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ハイブリッド自動車用リチウムイオン電池

定価(税込)  2,640円

編著
サイズ A5判
ページ数 208頁
ISBNコード 978-4-526-07387-8
コード C3043
発行月 2015年03月
ジャンル 化学

内容

次世代自動車として着実に市場を拡大しているハイブリッド自動車においても今後、高出力と小型・軽量化が可能なリチウムイオン電池の搭載が拡大すると見込まれる。エンジンと電池を併載するハイブリッド自動車では電池には電気自動車の10倍の高出力が求められる。ハイブリッド自動車に適するリチウムイオン電池とその部材を解説する。

金村聖志  著者プロフィール

(かなむら きよし)
首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 教授

執筆者
第Ⅰ部
第1章 リチウムイオン電池の原理と構成
 金村 聖志(首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 教授)
第2章 自動車用リチウムイオン電池の開発動向
 金村 聖志(首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 教授)
第3章 ハイブリッド自動車のしくみ
 堀江 英明(東京大学 生産技術研究所 特任教授)

第Ⅱ部 部材編
負極材
 安部 武志(京都大学 大学院工学研究科 教授)
正極材
 山田 淳夫(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
電解質
 森田 昌行(山口大学 大学院理工学研究科 教授)
 藤井 健太(山口大学 大学院理工学研究科 准教授)
セパレータ
 棟方 裕一(首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 助教)
バインダー
 駒場 慎一(東京理科大学 理学部第一部応用化学科 教授)
 山際 清史(東京理科大学 理学部第一部応用化学科 助教)

目次

はじめに

第Ⅰ部 基本編
第1章 リチウムイオン電池の原理と構成
1.1 リチウムイオン電池の充放電機構
1.2 電池内で生じる不可逆反応と容量バランス
1.3 電池の寿命
1.4 電池制御
第2章 自動車用リチウムイオン電池の開発動向
2.1 自動車用リチウムイオン電池の要求特性
2.2 エネルギー密度の改善
2.3 入力特性の改善
2.4 安全性
2.5 寿命
2.6 電池のリサイクル
第3章 ハイブリッド自動車のしくみ
3.1 内燃機関の課題
3.2 内燃機関のエネルギー対策
3.3 低エネルギー効率の内燃機関を高効率の電気駆動で補う
ハイブリッド自動車
3.4 自動車の電気駆動システム
3.5 ハイブリッド自動車システムの作動
3.6 プラグインハイブリッド自動車
3.7 自動車のエネルギー効率の向上
3.8 自動車走行に必要とされる出力
3.9 車両の得る加速度
3.10 自動車のエネルギー消費量

第Ⅱ部 部材編
負極剤
1.炭素系負極材料
1.1 炭素系負極の機能と問題点
1.2 炭素系負極材料の変遷
1.3 黒鉛負極の特性
1.4 黒鉛負極上での皮膜
1.5 難黒鉛化炭素負極の特性
2.高入出力用炭素材料
2.1 リチウムイオン電池の内部抵抗の低減
2.2 高出力用易黒鉛化性コークス
2.3 高入出力ハードカーボン負極
正極材
1.リチウムイオン電池用正極材料開発の歴史
1.1 層状岩塩化合物
1.2 スピネル型マンガン化合物
1.3 酸素酸塩化合物
1.4 オリビン型化合物
1.5 遷移金属複合型層状化合物
1.6 リチウム過剰層状化合物
1.7 新規酸素酸塩鉄系化合物
2.高電圧発生正極
3.ナトリウムイオン電池用正極材料
電解質
1.チウムイオン電池の電解質の種類
2.有機溶媒電解液
2.1 有機溶媒電解液の基本構成
2.2 有機溶媒電解液の構造・物性と電池特性
3.自動車用電池の要求性能と電解質
3.1 高出力・高エネルギー密度化への対応
3.2 安全性と信頼性への対応
4.イオン液体電解質の開発
4.1 イオン液体とは
4.2 イオン液体の解離度
4.3 イオン液体の低粘性化
4.4 イオン液体中のリチウムイオンの溶媒和
セパレータ
1.セパレータの役割
2.セパレータに求められる各種特性
2.1 厚み
2.2 孔径
2.3 濡れ性
2.4 イオン透過性
2.5 機械的強度
2.6 熱的寸法安定性
2.7 コスト
3.セパレータの種類と製造方法
3.1 微多孔膜
3.2 不織布膜
4.次世代セパレータの研究開発と展望
4.1 セパレータ材料の新展開
4.2 セパレータの構造制御
バインダー
1.バインダーの新たな機能の開発
2.電極製造工程におけるバインダーの役割
3.バインダー材料の現状
3.1 溶剤系バインダー
3.2 水系バインダー
3.3 LiCoO2 正極用ラテックスバインダー
4.ポリアクリル酸系バインダー
4.1 機能性バインダー
4.2 次世代型シリコン系負極用ポリアクリル酸系バインダー
4.3 シリコン系負極用天然高分子バインダー

索引

はじめに

電気自動車の発展は目覚ましいものがある。電気自動車の心臓部は蓄電池であり、より高性能な電池が求められている。現時点で電気自動車に搭載可能な電池はリチウムイオン電池である。ニッケル水素電池も搭載可能であるが、エネルギー密度の点でリチウムイオン電池が有利である。電気自動車には、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、ピュアー電気自動車、燃料電池自動車があり、すべての電気自動車が蓄電池を使用するが、その中でもハイブリッド自動車が大きく普及しつつあり、プラグインハイブリッド自動車も市場に展開されつつある。しかしながら、これらの電気自動車に用いられる蓄電池の性能は十分とは言えない。
 ハイブリッド自動車用のリチウムイオン電池と携帯電話用のリチウムイオン電池では、同じリチウムイオン電池でありながら、それらの電池の技術は大きく異なる。ハイブリッド自動車用リチウムイオン電池の場合には、高い出力特性と適度なエネルギー密度が必要である。また、充電受け入れ性能も高くなくてはならない。携帯電話用のリチウムイオン電池の場合にはエネルギー密度が問題となっているが、出力特性はそれほど大きくなくてもよい。ハイブリッド自動車用の蓄電池がこのような要件を満足するためには、新しい材料の開発や新規な電池技術の開発が求められる。
 本書では、リチウムイオン電池の基礎的なことを含め、ハイブリッド自動車用電池への適用を想定した部材技術、電池技術、電池制御などをまとめた。各部材の特性を活かし、蓄電池を作製する上で本書から得られる情報は読者にとって有益なものとなると思われる。また、電池の初心者にもぜひ一読していただきたい。

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