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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい超音波の本
第2版

定価(税込)  1,512円

著者
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サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07371-7
コード C3034
発行月 2015年02月
ジャンル ビジネス 機械

内容

私たちの身近なところから工業・産業分野まで、さまざまな分野で応用されている「超音波技術」。初版の内容を全面的に見直し、近年、注目を集めている新技術にもスポットを当ててアップデート。イラストや図を豊富に使ってわかりやすく解説した。

谷腰欣司  著者プロフィール

(たにこし きんじ)
1944年 長野県生まれ
科学評論家、技術コンサルタント
(株)開発技術研究所 技術顧問
2011年4月、逝去

【主な著書】
「トコトンやさしい電子部品の本」
「トコトンやさしいフェライトの本」
「トコトンやさしいカメラの本」
「トコトンやさしい回路設計の本」
「トコトンやさしい半導体の本」
「トコトンやさしいトランジスタの本」
「トコトンやさしい電気回路の本」
「トコトンやさしい発光ダイオードの本」
「トコトンやさしい水の本」
「トコトンやさしいモータの本」
「トコトンやさしい電波の本」
「トコトンやさしい光の本」
「トコトンやさしいミネラルの本」
「トコトンやさしい電気の本」(以上、日刊工業新聞社)
他多数

谷村康行  著者プロフィール

(たにむら やすゆき)
1951年4月 山口県生まれ
1976年3月 北海道教育大学釧路校卒業
1982年2月 ㈱ホクハイ入社
1992年4月 (学)日本航空専門学校に勤務
1994年~ (社)日本非破壊検査協会主催の
    技術講習会講師指導員
2006年5月 (社)日本非破壊検査協会 石井賞受賞
2012年9月 NDI JAPAN.com代表
2012年9月 ㈱ニチゾウテック技術コンサルティング
    事業本部(非常勤)
2013年3月 岡山航空㈱NDI技術顧問(非常勤)

【主な著書】
「絵とき『超音波技術』基礎のきそ」
「絵とき『破壊工学』基礎のきそ」
「絵とき『超音波探傷』基礎のきそ」
「絵とき『非破壊検査』基礎のきそ」
「トコトンやさしい航空工学の本」(共著)
「おもしろサイエンス破壊の科学」
「おもしろサイエンス波の科学」
「おもしろサイエンス五重塔の科学」(以上、日刊工業新聞社)
「超音波探傷入門(パソコンで実技演習)」(共著、日本非破壊検査協会)
「非破壊検査入門(DVD)」(編集委員、日本非破壊検査協会)
「超音波探傷試験実技参考書『デジタル超音波探傷器』」(共著、日本非破壊検査協会)

目次

第1章 超音波とは
1 音波と電波どこが違うの 「音波も電波も振動が伝わる波」
2 超音波とは 「音波だが人間には聞えない」
3 超音波と音波の境界は 「人によって異なるが2万ヘルツくらい?」
4 生物が超音波を発射する 「超音波を感知する動物はたくさんいる」
5 超短波は超音波の親戚か? 「超短波は電磁波の一種、超音波は音の一種」
6 聞こえない超音波はどのように発見された? 「聞こえない領域の発見」
7 超音波の波長と周波数 「周波数が変わると応用製品も異なる」
8 超音波センサを使うと、こんなことができる 「精密な距離計測に都合がよい」
9 超音波の伝わる速さは音を伝える物質で決まる 「伝わる速さは可聴音と同じ」
10 超音波の速さは温度で変化する 「水中では1480〔m/s〕空気中では340〔m/s〕」
11 超音波は特定の方向に伝わる 「超音波は指向性が高い」
12 超音波には3つの顔(応用分野)がある 「伝播速度は遅いが多分野で応用」
13 超音波を制する者は国を制する 「あらゆる分野で縁の下の力持ちとして活躍」

