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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい食品添加物の本

定価(税込)  1,620円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07412-7
コード C3034
発行月 2015年04月
ジャンル ビジネス 化学

内容

食品添加物は、加工食品や生鮮食品などあらゆる食品に広く使われ、いまや食品産業を支える黒子としてなくてはならない存在です。本書は日本で使われている食品添加物の代表例を紹介。それぞれの添加物の役割から実際の使われ方、添加物使用のテクニックまでをわかりやすく図解で解説します。

仲村健弘  著者プロフィール

(なかむら たけひろ)

食品会社勤務を経て、食品添加物の会社に勤務。加工食品の開発者、技術者として500種類以上もの食品添加物とかかわってきたフードコーディネーター。
食に関連する本や雑誌への登場も多々あり、現在、婦人雑誌「からだにいいこと」(祥伝社)で食材の真実についてのコラムを連載中(2015年4月現在)。

目次

第1章 食品添加物の基礎知識
1 食品添加物とは? 「加工食品と食品添加物」
2 食品添加物の使用目的 「食品添加物の役割」
3 食品添加物の起源と加工食品の始まり 「食品添加物の誕生」
4 食品添加物の分類 「4グループによる分類」
5 指定添加物 「昔の合成添加物」
6 既存添加物 「長い食経験から生まれた食品添加物」
7 天然香料 「基原物質がリスト化」
8 一般飲食物添加物 「食品添加物として使用される食品」
9 食品添加物の安全性 「リスク低減の方法」
10 各国で異なる食品添加物の運用基準 「ネガティブリストとポジティブリスト」
11 食品添加物の表示ルール 「表示方法は4種類」
12 食品添加物の市場動向 「市場規模と市場の特徴」

第2章 各種食品添加物のプロフィール
13 カロリーの摂取も抑えてくれる甘味料 「ダイエットの味方?」
14 食事を彩る着色料 「合成系から天然系へ」
15 食品の嗜好性、味の品質向上に寄与する調味料 「王様はグルタミン酸Na」
16 保存性の向上にも寄与する酸味料 「酸味付けだけが目的ではない」
17 指定添加物の中で最も種類の多い香料 「増え続ける添加物」
18 微生物制御を行う保存料 「使用基準と量は国のお墨付き」
19 酸化による品質の低下を防止する酸化防止剤 「ビタミンCとビタミンE」
20 互いに混ざりにくいものを混ぜる乳化剤 「水と油の仲人的存在」
21 パンや菓子を膨らませる膨脹剤 「膨脹のメカニズム」
22 食品にトロミを付与したり、固めたりする増粘安定剤 「増粘剤・安定剤・ゲル化剤」
23 使用目的で表示名が変わる増粘安定剤 「表示の秘密」
24 人の健康に寄与する栄養強化剤 「サプリメントの主役」
25 食肉に色を発生させる発色剤 「発色以外にもある重要な機能」
26 果物の輸入時に使用される防カビ剤 「日米レモン戦争」
27 色素・着色成分を分解する漂白剤 「漂白の目的とは?」
28 食品の保水性を高め成形性を向上させる結着剤 「肉と肉を繋げる」
29 豆腐を作るために使用する豆腐用凝固剤 「豆腐製造の必需品」
30 表示が免除になる酵素 「失活により表示は免除」
31 コンビニエンスストアで主流になっている日持ち向上剤 「保存料に代わる添加物」
32 食品の酸性やアルカリ性を調整するpH調整剤 「pHを調整する目的」
33 表示のいらない食品添加物 「加工助剤とキャリーオーバー」

第3章 身近な食品と食品添加物
34 お弁当に使用される食品添加物 「重要なのは日持ち対策」
35 ハムやソーセージに使用される食品添加物 「JAS規格と食品添加物」
36 パンに使用される食品添加物 「生地をふくらます添加物」
37 中華麺で使用される食品添加物 「岩塩に含まれている食品添加物」
38 蒲鉾に使用される食品添加物 「ソルビン酸類の特徴」
39 お菓子に使われている食品添加物 「光沢剤と苦味料」
40 漬け物で使用される食品添加物 「日本の伝統食品と食品添加物」
41 洋菓子に使用される食品添加物 「カロリー低減は悲願?」
42 和生菓子に使われる食品添加物 「酵素のはたらき」
43 たれやドレッシングに使用される食品添加物 「シュードプラスチック性の秘密」
44 飲料に使用される食品添加物 「添加物使用量が減少した例」

第4章 加工食品メーカーの使用テクニック
45 調味料の配合テクニック 「美味しさが増大する配合」
46 香料の選択 「最も強力なピーチの香料」
47 甘味料の合わせ技 「お互いの欠点を補って最強の甘さに」
48 自分好みのゼリーを作る配合 「寒天とゼラチンの配合」
49 オレンジ風味のヘルシーな清涼飲料 「自分で作れる低カロリー飲料」
50 カラフルな中華麺を作ってみよう 「合成と天然、どちらがよいか」
51 ホットケーキをより大きく膨らませる秘訣 「ミックス粉を入れるタイミング」
52 重曹を使って身近な食品の食感をアップ! 「重曹マジック」
53 ジューシーなハンバーグの作り方 「ゼラチン入りヨーグルトゼリーの使用」

