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ひと目でわかる!
図解 日立製作所
第3版

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07285-7
コード C3034
発行月 2014年08月
ジャンル ビジネス

内容

日立製作所は、一時は業績低迷に苦しんだが、立て直しを図り、2013年度には営業利益で23年ぶりに過去最高益を記録、2014年4月には東原専務が新社長へ就任した。そんな変わりゆく日立の真実の姿を浮き彫りにし、業務内容、経営数字などを2年ぶりに改訂した好評本。

明 豊  著者プロフィール

(あけ・ゆたか)

1968年生まれ石川県出身。1991年日刊工業新聞社入社。横浜総局記者を経て食品業界、機械業界、通産省(現経産省)、不動産業界などを担当。2002年からデジタル家電、半導体など電機業界を担当。2006年から自動車担当キャップ、2008年から電機担当キャップ、編集委員などを歴任。

●主な著書 
よくわかる電機業界(共著)日本実業出版社
よくわかる半導体業界 同

目次

はじめに

第1章 経営
さらに進むグローバル成長への動き

1  「HITACHI 」への挑戦
経営最高益で、さらなる新成長ステージへ
2 ポスト3・11
グローバル競争へ。ビジネスモデルの転換
3 リストラと構造改革
なくなった「御三家」。進むか負の遺産処理
4 コスト
“スマトラ”は中西改革の真骨頂
5 新しい社内体制
グループリーダーのミッション
6 海外展開
さらなるグローバル、グローバル、グローバル
7 財務の日立
営業利益は安定、目標は2ケタの利益率
8 研究開発
機能的なR&Dへ。加速する海外現地主導
9 事業・グループ再編
近づける事業と遠ざける企業
10 オール日立の挑戦
世界を相手に社会インフラ争奪戦


第2章 事業最前線
世界が日立を待っている

11 電力とITの融合
新たなビジネスチャンス「スマートシティ」
12 火力発電事業
三菱重工との統合で世界に挑戦
13 原子力事業
「ABWR」─日本の実績を海外へ
14 電力流通・新エネルギー
潜在市場規模は1000兆円!?
15 情報と制御の融合
巨大インフラを動かすノウハウの塊
16 クラウド
強いストレージを軸に差別化を図る
17 ビックデータ革命
医療コンサルなどで実績づくり
18 インフラシステム
海外大口顧客をサービスで捕獲
19 水処理事業
海外で契約相次ぐ。長期で運営・販売
20 鉄道車両
英国に続く海外の大型商談狙う
21 昇降機事業
アジア開拓の先兵
22 自動車機器事業
電子化・電動化で1兆円に再挑戦
23 ヘルスケア
 医療機器事業、グループで組織再編
24 コンシューマ事業
テレビなき「家電の日立」の未来
25 空調事業
米社と提携、大型再編の渦中へ


第3章 人と組織
32万人の人財を生かす

26 組織
巨大企業集団の全貌
27 企業統括
社外取締役、じわりと存在感
28 拠点と地域戦略
世界6極で“グローカル化”
29 仕事・採用
就社ではなく就職
30 企業城下町
協調と、自立への模索
31 高機能材料
「御三家」から「新・日立金属」
32 日立建機
新興国取り込みの先陣役
33 日立ハイテク、日立国際電気
巨人現る、半導体製造装置の行方
34 特徴ある子会社たち
事業統合の成果は
35 手放した企業たち
半導体・液晶業界再編の端緒に
36 職制とステップアップ
役員に上り詰めるには!?
37 研究者たち
知の集積地が目指すもの
38 グローバル人財の育成
全若手がグローバル要員!?2000人を海外へ
39 社員教育
「企業は人なり」の具現化
40 ブランド力
世界に何を発信していくのか


第4章 モノづくり
100年のモノ語り

41 創業者の思い
なぜモノづくり、人づくりにこだわるのか
42 企業内学校
「日専工」と技能五輪
43 生産現場を行く①
日立事業所
44 生産現場を行く②
大みか事業所
45 生産現場を行く③
笠戸事業所
46 生産現場を行く④
栃木事業所
47 コスト管理
プロジェクトマネジメントを強化