第2章 超音波の不思議
14 超音波同士はぶつかっても反射しない 「重ね合わせの原理」
15 超音波は風で流される 「風速計と超音波」
16 超音波で発生する高温・高圧・衝撃波・発光 「キャビテーションの衝撃力」
17 超音波で作るべたべたしない霧 「湯気と霧」
18 特定の人だけに話しかける超音波スピーカ 「鋭い指向性と優れた伝播性を応用」
19 海中は超音波の世界 「魚の声で種類も特定できる」
20 サウンドチャンネルは海中の高速道路 「海中には音の通路がある」
21 蝙蝠の超音波探知はハイテクである 「コウモリの優れた超音波レーダ」

第3章 暮らしの中の超音波
22 私たちの回りは超音波であふれている 「人間の耳はよけいな音は聞えないようになっている」
23 車の動きを見る超音波 「交差点や駐車場で活躍」
24 超音波を使えばガス漏れ、水漏れがわかる 「超音波リークテスタは省エネに貢献」
25 金属の腐食の程度が超音波でわかる 「見えないところで進む金属腐敗」
26 子供の最初の写真は超音波で撮影 「赤ちゃんの表情もわかる」
27 魚群探知機を使えば魚がたくさん摂れる 「水中に超音波を発射し反射波で見る」
28 超音波で動くモータ 「圧電セラミックスの振動を利用」
29 超音波でクリーニングを 「超音波の振動エネルギーを利用」
30 超音波で積雪や波の高さを測る 「超音波距離計の原理を応用」
31 スカイツリーの溶接部を超音波で調べる 「溶接欠陥の有無を調査」
32 最新鋭航空機の安全を守る超音波 「非破壊検査に適用される超音波探傷」
33 超音波で簡単にシールができる 「超音波の衝撃による発熱で溶着する」

第4章 超音波とからだ
34 耳が音を感じるしくみ 「なぜ超音波は聞こえないのか」
35 耳以外からも音を感知することができる 「骨伝導で聞える音もある」
36 10万ヘルツはなぜ心地よいのか? 「人間は耳で聞えない音も感じている」
37 超音波でからだの中を覗く 「胎児の動きが手に取るようによく見える!!」
38 超音波はからだに安全か 「超音波には法的な縛りはないが熱的作用と機械的作用の懸念」
39 超音波治療器として貢献 「超音波によるマッサージ効果」

第5章 超音波を発信受信するしくみ
40 超音波はどうやって発射するの 「圧電セラミックスの圧電効果を利用」
41 超音波センサのしくみ 「空中の超音波を検出する空中超音波センサ」
42 超音波発信回路のしくみ 「超音波発信の方法」
43 超音波受信回路のしくみ 「1000倍以上に増幅」
44 超音波を発信する圧電素子の共振特性とは 「圧電素子は一種の変換機」
45 圧電セラミックスの形状と発振周波数 「共振周波数は形状により異なる」
46 電歪現象と圧電現象 「電歪現象は強誘電体だと大きい」
47 ランジュバン型超音波振動子 「高エネルギー発生装置に応用」
48 超音波を発信する磁歪振動子 「磁歪現象を利用した振動子」
49 共振を利用すると大きなエネルギーが得られる 「超音波装置の駆動周波数を振動子の固有周波数と共振させる」
50 超音波のエネルギーを集束させる方法 「音響レンズを使う」

第6章 超音波の学校
51 超音波の反射は音響インピーダンスで決まる 「入射音圧に対しての反射音圧の割合が重要」
52 固体の中に生まれる変わった超音波 「超音波探傷などに応用」
53 超音波ビームを自在に操るフェーズドアレイ 「小さな音源からの波の重ね合わせ」
54 超音波で距離を測る 「反射波が戻る時間を利用する」
55 超音波が反射するものの大きさの限界は? 「どのくらい小さなキズを見つけられる?」
56 超音波のドプラー効果 「救急車のピーポー音の聞こえ方」
57 キャビテーション(超音波空洞現象)とは 「負の波動エネルギーを生じる空洞現象」
58 「ソノケミストリー」は超音波による化学作用 「なぜ他では起きない化学反応が出るのか」
59 キャピラリー波と霧化 「風水にも採用されている?」

