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山で正しく道に迷う<絵>本
“まさか!”の原因は山ではなく、“心”が作りだす

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ 四六判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07301-4
コード C3034
発行月 2014年09月
ジャンル ビジネス

内容

「山」という場所は、ハイキング程度の道でも常にいろいろな危険が潜んでいる。本書では、山の危険は、山という「場所」にあるのではなく、私たちの行動が引き起こすという立場で、登山初心者の陥りやすい具体的危険・予防策などを図解でわかりやすく解説する。

昆 正和  著者プロフィール

(こんまさかず)
 青森県出身。東京都立大学(現首都大学東京)経済学部卒業。災害リスク研究および事業継続計画(BCP)策定支援アドバイザー。翻訳者。
 高校生のときはじめて八ヶ岳の真教寺尾根から赤岳に単独登山して山登りの面白さに目覚める。以来八ヶ岳、奥秩父、南アルプス、丹沢を中心に一般ルート、沢登り、バリエーションルートを問わずひとりで歩きまわることが多い。
 主な著書:「山で正しく道に迷う本」「どんな会社でも必ず役立つあなたが作るやさしいBCP第2版」「BCPができたら次の一手がこれだ! あなたが主役のやさしいBCM」(以上日刊工業新聞社)。「実践BCP策定マニュアル第2版」「実践BCM運用・定着マニュアル」(以上オーム社)。「実践BCP」は韓国語訳、「実践BCM」はタイ語翻訳版もある。

目次

はじめに 

Part1 山のリスクとはなんだろう?
1 山のリスクのそもそも論 
2 〈あり得ない!〉はあり得ません 
3 心の隅に〈もしも……〉を忍ばせる 
4 プライオリティを意識しよう 
5 山日記に〝危機体験〟を意識的に加える 
6 PDCAでリスクを潰していこう! 

Part2 山を楽しむための情報収集と準備
7 楽しむ情報と役立てる情報を混同しない!? 
8 自分を〈落ち着かせる〉ために必要なことは? 
9 持つべきか?持たざるべきか?の登山装備 
10 もしも山中で行き暮れてしまったら……? 
11 〈食う・寝る〉→〈歩く〉の原則を守るために 
12 いざというときなんでも活用できる知恵を用意 

Part3 山のメッセージを伝える、受け取る
13 〈登山届〉というメッセージ 
14 〈疲労〉というメッセージ 
15 〈リーダー〉というメッセージ 
16 〈メンバー〉としてのメッセージ 
17 いろいろな警告メッセージ 
18 おせっかいマンにご用心 
19 目からうろこの「本」からのメッセージ 

Part4 大自然の中の私たち
20 〝コロブ〟と〝スベル〟 
21 皮膚感覚のリスクマネジメント 
22 〝季節の変わり目〟のリスク 
23 クマとの正しいつき合い方 
24 〝まだいける〟には要注意 
25 〝まだいける〟のリスクを避けるために 
26 危険エリアを通過するときのリスク 
27 悪天候の中の判断 
28 私はこれで下山が遅れました 

Part5 道迷いのビフォーとアフター
29 道迷いにつながるクセと習慣 
30 これで私は道に迷いました(その①) 
31 これで私は道に迷いました(その②) 
32 情報収集→判断→選択→山道の正しい歩き方 
33 いつ退却を決心するか 
34 かくなる上はビバークだ! 

Part6 安らぎの一夜を得るために
35 山小屋への正しいたどり着き方 
36 山小屋で快適に過ごすために 
37 リセットのための出発前の3つの点検 
38 避難小屋で充実の一夜を過ごすために 

参考文献

はじめに

 本書『山で正しく道に迷う〈絵〉本』は、前著『山で正しく道に迷う本』の姉妹本である。どちらも「山そのものにリスクはない。山のリスクは私たち自身が作りだすもの」という、ユニークな視点で書いた〝山のリスクマネジメント〟の本だ。ちなみに、リスクマネジメントとは、自分にとって危険なことや損失となることを前もって予測し、計画的に対処することを言う。ここで本書と前著の違いについて、少し説明しておこう。
 前著は、山のリスクが立ち現れるプロセスを、私たちの心理的な盲点や認知科学の知識などを援用し、いわば科学読み物的なタッチで書いている。翻って本書では、前著のコンセプトを引継ぎつつも、図表やイラストを多用して視覚的にノウハウを理解できるよう工夫した内容となっている。
 文章表現だけでは十分に理解できないところも、やさしいイラストや図表を使えば一目瞭然だ。しかし、単に前著の文章を絵に置きかえたものでないことは言うまでもない。全体の構成を刷新し、新しい情報を追加して、前著の読者にも新鮮な目で読んでもらえるよう配慮している。
 また、念のため述べておくと、本書は前著を読んでいないと内容が理解できない、ピンとこないということはない。初めて本書を目にした人はそのまますんなりと楽しみながら読んでいだけるだろうし、先ほど述べたように、すでに前著をお読みいただいた人も随所に新しい発見があるだろう。
 本書の概要は次のとおり。

 パート1では、山と向き合うための心構えについて述べている。山は確かに楽しいところだが、心おどる楽しい面だけを追い求めていると、とんだ目に遭うかもしれない。心構え、と言っても大げさなことではなく、ちょっと心の隅にしのばせておくお守りみたいなものだ。
 パート2は、山の情報収集と準備についてである。情報にしても登山装備にしても、根底にあるのは「万一の際にそれがどこまで役立つか」という問いかけだ。そうした視点で書いている。また、山の準備は物理的な装備や食料だけではない。いざというとき気持ちを落ち着かせる知恵を身につけることも、大切な準備の一つだ。
 パート3は「メッセージ」をキーワードとして話を展開している。山という非日常の世界で安全に登山を楽しむためには、いろいろな意味での「メッセージ」に配慮しなければいけない。発信する側にしても、受けとる側にしてもである。具体的に何を指すかは本文を読んでのお楽しみ。
 パート4は、実際に登山を開始してから無事に下山するまでのノウハウ、具体的には、その間に待ち受けているさまざまなリスクへの対処方法について解説している。人の心理が関わるリスクや危険がいかに多いことか。我ながら書いてみて実感した次第である。
 パート5は、本書のタイトルにもなっている「道迷い」への対応についてである。結論から言えば、道半ばにして「これはヘンだぞ……」と不安がよぎったら戻るしかないのだ。そのまま先へ進んでしまうか戻るかの判断が一つの鍵となる。
 パート6は、山小屋や避難小屋での「泊る」をテーマにしている。同じ「泊る」でもテントについては触れていない。テントの場合、リスクというよりもテクニカルな話題に向いているからだ。本書では、テントの代わりに緊急時のツェルトの使い方について述べる。

 本書は「山に行くとき、気軽にザックに忍ばせて行きたくなるような、読みやすくためになる本」を目指して書いたつもりである。
 例によって、理解しにくい部分とか、これって本当なの? みたいな疑問を持つような個所があれば、筆者の筆足らず、配慮足らずによるものだ。忌憚のないご指摘、ご意見をお待ちしています。
2014年9月
昆 正和 

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