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目で見てわかる
使いこなす測定工具
正しい使い方と点検・校正作業

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ B5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07293-2
コード C3053
発行月 2014年09月
ジャンル 機械

内容

測定は、モノづくりの上流から下流まで、すべてのプロセスに必要な作業である。本書は、測定工具を現場で使いこなすために不可欠な信頼性を確保するため作業である「点検・校正作業」にフォーカスし、「測定工具の正しい使い方」と合わせて写真を多用してわかりやすく解説する。

澤 武一  著者プロフィール

(さわ たけかず)
芝浦工業大学 デザイン工学部 デザイン工学科 准教授
博士(工学)、ものづくりマイスター、1級技能士(機械加工職種、機械保全職種)

1977年3月 滋賀県生まれ
2004年2月 国家検定1級技能士取得(機械加工職種、機械保全職種)
2005年3月 熊本大学大学院 自然科学研究科 生産システム科学専攻 修了博士(工学)
2005年4月 職業能力開発総合大学校 精密機械システム工学科 助手
2005年6月 富士フイルムグループ フジノン佐野株式会社(現:富士フイルムオプティクス株式会社)実務研修
2010年4月 東京電機大学 工学部 機械工学科 准教授
2013年4月 芝浦工業大学 デザイン工学部 デザイン工学科 准教授
2014年7月 厚生労働省ものづくりマイスター認定

専門分野 砥粒加工、切削加工、技能教育

著 書
・絵とき「旋盤加工」基礎のきそ
・絵とき「フライス加工」基礎のきそ
・絵とき 続・「旋盤加工」基礎のきそ-スキルアップ編
・目で見てわかる旋盤作業-Visual Books
・目で見てわかるフライス盤作業-Visual Books
・目で見てわかる研削盤作業-Visual Books
・目で見てわかる機械現場のべからず集
 「旋盤作業編」-Visual Books
・目で見てわかる機械現場のべからず集
 「フライス盤作業編」-Visual Books
・目で見てわかる機械現場のべからず集
 「研削盤作業編」-Visual Books
・目で見てわかる エンドミルの選び方・使い方
 -Visual Books
・目で見てわかる ミニ旋盤の使い方-Visual Books
・目で見て合格技能検定実技試験「普通旋盤作業2級」
 手順と解説
・目で見て合格技能検定実技試験「普通旋盤作業3級」
 手順と解説
・今日からモノ知りシリーズ「トコトンやさしい旋盤の本」
・ココからはじめる旋盤加工
・今日からモノ知りシリーズ「トコトンやさしいマシニングセンタの本」
……いずれも日刊工業新聞社発行

目次

はじめに

第1章 スケールを使いこなそう!
1-1 スケール
1-2 スケールの正しい使い方
1-3 スケールをゲージとして使う
1-4 スケールの裏には情報がいっぱい
1-5 スケールと定規(じょうぎ)は別物!!

第2章 ノギスを使いこなそう!
2-1 ノギス
2-2 ノギスの測定原理
2-3 ノギスの測定値の読み方
2-4 目盛を斜めから読むと間違える!
2-5 ノギスの点検方法
2-6 ノギスの正しい使い方
2-7 ノギスの校正方法(ノギスを分解し、組み立てる)
2-8 測定面の補修および矯正
2-9 測定工具の取り扱い方と置き方(絶対にやってはいけないこと)
   
第3章 マイクロメータを使いこなそう!
3-1 外側マイクロメータ
3-2 外側マイクメータの測定原理
3-3 外側マイクロメータの測定値の読み方
3-4 外側マイクロメータの点検方法(目盛を校正する2つの方法をしっかりマスターする)
3-5 外側マイクロメータの正しい使い方
3-6 外側マイクロメータの校正方法(外側マイクロメータのを分解し、矯正する)
3-7 内側マイクロメータ(外側マイクロメータとの違い)
3-8 外側マイクロメータの扱い(絶対にやってはいけないこと)

第4章 ダイヤルゲージを使いこなそう!
4-1 ダイヤルゲージ
4-2 ダイヤルゲージを使用した正しい平面度の測定方法
4-3 ダイヤルゲージの傾きによる測定誤差を利点に換える
4-4 ダイヤルゲージを加工精度向上に使う(測定以外の目的で使う)
4-5 シリンダゲージ(ダイヤルゲージを利用した測定工具)
4-6 ダイヤルゲージの扱い方(絶対にやってはいけないこと)

第5章 絶対に知っておくべき測定工具の基礎知識
5-1 アッベの原理を理解する
5-2 測定値を保証する(トレーサビリティとは)
5-3 定期検査が必要な理由(器差とは?)
5-4 測定精度から考える測定工具の正しい選択方法
5-5 測定工具の精度と測定時間の関係を理解する!
5-6 正しい測定を行うために知っておきたいこと(測定誤差を生む要因)


