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クラウドビジネス成功教本
競争優位を確保するための事業化方法

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 152頁
ISBNコード 978-4-526-07471-4
コード C3034
発行月 2015年10月
ジャンル 経営

内容

クラウドビジネスとは、クラウドコンピューティング技術を活用したビジネス。クラウドコンピューティングとは、従来のコンピュータ資源をネットワーク上でユーザーが活用できるようにする技術。このビジネスの大きな特徴はサービス利用料を基軸とするストックビジネス、つまり、契約行為に基づき、毎月(毎年)一定の収益があがるビジネスだということ。競争優位をいったん確保できれば、ビジネスはどんどん拡大していきますが、確保できなければ、すぐに新しい発想のビジネスに根こそぎビジネスを持って行かれる危険もはらんでいる。クラウドビジネス成功のための貴重な方法論を紹介する。

河津誠一  著者プロフィール

(カワズ セイイチ)
九州大学工学部卒業後、電電公社(現NTT)入社。銀行システム、データベース、企業通信システム関連等の研究・開発に従事。科学技術庁(現文科省)出向(1年間)。ブラジル国立航空技術大学にて講義(4ヶ月間)。NTTソフト入社後、社内業務革新、企業変革コンサルティング等に従事。その後ASPIC(ASP・SaaS・クラウドコンソーシアム)主幹研究員として、「公共ITおけるアウトソーシングに関するガイドライン(SLA)」、「ASP白書2005」、「ASP総覧2006/2007」、「ASP・SaaS白書2009/2010」等の作成に従事。また(株)システム科学において内部統制、組織変革コンサル業務に従事。現在システム科学チーフコンサルタントを兼務。

目次

まえがき  

第1章 クラウドビジネスとは何か
1 クラウドサービスの種類  
2 クラウドビジネスの特徴  

第2章 クラウドビジネスでの成功と成功要因
1 クラウドビジネスの成功とは  
2 クラウドビジネスの6つの成功要因  
3 差異的価値の提供優位  
4 成功促進要因優位  
5 模倣障壁  
6 持続可能な競争優位  

第3章 クラウドビジネス成功事例
―ビジネスモデル優位と技術優位の事例―
1 ビジネスモデル優位の事例  
2 技術優位の事例  

第4章 クラウドビジネスにおけるビジネスモデルとその評価・進化
1 ビジネスモデルの機能と構造  
2 ビジネスモデルの評価と進化  
3 ビジネスモデル・イノベーションに
有用な視点(例)  

第5章 クラウドビジネスにおける競争優位の創出
―競争戦略の創造―
1 戦略のスイート・スポット  
2 差異的価値の提供と競争優位の確保 
3 模倣障壁の種別とその確保  

第6章 クラウドビジネスにおけるイノベーション創出
―持続可能な競争優位の確保―
1 イノベーション創出対象  
2 イノベーション創出の構造とイノベーション創出の
基本条件  
3 イノベーションのスパイラル進化  

第7章 競争優位なビジョン主導型ビジネスモデルの創造とイノベーション創出
1 ビジョン作成  
2 顧客の未解決ジョブ発見  
―ビジネス鉱脈を探り当てる―
3 顧客提供価値創造  
―ビジネスの出発点となるコンセプト確立―
4 事業価値の創出  
5 鍵となる業務プロセスの確立と経営資源の確保  
6 競争優位の創出 ―競争優位なビジネスモデルの創造―  
7 イノベーションのスパイラル進化  
―持続可能な競争優位の確保―

第8章 競争優位なビジネスモデル事例
1 コクヨS&T社の提供するクラウドサービス
@Tovas(あっととばす)  
2 ネオレックス社の提供するクラウドサービス
「バイバイ タイムカード」  
3 プロパティデータバンク社の提供するクラウドサービス
@プロパティ  

