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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいEMCとノイズ対策の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07298-7
コード C3034
発行月 2014年09月
ジャンル ビジネス 電気・電子

内容

「ノイズの問題とは波を考えることである」という台詞からはじまる本書は、EMC(電磁両立性: Electro Magnetic Compatibility)と、 それらから発する電磁妨害波 (EMI: Electro Magnetic Interference) による「電磁気干渉=ノイズ」の対策について紹介する超入門書。電子機器や産業機器、すべての機器で必要になるEMC理論の基礎とノイズ対策の実務上のポイントを、どの本よりも丁寧に解説する。

鈴木茂夫  著者プロフィール

(すずき しげお)
1976年 東京理科大学 工学部 電気工学科卒業
フジノン㈱を経て(有)イーエスティー代表取締役
技術士(電気電子/総合技術監理部門)
【業務】
・EMC技術等の支援、技術者教育
Eメール rd5s-szk@asahi-net.or.jp
【著書】
「EMCと基礎技術」(工学図書)、「主要EC指令とCEマーキング」(工学図書)、「Q&A EMCと基礎技術」(工学図書)、「CCDと応用技術」(工学図書)、「技術士合格解答例(電気電子・情報)」(共著、テクノ)、「環境影響評価と環境マネージメントシステムの構築―ISO 14001―」(工学図書)、「実践ISO 14001審査登録取得のすすめ方」(共著、同友館)、「技術者のためのISO 14001―環境適合性設計のためのシステム構築」(工学図書)、「実践Q&A環境マネジメントシステム困った時の120例」(共著、アーバンプロデュース)、「ISO統合マネジメントシステム構築の進め方―ISO 9001 / ISO 14001 / OHSAS 18001」(日刊工業新聞社)、「電子技術者のための高周波設計の基礎と勘どころ」(日刊工業新聞社)、「電子技術者のためのノイズ対策の基礎と勘どころ」(日刊工業新聞社、台湾全華科技図書翻訳出版)、「わかりやすいリスクの見方・分析の実際」(日刊工業新聞社)、「わかりやすい高周波技術入門」(日刊工業新聞社、台湾建興文化事業有限公司翻訳出版)、「わかりやすいCCD/CMOSカメラ信号処理技術入門」(日刊工業新聞社)、「わかりやすい高周波技術実務入門」(日刊工業新聞社)、「わかりやすいアナログ・デジタル混在回路のノイズ対策実務入門」(日刊工業新聞社)、「わかりやすい生産現場のノイズ対策技術入門」(日刊工業新聞社)、「読むだけで力がつくノイズ対策再入門」(日刊工業新聞社)、「ノイズ対策のための電磁気学再入門」(日刊工業新聞社)、「デジタル回路のEMC設計技術入門」(日刊工業新聞社)

目次

はじめに

第1章 EMCは波の世界である(波源、波の伝わり方、波の影響)
1 ノイズの問題とは波を考えることである
2 電界の波も磁界の波も横波である
3 波の進む速さは伝搬する媒質の状態によって変わる
4 デジタル信号はきれいな波(Sin)の集まりである
5 波源(エネルギー源)の大きさは振幅と変化の速さで決まる(省エネ設計)
6 波のエネルギーを閉じ込めて伝える方法(漏れ電力の最小化設計)
7 電磁波はどのような波か、その電力は
8 波の影響を受けないようにするには回路面積を小さくする

第2章 ノイズ対策の重要性とその考え方
9 IC技術の進歩がEMC性能に大きく影響を与える
10 なぜEMC問題は重要なのか
11 EMCの問題はすべて電子回路から始まる
12 信号のスペクトルの大きさ(波源)からノイズ低減を考える
13 ループが長い回路ほどエネルギー(投入電力)を多く必要とする
14 電圧から電荷、その周りに電界の場、場を小さくするには
15 電流の周りに磁界の場、場を小さくするには
16 エネルギー保存則を適用して放射ノイズを最小にする
17 波源、伝搬、受信のメカニズムから優先順位を考える
 
第3章 たった三つの電磁気現象からEMCを考える
18 ノイズ対策に必要な三つの電磁気法則
19 電界を最小にするには電荷分布を小さな領域にする
20 伝導電流によって発生する電界Eと磁界Hを最小にする方法
21 磁界を最小にするには電圧の変化(電界の変化)を最小にする
22 ファラデーの電磁誘導の法則はエミッションとイミュニティに大きく関わる
23 回路ループの外に電流を押し出す力を小さくする方法

第4章 電流の流れに抵抗するインダクタと電流を容易に流すキャパシタ
24 EMC性能に大きく影響を与えるインダクタンスL
25 電流の流れる方向によりインダクタンスは変化する
26 インダクタとキャパシタは波形が変化している部分のみ作用する
27 キャパシタは放射ノイズに対しては高速電池、電流が流れるループを小さくする働き
28 EMC性能を最大に発揮するキャパシタの使い方
29 LC共振現象は入力電力が多くなりEMC性能を悪化させる
30 GNDと筐体(フレーム)とは、ノイズとどのように関わるか

第5章 波を送る伝送路のノイズ対策
31 伝送路(配線)は電界と磁界の波を閉じ込めて送るためのガイド
32 配線のLとCがわかれば便利なことが多い
33 信号は形状が異なるところで反射し、波形に大きく影響する
34 伝送路に共振(電流最大)が起こると放射ノイズが大きくなる
35 反射が起こると伝送路がアンテナとなってノイズが放射される
36 インピーダンスマッチングは広い産業分野で必要、その重要性
 
