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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい電源回路の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07314-4
コード C3034
発行月 2014年10月
ジャンル 電気・電子

内容

電源回路は電気を使うあらゆる電子機器で使われている回路。昨今では、省エネ設計、低消費電力設計が要求される中、回路の中でも、もっとも重要な回路になっている。本書では、その電源回路について、これから電気回路を学ぶ学生や初学者のために、トコトンやさしく解説する。

相良岩男  著者プロフィール

(さがら いわお)
昭和7年 東京都に生まれる
昭和31年 東京理科大学卒業 物理学専攻
昭和31年 沖電気工業(株)へ入社し
ED事業部総合技術部技師長を経て、
平成3年 KOA(株)常務取締役
平成10年 KOA(株)顧問 平成23年退職

主な著書として、「わかりやすいOPアンプ入門」「トコトンやさしい情報通信の本」「A/D・D/A変換回路入門 第3版」「わかりやすいフィルタ回路入門 第2版」「わかりやすいアナログとデジタル基本・応用回路入門」「よくわかる デジタル信号処理入門」「よくわかるデジタルテレビの基本動作と仕組み」「トコトンやさしいアナログ回路の本」(以上、日刊工業新聞社刊)など多数。

目次

第1章 電子機器用電源の基礎
1 電源回路の基本① -電子機器は直流電圧で動作する 「電子機器の動作を支えるエネルギー源 直流電圧」
2 電源回路の基本② -リニア電源とスイッチング電源 「電子機器の動作に合わせた直流電圧の作り方」
3 電子機器では複数の直流電圧が必要 「回路ごとに異なった直流電圧が必要」
4 直流電圧と交流電圧 「電圧、電流の表し方は2つある」
5 直流電圧の供給源 「直流電圧を得る方法」
6 商用電源から安定した直流電圧を得る方法 「商業電源から直流を得る2つの方法」
7 トランスを用いて直流電源を作る 「電源で活躍するトランス」
8 電子機器に用いられる電池の種類 「電池には多くの種類がある」
9 化学反応を利用した一次電池 「一次電池の特性と構造」
10 化学現象を利用した二次電池 「二次電池の特長と特性」
11 物理現象を利用した物理電池 「自然環境に優しい物理電池」
12 太陽光発電の応用 「注目されているメガソーラ発電」
13 電源で用いる用語 「電源を理解するために」

第2章 電源で使用する電子部品
14 電源で使用する電子部品 「どんな部品が電源で必要か」
15 受動素子の役割① -抵抗器とコンデンサ 「抵抗器とコンデンサのしくみとはたらき」
16 受動素子の役割② -コイル 「コイルのしくみとはたらき」
17 整流ダイオードの役割 「ダイオードの整流作用」
18 基準電源の役割 「定電圧ダイオードの種類とはたらき」
19 トランジスタとICの役割 「バイポーラトランジスタ、P-MOS、C-MOS、ICなど」
20 半波整流の動作 「交流電圧を直流電圧に変換する整流回路」
21 全波整流回路の動作 「連続の脈流に改善した全波整流回路」
22 平滑回路の動作① 「平滑回路でより変動のない直流電圧を得る」
23 平滑回路の動作② 「平滑回路でのコンデンサとチョークコイルの役割」
24 平滑回路の動作③ 「コンデンサとチョークコイルLPFのしくみ」

第3章 リニア電源の基礎
25 電子機器で必要な直流電圧 「電子機器では安定した直流電圧が必要」
26 安定化直流電圧の種類 「リニア電源とスイッチング電源」
27 能動素子と直流電圧 「低電圧・大電流に対応する能動素子」
28 多種の直流電圧が必要 「ICの高集積化で多種の安定化直流電源が必要」
29 リニア電源の基本回路 「リニア電源で重要な制御回路」
30 リニア電源① -シャントレギュレータ 「シャントレギュレータのしくみ」
31 リニア電源② -シリースレギュレータ 「シリースレギュレータのしくみ」
32 シリースレギュレータ用IC 「2種類のシリースレギュレータIC」
33 リニア電源の基準電源と特性比較 「シャント/シリースレギュレータの特性比較」
34 リニア電源を用いたACアダプタ 「ACアダプタはリニア方式からスイッチング方式へ」

第4章 スイッチング電源の基礎
35 スイッチング電源の登場 「スイッチング電源はどのようにして誕生したか」
36 リニア電源からスイッチング電源へ 「スイッチング電源の発展」
37 スイッチング電源の基本動作 「スイッチング電源の分類」
38 スイッチング電源で用いるPWM 「PWMとPFMの特徴」
39 スイッチング電源の分類 「スイッチング電源の基本動作」
40 非絶縁型DC-DCコンバータ 「コイルが重要な役割を担う」
41 絶縁型DC-DCコンバータ電源① 「絶縁型DC-DCコンバータの基本動作」
42 絶縁型DC-DCコンバータ電源② 「自動フライバックとフルブリッジ」
43 スイッチング電源で用いられる電子部品 「スイッチング電源の電子部品の役割」
44 スイッチング電源を支える回路 「制御回路/同期整流回路/平滑回路の役割」
45 同期整流回路 「同期整流回路におけるMOS FETの役割」
46 DC-DCコンバータの昇圧と降圧 「役割を担うチョークコイルとトランス」
47 SEPICとは 「入力リップルを小さくできる」
48 チャージ方式の昇圧回路 「チャージポンプ方式の電圧変換」
49 スイッチング電源とノイズ 「スイッチング電源でのノイズの削減方法」
50 スイッチング電源のEMC 「重要なスイッチング電源のEMC対策」
51 スイッチングによるACアダプタ 「小型軽量で携帯電話やスマートフォンへ応用」