第7章 超音波で見えないものを診る
60 タイタニック号の悲劇 「ソナーがあったらタイタニック号の悲劇は避けられた」
61 超音波で体の中・海の中・金属の中を見る 「光が届かない場所のモノを見る」
62 超音波の送受信で得られる信号 「Aスコープ」
63 エコーの信号から画像をつくる 「日本人が完成させた世界初の超音波診断装置」
64 プローブの走査と信号処理 「輝度変換した線を描き断面画像を得る」
65 フェーズドアレイによるスキャンと集束 「フォーカス技術で3次元画像」
66 断面画像に現れる虚像 「アーチファクトを見分けられるか?」

●超音波ビームのソフトウエア
●強力超音波で小魚を摂るイルカ
●超音波笛
●聴覚の範囲
●カクテルパーティ効果とは
●音波でからだの具合がわかる
●マリー・キューリーと超音波

索引

はじめに

 本書は、2004年10月に発刊され、長く読み継がれてきた「トコトンやさしい超音波の本」の改訂版です。初版の著者である谷腰欣司さんは、2011年4月に御病気のためこの世を去られています。
 日刊工業新聞社から「この本がこのまま消えていくのは惜しいので、改訂版を出したい。ついては協力してほしい」との要請がありました。ずいぶん悩みました。共著で本をまとめるのは、自分で1冊の本を書くよりも難しいのです。しかも、現時点でコミュニケーションをとれない方との共著です。
 私は前職の航空専門学校の教員時代に、谷腰さんのセンサ関連の本で勉強しました。私が、8年前に「絵とき『超音波技術』基礎のきそ」(日刊工業新聞社刊)を執筆するときは、本書の初版を参考にしました。谷腰さんは私の尊敬する大先輩です。谷腰さんの本には、難しい技術をわかりやすく説明する独特の谷腰節のようなものがあります。初版の「はじめに」に書かれている文章を引用します。
「小学生の頃、理科の時間に人間には聞えない超音波があり、洞窟内に生息するコウモリや、一部の動物は、これらの超音波を聞き分け、これを利用していることを教えられました。好奇心の強い筆者は、そのつど大きなインパクトを与えられ、今では超音波の世界に大きく足を踏み入れています。」「これまで超音波の性質や超音波技術のことを勉強しようと思っても、数式が並ぶ専門書ばかりで、出てくる用語も難しいものばかりでした。そのような状況をふまえ、本書では数式はできるだけ避け、また難解な用語には説明を加え、一般の方々にも何とか超音波の本質が理解できるよう、筆者流の説明を展開しました。」
 自らが胸を躍らせワクワクする好奇心をもち、この面白さや楽しさを若い人に伝えようとする志、これこそが谷腰節を貫いているものだと感じます。私にはとても谷腰節を真似することはできません。改訂版の執筆を通じてつくづく思い知らされました。ただ、谷腰さんの想いには、共感・共鳴するものがあります。私なりのやり方で、谷腰さんの想いを引き継いでみようと決意しました。
 超音波の利用技術は、20世紀のはじめころから始まっていて、私たちの身の回りを見渡してみても、いろいろなところに使われています。私たちの生活に欠かせない技術となっています。超音波技術は時代とともに進化しています。たとえば最近ではフェーズドアレイ技術によって、生まれる前の赤ちゃんの顔がリアルにわかるようになったりしています。他方で、技術開発の過程で期待されて製品化されても、期待値を満たすことができなくて消えていったものもあります。
 今回の改訂では、反射源までの距離が計測できる超音波を使って、光の届かないからだや金属の中、海底をのぞき見ることができるしくみについて、新たに章を設けて解説しました。また、いま洗浄器などで注目を集めているキャビテーションや、キャピラリー波による霧化についても解説を書き加えました。
 最後に、今回の改訂に際して、私との共同執筆になることを承諾していただきました谷腰さんのご遺族に、この場を借りて御礼申し上げます。

2015年2月
谷村 康行 

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