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絵とき「ポンプ」基礎のきそ
選定・運転・保守点検

定価(税込)  2,484円

著者
サイズ A5判
ページ数 224頁
ISBNコード 978-4-526-07319-9
コード C3043
発行月 2014年11月
ジャンル 化学

内容

本書は、ポンプの使用者の視点に立って、設備計画・購買(選定)、運転、保守点検といった各場面で必要となる知識をわかりやすく解説する。「なぜ、そうなるのか」「なぜ、そうする必要があるのか」まで踏み込んで記述することで、実務で使える内容となっている。

外山幸雄  著者プロフィール

(そとやま ゆきお)

・1954年12月 北海道上磯郡上磯町(現在は北斗市)生まれ

・1975年3月 函館工業高等専門学校機械工学科卒業

・1975年4月 ㈱荏原製作所入社

ポンプ関係の設計、開発、研究、トラブル対策、標準化、見積業務などに従事。JIS規格改正委員およびISO国際規格審議会委員を経験。

・2007年3月 技術士事務所開設のために退社

・2007年4月 外山技術士事務所開設

ポンプ関係のコンサルティング、海外製造メーカの日本代理人、製品開発支援、トラブル対策支援、輸出用回転機械の立会検査員、技術者教育、API 610改正委員。技術士事務所開設と同時にホームページを立ち上げポンプの技術相談に応対。

現在、外山技術士事務所所長、技術士(機械部門、総合技術監理部門、第56804号)、エネルギー管理士(第3346号)



●主な著書

・「ポンプの選定とトラブル対策」日刊工業新聞社

・「ものづくり高品位化のための微粒子技術」(共著)大河出版

・「技術コンサルティングハンドブック」(共著)オーム社

・「ものづくり現場の微粒子ゴミ対策」(共著)日刊工業新聞社

目次

はじめに


第1章 ポンプの基礎

1-1 ポンプの種類と特徴

(1) 渦巻ポンプ
(2) 両吸込ポンプ

(3) 専用ポンプ

(4) シールレスポンプ

(5) 多段ポンプ

(6) 高比速度ポンプ

(7) 立形ポンプ

(8) 水中モータポンプ

1-2 ポンプで使用する記号

1-3 単位とその換算

1-4 圧力と圧力計の読み

1-5 比速度

(1) 比速度Nsの意義

(2) 比速度Nsによる羽根車の形状

1-6 吸込比速度 4
1-7 吸込揚程 4
(1) NPSHAとNPSH3の意味

(2) NPSHAの計算

(3) NPSHAとNPSH3の関係

(4) NPSHAとNPSH3の具体例

1-8 ポンプの性能曲線の見方

1-9 ポンプの性能特性
1-10 ポンプの効率
(1) ポンプの予想効率

(2) 効率を決める要因

(3) ポンプ効率とモータ入力との関係

1-11 ポンプの速度変化

1-12 ポンプの口径
1-13 ポンプの選定

1-14 見積りから発注まで

(1) 引合い

(2) 価格交渉(ネゴシエーション)

(3) 発注


第2章 ポンプの構成部品と役割

2-1 ケーシング

2-2 ケーシングガスケット

2-3 整流板

2-4 羽根車
(1) 羽根車の構造

(2) 羽根車のアキシャルスラスト-バランスホール

(3) 羽根車のアキシャルスラスト-片ライナ

(4) 羽根車のアキシャルスラスト-裏羽根

(5) 羽根車のアキシャルスラスト-羽根車の背面合わせ

2-5 ライナリングとインペラリング

2-6 ライナリングとインペラリングのクリアランス

2-7 軸封(シール)

