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ROE重視のKPIマネジメント教本

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-07508-7
コード C3034
発行月 2016年01月
ジャンル 経営

内容

アベノミクスの成長戦略の後押しなどもあり、株主との対話を重視した資本効率面のKPIであるROE(株主資本利益率)重視経営へのシフトが本格化している。ROEとは「当期純利益÷株主資本」で、株主の持分である株主資本がどの程度利益に結びついているのかを示す総合的な財務指標。本書では、「ROEのKPI指標の中での位置づけと意味」「ROE重視の経営とは何か」からはじめ、そのために、どのように資本構造に関する知識を見直すのか、さらに具体的にどのような経営手法を取るかなどを細かく丁寧に解説する。

松原恭司郎  著者プロフィール

(まつばら きょうしろう)


キュー・エム・コンサルティング取締役社長、公認会計士、情報処理システム監査技術者。

国際会計事務所系コンサルティング会社などを経て1992年に独立。バランス・スコアカード、ビジネスモデル、ERP関連のコンサルティング業務に従事。東北福祉大学兼任講師、元 中央大学大学院特任教授。

主な著書に『松原流:戦略マップ/BSC実践教本』 (2010)、『ビジネスモデル・マッピング教本』(2013)いずれも日刊工業新聞社、『図解「統合報告」の読み方・作り方』(2014)中央経済社などがある。

目次

はじめに

第1部
【WHY】 ROEを始めとするKPIが注目される背景

第1章 政府主導の第二次ROEブーム
1.1 アベノミクスの成長戦略がドライバー
1.2 成長戦略の一連のアクティビティ
1.3 ROEを重視するその他のムーブメント
第2章 マネジメントによる経営戦略とビジネスモデルの見える化への渇望
2.1 重要性を増す経営戦略とビジネスモデル
2.2 経営戦略の見える化とKPI
2.3 ビジネスモデルの見える化とKPI
2.4 戦略とビジネスモデルの連携を目指す「ビジネスモデル・マッピング」
第3章 マルチステークホルダーに対応する「統合報告」
3.1 動き始めた統合報告  
3.2 ROEは一里塚にすぎない


第2部
【WHAT】 ROEとROAのショーケース
第4章 ROE・ROAを理解するための前提知識  
4.1 財務諸表とその構造
4.2 ROE・ROAについて押さえておくべき財務諸表のポイント
4.3 資本コストと株主還元策
第5章 ROE・ROAのショーケース
5.1 総合経営指標の設計
5.2 ROE・ROAのKPIディクショナリー

第3部
【WHAT】 KPIの定義と様々なタイプ

第6章 KPIに迫る
6.1 KPIの意味
6.2 KPIの機能
第7章 KPIのタイプを押さえる
7.1 KPIのタイプ分類
7.2 KPIのタイプ個別解説
7.3 【ミニクイズ】ROEのKPIタイプを知る


第4部
【HOW】 KPIマネジメントのフレームワーク

第8章 KPIマネジメントに役立つ思考法
8.1 KPIマネジメントに役立つ三つの思考法
8.2 システム思考で捉える
8.3 「システムの15の知恵」をKPIマネジメントに生かす
第9章 KPIマネジメントに役立つフレームワーク
9.1 KPIフレームワークの具備要件
9.2 KPIマネジメントを支えるフレームワーク
第10章 KPIツリー展開方式とその限界
10.1 ROEの現場への落とし込み
10.2 KPIツリー展開方式の限界
第11章 MAP展開方式の活用
11.1 視点を組み込んだ「MAP展開方式」
11.2 KPIではなく「目的」を展開

第5部
【HOW】 ROE他財務のKPI向上のためのレシピ

第12章 ROE向上のためのレシピの必要性
12.1 財務分析の域を出ない「ROEツリー」分析
12.2 ビジネスモデルや戦略のストーリーを描く
第13章 顧客価値提案を柱とする「MAPレシピ」
13.1 顧客価値提案に合わせよ
13.2 顧客価値提案の「戦略タイプ」
13.3 戦略タイプ別の「MAP」の特徴
第14章 ビジネスモデルのパターンを取り込んだ「MAPレシピ」
14.1 ビジネスモデルの代表的なパターン
14.2 ビジネスモデル・パターンの類型
14.3 サウスウエスト航空の戦略マップ


第6部
【HOW】 KPIマネジメントの質を高める

第15章 どのKPIを選ぶか
15.1 KPI選定・設定のためのチェックリスト
15.2 KPIの数は徹底的に絞り込め:「マジカル・ナンバー」
15.3 KPIの選定・設定に役立つ三つの教訓
第16章 KPIマネジメントの成熟度を高めよう
16.1 成熟度モデルを使ったレベル診断
16.2 KPIマネジメントの成熟度モデル