第6章 コモンモードノイズ源とケーブルのノイズ対策
37 プリント基板、ケーブル、ノイズ受信、筐体との関係をよく見る
38 ケーブルに流れる信号電流から大きなコモンモード電流が発生する
39 コモンモードノイズを低減する方法とケーブルの選び方
40 フェライトコアによってコモンモードノイズ電流を低減する
41 シールドケーブルと同軸ケーブルは放射ノイズと受信ノイズに優れている
42 シールドの端末処理が悪いと放射ノイズもノイズ受信も多くなる

第7章 電子部品、実装、プリント基板レイアウト
43 抵抗、インダクタの特性を知って最適な実装をする
44 キャパシタの特性を知って最適な実装をする
45 EMC性能を考慮してICを選定する
46 電界と磁界を最大に閉じ込めるようICを実装する
47 レイアウトは信号ループを最短、プラス電荷とマイナス電荷の結合を最大にする
48 S/Nの低下を防ぐA/DコンバータICの最適な実装方法
49 スリットによるEMCへの影響を最小にする

第8章 電子機器をアンテナモデルで考える
50 通信分野とEMC分野ではアンテナに対する考え方が逆
51 電磁波はアンテナからどのようにして放射されるか
52 電子機器はアンテナモデル、アンテナの放射効率を悪くすればよい
53 ループアンテナとモノポールアンテナから放射されるノイズの特徴とその低減方法
54 アンテナモデルを使ったエミッションとイミュニティへの対策方法

第9章 金属と電波吸収体のシールドメカニズム、シールド性能
55 シールドは放射ノイズを遮断するだけでなくコモンモードノイズ源の大きさも低減する
56 電界波と磁界波のインピーダンスは距離とともに変化する
57 電磁波源のインピーダンスはシールド性能に影響を与える
58 金属と電波吸収体によるシールドメカニズムとその違い
59 反射損失と吸収損失からシールド性能を求める

第10章 ノイズの影響を受けないようにするには
60 電磁波の影響を少なくするには回路面積を小さくする
61 電界波の影響を少なくするには長さを短くする
62 磁界波の影響を少なくするには面積を少なくする
63 伝導ノイズによる影響を少なくするにはキャパシタンスを最大にする
64 開口部(すき間)から出入りするノイズを最小にする
65 静電気ノイズへの対策
66 ノイズの発生を少なくする技術とノイズの影響を少なく受ける技術は同じ

【コラム】
●たくさんある力線という名の力を及ぼす線
●力学と電気の世界における作用と反作用
●マイケル・ファラデー(1791-1867)
●インダクタとキャパシタに対応する力学的パラメータ
●低い周波数でも反射はいつも起こっている
●EMCの基本式はVn=(L-M)dI/dtである
●部品は力線の吸収箱であるが、理想的なものはない
●波形を正確に測る
●モード変換の流れ、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズ

はじめに

はじめに

 製品に関するEMC(電磁環境適合性)規制はますます厳しくなる一方です。これには半導体技術の進歩によるICが高速になり、これを使用した電子機器からノイズを放射しやすくなり、また低電圧動作のためノイズの影響を受けやすくなっていることです。製品からノイズを放射しない電子機器でも機器が置かれる環境ではノイズの影響を受ける可能性が十分にあり、このような機器もエミッション(EMI)と等価なイミュニティ技術を駆使しないと製品が意図した機能を発揮することができなくなってしまいます。本文は第1章から第10章で構成されていますが、ノイズの発生から受信までを一般の波として、波源、波の伝わり方、波の影響の三つの要素で考え、それぞれの要素を最小にするためにはどうすればよいか述べ(第1章)、EMC問題の重要性、EMCをエネルギー保存の法則から考え、外部に放射されるノイズを最小にするための考え方(第2章)、電界と磁界のでき方、電界と磁界に関する電磁気学の法則のEMC技術への適用の仕方(第3章)、回路構造からインダクタンスとキャパシタンスができ相反するこの二つの要素はEMCと大きくかかわるため非常に重要である(第4章)、電磁波を伝搬するガイドとなる伝送路の共振現象とEMCとの関係、及び共振現象をなくすインピーダンスマッチングの重要性(第5章)、ケーブルは長いためにノイズを効率よく放射し、また受信するアンテナとなる。
 ケーブルからのノイズ放射を少なくするための方法(第6章)、プリント基板に電子部品を実装し、レイアウトするときのEMC性能を最大にするための考え方(第7章)、電子機器の内部構成要素をノイズ源、伝搬路、受信部をアンテナモデルで考える、回路ループから自然とできる2つのアンテナとは(第8章)、金属によるシールドと電波吸収体によるシールドのメカニズム(第9章)、ノイズ受信に対する耐性を高めるイミュニティ技術(第10章)について述べています。従ってEMC技術全般について初心者にも理解できるよう平易に解説しているので、基礎原理を基に実務でも使用できるように配慮しています。広くノイズ対策の業務に従事される又は、これから従事される方のために参考にしていただけるよう配慮しました。読者の皆様方に本書が少しでもお役に立てれば幸いであると願っております。
 最後に本書をまとめるにあたり、原稿の校正、注意点等有益なご指導をいただきました日刊工業出版プロダクション 北川 元氏並びに日刊工業新聞社出版局書籍編集部の部長 鈴木 徹氏に心から感謝いたします。

2014年9月 鈴木茂夫

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