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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいメカトロニクスの本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07299-4
コード C3034
発行月 2014年09月
ジャンル ビジネス 機械

内容

メカトロニクスは機械工学と電子工学が融合してできた技術。この技術の登場により、より複雑・高度なモノづくりができるようになったほか、われわれの日常生活をより快適にさせてくれている。本書は、そのメカトロニクスの構成や仕組みなどを初心者でもわかるようにやさしく解説したメカトロニクスの入門書。

三田純義  著者プロフィール

(みた すみよし)


群馬大学教育学部 大学院担当教授


昭和50年3月 
群馬大学大学院工学研究科修士課程機械工学専攻修了・工学修士

平成14年9月 
東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程人間行動システム専攻修了・博士(学術)

昭和50年4月〜平成7年3月 
 東京工業大学工学部附属工業高等学校教諭

平成7年4月〜平成15年3月 
 小山工業高等専門学校助教授・教授

平成18年4月〜現在 
 群馬大学教育学部技術教育講座教授



●主な著書

黒須茂、 三田純義:メカトロ・エンジニアリング(10) 制御技術、パワー社(1999)

三田純義・朝比奈奎一、黒田孝春、山口健二:機械設計法、コロナ社(2000)

木本恭司、青木繁、平井三友、藤原徳一、丸茂榮佑、久保井徳洋、阪部俊也、三田純義、成沢哲也:機械工学 概論、コロナ社(2002)

朝比奈奎一、三田純義:今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい機械の本、日刊工業新聞社(2006)

朝比奈奎一、三田純義:マンガで教えて…テクノ君! 機械のしくみ、日刊工業新聞社(2010)

目次

目次

第1章 広く使われているメカトロニクス


1 メカトロニクス技術とは 「現代の技術の基礎」

2 メカトロニクス技術を活かした機械・機器の構成要素 「センサ ・ コントローラ ・アクチュエータ」

3 メカトロニクスの頭脳 「コントローラ(制御装置)」

4 家庭における機器と制御(1) 「電気湯沸かしポット」

5 家庭における機器と制御(2) 「電気炊飯器」

6 家庭における機器と制御(3) 「電気洗濯機」
7 工場におけるメカトロニクス 「工場の自動化」

8 ロボット 「産業用ロボット」 2
9 制御のしくみ 「ON─OFF制御 ・ シーケンス制御 ・ コンピュータ制御」

10 制御の方法 「フィードバック制御」
11 コンピュータを使った制御 「プログラムによる制御」



第2章 動きや状態を検知するセンサと回路


12 センサのいろいろ 「接触 ・ 回転 ・ 温度 ・ 光 ・音のセンサ」

13 広く使われているスイッチ 「機械的なスイッチ」

14 力のセンサ 「力の大小を抵抗 ・ 電圧に変換」

15 伸び・縮みの変形から力を測るセンサ 「ひずみゲージ」

16 回転角や傾斜を測る 「ポテンショメータと傾斜センサ」
17 回転数を測る 「回転速さのセンサ」
18 速度の変化を検知する 「加速度センサ」

19 温度を測る 「温度センサ」
20 光を測る 「光センサ」
21 触らずに測る 「非接触センサ」

22 センサからの信号(1) 「スイッチ式センサとディジタル信号」
23 センサからの信号(2) 「アナログ型のセンサとアナログ信号」
24 センサとブリッジ回路「差の検出」 「電圧の比較と差」
25 センサからの信号の処理 「増幅 ・ バッファ ・ 比較とON─OFF」

