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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい自動車エンジンの本

定価(税込)  1,620円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07440-0
コード C3034
発行月 2015年07月
ジャンル ビジネス 機械

内容

現代文明の象徴のひとつといわれる自動車。この自動車にはさまざまな種類のエンジンが搭載されている。本書はそのエンジンの機構・構造や種類、特性などをわかりやすく解説した自動車エンジンの入門書。エンジンを理解する恰好の足掛かりとなる内容となっている。

原田 了  著者プロフィール

(はらだ りょう)
1955年、岡山県倉敷市生まれ。
私立金光学園中学校から同高等学校をへて愛媛大学教育学部に進学。
高等学校在学中から自動車レースに興味を持ち、モータースポーツ専門のオートテクニック誌(山海堂発行)に、地方レポーターとしてイベントレポートを寄稿。
このときは主に岡山県にある中山サーキットや山口県にあった厚保サーキットでのレースを取材していたが、大学に進学後はレースに加えて中国・四国・九州地方のラリーやダートトライアルまで幅広くカバー。
1980年に大学を卒業。山海堂に入社してオートテクニック編集部に配属。10年間にわたって国内外のレースを取材。同時に競技マシンの解説記事なども執筆した。
1990年に山海堂を退職。以後はフリーランスのライター/モータージャーナリストとして活動。レースやラリーといったモータースポーツに限らずヒストリックカーからRV車によるオートキャンプまでクルマに関する様々なコトとモノを取材執筆。近年は主に海外の自動車博物館を取材。自動車雑誌において紹介している。

主な著書
『FJ1600 入門』(山海堂)、『自動車のメカニズム』『クルマの最新メカニズムが分かる本』(ともに日本実業出版社)

目次

第1章 エンジンってどういうもの?
1 エンジンとは何だろう? 「動力源としての内燃機関」
2 エンジンは誰が発明したのか?「19世紀にドイツで」
3 エンジンにはどんな種類があるの? その1 「代表はレシプロ ・ エンジン」
4 エンジンにはどんな種類があるの? その2 「燃料やしくみによって様々」
5 4サイクル・エンジンと2サイクル・エンジンの違いは? 「4サイクルと2サイクルでは行程数が違う」
6 4サイクル・ エンジンのしくみは? 「吸入、圧縮、燃焼、排気でサイクルが完結」
7 2サイクル・エンジンのしくみは? 「4サイクルの半分の行程でサイクルが完結」
8 ディーゼル・エンジンのしくみは? 「自然発火で軽油を燃焼させる」
9 ロータリー・エンジンのしくみは? 「回転運動でエネルギーを生み出す」

第2章 エンジンの構造を見てみよう
10 4サイクル・エンジンはどんな構造になっているの? 「自動車エンジンのスタンダード」
11 シリンダーとは? 「動力を生み出す源」
12 シリンダーヘッドとは? 「エンジンの性格を決める重要な要素」
13 カムシャフトとは? 「エンジンのパフォーマンスを決定する」
14 ピストンとは? 「レシプロ ・ エンジンの根幹をなす部品」
15 コンロッドとは? 「ピストンとクランクシャフトをつなぐ」
16 クランクシャフトとは? 「往復運動を回転運動に代えるのが重要な役割」
17 2サイクル・エンジンはどんな構造になっているの? 「構造がシンプルで軽量コンパクト」
18 ディーゼル・エンジンはどんな構造になっているの? 「ガソリン ・ エンジンとの大きな違いは点火プラグがないこと」
19 ロータリー・エンジンはどんな構造になっているの? 「軽量コンパクトで振動が少ないが、燃料を大食い」

第3章 エンジンにはいろいろな形式がある
20 形式によってもエンジンは分類される 「多彩なシリンダーレイアウト」
21 最も基本的な単気筒エンジン 「オートバイ向けが主流」
22 フィアットが再びトライした2気筒エンジン 「自動車向けに再び脚光を浴びる」
23 ルノーが投入して注目される3気筒エンジン 「軽自動車の主流」
24 自動車用として最も一般的な4気筒エンジン 「一番多く採用されている直列式エンジンの代表」
25 5気筒エンジンは直列とV型が混在 「狙いは6気筒と4気筒のいいとこ取り」
26 6気筒エンジンは直列からV型へと移行 「FF化の進展に伴い普及」
27 プレステージを保つために、より多気筒に 「高級車の代名詞」
28 ボクサーと呼ばれる水平対向エンジン 「180度V型エンジンとの違い」

第4章 エンジンを取り囲む補機類のいろいろ
29 キャブレターって何? 「霧吹きの原理で燃料を供給」
30 キャブレターに代わって燃料噴射が主役に 「効率的な燃焼を追求するシステム」
31 ダイレクト・インジェクションって何? 「燃焼をより積極的にコントロール」
32 ターボチャージャーって何? 「多量の燃料を送り込むシステム」
33 スーパーチャージャーって何? 「即座に反応してパワーを出す」
34 ラジエターとインタークーラー 「温度管理の要」
35 エンジンのパフォーマンスを大きく左右する点火系 「点火システムは大きな進化を遂げてきた」
36 エキゾースト系にも要注目 「エンジンの最高出力や特性などを左右する」
37 潤滑系はエンジンの必須アイテム 「摩擦を低減して安定した動きをサポート」
38 電気自動車でなくとも電気は重要だ 「エンジンを回して発電する」
39 エンジンの後方で働く縁の下の力持ち 「トルク変動を抑えて回転を滑らかに」

