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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい物流の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07394-6
コード C3034
発行月 2015年03月
ジャンル 経営 ビジネス

内容

物流の機能やしくみはもちろん、身近な日常生活のなかでの物流の役割、世の中の変化にあわせて変わる現代物流の姿、さまざまな業界における物流の課題や解決策などが専門的な知識がなくとも正しく理解できる。実務面の初歩的な知識も、実践事例を交えて紹介。

鈴木邦成  著者プロフィール

(すずき・くにのり)
物流エコノミスト、日本大学教授(物流・在庫管理などを担当)。一般社団法人日本SCM協会理事。
一般社団法人日本ロジスティクスシステム学会理事。求荷求車ネットワーク「ノアのハコトラ」を運営する株式会社ジェイエルエヌの学術顧問も務める。
主な著書に『物流・流通の実務に役立つ計数管理/KPI管理ポケットブック』、『図解 物流センターのしくみと実務』、『新・物流マン必携ポケットブック』、『図解 すぐ役に立つ物流の実務』、『国際物流のしくみと貿易の実務』、『トコトンやさしいSCMの本 第2版』、『絵解き すぐできる物流コスト削減』、『絵解き すぐわかる産業廃棄物処理と静脈物流』(いずれも日刊工業新聞社)、『物流100問100答』(明日香出版社)、『戦略ウエアハウスのキーワード』(ファラオ企画)、『グリーンサプライチェーンの設計と構築』(白桃書房)、『商売は冷蔵庫の中にある!』(商業界)などがある。物流・ロジスティクス・SCM関連の学術論文、雑誌寄稿なども多数。

目次

第1章 物流の考え方と私たちの生活
1 物流とはビジネスにおけるモノの流れ「物的流通を略して「物流」」
2 物流がなければマーケットはストップする「現代経営に不可欠な物流の存在」
3 私たちの生活を支える物流業界「生産から消費までのモノの流れを円滑化」
4 商流とは取引の流れ、物流とはモノの流れ「物流と流通との違いを理解しよう」
5 店舗の販売員も物流に関わっている「消費者の要望に応えて行われる納品作業」
6 工場のモノの流れをしっかり管理「物流業務は工場とも密接な関係がある」
7 宅配便は消費者にとって最も身近な物流「日本全国に原則翌日に正確に配送」
8 物流が止まると生活が止まる「避けなければならない物流の寸断」
9 企業の花形的部門となりつつある物流「「縁の下の力持ち」といわれたのも昔のこと」
10 物流システムの要となるトラック輸送「物流のラストワンマイルに不可欠な存在」
11 鉄道、船舶、航空機による輸送には限界がある「輸送手段の長短所を十分に把握しよう」
12 広範な領域をカバーする企業の物流部の仕事「物流戦略の策定から日次オペレーションまで」
13 マテハン機器の活用で物流の効率化を実現「物流に欠かせない機械化、IT化」

第2章 物流の歴史といま、これから
14 物流の考え方やビジネスは古くからあった「兵站、駅制、伝馬制により発達してきた物流」
15 物流に影響を与えたオペレーションズリサーチ「ビジネス分野の物流課題を数式で解決」
16 戦後の物流を発達させたコンテナの発明「画期的な物流容器の発明で効率化が実現」
17 経済の発達にあわせて進化してきた倉庫「宗教関係の宝飾品から食品、日用品の保管まで」
18 高度成長期には重要視されなかった物流の役割「欠品がないように補充することが重要という時代」
19 物流理論の歴史は20世紀初頭までさかのぼれる「オーラルセオリーから体系的な学問へ」
20 「運ぶだけ」から「戦略的なモノの流れ」に「物流を中心にしたビジネスプロセスの最適化」
21 現代戦争によりさらに進化したロジスティクス「物流部門における機械化、IT化、無人化の進歩」
22 ロジスティクスマネジメントの実現が課題「モノの流れを戦略的に管理」

