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技術大全シリーズ
プラスチック材料大全

定価(税込)  3,456円

著者
サイズ A5判
ページ数 320頁
ISBNコード 978-4-526-07488-2
コード C3043
発行月 2015年12月
ジャンル 化学

内容

プラスチックは幅広い工業分野において様々な種類の製品が利用されている。プラスチックの多様な種類と特徴、材料選定のポイント、最終製品の用途に適した特性を向上させる改質技術、最終製品の性能に影響する諸要因とその対策、品質評価法など幅広く解説する。

本間精一  著者プロフィール

(ほんま せいいち)
1963年、東京農工大学工学部工業化学科卒業。三菱江戸川化学(株)〔現・三菱ガス化学(株)〕入社。ポリカーボネートの応用研究、技術サービスなどを担当。
1989年、プラスチックセンターを設立、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性PPEなどの研究に従事。
1994年、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の設立に伴い移籍。技術企画、品質保証、企画開発、市場開発などの部長を歴任。
1999年、同社常務取締役。
2001年、同社退社。本間技術士事務所を設立。
●著 書
「プラスチックポケットブック」(技術評論社)、「材料特性を活かした射出成形技術」(シグマ出版)、「射出成形特性を活かすプラスチック製品設計法」(日刊工業新聞社)、「要点解説 設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)、「プラスチック製品の強度設計とトラブル対策」(エヌ・ティ・エス)、「基礎から学ぶ射出成形の不良対策」(丸善出版)、「プラスチック製品の設計・成形ノウハウ大全」(日経BP社)、「実践 二次加工によるプラスチック製品の高機能化技術」(エヌ・ティ・エス)、「やさしいプラスチック成形材料」(三光出版社)、「知っておきたいエンプラ応用技術」(三光出版社)

目次

はじめに

第1章 プラスチックの基礎
1.1 プラスチックとは
1.1.1 ポリマーの概念
1.1.2 熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチック
1.1.3 成形材料ができるまで
1.2 熱可塑性プラスチック
1.2.1 製造法
1.2.2 基礎特性
1.2.3 成形加工法
1.2.4 二次加工法
1.3 熱硬化性プラスチック
1.3.1 硬化反応
1.3.2 製造法
1.3.3 成形加工法

第2章 プラスチックの種類と特徴
2.1 汎用プラスチック
2.1.1 ポリオレフィン
2.1.2 ポリ塩化ビニル(PVC)
2.1.3 スチレン系樹脂
2.1.4 ABS樹脂
2.1.5 メタクリル樹脂(PMMA)
2.1.6 その他の汎用プラスチック
2.2 汎用エンジニアリングプラスチック
2.2.1 ポリアミド(PA)
2.2.2 ポリアセタール(POM)
2.2.3 ポリカーボネート(PC)
2.2.4 変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)
2.2.5 飽和ポリエステル
2.3 スーパーエンジニアリングプラスチック
2.3.1 ポリフェニレンスルフィド(PPS)
2.3.2 液晶ポリマー(LCP)
2.3.3 ポリアリレート(PAR)
2.3.4 ポリスルホン(PSU)
2.3.5 ポリエーテルスルホン(PES)
2.3.6 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
2.3.7 ポリエーテルイミド(PEI)
2.3.8 ポリアミドイミド(PAI)
2.3.9 ポリイミド(PI) 102
2.3.10 フッ素樹脂(PFA)
2.4 その他の高機能プラスチック
2.4.1 環状ポリオレフィン
2.4.2 フルオレン系ポリエステル
2.4.3 シンジオタクチックポリスチレン(SPS)
2.5 環境対応プラスチック
2.6 熱可塑性エラストマー
2.7 熱硬化性プラスチック
2.7.1 フェノール樹脂(PF)
2.7.2 ユリア樹脂(UF)
2.7.3 メラミン樹脂(MF)
2.7.4 エポキシ樹脂(EP)
2.7.5 ジアリルフタレート樹脂(PDAP)
2.7.6 不飽和ポリエステル(UP)
2.7.7 ポリウレタン(PUR)
2.7.8 シリコーン樹脂(SI)

第3章 プラスチックの応用物性
3.1 物理特性
3.1.1 比重、密度
3.1.2 比容積
3.1.3 吸水率
3.1.4 熱的性質
3.2 強度特性
3.2.1 応力と破壊様式
3.2.2 静的強度
3.2.3 衝撃強度
3.2.4 クリープ変形およびクリープ破壊
3.2.5 疲労強度
3.3 耐熱性
3.3.1 耐熱性に影響する要因
3.3.2 材料比較のための耐熱温度
3.3.3 強度の温度特性
3.3.4 脆化温度
3.3.5 高温における熱劣化
3.4 硬さ
3.4.1 押し込み硬さ
3.4.2 引っ掻き硬さ
3.5 耐摩擦摩耗性
3.5.1 摩擦と摩耗
3.5.2 静摩擦係数
3.5.3 動摩擦係数
3.5.4 限界PV 値
3.5.5 耐摩擦摩耗性に関する注意点
3.6 寸法安定性
3.7 光学的性質
3.7.1 光学的特性
3.7.2 光線透過率
3.8 耐紫外線性、耐侯性
3.8.1 紫外線による劣化原理
3.8.2 紫外線劣化と物性変化
3.8.3 耐侯劣化の寿命評価
3.9 耐燃性
3.9.1 燃焼特性
3.9.2 燃焼試験法と評価
3.10 ガス透過性
3.10.1 ガス透過性に影響する材料要因
3.10.2 ガス透過性試験法
3.10.3 ガス透過特性
3.11 耐薬品性
3.11.1 薬品に対する基礎挙動
3.11.2 耐薬品性試験法
3.11.3 耐薬品性を考慮した材料選定
3.12 電気的性質
3.12.1 電気特性
3.12.2 電気的性質の測定法
3.12.3 各種プラスチックの電気特性
3.13 成形性
3.13.1 流動特性
3.13.2 成形収縮率