26 センサからの信号を増幅する 「増幅・積分・加算」

27 直接、ディジタル信号にする 「ロータリーエンコーダ」
28 AD変換 「アナログ信号をディジタル信号に変換」

29 数える 「カウンタ」
30 DA変換 「ディジタル信号をアナログ信号に変える」



第3章 動きや状態を変えるアクチュエータ


31 アクチュエータと動き・メカニズム 「油や空気の圧力と電気」
32 おもちゃから自動車まで広く使われている直流モータ 「直流を電源とするモータ」

33 家庭や製造現場で使われている交流モータのしくみ 「交流を電源とするモータ」
34 機械を制御するのに使われる交流サーボモータ 「交流サーボモータ」

35 簡単な制御に使われているステッピングモータ 「容易に位置や速度を制御できるモータ」

36 ブラシのないDCモータ 「ブラシレスDCモータ」

37 直線上に動くモータとコンパクトなモータ 「リニアモータとDDモータ」
38 モータによるサーボ機構 「モータによる位置の制御」

第4章 電気回路や電子回路による制御


39 アクチュエータを動かす電気部品 「スイッチと電磁リレー」

40 アクチュエータを動かす電子部品 「ダイオード ・ トランジスタ ・トライアック」

41 ダイオードと回路 「一方向にだけ電流を流す」
42 トランジスタと回路(1) 「バイポーラトランジスタ」

43 トランジスタと回路(2) 「電界効果型トランジスタ(FET)」

44 サイリスタとトライアック 「大きな電力のON─OFF制御」

45 アナログサーボ機構モデルのしくみ 「センサ ・ アンプ ・ モータ ・歯車による構成」

46 スイッチによる基本論理回路 「接点式のAND ・ OR ・ NOT回路」
47 スイッチと電磁リレーによる回路 「自己保持回路」

48 モータの制御回路 「インターロック回路と安全」

49 時間を設定する回路 「タイマー」

50 電子部品による基本論理回路と条件制御 「無接点のAND ・ OR ・ NOT回路」

51 NAND回路による条件制御 「基本論理回路と排他的論理回路」

52 優先順位や順序の制御 「セットリセットフリップフロップ回路」

53 制御に必要な回路の機能とフローチャート 「動作の順序や条件を表すフローチャート」
54 シーケンス制御とコントローラ 「プログラムによるシーケンス制御」



第5章 コンピュータによる制御


55 制御に使われるコンピュータ 「CPU、メモリ、インターフェース」

56 パソコンによるロボットアームモデルの制御と構成 「ロボットアームのティーチングプレイバック制御」

57 ロボットアームの制御プログラムの構成 「ロボットの制御プログラムのアルゴリズム」

58 コンピュータとロボットアームをつなぐ入出力ボックス 「コンピュータとロボットの初期設定」

59 プログラムによってスイッチの状態を判断して指令するしくみ 「スイッチの状態の入力」

60 ロボットアームモデルの動きを再生するプログラム 「記憶された動きの再生」

61 1チップのコンピュータ 「マイクロコンピュータ」
62 GUIプログラミングによる制御 「グラフィカルなプログラムの作成」
63 プログラム言語(HSP言語)による入出力制御(1) 「入出力制御の準備」

64 プログラム言語(HSP言語)による入出力制御(2) 「LEDの点灯制御」
65 プログラム言語(HSP言語)による入出力制御(3) 「リレー、トランジスタ、モータドライバによるモータの制御」

66 プログラム言語(HSP言語)による入出力制御(4) 「ステッピングモータの制御」

67 プログラム言語(HSP言語)による入出力制御(5) 「DA変換」

68 プログラム言語(HSP言語)による入出力制御(6) 「AD変換」




【コラム】

●コンビニエンス

●自動車とセンサ
●乗り物の動力源制御

●安全とメカトロニクス

●割り込み



参考文献


索引

はじめに

科学は真理や原理を発見するといわれ、技術はそれらを活用して、生活で使えるモノを実現するといえます。人間は自然の材料を加工し、さまざまな道具をつくり、弱点を補い、生活してきました。その道具の基本原理の代表は「斜面」と「てこ」です。道具から機械へと移り変わり、製造技術が変わり、道具づくりの専門家が知恵を合わせて、機械をつくり、作業が分業化し、生産方式が変わってきました。

 機械の動力となるエネルギーは蒸気のエネルギーを機械的なエネルギーに変えた蒸気機関から始まり、電気エネルギーを活用するモータと変わっています。それには1799年にボルタによる電池の発明から始まり、電流と磁界、電磁誘導といった基本法則の発見から、発電機、モータが進歩し、電気の時代を迎えました。その後、1897年には電子が発見され、物質の構造が解明され、それが電子技術のベースとなる半導体技術の開発につながり、コンピュータのハードウェアの小型化、集積回路技術が進歩して、並行してコンピュータのプログラムの開発、通信技術も進歩して、現代の情報化社会へとつながっています。ここまでの技術ができあがるまでには、科学者による自然法則の発見と技術者による実用化技術が相まって進歩することで実現されてきたわけです。

 現在、「こんなものがあったらいいな」と考えていると、そのことは短期間に実現した製品が市場に出て、それを使い、われわれは便利な生活をしています。それらの製品には、機械、電気、電子、情報の技術が組み込まれ、複数の技術を組み合わせで実現されていますが、その中核には、コンピュータ技術があり、製品の外見や内部に組み込まれた電気や電子の回路を変更することなく、プログラムを創意工夫することで、実現されているモノも多いといえます。

 われわれが実生活で使っている製品は、金属の加工技術、プラスチックの金型と射出成形などの技術、さらに、身近なところでは、スイッチやパネルにタッチする、触れることで製品を操作できるというように、使う人から指令や製品が置かれている環境を検知するセンサ技術が進歩し、使いやすい製品が生まれています。センサからの信号を電子回路によって処理し、それをコンピュータが受け取り、コンピュータに組み込まれたプログラムによって、製品の状態を判断し、その判断結果を電子回路や電気回路を介して、ディスプレイに表示するとともに、音声や光で知らせたり、さらにはモータを動かし、大小のさまざまな機械を動かして制御します。このように現代の製品には、さまざまな技術が使われています。このような意味で、現代の製品は一人の人間で、一つの企業で製造できるというより、個々の技術を組み合わせてできていますので、多くの人や企業がチームとして関わることで製造されています。

 このような人類による科学技術の進歩には、実験や試作、製造技術を開発するなかで、事故もありましたが、技術ははたらく人の労力の低減とともに、安全技術も同時に開発されています。

 本書では、人類が積み上げてきた技術を複合化・融合化して、製品づくりに活かすメカトロニクス技術を取り上げていますが、それには幅広い技術があり、本書ですべてを述べることはできません。メカトロニクスのハードウェアに関する技術を主として、コンピュータを使った技術については、フリーソフトウェアを使い、簡単な回路技術を活用して、体験的に学べる内容としました。インターネットに公開されたメカトロニクス技術を参考にしながら、実際に回路を製作し、モータを動かすことなどを通して体験的に学べば、現代の製品のしくみを想像できると考えますので、チャレンジしてみてください。

平成26年9月                               
著者

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