(1) グランドパッキン
(2) メカニカルシール

(3) グランドパッキンとメカニカルシールの比較

2-8 軸スリーブ
2-9 軸受ハウジング

2-10 ラジアル軸受とアキシャル軸受

2-11 オイルフリンガ、オイルリング、オイルミスト

2-12 デフレクタ、オイルシール
2-13 コンスタントレベルオイラ

2-14 空気抜き

2-15 軸受支柱

2-16 オリフィス
2-17 サイクロンセパレータ



第3章 ポンプの仕様

3-1 ポンプを発注する時に必要な仕様

(1) 飽和蒸気圧力

(2) 密度

(3) 比熱

(4) 動粘度

(5) 腐食性
(6) スラリー混入または析出

(7) 硫化水素

(8) 液温

3-2 規定吐出し量、最大吐出し量、最小吐出し量

(1) 用語の定義
(2) 購入者の視点からの注意点

3-3 間欠運転

3-4 設置場所、ユーティリティ

3-5 ポンプの回転方向

3-6 吸込ノズルおよび吐出しノズル面

3-7 ノズルレーティング、方向、接続

(1) ノズルレーティング

(2) ノズル方向
(3) ノズル接続

3-8 軸受形式、軸受潤滑方式

(1) 購入のポイント

(2) 温度上昇値での選択
3-9 ケーシングボリュート、ディフューザ

3-10 ケーシング支持
3-11 カップリング形式

3-12 共通ベース

3-13 軸封形式

3-14 計装品

3-15 検査および試験



第4章 ポンプの材料

4-1 水を扱うポンプの材料

4-2 海水を扱うポンプの材料

4-3 化学液を扱うポンプの材料
4-4 構成部品の材料



第5章 ポンプの据付けと試運転

5-1 ポンプによる基礎の荷重
(1) ポンプ、駆動機および共通ベースの質量

(2) 回転体の振動による加振力

(3) ポンプ内の液の質量
(4) ポンプ内の液の運動量変化による荷重

(5) 配管荷重と配管モーメント

(6) 吸込配管と吐出し配管の質量および吸込配管と吐出し配管内の液の質量

(7) 配管サポートによる荷重軽減

5-2 ポンプの据付け

5-3 ポンプの始動

(1) タイプA「押込み」でセルフベント

(2) タイプB「押込み」でセルフベントでない

(3) タイプC「吸上げ」で真空ポンプ

(4) タイプD「吸上げ」でフート弁

(5) タイプE「液中」

(6) ポンプの形式

(7) 適用する空気抜きの方法

(8) ユーティリティの供給開始


5-4 回転方向の確認

(1) 正規の回転方向の見分け方

(2) ボリュートでないポンプの場合

5-5 ポンプの逆回転

第6章 ポンプの運転

6-1 水以外の液を扱うポンプの性能

6-2 ポンプの減速運転とフラッシング

6-3 ポンプの増速運転
6-4 ポンプの締切運転

6-5 密閉管路内のポンプ運転

6-6 空気の侵入防止

6-7 空気を含んだ液の運転

6-8 吸込側のレジューサ

6-9 渦の影響

6-10 初生キャビテーション

6-11 並列運転と直列運転
(1) 並列運転

(2) 直列運転

(3) 並列運転と直列運転の注意点

6-12 ポンプのウォーミング

6-13 冷却水の制御管理

6-14 振動許容値とポンプの停止



第7章 ポンプの保守点検

7-1 ポンプの点検
7-2 全分解点検と間隔

7-3 ポンプの修理と改造

7-4 ポンプの取替え

7-5 予備品
7-6 ポンプの長期保管

豆知識

・圧力計の読み方
・低比速度ポンプ用羽根車の一体鋳造は難しい

・中子支え
・ガスケットが押しつぶされたら

・低価格で保守点検が容易なポンプ

・ケーシングの肉厚計算

・吊り上げ時のポイント

・ポンプの空気抜き

参考文献

索引

はじめに

 ポンプは化学工業、石油精製、発電、食品工業、パルプ工業、ビルディングの空調、飲料水、下水道など、さまざまな分野で使用されています。そしてポンプを適切に使用するために、設備計画、購買、運転、保守などに多くの方々がかかわっています。

 一方、市販されているポンプに関する本では、基本的な理論は豊富に取り上げられていて、設計者には設計の参考になって大変有益です。しかし、実際に業務としてポンプを扱う使用者の視点からは、実例が少なく物足りなさや不明なことが見受けられます。ポンプメーカではポンプの使用者向けに、据付け要領書や取扱説明書などの技術資料を発行していますが、内容が専門的すぎたり、なぜそうするのか理由がよくわからない基準が書かれていたりして、使用者にとって理解できないままポンプを使用するという不便をかけていることもあります。

 そこで、遠心ポンプの使用者の視点に立って、ポンプの構成部品と役割、ケーシングと羽根車の形状などポンプの基本的事項をはじめとして、材料、運転、性能、付属品などについて、図や表を使ってできるだけ深く掘り下げて解説します。そして本書を通じて、遠心ポンプにかかわる方々が、ポンプのことを深く理解することによって、自信をもって日常の業務を進めていくことができるようになることを目指します。

 本書は遠心ポンプに関わる方で、特に発注者、使用者および保守点検者、そして機械の設計や保守点検に携わっている方にも読んでいただきたいと思っています。もちろん、ポンプの設計者や開発者にも参考となる内容になっています。

 さて、本書は使用者が遠心ポンプを使用する上で基本となる事項として、ポンプの種類と特徴、使用する記号、単位、専門用語などを第1章「ポンプの基礎」で取りあげて解説し、ケーシングや羽根車など各部品がなぜ必要なのか、どういう役割があるのかなどについて、使用上の注意点を含めて第2章「ポンプの構成部品と役割」で詳細に説明します。

 続いて、ポンプメーカへポンプの見積りを依頼するとき、または発注するときに、最適なポンプを得るために必要になる各種の仕様については第3章「ポンプの仕様」に、そして材料の選定と注意点については第4章「ポンプの材料」で解説します。

 ポンプを購入後、据付けして試運転、商用運転に入っていきます。第5章「ポンプの据付けと試運転」では、ポンプによる基礎荷重、据付け方法、始動時の注意点、回転方向の確認方法などを説明します。そして第6章「ポンプの運転」において、ポンプの減速運転と締切運転、空気の侵入防止方法、並列運転、直列運転、ウォーミングなどポンプの運転のときに注意していただきたい事項について詳しく解説します。最後に第7章「ポンプの保守点検」では、日常のポンプの点検、修理と改造、取替え、長期保管方法などを説明します。

 最後になりましたが、発刊するにあたり多くの方々からご協力をいただきました。本書執筆の機会を与えてくださった日刊工業新聞社の奥村功出版局長、企画の段階から多くの助言をいただいたエム編集事務所の飯嶋光雄氏、原稿が書き終わるまで応援してくれた新井拓実氏ほかの皆様に心から感謝いたします。

 
2014年11月
外山幸雄

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