第4章 プラスチックの改質
4.1 添加剤による改質
4.1.1 成形加工性の改良
4.1.2 性能の改良
4.1.3 機能性の賦与
4.1.4 耐久性の向上
4.2 充填材による強化
4.3 ポリマーアロイ
4.3.1 ポリマーアロイの材料設計
4.3.2 性能の改良
4.4 フィラーナノコンポジット
4.4.1 改良原理
4.4.2 製造法
4.4.3 改良効果

第5章 材料選定と品質低下対策
5.1 材料選定
5.1.1 材料選定の手順
5.1.2 材料物性を見るときの注意点
5.2 射出成形における品質低下の要因と対策
5.2.1 熱分解
5.2.2 水分による加水分解
5.2.3 結晶化度
5.2.4 ウェルドライン
5.2.5 残留ひずみ
5.2.6 応力集中
5.2.7 再生材使用による強度低下
5.3 応力亀裂と対策
5.3.1 クレーズとクラック
5.3.2 ストレスクラック
5.3.3 ケミカルクラック

第6章 プラスチック製品の品質評価
6.1 熱分解、劣化に関する評価
6.1.1 熱分解温度の測定法
6.1.2 分子量の測定法
6.1.3 分子量に代わる測定法
6.1.4 色相変化の測定法
6.2 材質判別法
6.3 強度低下、破壊に関する評価
6.3.1 異物の分析法
6.3.2 結晶化度の測定法
6.3.3 残留ひずみの測定法
6.3.4 気泡、クラックの観察法
6.3.5 破面解析法
6.3.6 成形品の強度測定法
6.4 充填材強化成形品に関する評価
6.5 非相溶ポリマーアロイ成形品の評価

索 引

はじめに

 本書はプラスチックに携わるいろいろな立場の読者にとって参考になるように、プラスチック材料に関する事柄を多角的に記述した。プラスチック材料に関する書籍はすでに多く出版されているので、類書とは異なる特徴をもたせる必要があるため、本書は次の点を配慮した。
 ①材料側からの目線と使用側からの目線を章を分けて解説する。これによって広い視点でプラスチックの本質を理解できるようにする。
 ②プラスチックの基礎特性から応用物性まで含めて解説し、基礎特性と応用物性との因果関係を理解できるようにする。
 この観点から本書は以下の内容を解説している。
 (1)ポリマーにはシリコーン樹脂のようにシリコンを分子骨格にもつ無機系ポリマーもあるが、一般的には炭素結合からなる有機系ポリマーが主体である。有機系ポリマーの主な構成元素は炭素、酸素、水素であるが、これらの元素の結合の仕方によって非常に多くのポリマーが生み出されるところに高分子化学の奥深さがある。本書では有機化学に深入りしない範囲で化学式を用いた説明を加えながらプラスチック材料の基礎から応用までを解説する。
 (2)現在市販または市場開発が進みつつあるプラスチックには多くの種類がある。本書では可能な限り多くのプラスチックを取り上げて性質、特徴、用途を解説する。また、それぞれのプラスチックでは製品要求に対応するために多くの改質品種が開発されており、対象製品に応じてこれらの改質品種をうまく使いこなすことが必要である。本書では改質技術と改質品種の応用についても解説する。
 (3)材料物性はJIS(ISO整合)に基づいた試験法で測定された値である。これらの試験法はあくまでも規格に基づいた試験であり、製品設計データとして直接に利用できるわけではない。本書では試験法の特徴を説明した上で、製品設計に応用するときの材料試験データの見方や留意点について解説する。
 (4)プラスチック材料は成形加工を経て製品になる。高品質なプラスチック製品を作るには、材料選定を適切に行い、成形工程における品質低下を防止することが大切である。本書では、材料選定の考え方、成形においてしばしば遭遇する品質低下要因と対策について述べる。併せて、使用段階における品質低下要因と防止策についても触れる。また、プラスチック製品の品質評価では、目標品質に応じて適切な評価手法を用いなければならない。本書では、一般的に用いられている品質評価法について解説する。
 プラスチックの大家が講演の中で「プラスチックのことでわからなかったら、プラスチックに聞いてみよ」と話された言葉が印象に残っている。著者もプラスチックの仕事に関係してから約50年が経過し、この間に得られた体験や知見から、この言葉の意味を理解できるようになった。意図するところは、細かいデータにとらわれることなくプラスチックの本質を見抜く目を養うことが大切であるという意味と解釈している。「プラスチックに聞いてみる」ときの拠り所になるように本書を執筆した。
 本書はknow howとしての内容ではなく、プラスチックの本質を理解しやすいようにknow whyに重点を置いて記述している。本書が応用力のある材料技術を習得する一助になれば幸いである。
 最後に、本書を執筆するに当たり適切な助言をいただいた書籍編集部の森山郁也氏に深く感謝申し上げる。

2015年12月   
本間 精一

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