第3章 世の中が変わる、物流も変わる
23 モノの流れの規模がますますグローバルに「生産拠点も物流拠点も海外にシフト」
24 ネットビジネスの成否は物流で決まる「配送なくしては成立しないネット通販」
25 物流と情報基盤ネットワークのリンクが重要に「オムニチャネル時代に求められる物流の高度化」
26 ファストファッションによる最先端の物流の実践「過剰在庫を警戒したクイックな物流システム」
27 現代経営における倉庫の高付加価値に注目「物流施設が投資対象となる時代」
28 情報武装の高度化で進む物流システムの高度化「効率的な物流管理システムの導入を促進」
29 優秀な経営者ほど物流を重要視「トラックドライバーからの情報も活用」
30 物流における在庫管理の重要性が高まった「在庫戦略を綿密に構築」
31 環境保全の視点からも物流が重要「モノの流れのグリーン化を推進」
32 円滑なリサイクルのためにモノの流れを円滑化「循環型社会の構築に求められる静脈物流の強化」
33 災害が発生すると心配される「物流」「震災はもとより戦争、飢饉、伝染病にも対応」
34 ビッグデータの活用でますます注目を浴びる物流「物流情報の大規模処理を推進」

第4章 さまざまな業界の物流のしくみ
35 莫大な部品を扱う複雑な自動車業界の物流システム「本工場への納入前に組立作業を完了」
36 量販店の物流センターが中枢となる家電の物流「共同化でコスト削減を推進」
37 欠品をきらい、温度管理を充実させる医薬品の物流「高度な品質管理を推進」
38 食品業界の物流では温度管理が重視される「食品流通を川上から川下までトータルで管理」
39 日用品業界では共同物流システムが構築されている「多頻度の小口発注やバラ納品が基本」
40 海外からの輸入に対応するアパレルの物流「衣類を吊るすハンガー物流システムを導入」
41 小売業との情報共有を強める卸売業の物流戦略「流通の中抜きの流れのなかで物流を強化」
42 コスト削減に余念のないスーパーの物流「ドライ、デイリー、生鮮品をそれぞれ配送」
43 店舗展開と密接な関係にあるコンビニの物流「集中出店方式に対応したジャストインタイム納入」
44 仕分け業務の効率化を進める宅配便「都市部の「不在」への対応がポイント」
45 ネット通販向けの大型フルフィルメントセンターの建設「拡大するネット商圏への対応」

第5章 物流の基本としくみを学ぼう
46 輸配送、保管、荷役、流通加工、包装の5大機能「トラック、倉庫、マテハン機器を効果的に活用」
47 トラック輸送を主力とする輸配送「物流における距離のギャップを埋める」
48 保管により時間的なギャップを解消する「物品の安全性の確保、商品の劣化を防止」
49 輸送と保管のギャップを埋める荷役の役割「機械化、IT化の推進で省力化を実現」
50 流通加工とは物流センターなどで行われる加工作業「物品の値札付けや梱包などの作業」
51 輸送、保管、荷役の際の衝撃を緩和「荷役作業、荷役機器などの標準化の目安」
52 物流高度化に必要な情報システムの設計と構築「LMS、WMS、TMSのしくみ」
53 パレット、ラックなどの種類と用途「マテハン機器の活用で保管効率を向上」
54 保管機能だけではない現代の倉庫・物流センター「倉庫業法に基づく定義と運用」
55 庫内レイアウトの骨格となるロケーション管理「物流特性、商品特性を考慮して決定」
56 物流の5大機能をふまえて庫内最適化を実現「需要予測、輸配送計画など綿密に検討」

