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“数”の管理から“利益”の管理へ
S&OPで儲かるSCMを創る!

定価(税込)  2,592円

編著
監修
サイズ A5判
ページ数 224頁
ISBNコード 978-4-526-07310-6
コード C3034
発行月 2014年10月
ジャンル 生産管理

内容

これまでのSCMは、一連のプロセスを「数」で管理していたが、これでは利益損失が出てしまった。そこで、「利益」で管理するS&OPという取り組みをプラスし、「儲けがでる」SCMを創る動きが始まった。本書は、どうやればこれを実際に構築できるかの指南書。

(株)クニエ SCMチーム  著者プロフィール

【著者略歴】


○ 三林 孝光 (みつばやし たかみつ)

株式会社クニエ ディレクター

国内大手電機メーカーにて需給・生産管理・原価管理の実務、グローバルSCM改革プロジェクトの企画・構想・実装・定着化に従事。14年半の事業会社経験の後、外資系コンサルティングファームを経てクニエに入社。SCM/S&OPに関する企画構想、業務改革、システム導入、業務定着化支援のコンサルティングに従事。事業会社側とコンサルティングファーム側の両方でプロジェクト経験を有する。本書では第2章と第5章の執筆に携わる。




○ 笹川 亮平(ささかわ りょうへい)

株式会社クニエ シニアマネージャー

国内システムインテグレーター、外資系コンサルティングファームを経てクニエに入社。一貫して製造業のSCM/S&OP関連プロジェクトに取り組み、生産管理、在庫管理、需給管理を中心としたSCM/S&OP業務改革、ERP/SCP構想策定および導入コンサルティングに従事。ハイテク機器、自動車、自動車部品、日用品、等組み立て系、プロセス系製造業の企画構想から定着化まで地道な改善活動にも支援実績多数。本書では第4章と第6章の執筆に携わる。


○ 有村 大吾郎(ありむら だいごろう)

株式会社クニエ アジア推進 コンサルティングデスク責任者

外資系企業でERP/SCM/CRM/HCMに関連するコンサルティングに従事し、事業会社としての中期経営計画立案や事業部門の組織改革、人材育成制度策定などを担当。また、公共団体や民間企業向けのクラウドサービス活用に向けた各種プロジェクトを手掛ける。クニエ入社後は、製造業を中心とした各種改革プロジェクトや企業の海外展開などの支援を実施後、アジア圏企業の更なる業務改善・改革を支援すべくタイ駐在責任者として着任。本書では第2章と第6章の執筆に携わる。




○ 籘倉 麻実子(ふじくら まみこ)

株式会社クニエ マネージャー

外資系コンサルティングファームにてハイテク・エレクトロニクスの製造業を中心に、新規事業企画立案や販売管理、在庫管理を中心とした業務改革、ERP構想策定および導入コンサルティングによるグローバル標準化など大規模案件を中心に多数経験。クニエ入社後は、前述に加え、生産管理、需給管理を中心としたSCM/S&OP業務改革、PMO支援などにも従事。本書では第3章の執筆に携わる。




○ 石垣 嘉文(いしがき よしふみ)

株式会社クニエ シニアマネージャー

国内電子機器メーカー、システムインテグレーターを経てクニエに入社。
電機・特機・非鉄・石油・医療機器・化学・飲料など幅広い産業において、主に販売・製造・購買・物流部門の業務改革・プロセス改善やERP/SCMの導入プロジェクトに従事。本書では第2章の執筆に携わる。

田中大海  著者プロフィール

(たなか だいみ)
株式会社クニエ マネージングディレクター
大手家電メーカーにて購買・生産・SCM関連業務を経験後、外資系コンサルティングファーム・M&Aアドバイザリーファームを経て、NTTデータビジネスコンサルティング(現クニエ)に入社。主に製造業をクライアントとし、SCM/S&OPを中心とした多数のプロジェクトマネージャー経験を有する。近年は、高速レスポンス型SCMやS&OPを強みとし、雑誌等への寄稿多数。同社におけるSCM/S&OPソリューションの責任者を務める。本書では第1章・第7章と全体の監修にあたる。

目次

はじめに

第1章 再び注目され始めたSCM
1 SCMへの期待値の推移
2 SCMに関する悩み
3 SCMプロジェクトの環境変化
4 SCMを進化させるためにまずはやるべきこと
5 企業におけるSCM取り組みの実際
6 SCMの計画系、SCP領域の重要性
7 SCMを積極的に進めた業界

第2章 今までのSCMは儲けを生んだのか?
1 従来型SCMとは?
2 従来型SCMの事例:電機メーカーA社
3 環境の変化
4 需給調整の限界(組立製造業)
5 需給調整の限界(プロセス製造業)
6 収益観点の重要性
7 スピードの重要性
8 SCMは経営に貢献しているか?