【参考】
・正しい測定力の練習方法
・内側測定の練習道具
・JISではノギスによる深さ測定と段差は保証していない?!
・「板ばね」を理解!
 その① 板ばねの片側には穴がある!
 その② 板ばねの向きに注意!
・ねじ、板ばねの購入
・矯正に関する注意
・マイクロメータの不思議
・マイクロメータは「専門職」、ノギスは「総合職」
・マイクロメータのシンブルはアナログ時計と同じ?!
・マイクロは0.001mmの意味?!
・マイクロメータスタンド
・測定工具の清掃
・ブロックゲージ
・マイクロメータを使って切りくず」の厚さを測定する
・バックラッシ
・測定子に小さな鋼球を取り付ける
・アッベの原理に従うか否か
・直読と推読
・測定場所の標準環境とは?
・マイクロメータのフレームの伸び量

【Column】
・「測定工具」と「測定器」の違いとは?
・ノギスの名称(バーニアキャリバ:Vernier caliper)
・ジョウの名称の由来
・機械検査技能士とは?
・ノギスの名称の由来
・ノギスの外側ジョウの形状
・外側マイクロメータの起源
・「測定器」と「測定機」の違いとは?
・人の目の限界
・シンブルの目盛のずれを校正するもっとも正しい方法
・「ラチェットストップ」と「フリクションストップ」の違い
・測定工具はアナログからデジタル化へ進化(読む測定から見る測定へ)
・1m(メートル)の定義とは?
・巻尺の先端に付いているL字金具がグラグラの理由

測定の心得十訓
参考文献
索引

はじめに

ものの大きさを測ること、つまり「測定」は日常的に行う作業の1つで、そのときに使用するのが測定工具です。もっとも代表的な測定工具にはスケール、ものさし、メジャー、巻尺などがあり、誰もが一度は使ったことがあるのではないでしょうか。たとえば、スケールでは0.5mmや1mm単位まで測定することができますが、さらに細かい0.05mmや0.01mm、0.001mmの単位まで測定したいときには、ノギス、マイクロメータと呼ばれる測定工具を使います。スケール、ノギス、マイクロメータは「ものの大きさを測る測定工具」で、測定工具の中で最も基本的なものです。したがって、測定を極める第一歩はスケール、ノギス、マイクロメータを構造から理解し、正しく使用することといっても言いすぎではないでしょう。
 さて、測定工具を使って「ものの大きさを測った」とき、測定工具の示した測定値がホントかどうか疑ったことはないでしょうか?たとえば、体重計にのったとき自分の体重に驚き、目盛を疑ったこと、体重計が壊れているのではないかと思ったことがある方もおられると思います。スケール、ノギス、マイクロメータを使うときにも同じで、測定工具自体が正常でなければ測定値は「間違った値、デタラメな値」ということになります。つまり、測定工具を使用する前には必ず測定工具が正常であるか否かという「点検作業」が必要で、万一、点検の結果、不備や不都合があれば「校正作業:正常な状態に戻す作業」が必要になります。
 本書では、もっとも基本的な測定工具であるスケール、ノギス、外側マイクロメータの正しい使い方、点検方法、校正方法について写真を多用し解説しました。内容を見ていただければわかるように、測定工具を分解し、校正手順を説明しています。ただし、本文中にも記載しましたが、本書で紹介する校正方法は測定工具に対する知識を深めることを趣意としており、個人による校正を推奨するものではありません。測定工具は信頼性が大変重要です。測定工具自体の信頼性が必要な場合には、「校正保証証」を発行している機関に校正を依頼することを勧めます。
 また、第5章と本書の各所には測定を行う上で絶対に知っておいてほしい知識とポイントを記載しました。測定誤差が生じる理由、測定精度から考えた測定工具の選択指針などをできる限りわかりやすく解説していますのでぜひ一読ください。第4章では使用頻度の高いダイヤルゲージに関しても解説しています。
 測定に関する書籍は多く出版されていますが、本書よりも測定工具の取り扱い方法を細かく手引きしたものはないと自負しています。本書を読んでいただければ、測定工具を真から理解することができ、その結果、測定工具を正しく使いこなすことができるようになると思います。本書が測定工具を使用される方々にとって「価値ある内容」であったならば大変幸甚です。
 最後になりましたが、本書を執筆する機会を与えていただきました日刊工業新聞社出版局長の奥村功さま、執筆、編集、校正に際し、ご懇篤なご指導、ご鞭撻を賜りましたエム編集事務所の飯嶋光雄さま、DTPを担当いただきました志岐デザイン事務所の大山陽子さまに厚く御礼申し上げます。

2014年9月
澤 武一

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