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目で見てわかる良い溶接・悪い溶接の見分け方

定価(税込)  1,944円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07516-2
コード C3053
発行月 2016年02月
ジャンル 金属 機械

内容

溶接分野の第一人者である著者が、さまざまな試験・検査方法を駆使した溶接欠陥の見分け方と、得られた試験結果がどのような意味を持つのかを豊富な写真や図でわかりやすく解説する。溶接技術者・作業者が身につけておきたい「欠陥を見る目」を養える書籍。

安田克彦  著者プロフィール

(やすだ かつひこ)
高付加価値溶接研究所長、職業能力開発総合大学校名誉教授
1944年 神戸市生まれ
1968年 職業訓練大学校溶接科卒業後同校助手
1988年 東京工業大学より工学博士
1990年 技術士(金属)資格取得
1991年 職業能力開発総合大学校教授
2002年 IIW・IWE資格取得
2005年 溶接学会フェロー
2010年 高付加価値溶接研究所長、職業能力開発総合大学校名誉教授
著 書
「板金加工における溶接」マシニスト社、1984年
「薄板溶接」マシニスト社、1986年
「絵とき『溶接』基礎のきそ」日刊工業新聞社、2006年
「目で見てわかる溶接作業―Visual Books」日刊工業新聞社、2008年
「目で見てわかる溶接作業(スキルアップ編)-Visual Books」日刊工業新聞社、2008年
「トコトンやさしい溶接の本」日刊工業新聞社、2009年
「トコトンやさしい板金の本」日刊工業新聞社、2011年
「安田克彦の溶接道場『現場溶接』品質向上の極意」日刊工業新聞社、2013年

目次

はじめに

第1章 溶接欠陥の種類と試験・検査法
1-1 溶接で発生する欠陥
1-2 代表的な溶接欠陥と試験方法の関係

第2章 非破壊試験
(製品を壊さないで材料や溶接部の欠陥を調べる)
2-1 試験方法と試験技術者
2-2 外観試験と試験結果の利用
2-3 微小な材料表面の割れやキズを検出する浸透探傷試験
(1)浸透探傷試験の特徴
(2)浸透探傷試験の試験手順
2-4 材料の磁性を利用する磁粉探傷試験
2-5 X線などを利用した放射線透過試験
  (1)放射線透過試験の特徴
  (2)放射線透過試験の試験手順
  (3)X線透過試験フィルムの評価
2-6 溶接部の放射線透過試験結果の評価
2-7 溶接部の放射線透過試験結果と曲げ試験結果の比較
(1)微小欠陥
(2)ビード重なり不足による浅い凹み欠陥
(3)先行ビードクレータの黒い凹み欠陥
(4)ビード止端部のスジ状欠陥
2-8 超音波を利用した探傷試験
(1)超音波をキズの探傷に利用する
(2)超音波探傷試験によるキズの検出と位置の判定
(3)超音波探傷試験の試験手順
2-9 溶接部の気密試験
(1)容器の気密度を確認する
(2)欠陥部から吸い込まれるガスを検出する方法
(3)圧力の差を利用する「圧力変化法」
2-10 溶接部の分析試験
(1)材料の成分や組成を知る方法
(2)成分分析結果の利用
2-11 その他の試験方法
(1)過電流探傷試験
(2)厚さ試験
(3)応力検出試験
(4)アコースティック・エミッション(AE)試験
(5)新しい試験方法の利用

第3章 破壊試験  
(破壊して材料や溶接部の性能を調べる)
3-1 火花で見きわめる火花検査
(1)火花試験の手順
(2)炭素鋼の炭素量と火花の発生状態
3-2 熱処理の妥当性などを確認する金属材料の組織検査
(1)組織試験の手順
(2)試験結果の利用
3-3 機械的性質と密接な関係がある硬さ試験
(1)各種の試験方法
(2)試験結果の利用
3-4 材料の引張強さや破断する過程を調べる引張試験
(1)引張試験の手順
(2)応力ひずみ線図
(3)試験結果の利用
3-5 変形部で割れ発生などを観察する曲げ試験
(1)曲げ試験の方法
(2)曲げ試験でのひずみ量と試験結果の利用
3-6 材料の張出し成形性を評価する張出し試験
(1)張出し試験の手順と試験での変形特性
(2)試験結果の利用
3-7 材料のクリープ特性を調べるクリープ試験
(1)クリープ試験の手順
(2)試験結果の利用
3-8 材料のもろさ(ぜい性)を調べる衝撃試験
(1)衝撃試験の手順
(2)衝撃試験による試験結果
(3)試験結果の利用
3-9 各種部材の疲労強さを調べる疲労破壊試験
(1)疲労破壊試験の手順
(2)破断面とS-N曲線
(3)試験結果の利用

第4章 溶接検査における不良品の処置
4-1 不合格品の処置と補修
(1)不合格製品の処置
(2)各種欠陥の補修溶接
(3)補修溶接後の処置
4-2 フラックス入り複合ワイヤ使用半自動溶接での 特異欠陥発生防止対策事例
(1)フラックス入り複合ワイヤによる特異欠陥
(2)特異欠陥が継手溶接に及ぼす影響
(3)特異欠陥発生に対する溶接条件の影響
(4)特異欠陥の発生メカニズムとその発生の防止策
4-3 鋼構造物の柱梁接合部での欠陥発生防止対策事例
(1)フラットバー裏当て金溶接の問題点
(2)フラットバー裏当て金溶接問題点の解決法
(3)歯付き裏当て金溶接の効果
(4)歯付き裏当て金溶接によるルート部組織の改善効果
(5)歯付き裏当て金溶接におけるガス抜き効果
(6)歯付き裏当て金溶接の改良

参考文献
索引

はじめに

ものづくり作業で作り出される製品に求められる品質は、①製品の使用目的を満足させる機能を有していること、②製品として成り立つための寸法精度が確保されていること、③製品に求められる強度が得られていること、の3点です。そこで、これらの品質を保証するため、各種の試験が行われ、得られた試験結果で製品としての合否を判定する検査が行われます(このように、本来、試験と検査は別のものになります)。
製品の機能品質や寸法品質については、製品を壊さないで判定可能な非破壊試験による判定が可能です。一方、製品の強度品質に関しては、製品状態で破壊させ強度を確認することは難しく、さらに適切に品質を判定できる試験方法の設定(どのような試験方法を採用し、どの程度の試験結果で合否を判定するのか)自体も非常に難しい問題です。したがって、過剰品質とならず壊れることのない製品づくりを行うには、JISやISOなどの規格を参考に、製品に関する周辺情報を十分に収集し精査して試験計画を作成、実施することが必要となります。
いずれにせよ、製品の適確な品質保証を行うには、適用する試験の方法を知っておくだけでなく、得られた試験結果がどのような意味を持つのかを十分に理解しておくことが重要です。
本書では、こうした試験、検査が製品製作に効果的に利用されている「溶接を利用するものづくりを」中心に、写真や図表に説明を加えることで、試験の方法をわかりやすく解説しています(他の分野で、こうした試験、検査の導入を考えていく場合のヒントにもなります)。加えて、個々の試験で得られる結果がものづくり製品に対し、どのような意味を持つかを周辺情報の写真や図表を引用することでわかりやすく解説しています。本書が、現場で製品づくりに携わる皆さんに役立てていただければ幸いです。
2016年2月
安田克彦

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