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“とびきりやさしい”ビジネス統計入門

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ A5判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-07290-1
コード C3034
発行月 2014年08月
ジャンル ビジネス

内容

「現在、統計ブームが起きている」しかし、統計を使いこなせるビジネスパーソンは多くない。学問的な正しさよりも、ビジネスパーソンに必要なのは実践的な考え方と、明日から使える「とびきりやさしい」統計手法。本書は、数学アレルギーのある文系社員を対象に、具体的に手を動かし、ビジネスの現場でありがちな数字を使いながら、読み終わるまでには「使える」統計思考を身につけていただく、ビジネス実務に役立つ実務書。

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坂口孝則  著者プロフィール

(さかぐち たかのり)
大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。現在は未来調達研究所株式会社取締役。株式会社アジルアソシエイツ取締役。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。とくに企業内調達業務研修について依頼が相次ぐ。100ページを超える資料を使った情熱的な講義が大好評。また、調達・購買担当者同士の情報交換ができる場、「購買ネットワーク会」発起人。バイヤーの立場から見た営業のあり方や、商売のあり方についても多くの情報発信を行う。

「ほんとうの調達・購買・資財理論」主宰。「世界一のバイヤーになってみろ‼」執筆者。『調達力・購買力の強化書』(日刊工業新聞社)、『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『大震災のとき!企業の調達・購買部門はこう動いた』(日刊工業新聞社)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書25作。

ホームページ「未来調達研究所株式会社」より、坂口孝則の無料教材がダウンロード可能。業界最大の読者数を誇る。

●メールアドレス:sakaguchitakanori@future-procurement.com
●ホームページ「未来調達研究所」:http://www.future-procurement.com/
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●Twitter:@earthcream

目次

〈はじめに〉 「まったく意味がわからん」

序 章 グラフ作成に役立つExcel技(まずはツールの準備)
クイックアクセスの設定
縦横1枚印刷を高速化しよう
表計算を高速化しよう
表加工を高速化しよう
そして最後の最後はゴールシーク

第1章 ヒストグラムでデータのイメージをつかもう
〈エッセイ〉上司の説得のために統計が必要だった

第2章 分散とか標準偏差とか(だいたいの範囲がわかる)
分散とか標準偏差について
さらに学びたいひとへ~分散とか標準偏差についての追伸~
〈エッセイ〉政治も占いも統計学を利用している

第3章 正規分布(標準正規分布表が使えれば活用法が広がる)
標準偏差と正規分布の美しき世界
「データ分析」機能さえあれば簡単に料理できる
それで、結局のところ、何がいえるんだ?
標準正規分布表まで使えれば完璧
〈エッセイ〉「これは正規分布になるだろう」と実務では考える

第4章 相関分析
そして見た目の相関に惑わされないようにしよう!

第5章 相関分析(特定の値を予想する)
ちょっとだけ詳しく知りたいひとのために

第6章 重回帰分析(見積価格分析精度向上に使ってみる)
しかし、とはいえ、もっと精度よくしたい場合
〈エッセイ〉「人的な因子」の考慮は分析のあとで

第7章 世界一カンタンなt検定〈パート1〉
ここの箇所はさらに興味あるひとのみ読んでほしい!
さて話は戻って、資格効果の話だ
〈エッセイ〉「つまらない男の主張」で覚える

第8章 世界一カンタンなt検定〈パート2〉(二つの標本を検定する)
少しだけ前章のおさらい
さらにややこしいがケース②はさらに二つにわかれる!
もうちょっとだけがんばれば統計は使える武器になる!
やっとこさ今回のt検定のはじまり
その他のケースについて(参考)
ややこしい検証ではあるけれど

第9章 世界一カンタンなχ2検定(かいじじょうけんてい)
では「χ2検定(かいじじょうけんてい)」をやってみよう
次に乖離をチェックする表を作ろう
自由度とは何だろうか
Excelで判断基準を計算してみよう
〈エッセイ〉ロボットジャーナリズムと統計

第10章 世界一カンタンな仮説検定〈まとめ編〉
二つの標本に違いはあるのだろうか?
すべてに応用できるExcelをつくろう!
そこでデータを見返してみると
その他の例題など続々いってみよう!