第6章 現代物流の考え方を知ろう
57 物流からロジスティクスへと進む時代「物流を中心にしたビジネスプロセスの最適化」
58 SCMの実働部隊である物流・ロジスティクス部門「情報共有を推進し、全体最適を実現」
59 物流業務を外部委託する3PL「荷主に対して物流改革を策定し、提案」
60 物流KPIを活用し、効率化を実現「物流現場の改善状況を可視化」
61 作業、物流機器などの標準化を推進「JISにより寸法、性能が規格化」
62 物流ネットワークにおける情報基盤の整備を推進「情報システムの活用で業務効率を向上」
63 待ち時間を解消し物流プロセスの同期化を促進「作業工程の円滑化を実現」
64 現代物流で主流な「在庫は悪」という考え方「在庫の性質と特性を十分に理解」
65 最適な立地を選定し、物流ネットワークを構築「24 時間稼動できる物流センターが理想」
66 シミュレーションの活用で効率化を実現「物流に科学のメスを入れる」
67 業種業態で異なる物流コストの可視化が課題「物流コストの定義、範囲、分類を明示」

【コラム】
●ごみの収集も物流の一部
●物流センターのいろいろな設備
●流通の定義
●これも物流!? さまざまな特殊な物流
●物流におけるトップマネジメント
●物流子会社

参考文献
索引

はじめに

 「物流」の担う役割は、近年、ますます大きくなっているといわれています。企業活動のなかで、企画や営業、生産などはイメージしやすいようですが、「物流というと、どのようなイメージを抱けばよいか難しい」という人が多いのではないでしょうか。「物流とはなんですか」と問われても、なかなかうまく答えられないようです。
 しかしそれにもかかわらず、最近ではさまざまな業界で物流に対する関心が高まっています。さらにいえば、流通、金融、不動産、情報通信などの分野で活躍される方にとっても物流のしくみを理解することは重要となってきています。物流業界とは一見、関係のない業界でも物流に関する基本知識が求められるようになっているのです。また、高校や大学の授業でも物流について取り上げられることが増えていますし、授業や講座も増設されています。「物流」をキーワードにビジネスを語れなければ時代に取り残されてしまうことにもなりかねないのです。
 そこで本書では、まず第1章で私たちの身近な日常生活のなかで、これまで「縁の下の力持ち」といわれてきた物流が実際、どのような役割を担っているのか、そのしくみとプロセスをわかりやすく説明していくことにしました。コンビニやスーパーに毎日モノがきちんと並ぶのは、物流の活躍なしには説明できません。みなさんが当然のこととして簡単に手に入れているさまざまな商品やサービスの裏側には必ず物流面におけるきめ細かい工夫があるのです。
 第2章では、物流の歴史と現在、そして“これから”について説明していくことにします。モノを運ぶ、あるいはモノを保管するといった物流の基本的な活動は、ローマ時代にも江戸時代にも存在しました。それがいかに効率を求めて進化して、現代の物流につながっていったのかを実感してもらいます。
 第3章では、世の中の変化にあわせて、さらに現代物流がどのような工夫や対応を求められているのかを「グローバル化」、「ネット通販」などの時勢を表すキーワードに沿って解説していきます。
 第4章では、さまざまな業界における物流面での課題や解決策などを詳しく見ていきます。食品業界やアパレル業界などでもどうして物流が重要とされるのかがしっかりとわかってくるはずです。
 第5章では、物流の機能やしくみの基本についてわかりやすく説明しました。輸送や保管、あるいはトラックや倉庫などが物流においてどのような役割を担っているのかを解説してあります。
 最後に第6章では、現代物流についての考え方を実践事例を交えて解説してあります。「在庫を徹底的に削減する」、「物流コストを効率的に下げる」、「リードタイムをきちんと守る」といった基本的な物流の考え方を最新理論や実務知識をふまえながら、初めて物流に触れる人にもわかりやすく説明しました。もちろん、これまで実務をこなしてこられた方が「基本事項の再確認、再入門」としても活用できるように物流の基本常識が体系的にまとめてあります。
 それぞれの項目は通勤、通学の際にも簡単に目を通せるように見開き2ページにまとめ、内容を視覚的にフォローするために図、イラストも豊富に用いています。
 本書を通して物流のしくみを理解することで、読者のみなさんのさまざまな可能性がさらに広がることを祈ってやみません。

2015年3月                             
鈴木邦成

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