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技術大全シリーズ
プレス加工大全

定価(税込)  3,456円

著者
サイズ A5判
ページ数 320頁
ISBNコード 978-4-526-07455-4
コード C3053
発行月 2015年09月
ジャンル 機械

内容

企画段階から製造、生産管理、設備の保守管理まで、プレス加工に係わる全工程について中堅技術者が知っておくべきことを体系的に網羅したプレス加工関係者必読の書。モノづくりに係わる技術に特化して刊行する大全シリーズの第一弾。

吉田弘美  著者プロフィール

(よしだ ひろみ)
1939年 東京都生まれ
1966年 工学院大学機械工学科卒業
1959年 松原工業株式会社入社。品質管理、金型設計、生産管理、生産技術などの職務を歴任
1975年 同社を退社。同年、株式会社アマダ入社
1979年 同社を退職し、吉田技術士研究所を設立。現在に至る
●著 書
「よくわかる金型のできるまで」「プレス加工のトラブル対策」「金型設計基準マニュアル」「プレス金型設計・製作のトラブル対策」「プレス作業の基礎知識Q&A」「プレス加工のツボとコツQ&A」「トコトンやさしい金型の本」「絵とき『プレス加工』基礎のきそ」「絵とき『みがき加工』基礎のきそ」「板金作業の基礎知識Q&A」「プレス加工の品質向上と品質管理」など多数

目次

はじめに

第1章 金属加工におけるプレス加工
1.1 金属加工の種類と成形法の特徴
1.2 塑性加工の種類とその特徴
1.3 プレス加工と類似の加工法との相違
1.4 プレス加工の特徴

第2章 プレス加工法
2.1 せん断(抜き)加工
2.2 曲げ加工
2.3 絞り加工
2.4 成形加工
2.5 圧縮加工

第3章 プレス作業
3.1 安全作業
3.2 プレス加工のための基礎知識と基礎作業
3.3 段取りと作業計画
3.4 段取り作業
3.5 生産のための実務作業および関連作業
3.6 プレス加工のトラブルとその対策

第4章 プレス機械と装置
4.1 プレス機械の種類と区分
4.2 能力および仕様
4.3 構造と機能
4.4 プレス機械の点検と保守
4.5 付属装置および周辺装置

第5章 金型
5.1 金型の機能と形
5.2 金型の種類と特徴
5.3 金型製作
5.4 金型の標準化とユニット化
5.5 機能を集約した金型と製作システム
5.6 金型の保守整備

第6章 プレス加工の関連技術
6.1 自動化技術
6.2 工法転換(VA・VE)
6.3 プレス加工品のバリ取り
6.4 せん断面の仕上げとエッジ仕上げ
6.5 表面処理および熱処理
6.6 部品の組立

第7章 被加工材
7.1 材料の特性と試験
7.2 板材の切断と形状
7.3 鋼板および特殊鋼板
7.4 非鉄金属
7.5 金属以外の材料

第8章 プレス加工のための工場管理
8.1 工場管理の原則
8.2 品質管理
8.3 生産管理
8.4 原価管理
8.5 人事管理
8.6 設備計画

第9章 設備の保守整備
9.1 保守整備の必要性と効果
9.2 保守整備のための組織と職務分掌
9.3 担当者の選任とスキルアップ
9.4 全社共通の設備(ユーティリティ)
9.5 設備保全による作業改善と生産性の向上

索引

はじめに

 これまでプレス加工および金型について、数多くの書籍の執筆に携わってきたが、その多くは抜き、曲げ、その他の加工に関するものであり、加工そのものの解説が中心である。プレス加工を1つの生産体系(システム)と考えると、プレス加工にはさまざまな関連技術と業務があり、それらが互いに連携して製品を作り上げている。本書では加工技術を中心に、関連する多くの技術をプレス加工の構成要素としてまとめた。
 トラブル対策1つを考えても、その原因は加工上の原理・原則に基づく対策だけでなく、材料、金型、プレス機械および周辺機器などのハードウエアはもとより作業方法、情報の収集と分析、対策案の選択と実施など多岐に渡る。
 よいと思ったプレス加工システムおよびトラブル対策の多くが実現できないのは、技術力の不足ではなく、実施することがよいかどうか(損か得か)の判断ができず、迷うからである。またプレス加工の対象となる製品(部品)と要望(ニーズ)は世の中の変化に合わせて変化し、全く新しいものが生まれる反面、消えていくものも多くある。技術者にとって、新しい素材および製品などは誰もが未経験であり、初体験である。
 一方、長い間創意工夫を重ね、最先端の技術を持つと自負していたものが、不要になる例も数多くある。目の前の製品をどう作るか、今起きているトラブルをどう解決するかといったハウツーの書籍は専門の分野ごとに数多く出版されており、それらを参考に解決も比較的容易だと思われる。
 本書は目の前の課題の1つ1つに対処するだけでなく、もう少し長いスパンで個々の課題の裏にある本質的な問題とその対策について、総合的な判断(全体最適)をするという考え方でまとめた。技術の進歩は日進月歩で著しく、常に新しいものを求め続ける必要がある反面、数十年、数百年変わらないものもある。
 「迷ったら原点に返れ」はスポーツでも、モノづくりでも同じであり、NC工作機械の加工でも同じだ。著者が30年以上前、コーディネーターとして米国のプレス加工および金型製作の工場視察をしたときの報告書に、目的として次のことを書いた。
 「1個でも多く、1銭でも安くといった競争から脱し、固有技術が求められる時代になっている。この中で企業の固有技術とは何か、それを育てるにはどうしたらよいか、さらにさかのぼって技術の本質は何か、などを考えてみたい」
 プレス加工はもとより、すべての技術にゴールはなく、常に進行中である。今日の技術は昨日までの技術の結果であり、今日の技術は明日に結果となって現れる。この意味で過去を参考に、「今は将来のために何をすべきか」の考えを原点にして問い続けなければならないと考えている。
 本書がプレス加工の原点として、新しいことにチャレンジするとき、迷ったときなどの参考になれば幸いである。
 本書の出版にあたり、執筆の機会を与えていただき、そのうえ企画段階からさまざまなアドバイスと協力をいただいた日刊工業新聞社出版局の野﨑伸一氏および出版局の方々に深く感謝を致します。

2015年7月  著者

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