第5章 電子機器内での直流電圧供給
52 電子機器で必要な直流電源 「電子機器内で使用される直流電源」
53 電源モジュール 「安定化直流電圧はどうやって作る」
54 集中電源から分散電源へ 「分散により複数の直流電圧供給」
55 分散による直流電圧の登場 「集中電源供給から分散電源供給へ」
56 スイッチング電源での発熱対策 「スイッチング電源でも発熱対策は必要」
57 スイッチング電源での力率改善 「力率改善しノイズを減少する」

第6章 電子機器で用いる電源
58 デジタルテレビの電源 「デジタルテレビのいろいろな直流電源」
59 スマートフォンの電源 「スマートフォンのいろいろな直流電源」
60 ディスクトップパソコンの電源 「デスクトップパソコン用電源」
61 白色LED電球と電源 「白色LED電球の点灯回路」
62 太陽電池からの電力供給 「太陽電池のはたらき」
63 UPS電源とは 「UPS電源のしくみ」
64 新しく開発される周辺技術と電源 「ロボット、医療分野電子機器の電源」

第7章 これからの電力送電技術
65 交流送電から直流送電へ 「電力送電は交流から直流へ変わろうとしている」
66 空間電力伝送 「電磁誘導伝送、電磁界共鳴伝送、電磁波伝送がある」

●直流電圧とは
●交流電圧とは
●交流と直流とを結ぶ実効値
●交流で重要な位相
●受動部品のインピーダンス
●複雑な波形と正弦波との関係
●交流の電力について

索引

はじめに

 17世紀から19世紀にかけて、電気に関する重要な発見が科学者によって次々に発表されています。これらの実験では電源が重要な役割を担っていました。最初の電源は摩擦電気でしたが、1780年になるとガルバニーはカエルの足から電気を取り出そうと試みました。これは成功しませんでしたが、これをヒントにボルタはボルタ電池を発明しています。ここから電源は形を変えながら大きく発展していきました。これらの電源を使いながら1746年ミュツセンブルークはコンデンサの原型となるライデン瓶を、1820年アンペールはソレノイドコイルを、1826年オームはオームの法則から抵抗器を発明しています。
 19世紀から20世紀にかけて、1876年ベルが電話を、1877年サーノフ(米)が AMラジオを、1941年には白黒テレビ(米)が、1969年にはカラーテレビ(米)が登場しています。これら電子機器で活躍したのが真空管です。この真空管は1906年にドフォレストが発明しています。真空管駆動には高圧の直流電圧を供給する電源が必要でした。
 1964年になると、半導体を利用した画期的なトランジスタが、1956年にはキルビーによってICが発明されました。高圧で動作する真空管と異なって、半導体用の電源は低電圧・低電流・低電力の直流電圧で動作するのです。真空管から半導体へと電子機器が発展するにつれ、電源は大きな発展をしていきます。ここが最初の電源革命となりました。ここで活躍していたのがリニア電源でした。
 半導体素子の登場によって、電子機器の性能がさらに高性能化するために、大量の半導体を使用するようになると同時に、電子機器の小型化・小電力として携帯電話やパソコンや携帯オーディオなどの開発競争が始まりました。ここでは一段と小型で軽量な電源が必要となってきたのです。このため、再び電源が問題となり始めたのです。そのころ米国では1969年の月面を目指して人工衛星開発が進められていましたが、この中で小型・軽量な電源が必要となってきたのです。これに対応する電源開発が進められ、やがてスイッチング電源が開発されました。
 この人工衛星用スイッチング電源が他の電子機器用電源問題を救っています。これが次の電源革命となりました。電子機器には商用電源で動作するタイプと電池で動作するタイプがあり、これに対応して種々のスイッチング電源が開発されてきました。これからの電源は全てスイッチング電源に置き換わるのではないかと言われていましたが、電子機器のさらなる発展に伴ってノイズの少ない低電圧・大電流に対応する新しい電源が必要となり、リニア電源も再び注目を浴びるようになってきたのです。これらに対応するのがリニアLDO電源やスイッチングLDO配置電源でした。
 これからも電子機器は発展していきます。電源は現状に留まらずさらに発展して行くものと思われます。これに対応するために次世代の電源開発はますます重要となってきます。このように発展目覚ましい電源について、分かりやすいように基礎的なことを解説したのが本書です。
 最後に本書の発刊に際し、ご協力を戴いた日刊工業新聞社の方々に感謝の意を申し上げます。

2014年9月
相良 岩男

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