第3章 S&OPを加えることでSCMは進化する
1 SCM+収益観点の取り組みとして近年注目を浴びているS&OP
2 なぜ日本では普及していないのか
3 本書で提唱するS&OPの定義
4 数量+金額の考え方 意思決定に必要な金額情報
5 読めない未来に迅速に対応する為のシナリオ想定
6 S&OPのパターン 目的により目指すべきプロセス、KPIは異なる
7 S&OPに対する近年の高まり

第4章 儲けを生むSCM/S&OPの始め方
─プロジェクト企画─
1 具現化する際のポイント・7つの軸
2 SCM/S&OPの成熟度レベル定義
3 現状レベルの把握(診断)
4 目標レベルの設定
5 プロジェクトの予算化


第5章 儲けを生むSCM/S&OPの創り方
─プロジェクト実行─
1 プロジェクト実行のアプローチ検討
2 プロジェクト実行
3 プロジェクト評価(効果の想定と効果の実測)


第6章 プロジェクト推進の壁を乗り越えるコツ
1 SCM/S&OP改革プロジェクトで必要となる検討テーマ
2 事例にみる実現の壁


第7章 SCM/S&OP業務を支えるIT
1 SCM/S&OPプロジェクトにおけるITの必要性
2 ITの切り分け
3 SCM/S&OPパッケージソフトの活用
4 導入の際に直面するIT的な壁


おわりに

引用文献・参考文献
監修者・著者略歴


コラム
日本人は熱しやすく冷めやすい?
同じ意味でも呼び方は様々?
プロジェクト名称はどうする?
困った発言が多い?

はじめに

 近年、企業の業績を左右する予想外の事象が続いています。競合相手の素早く予測できない動向、自社では如何ともしがたい為替相場の変動・天変地異・政変までもが多発し、業績を左右する時代です。

 一方、各企業においては自社でできる限りのムリ・ムラ・ムダの排除や業務効率化が進められ、さらにリストラクチャリングなどが加わり、相当なストレスの中で事業を進めている状況にあります。

 製造業においては物理的な製品の製造・販売を通したサプライチェーンマネジメントが積極的に取り入れられ、死活問題となる在庫の適正化と販売機会損失防止のバランスに注力してきました。特に日本人の気質を想像すると、各企業での取り組みや実際に日々全力で戦いを続けておられる企業戦士の尽力は称賛されて然るべきものだと思います。

 それにもかかわらず、業績の下方修正や大幅赤字が続出しています。しかも、有名かつ体力的に耐性があると思われる大企業で多発しているのはなぜでしょうか。外資系企業を排除する気は全くありませんが、日本の今後を考えた際、今の状況は忌々しいものであると筆者はとらえています。

 そしてこういった状況にある企業に今必要なのは、製品の供給を金額でとらえ直し、売上あるいは収益といった点で監視・コントロールすることだと考えています。つまり、儲ける為の仕組み作りです。

 同時に、予測できない未来に対し、いくつかのシナリオを事前に想定した上で事後の対応を素早く行える体質を整える必要があると考えています。

 本書で紹介する取り組み内容は、従来のサプライチェーンマネジメントでは不足していたこれらの観点について焦点を当てています。

 2000年前後にブームとなったSCMは海外事例の取り込みを中心とし、日系各企業は導入を進めましたが、前記の観点については戦略や企業文化、ひいては国民性に大きく影響を受ける為、海外事例が参考となりにくいという事情がありました。よって、本書では筆者が感じ取った“強い日系企業のあるべき姿”を踏まえ、解説を行っています。外資系企業でも、日本市場における強い体質をどのように構築すべきかという面で参考になると考えています。

 ご一読いただいた後、是非自社にて参考にできる部分は無いか、ある場合は具体的にどのように何を変えればよいのかを検討していただきたいと思います。

 本書の構成は、まずありがちな状況や問題認識について述べ、次にどういった課題に取り組むべきであるか、またそれは従来のサプライチェーンに関する取り組みと何が根本的に異なるのかをまとめています。次に、具体的に進める際に陥りがちな盲点や実現の壁について、実例をもとにまとめています。

 皆さんの会社で実際にプロジェクトを起こし、改革を推進していける流れとなっているため、常に机の前に置いていただき、様々な段階でその都度読み返していただけることと思います。

 是非、従来のサプライチェーンへの取り組みに“儲ける為の仕組み作り”を加えていただき、現場の頑張りが収益良化という経営層への貢献、そして社会への貢献へと着実につながるよう、本書が一助となることを祈っています。

 最後に、出版にあたり多大なご助力をいただいた日刊工業新聞社の藤井様、参考とさせていただいたクライアント企業の皆様、そしてクニエSCMチームとアジア推進チームにこの場を借り、御礼を申し上げます。



平成26年 10月吉日

株式会社クニエ マネージングディレクター 田中大海 

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