第7部
【WHAT】 視点別KPIのショーケース

第17章 財務の視点のKPI
17.1 財務の視点を理解する
17.2 財務の視点の主なKPI
17.3 財務の視点のKPIディクショナリー
第18章 顧客の視点のKPI
18.1 顧客の視点を理解する
18.2 顧客の視点の主なKPI
18.3 顧客の視点のKPIディクショナリー
第19章 バリューチェーンの視点のKPI
19.1 バリューチェーンの視点を理解する
19.2 バリューチェーンの視点の主なKPI
19.3 バリューチェーンの視点のKPIディクショナリー
第20章 経営資源の視点のKPI
  
20.1 経営資源の視点を理解する
20.2 経営資源の視点の主なKPI
20.3 経営資源の視点のKPIディクショナリー
第21章 ESGのテーマのKPI
21.1 ESGのテーマを理解する
21.2 ESGのテーマの主なKPI
21.3 ESGのテーマのKPIディクショナリー



主要参考文献


はじめに

出版の背景
 
本書『ROE重視のKPIマネジメント教本』の出版を企画したのは、著者が専門とするバランス・スコアカード(BSC)をすぐに本格導入する前に、KPI(重要業績評価指標)をマネジメント・レベルで導入し、いわゆる経営の見える化を推進したい、という問い合わせが数年前から入るようになったことがきっかけです。

 そして、安倍政権が推進するアベノミクス第三の矢・成長戦略の後押しもあり、上場企業を中心に、資本効率を重視したKPIであるROE(自己資本利益率)に再び注目が集まるようになり、一般に論じられているファイナンス理論や財務分析からではなく、KPIマネジメントという切り口でROEの向上を考えることの重要性を、読者諸兄に提案したいとの思いからです。



ROEに対する著者のスタンス
 
2014年から第二次ROEブームの様相を呈してきましたが、著者は「ROEは重要ではあるが、KPIマネジメントの一里塚に過ぎない」とのスタンスをとっています。つまり、

・ROEは投資家が重視するKPIの一つですが、全てではありません。

・ROEは経営者が成果を測る総合的KPIの一つですが、全てではありません。

・重要なのは、ROE他が測定する経営成果を達成するためのストーリー、即ちビジネスモデルと戦略の構築、策定と実行です。

・投資家との対話の質を高めるにも、企業価値や株主価値の向上のストーリーつまりビジネスモデルと戦略のコミュニケーションが重要になります。

・今回の政府が主導する一連のROE重視のイニシアチブについては、自社のKPIマネジメントの成熟度を高める機会ととらえて積極的に活用することを勧めます。



読者ターゲット

 本書は対象読者として、投資家やファイナンスの専門家などに限定することなく、ROEを中期経営計画の目標に取り込み、ROEの向上策を検討している経営企画や、経理や財務の担当者、そしてマネジメントを含むビジネスパーソン全般を想定しています。



読者への価値提案

 ここに来て、ROEに関する書籍の出版が相次いでいます。これには、いわゆる「伊藤レポート」の背景を解説したもの、ROEに注目した株式投資、ROEに係るファイナンス理論、そしてROEツリーによる財務分析を解説する書籍などが含まれます。

 本書は、成果指標であるROEをKPIマネジメントの体系の中で捉えて、

・ROE、X%を目指せと言われても、どうやってそれを達成すればよいのか。

・ROEを向上させるために、現場はどのように努力すべきか。(財務のKPIと非財務KPIや現場のKPI連携)

といった、読者の課題に応えるものです。



本書の構成
 
本書は、

・【WHY】 何故、ROEやKPIが注目され、求められているのか。

・【WHAT】 そもそもROEやKPIとは何か。

・【HOW】 ROE他の向上に役立つ思考法やフレームワーク、そしてレシピにはどのようなものがあるのか。KPI選定のチェックリスト、そしてKPIマネジメントの成熟度を向上させるとは。

・【WHAT】 視点別のKPIの一覧や注目のKPIの紹介。
といった質問に応えるように7部、21章で構成されています。



謝辞
 
私はオープンセミナーや企業内研修の場で、本書のテーマであるROEとKPIマネジメントに関する講演や講義を担当する機会を積極的に持ってきました。その折の研修窓口や受講生の皆さんとのコミュニケーションを通じて学習した経験が、本書の執筆に生かされています。これらの組織ならびに受講者の方々に感謝の意を表します。

 また、日刊工業新聞社の鈴木徹 書籍編集部長とは、編著を含めて本書が7作目の著作となります。今回も、企画段階からの適確なアドバイスをいただき、いつも通り遅々として進まぬ原稿を辛抱強くお待ちいただいたことに感謝します。



2015年10月

松原恭司郎

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