第9章 クラウドビジネス成功の基本原則
1 成功の基本三原則 ―分析結果の原則化―  
2 成功の6要因と成功の基本3原則の関係  

第10章 問題意識に対する回答

あとがき  
参考文献  
付属資料 ASPIC15年のあゆみ  

はじめに

 本書は、クラウドビジネス事業化を成功させるための具体的な方法について述べたものである。ここでクラウドビジネスとは、クラウドコンピューティング技術を活用したサービス(クラウドサービス)を提供対象としたビジネスを意味している。
 クラウドファーストやクラウドセントリックの時代が到来したと言われるようになったが、現時点で全てのクラウド事業者がビジネスとして成功しているわけではない。クラウドビジネスを成功させるためには、そのための方法論を修得しこれを活用していくことが必要である。
 今後、ますますクラウドビジネスへ参入してくる事業者が増加してくるので、クラウドビジネスを成功させるには、事業者間の競争にも勝ち抜いていく必要がある。このためには、方法論修得の必要性が、さらに強まってくると考えられる。
 本書執筆の問題意識を下記に列挙する。
〈問題意識〉
●クラウドビジネスの事業化には成功事例と失敗事例があるが、両者を分ける要因は何か。
●クラウドビジネス事業化の成功要因があるとすれば、それはどのようなものか。
●その成功要因はどのようにすれば創出できるのか。
●クラウドビジネス事業化後、ある時期までは収益・利益が増加するが、ある時期を過ぎると次第に収益・利益が少なくなり、最終的には失敗事例となる場合がある。どのような要因でこのようなことが起きるのか。
●上記のような事態を避ける方法はあるのか。あるとすればそれは、どのようなものか。
●事業を継続的に成長させ、持続的な収益・利益を確保していくためには、どのような事業運営を行っていけばよいのか。
 本書は、上記の問題意識に対する回答を与えることを目指している。本書の特徴的な内容を以下に要約する。
(1)クラウドビジネス事業化の成功要因を成功事例を基に分析し、整理・体系化している。さらに、この成功要因から導かれる成功の基本原則を提示している。
(2)上記の成功要因・成功原則を創出するための方法を具体的に提示している。方法上の特徴は、ビジョン・ビジネスモデル・競争戦略・イノベーションの知識を統合・融合して「持続可能な競争優位を確保したクラウドビジネスを創造」する点にある。これまでの経営学・経営論では、上記の知識は単独に独立したモノとして取り扱われていることが多いが、事業化の実務においては、これらは相互に関係しており、統合・融合して活用することが必要である。しかし、これまでにはこれらの知識を統合・融合して体系的に取り扱った論説はなかった。本書は、統合・融合活用への試みの第1歩と考えている。
(3)上記の方法を活用して分析した具体的なクラウドビジネス事業化の成功事例を紹介している。本事例は、他では入手できない貴重な情報である。
(4)本書で述べた事業創造論(競争優位なビジョン主導型ビジネスモデルの創造とイノベーション創出)は、クラウドビジネス以外の事業分野でも活用できる一般性のある方法である。従って、クラウドビジネス以外の事業創造を検討されている方々にも、本書は有益と考えられる。
 本書の主対象とする読者としては以下を想定している。
★現在クラウドビジネスを事業化しているが、以下の問題意識を持っている事業者
●事業は立ち上がったが、まだ完全離陸とは言えない。
●離陸はしているが、今後安定した飛行に移行したい。
●安定した飛行をしているが、更に高度を上げて、競合他社に対して競争優位を持続的に維持したい
 さらに、以下の読者にとっても、多くの有益な情報を提供していると考えている。
★これから新規に、クラウドビジネスに参入を計画しているIT関連事業者
★これから新規に、クラウドビジネスに参入を計画しているIT関連以外の事業者
 IT関連以外の事業者の参入も活発なのが、本分野の特徴の一つである。このようなサービスは「利用者主導型(または企画型)クラウドサービス」と呼ばれることがある。
 本書からクラウドビジネス事業化を成功に導く方法を読み取り、クラウドビジネスの成功を実現する多くの事業者の方々が出現してくることを、期待してやまない。

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