第11章 指数と幾何平均
幾何平均の大切さを知ろう
そこでグラフを読み直してみると

第12章 符号検定(傾向を検定する)
購買部長は好かれているのか?
関数をファイルに落としこもう
対立仮説と帰無仮説がここで登場
帰無仮説②について
帰無仮説③について
帰無仮説①について
ということで、まとめファイルとして
しかし、注意すべきこと
〈エッセイ〉神の力ではなくても見えないものが見えてくる

コラム 調達コンサルタントに大金を払わずに
サプライヤ原材料輸入価格を推定する方法

〈おわりに〉 「統計って面白い」

はじめに

「まったく意味がわからん」

  これが統計を学んだときの感想だった。私が大学の講義を受けたとき、そして社会人になって統計の講座を受けたとき、まわりはわかったふりをしているか、気を失っていた。私は「すげえ、これを理解できるひとがいるのか」と感心するほどだった。
 
 統計を完全に理解するのは難しい。でも、ビジネスで統計を使えるレベルにするのは難しくない。そうわかったのは私が統計をビジネス上の<道具>と割りきってからだ。また、実務で実践しようと試行錯誤しだしてからだ。
 
 そして、私たちが欲しているのは、とりあえず統計をビジネス上で使えるレベルにてっとりばやく到達することじゃないだろうか。本書はそれを目指す。

 統計を快楽と読み替えてみよう。

 本書では、巷間にあふれている統計関連書籍と異なり、学問的な厳密性は大胆に放棄する(!)。だって厳密にやっても、使わなかったら意味がないんだもん。とはいえ、「要するにこうやれ」と実務的に使える方法を述べていくので役に立つだろう。少なくとも私はそう確信している。
 
 ヒストグラムの作り方からはじめて、相関分析、重回帰分析、そして誰もが理解できずに絶叫する仮説検定のやり方までを「バカでもできる」レベルで解説していく。もちろん、この「バカ」とは、私自身にほかならない。正確には「バカでも理解できた」レベルでの解説だ。

 しかし、そのバカレベルの解説を通じて、統計は、苦行でも衒学的でもなく、愉悦あるいは快楽を感じる武器であることをお伝えする。

 統計とは「ようわからんもの」ではない。ビジネスパーソン一人ひとりに付加価値を与え、社会の見る目を養うだけではなく、快楽をもたらすものだ。他のビジネスパーソンとくらべて、見ているものは同じ。でも、理解できる、解釈できる内容は異なる。これこそ奇跡ではないだろうか。統計とは、社会の解釈方法を変える、個人の大きなパラダイムシフトの手段なのだ。
 
 そして、その快楽として、背後にある三つの時代背景に注目してみたい。
 
 一つ目は、「ビッグデータ」という潮流だ。現在、さまざまなデータが入手しやすくなり、かつセンサなどが普及し、これまで取れなかったデータがあふれてきた。あとは、そのデータをいかに解釈するかだ。データはあふれているのに、解釈できるひとは少ない。そしてそこにこれまで誰も気づかなかった宝の山がある。企業の競争力は、データの解釈力と同義になりつつある。

 二つ目は、この潮流のなか、ビジネスパーソンの知的さを表現するものが統計になってきた事実だ。これまで知的なひととは、多くの物事を知っているひとだった。もちろん、その意義は薄れていない。ただ、情報や知識が数年で莫大に広がるなか、それらをすべて覚えていられない。与えられた情報やデータから、瞬時に背後の要因や構造を読み解くことが、他のビジネスパーソンから抜きん出るスキルになってきた。
 
 三つ目は、社会性だ。昨今では、無数の商品を出したり、広告を出したり──、といった大量試行・大量消費・大量生産モデルは、環境や金銭面からも不可能になってきた。限られた資源を有効に活用しつつ、そのなかで最大の成果を得なければならない。また、最大限の効率を志向せねばならない。その時代にあって、仮説を吟味できたり、効果的な施策にしぼって戦略を構築できたりする統計は、おおげさにいえばエコロジーに寄与する。

 いや、といっても、そんなタテマエは忘れてくれてもいい。
 
 統計が「使える」とさえわかってもらえれば、いくらでも応用が思いつくはずだからだ。

 本書はできるだけやさしく、そしてフランクな口調を心がけた。

 読者が「おお、このていどのことだったのか。じゃあ、ためしにやってみるか」とデータをExcelに入力してくれたら、著者としてこれに代わる喜びはない。

2014年6月
坂口孝則

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