第5章 高出力を目指して
40 サイド・バルブからOHVに 「効率を求めて形式は変化していった」
41 OHC、そしてDOHCに 「カムシャフトが1本から2本に」
42 バルブも気筒あたり4本~5本に 「マルチバルブ ・ レイアウト」
43 可変バルブタイミングって何? 「回転域でオーバーラップを変える」
44 可変バルブリフトって何? 「バルブのリフト量を変える」
45 カム駆動はベルトからチェーンに 「クランクシャフトの動力をカムシャフトに伝える」
46 吸気管長も可変式に 「エンジンの性格を左右するシステム」
47 ハイコンプレッションが高性能を引き出す 「圧縮比を上げて熱効率を高める」

第6章 近年の最重要課題は環境性能、そしてハイブリッドから燃料電池まで
48 無鉛ガソリンが公害対策の第一歩 「かつてガソリンには鉛化合物が添加されていた」
49 低公害エンジンの先駆けはホンダのCVCC 「新発想で規制をクリア」
50 触媒の進化が環境性能を大きく引き上げた 「HC、CO、NOxを同時に減らす」
51 温度のコントロールが環境性能に影響する 「エンジンや触媒は温度管理が重要」
52 スワールとタンブル、そしてスキッシュ 「渦で混合気を攪拌する」
53 可変気筒(気筒休止)って何? 「負荷に合わせて気筒を働かせる」
54 アイドリング・ストップとフューエル・カット 「燃料の供給を抑えて燃費を向上させるしくみ」
55 エンジンそのものも軽量コンパクトに 「軽量コンパクトエンジンは最近のトレンド」
56 アトキンソン・サイクルって何? 「夢のエンジンの一種」
57 ハイブリッドと電気自動車 「異種のものを組み合わせる」
58 バイフューエルって何? 「ガソリンとガスを燃料に」
59 電気自動車のしくみは? 「次代の動力源の有力候補の一つ」
60 燃料電池って何? 「電気自動車と競い合う」

第7章 エンジンに関する豆知識
61 馬力とトルク 「単位時間あたりの仕事量と力の大きさ」
62 最高出力とトルク特性 「エンジンの使いやすさを決める」
63 燃費のモード 「実燃費に近づける」
64 ハイオクとレギュラー 「オクタン価で区別」
65 市販車用エンジンとレース用エンジン 「市販車用の改造から専用開発に」
66 レーシング・エンジンに求められる性能 「市販車向けとは異なる要求性能と寿命」
67 エンジンの過当競争を防止するために 「吸気量 ・ 回転数の制限から燃料の流量制限に」

【コラム】
●エンジンスペックに拘っていたころ 
●素人でも手を出せたころが懐かしい 
●フランスで出会った紳士のエンジンメンテナンス 
●エキゾーストノートとクルマの速さ 
●カム駆動のチェーン回帰に納得 
●好燃費だけでなく、パフォーマンスでディーゼルをお薦め 
●かつてはディーゼル・エンジンを見くびっていました 

参考文献 
索引 

はじめに

 子供のころからクルマが大好きでした。8歳年上の兄の影響で、小学校に入ったころからドライバーとかモーターマガジンといった月刊の自動車雑誌が愛読書で、中学生になると自転車で近くのディーラーを回ってカタログをもらってきては眺めて楽しんでいました。レースでポルシェとフェラーリが戦っていて「フェラーリは負けると次のレースには排気量を大きくしてくるけれど、ポルシェは小さい排気量のままエンジンをチューニングして戦っている」などと兄から聴かされ、だからポルシェは偉い! と刷り込まれてしまったようです。
 中学から高校に進むころ、実家の近くに開業したエンジンチューナーさんに足繁く通うようになり、またレース専門誌にレポートを投稿するようになってからは、クルマだけでなくレースに関する知識も蓄積されてくるようになりました。結局、そうした諸々をまとめて文章につづることを生業とするようになりましたが、一貫していたのは“クルマ好き”ということ。そして、プロの技術者ではない、むしろ素人ですが、それなりにクルマのメカニズムを楽しんできました。今回、本書をまとめるにあたって、まずはその面白さを伝えられたら。そう思いながら原稿を書き進めてきました。本書の読者が将来エンジニアになり、「あの本を読んだことがエンジニアになるきっかけだったなあ」と思い出してくれたら……。そんな、夢みたいなことが頭をよぎっていきます。
 本書をまとめるにあたっては自動車メーカーやインポーター、レース統括団体に図版資料などを提供していただきました。また戸田レーシングの島田武男さんには図版資料の提供に加えて、内容のチェックでも大変お世話になりました。最後になりましたが、締切から何度も逃亡を図る不届きなライターに、最後までお付き合いただいた日刊工業新聞社出版局の野﨑伸一さんには大変感謝しています。皆さん、どうもありがとうございました。

2015年6月 
原田 了

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