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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい電気設備の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07312-0
コード C3034
発行月 2014年10月
ジャンル ビジネス 電気・電子

内容

電気設備(通称、電設)は、ビルや工場などの配線、受電、管理を含むあらゆる設備。本書では、受電設備の方式、配電設備、負荷設備や、照明・空調設備、さらにそれらの監視制御システムや火災報知システムまで、設備を安定的に運用し、最適な環境で動作させるための技術について、やさしく、丁寧に解説している。

福田 遵  著者プロフィール

(ふくだ じゅん)


技術士(総合技術監理部門、電気電子部門)

1979年3月東京工業大学工学部電気・電子工学科卒業
同年4月千代田化工建設㈱入社

2002年10月アマノ㈱入社

2013年4月アマノメンテナンスエンジニアリング㈱副社長
(社)日本技術士会青年技術士懇談会代表幹事、企業内技術士委員会委員などを歴任

日本技術士会、電気学会、電気設備学会会員

資格:技術士(総合技術監理部門、電気電子部門)、エネルギー管理士、監理技術者(電気、電気通信)、宅地建物取引主任者、ファシリティマネジャーなど


著書:『トコトンやさしい発電・送電の本』、『トコトンやさしい実用技術を支える法則の本』、『技術士第一次試験「基礎科目」標準テキスト第2版』、『例題練習で身につく技術士第二次試験論文の書き方第3版』、『技術士第二次試験「電気電子部門」対策と問題予想第3版』、『技術士第二次試験「建設部門」対策と問題予想第3版』、『技術士第二次試験「機械部門」対策と問題予想第3版』、『技術士第二次試験「電気電子部門」択一式問題150選第2版』、『技術士第二次試験「建設部門」択一式問題150選第2版』、『技術士第二次試験「機械部門」択一式問題150選第2版』、『電設技術者になろう!』、『改正省エネルギー法とその対応策』、『アリサのグリーン市民への旅』(日刊工業新聞社)等

目次

第1章 電気設備のための基礎知識
1 電気設備の定義と種類 「人の生活に直結した設備」
2 電気設備が活躍する場 「すべての社会空間で必要な設備」
3 電気設備の目的 「安全で快適な社会の実現」
4 電気設備に必要な知識 「技術知識以外の知識を備える」
5 電気の種類 「さまざまな電気を賢く使う」
6 電気負荷の特性 「負荷の特性を認識して計画する」
7 センサ技術 「電気設備の重要要素技術」

第2章 エネルギーを安定化させる手法
8 受電方式 「施設電力の信頼性を決める受電方式」
9 最大需要電力 「電力料金計算の基本量」
10 力率改善 「電気料金の低減策」
11 発電設備 「常用として発電機を使う」
12 コジェネレーション 「エネルギー効率を上げる手法」
13 燃料電池 「クリーンな分散型発電設備」
14 自然エネルギー活用 「持続可能な社会を目指して」
15 開閉装置 「電気の流れを制御する」
16 計器用変成器 「電路の状態を見える化する手法」
17 保護継電器 「電気事故の感知手法」
18 無停電対策 「停電による障害を回避する」

第3章 電気設備の動脈を形成する
19 変圧器 「電圧を目的の値に変換する」
20 電圧管理 「負荷側電圧の安定化策」
21 高圧配電方式 「負荷容量が大きな施設の配電方式」
22 幹線方式 「負荷の特性による幹線分類」
23 低圧配電方式 「設備の特性に合わせた配電方式」
24 幹線配線布設方式 「施設内の配線布設方法」
25 屋内配線路 「低圧電路、通信線、データ配線方式」
26 ケーブルの種類 「電源等と負荷をつなぐ資材」
27 バルク材 「電気設備工事に欠かせない部材」
28 接地方式 「電気的な安全保護対策」
29 接地設備 「人命と機器を守る対策」

第4章 施設環境を創出する設備
30 照明光源 「照明光源の発光原理」
31 照明設計 「視環境を計画する」
32 照明用語 「感性を数値化する指標」
33 空調設備 「温度調整 ・ 湿度調整 ・ 気流調整 ・ 空気清浄」
34 ヒートポンプ 「大気熱をエネルギーに変える」
35 蓄熱設備 「電力平準化に貢献する設備」
36 電気加熱設備1 「電気エネルギーを熱エネルギーに変換する」
37 電気加熱設備2 「家庭用の調理器にも活用される技術」
38 動力設備 「制御技術が重要な設備」
39 人の搬送設備 「人を立体的に移動させる」
40 物の搬送設備 「物を立体的に移動する」
41 蓄電池設備 「利用範囲が拡大している二次電池」

第5章 施設における神経系統を司る
42 通信設備 「ビジネスに不可欠な通信回線を確保する」
43 構内通信設備 「ネットワーク活用のツール」
44 自動火災報知設備 「火災を感知し報知する」
45 消防設備 「火災を最小限で食い止める」
46 放送設備 「同時に情報を伝える設備」
47 監視制御設備 「快適性と安全性を司る設備」
48 エネルギー管理設備 「エネルギーを積極的に管理する」
49 防犯設備 「人と財産の安全性を高める」
50 駐車場管制設備 「駐車料金徴収システム」
51 テレビ共聴設備 「施設内にテレビ放送を届ける」
52 映像音響設備 「利便性と感動を高める装置」