第5章 食品添加物にまつわる疑問
54 医薬品に食品添加物が使用されているの? 「賦形剤としての利用」
55 遺伝子組み換えをした食品添加物はあるの? 「DNA操作添加物?」
56 防カビ剤とカビ毒はどちらが怖いの? 「防カビ剤vsカビ毒」
57 保存料は細菌に効果があるけど人には大丈夫? 「細菌に効果があって人にはない」
58 生鮮魚介類に食品添加物は使用されているの? 「鮮度保持と変色防止は禁止」
59 活性酸素を出す食品添加物はあるの? 「過酸化水素の機能と運用」
60 カット野菜に食品添加物が使用されているの? 「次亜塩素酸ナトリウムの効果」
61 成型肉に食品添加物は使われているの? 「食品添加物の技術革新」
62 食用油に食品添加物は使用されているの? 「加工助剤の使用」
63 化粧品に食品添加物は使用されているの? 「意外と多い使用例」
64 食品添加物の違反事例はどんなもの? 「メーカーの対策強化」
65 食品添加物で過去に被害が出たことは? 「過去のあやまちと将来に向けて」
66 食品添加物の悪い食べ合わせはあるの? 「食品も食品添加物も化学物質」
67 1日に食べている食品添加物の量はどれくらい? 「多い?少ない?」
68 日本の食品添加物は本当に安全・安心なの? 「食品添加物の安全性」

【コラム】
●もし、この世から食品添加物がなくなったら
●エスニック料理マジック
●冷凍食品の活用
●食品開発者の仕事
●レトルト食品の秘密

参考文献
索引

はじめに

 食品添加物と聞くと、避けたい、危険などと拒否反応を示す人が多いと聞きます。そうした食への不安を煽るように、添加物不使用をアピールした加工食品や出版物の多いこと。でも、それだけが果たして正しいのでしょうか? 食品添加物の恩恵はないのでしょうか?
 実は、食品添加物がそのように嫌われるようになったのには、これまでの時代的な背景があります。ただそれは、今は昔、昭和の話なのです。
 我々人類は、過去の過ちや失敗を糧に、科学技術の進化を重ねてきました。例えば、音楽メディアの歴史を振り返ってみても、レコードから、カセットテープ、CDと時代が移り、今やインターネットで曲をダウンロードできる時代になりました。電話も固定の黒電話から、ひとり1台の携帯電話が当たり前となり、現在は多機能のスマートフォンが主流です。また、お母さんが、割烹着姿に手ぬぐいを頭に巻いて掃除をしていた時代から、今やロボットが自動で掃除をしてくれる時代です。
 食品添加物の世界でも、食品添加物メーカーは過去の過ちを糧にして、新規の添加物を開発しています。徹底管理した中で製造し、それを国の機関がチェックして、世の中に新たな食品添加物として誕生しているのです。そのため、昔に起こした食品添加物の過ちを人々が記憶としてそのまま引きずっていることは仕方ありませんが、品質や管理体制は、見えないところで着実に進化しています。
 食べることは幸せなことです。今まで生きてこられた中で、いろいろなイベントがあったと思います。親戚が集まり皆で重箱のおせちを食べたお正月、クラスメイトとお弁当のおかずを交換した遠足、愛情を込めた料理で家族が応援にきてくれた運動会、恋人との初めてのクリスマスディナー……。楽しいひとときには必ず美味しい料理がありますね。また、泣いている子供をあやすのも、彼女のご機嫌を取るのも、やはり食べものでしょう。読者の中には「青春とは食べること」という人もいるかもしれません。食べるということは、「食べる=喜び=幸せ」の方程式が成り立っていると思うのです。
 そのため、皆さんにも「食」をとりまくことがらについてネガティブなイメージを持ってもらいたくない、食品添加物に関する事実や知識をきちんと伝える必要がある、という想いから、この本を執筆したのです。
 この本の内容は5章から成り立っています。1章では食品添加物の基礎知識について広く記しました。2章では現在の主な食品添加物の紹介をしています。3章では食品添加物が身近な加工食品にどのように使用されているかをまとめました。4章は実際に加工食品の開発で行われている手法を記し、家庭での試作レシピも少し紹介してあります。5章では、食品添加物について皆さんが普段感じているような疑問にお答えしました。
 若い食品技術者をはじめ、食品を学ぶ学生や料理好きの主婦、食べ歩きが好きな方々、どなたにでも興味を持っていただき、なるほどと思ってもらえると幸いです。
 この本をきっかけに、読者の方々が食品添加物とそれを利用した加工食品についての正しい知識を持ち、食べることの楽しさを再認識していただければと思います。
 なお、本書の執筆に際し、多くの文献や資料を利用させていただいたことに厚く御礼申し上げます。また、アイデア出しと一部執筆を手伝っていただいた福田奈央女史と本書の出版に際しご配慮いただいた日刊工業新聞社書籍編集部の関係各位に心から感謝します。
 この本を読み終えてから、スーパーやコンビニエンスストアで加工食品を見て自然と笑顔が生まれてくることを心から願っています。

2015年4月     
仲村 健弘

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