを展開。その効果とスピードは好評で、現在までに46社(協会)・47事業所でコンサルティングを実施。その集大成として本書を執筆した。

目次

はじめに 

第1章 なぜ、やりたくなる5Sか
1.新しい5Sを創ってみました 
2.5Sをやりたくなる本当の理由 
3.もっとやりたくなる5Sへ 
4.モラルとコストをマネージする 
5.一からやるか、ピンポイントで取り入れるか 

Column やりたくなる5Sは、不良改善もできるAll in Oneツール 

第2章 2S:安全で働きやすい職場を創る
1.こんな問題ありませんか? 
2.2S実施手順 
3.現状分析、自分たちのことは自分たちで決める 
4.更地化でスピード整理 
5.置き場所、置き方の決定 
6.2Sを仕上げる 
7.変化に対応できるしくみづくり 

実話「やろうぜ、更地化!」 

第3章 3S:止まらない設備に育てる
1.基本中の基本、原理・原則という考え方 
2.原則の崩れは20もある 
3.原則の崩れは清掃で復元する 
4.突発は人、慢性は原則の崩れ 
5.設備トラブルをゼロにする 
6.まずはデータ分析、次に対象の明確化 
7.清掃は6つの目的でやる 
8.バラしたくなる気持ちになる 
9.不具合現象は必ずなくなる 
10.メカニズムを解明し、全容を知る 
11.人も設備も同じ、定期点検が重要 

実話「チョコ停なんて、簡単になくせますよ」 

第4章 4S:クリーンファクトリーの実現
1.なぜ、異物不良はなくならないのか? 
2.異物は感性 
3.異物は変幻自在 
4.清掃は最強の武器 
5.清掃はもろ刃の剣 
6.様々な異物の発生源 
7.異物不良の発生メカニズム 
8.発生源と伝達経路 
9.異物のポテンシャル 
10.徹底清掃でポテンシャルをゼロにする 
11.異物不良をゼロにする 
12.まずは正体を知る 
13.次に出没場所を突き止める 
14.ワンチャンスをものにする徹底準備 
15.一大イベント、徹底清掃 
16.清掃の4つのアウトプット 
17.発生源マップで全容解明 
18.元から断つ 
19.5つの改善で楽々清掃 
20.異物を監視する、制御する 

実話「壮大なプロジェクト」 

第5章 5S:人生産性の向上とポカミスゼロ
1.今、標準が守られていないという実態 
2.標準を改善し、人を育てる 
3.短時間で大きな効果を生む作業の統一 
4.ばらつく作業を改善する 
5.ポカミス対策は究極の改善 
6.ポカミスの要因、初級者向け10項目(26のポカミス要因①) 
7.中上級者向け16項目(26のポカミス要因②)  
8.思っている以上に大きいポカミスの損害 
9.まずはSimple/Speed対策 
10.うっかり対策、手抜き対策 
11.おざなりな教育・訓練 
12.メリットいっぱいのビデオ標準 
13.自分のビデオは自分でつくる 
14.絵コンテがキモ 
15.意外と難しいビデオ撮影 
16.見やすくわかりやすい標準に編集 
17.出来上がりを10のポイントでチェック 
18.これからの時代の教育・訓練 

Column 限界を超える作業への対策 

第6章 これからの時代の人財マネジメント
1.現場のモラルが変わった
2.モラルレベルと動機付け 
3.5段階でモラルを上げていく 
4.キックオフでやる気にさせる 
5.率先垂範でロケットスタート 
6.成功体験を味わってもらう 
7.ほめるが最高のマネジメント 
8.責めないで一緒に考える 
9.ワークショップでマンネリ化を打破
10.上司の目線は上目線、上司の意見は命令 
11.信頼し任せる 
12.尊敬される上司になる 

Column すべてが管理・監督者の責任 

索 引 

はじめに

 いや~、やっぱり5Sはすごい。改めてそう思う今日この頃です。

 5Sの人気は定着しており、いまだに「現場の基本は5Sにあり」と言われています。

 しかし、その実態は散々なものです。効果が出ない、定着しない、活動が進まない、終わりがないなどの様々な問題点を抱えています。

 時代の流れとともに、生産現場と働く人たちの考え方が変わってきています。その流れに沿った5Sでなければ、効果も出ず、定着もせず、そんな活動はやりたくないと言われてしまいます。