第6章 危険や障害を回避する対策
53 地震対策 「地震国における安全対策」
54 塩害対策 ・防食技術 「金属部の腐食を防ぐ対策」
55 雷害対策 「雷を導いて被害を防止する」
56 電磁誘導障害 「電気電子機器には電磁両立性が必要」
57 高調波問題 「インバータ回路等に起因する障害」
58 人や機器に対する保護 「安全 ・ 安心のための規格と指針」

第7章 長期に安全と快適を維持する考え方
59 省エネルギー対策 「施設全体での省エネルギー計画」
60 信頼性技術 「利便性を損なわない手法」
61 安全性 「危険の回避を図る手法」
62 耐用年数 「適切な更新を計画するための目安」
63 保全対策 「電気設備を適正な状態に保つ」
64 試験計器 「現在の状態を見える化する」
65 更新 ・増設計画 「更新 ・ 増設への事前準備」
66 ライフサイクルコスト 「設備の経済性評価の新基準」
67 ユニバーサルデザイン 「現代社会に欠かせない考え方」
68 ゼロエネルギービル 「エネルギー的に自活するビル ・ 地域」

【コラム】
●経験と継続教育が必要な電設技術者
●さらに拡大する電気設備
●配電ルート計画の難しさ
●負荷設備の特性を知る
●安全と快適の追求方法
●天災・人災に対応する
●経済性判断ができる技術者

参考文献

はじめに

 電気設備ほど人の身近にありながら、一般の人に存在をあまり意識されていないものはないと思います。しかし、通常は関心が薄いものでありながら、一度不具合が生じると一般の人から大きな不満が出て、施設を管理する人が痛烈な批判を浴びるという性質を持っています。しかも、個人の感性によって設備への評価が揺れ動くという特性も持っており、ある人には快適な状態が別の人には不快に感じられ、それが不満となって管理者が非難される場合も少なくありません。そのため、電気設備に携わる人が難しい対応を迫られる場面に遭遇する例は多くあります。

 また、電気設備は大学の教育課程ではあまり扱われない分野であるため、工業系の学生でも電気設備を専門とする人は少なく、就職した企業で電気設備を扱う部署に配属されて、初めて電気設備の技術的な問題に触れるという人が多いのも事実です。さらに、電気設備の定義も明確ではないため、その業務に携わっている人自身が、電気設備関連の技術者であるという認識を持っていない場合もあります。

 しかしながら、電気設備が人の生活する空間を支えているというのは紛れもない事実ですし、社会の安全・安心を支えるために、夜間や遠隔地などの無人空間を含めた多くの場所で人知れず働いています。それだけではなく、電気設備は人が健康で快適な生活を維持するためには欠かせない設備となっています。このように、電気設備は生活に密着した場所に広く散在して、快適空間の創造や社会の安全確保に寄与する仕事をしている、縁の下の力持ち的な存在です。また、個別の電気設備は個々の目的で設置されますが、最近では、それらを統合した運用が求められるようになっています。そのため、個別の設備を結びつける神経系統としてのネットワークも強化されてきています。快適性という点では、それを計測する感覚器官が不可欠ですが、そういった部分を担っているのがセンサになります。電気設備ではセンサがいたるところに設置されており、それらから得られる情報を生かしながら電気設備は稼動しています。このように、電気設備は点となる機器やセンサ、面としての施設空間、そしてそれらを結びつけるケーブル類によって構成されています。このような点、面、線のどこかに欠陥が発生すると、完全なシステムとしては機能しなくなりますし、1箇所の設定ミスや故障が全体の欠陥になってしまうという怖さも秘めています。

 なお、電気設備を扱う技術者には、計画や設計を担当する技術者だけではなく、それを現場で一般の人に意識されない状態で使ってもらうために設置する施工技術者、さらには、長期間適切に運転できるようにする維持管理の技術者がいて、初めて広く公衆が満足できる設備となります。そのため、多くの技術者が電気設備をとおして快適性や安全性に貢献していることを知ってもらえればと思います。本著だけでは電気設備のすべては説明できませんが、主要なものについて、その目的を実現するための機能、安全を確保するための工夫などをできるだけ平易に説明したいと考えております。その結果、電気設備が皆さんの身近で活躍しているという事実を知ってもらい、地球にかかる負担をできるだけ少なくしながら快適な空間を作り上げていくために、皆さんが何をしなければならないかを考えてもらえればと思います。

 なお、本著は、電気設備はどういった点を考慮して計画されているのか、また、どのような問題点があり、それをどんな工夫で解決しているのかを知ってもらえるような内容としております。そういった目的から、一般の人やこれから電気設備に携わる可能性のある若い方に、電気設備の種類や機能を知ってもらうための書籍である点を補足させていただきます。
 

2014年9月

福田 遵

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