 本書を出すきっかけとなったのは、5Sが日本で主流の改善・管理ツールであるにもかかわらず、様々な問題点を抱えたままだったからです。その問題点を解決するために、5Sを刷新します。

 「やりたくなる5S」のキーワードは、効果と効率(スピード)、定着、そして普遍性です。

 効果と効率に関しては、スピーディーに大きな効果が出るように、コンサルティングツールを組み込みました。具体的には、2Sでは更地化(本編で詳しく説明します)、3Sでは原則整備へのアプローチ、4Sでは異物ゼロへのアプローチ、5Sでは標準整備、ポカミス対策、ビデオ標準へのアプローチを組み込みました。大きな効果が早く出れば、活動をやっている方のやる気も出てきます。それによって、会社の方も助かります。そんな双方のニーズを満たす5Sにしました。

 定着に関しては、モラルマネジメントとITの活用という、2つのアプローチで解決しようと試みています。モラルマネジメントは、5S活動と普段の仕事を通してルールを守り、やる気とチャレンジ精神を持った人材を育てる手法です。しかし、定着を人のモラルだけに頼るのではなく、ITを活用し、さらに確実に定着させる試みを入れています。2SではICタグ、5Sではビデオ標準がそのツールです。

 普遍性に関しては、論理性と体系的効果指標の2つで確立します。5Sを、日本が誇る世界に通用するツールにすべく、徹底的に論理性を追求しました。なぜ、その活動をするのか。何をやるのか。どうやるのか。やると、どういう効果が出るのか。これらを明確にし、一つひとつの活動を順序通りに実施すると、求める効果が得られるように設計しました。体系的な効果指標としては、ロスコストマネジメント(これも後述します)の考え方を取り入れています。


 
 本書は、大きく6つの章に分かれています。
 
第1章は、なぜ、やりたくなる5Sが必要か、について解説します。5S活動の実態を明らかにし、これからの時代にマッチした新たな5Sのコンセプトを提唱します。

 第2章は、2S(整理・整頓)です。テーマを、安全で働きやすい職場を創ることに設定しました。従来の2Sに、更地化とICタグにより位置管理を組み込み、効率と効果、定着性を追求しました。

 第3章は、3S(清掃)です。3Sでは、設備を改善・管理対象とします。テーマは、止まらない設備に育てることです。従来のTPMを改良し、20の原則というシンプルな考え方で設備トラブルをゼロにします。この活動をマスターすると、設備トラブルってこんなに簡単にゼロにできるんだ、という実感を持つことができます。

 第4章は、4S(従来の清潔)です。4Sでは、多くの製造現場を悩ませている異物と対決します。テーマは、クリーンファクトリーの実現です。この活動は、最も難しい活動です。しかし、そのコンセプトを理解し、実践できたら必ず異物不良は極小化します。

 第5章は5S(従来の躾)です。テーマは、人生産性の向上とポカミスゼロです。具体的には、標準整備、ポカミス対策、教育・訓練のしくみづくりをします。ポカミス対策では、7,000件以上の事例を分析し、導き出した26の要因に対して対策を打っていきます。特に手ごわい、ベテランが犯しがちなうっかり・手抜きのメカニズムも解明しました。教育・訓練に関しては、現状のOJT中心の教育・訓練から、ビデオ標準による教育・訓練へと移行します。

 第6章では、活動のマネジメントについて解説します。テーマは、これからの時代の人財マネジメントです。5Sの活動を人材育成ととらえ、活動全般を通して作業者のモラルを高めていきます。本章の担い手は、管理・監督者と活動推進者です。

 以上、各章の概略を解説しましたが、本書で紹介する5Sの特長は、一つひとつの活動が単独でも実施できるということです。ですから、興味のある章や実施したい章だけを読んでも、十分お役に立てると思います。



 また、第2〜4章の最後に、「実話」と称した実践例を入れました。活動のすごさや効果の大きさ、楽しさ、その場の感動を伝えたかったからです。すべて事実です。

 お客さまと一緒に改善活動をしていると、改善ってすごいなぁ~とたびたび驚かされます。初めは、一人ひとりに自分なりの思いや考え方があり、それが活動を進めることで徐々に変わり始め、最後に一つの意志や考え方に統一され、奇跡としか思えないことが起きる。そのような風景を目の当たりにすると、改善ってすごいなぁ~と感じずにはいられないのです。

 改善とはそういうものです。そのすごさを、みなさんにも味わっていただきたい。そういう思いで、この本を書きました。



2016年2月

著 者

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