第5章 戦略技術
蘇る開拓者精神

48 脱レアアースモーター
鉄心にアモルファス金属を採用
49 系統安定化とスマートシティ
「CEMS」が地域の司令塔
50 CO2回収・貯留「CCS」
コスト低減へ─開発と実証幅広く
51 原子力技術
「ESBWR」から次世代BWRへ
52 水処理システム
インテリジェント化へ豊富な技術群
53 ITソリューション
クラウドを支える「仮想化技術」
54 次世代インバーター
SiC化で鉄道がさらに省エネに
55 クルマの電子化・電動化
高度なセンサー技術で先行
56 リチウムイオン電池
産業用開拓は材料革命から


第6章 未来へ
陽はまたのぼる

57 会社を再定義
好業績でニッポン電機の救世主に
58 利益の潜在力
10%になる時は「日立」ではない!?
59 アジア戦略
中国で再成長、インドには投資加速
60 グローバルコンペチター
GEがしかけた「メガ再編」
61 内憂外患
リスクはどこにある
62 永続企業の道
日立の履歴書から見た次の100年
63 ビジョナリー・カンパニー
社会イノベーションで世界に旗

川村隆前会長兼社長インタビュー
川村改革の1826日

COLUMN
日立マーク
創業精神の秘話
ど派手な広告
博覧会で先端技術が評判に
パンポンから大運動会へ
東原新社長はこんな人

索引


はじめに

 この本を初めて出版したのが2010年。何度か改訂を繰り返してきたが、正直、半年ぐらいで見直さなければすぐ情報は古くなってしまう。それだけ日立はスピード感を持って経営改革に取り組み、それも良い方向に進んでいると感じる。
 2014年は日立にとって正念場だ。まず経営トップが代わった。09年の巨額赤字を受け、子会社から会長兼社長として呼び戻された川村隆氏(現相談役)が退任。中西宏明社長が会長兼最高経営責任者(CEO)になり、東原敏昭氏が社長兼最高執行責任者(COO)に昇格した。今の日立があるのも、川村―中西体制という絶妙なコンビがあればこそ成し得た、と思っているだけに、新体制のこれからが問われている。
 2014年3月期は23年ぶりに営業利益で過去最高を更新し、次は2ケタの利益率が目標と言う。しかし現状の事業資産のままでは相当にハードルは高い。そうこうしているうちに、世界のメガコンペチターはすさまじい勢いで革新を進めている。日立は本格的な成長フェーズに入ったが、新しい経営陣は立ち止まっている余裕などないのだ。
 電機・IT業界を見渡すと、モバイルプラットフォームはアップルとグーグルが完全に牛耳り、IoT(モノのインターネット化)の進展で、両社はあらゆる分野でビッグデータビジネスを展開するだろう。一方、世界中で製造業への回帰の動きが起こり、ドイツではモノづくりが高度にネットワーク化される「インダストリー4・0」というイノベーションが議論されている。日立にとってビジネスチャンスではあるが、これをものにするにはもっともっと世界で戦えるグローバル人材を増やさなければいけない。
 この本のある読者レビューを見ていたら、「日立は何をやっているかよく分からないので読んでみたが、やっぱり分からなかった」という声があった。自分もまだまだ分からないところがたくさんある。実は人知れず社会インフラに貢献し、ちゃっかりもうけているのがかつての日立の強さだったように思う。これからもこの会社は「拍手なき称賛」という形で良いのではないか。
 企業が存続できるかできないか、の基準は、その会社の製品やサービスが世の中からなくなって困るか困らないか、である。日立には他社が代替できないものを一つでも多く生み出してもらいたい。
 社内外から「日立に肩入れし過ぎ」という声もよく聞く。別に好き嫌いがあるわけではない。日立の担当記者になって4、5年。電機業界全体だと通算9年近くになる。記者にとってまず重要なことは定点観測だと思っている。細かな変化を感じとることが、将来の大きなうねりになっていく。だから自分は他の人よりも少しだけ、日立のことを長くウオッチしているに過ぎない。
 日立はやっぱり変わった。かつての日立なら、東原さんを社長に選ばなかった気がする。一方で、グローバルスタンダード(世界基準)に比べ、乖離(かいり)する部分も多く、内部調整に時間がかかる点などはさほど変わっていない。前例踏襲主義や日立クオリティー(品質)への過剰な固執もまだ残っている。個人の好き嫌いではなく、日立には、沈滞する日本の製造業の道しるべになってもらいたいと、心底思う。日本のためだからである。次に改訂版を出す時には、どんな会社になっているのだろうか。これからもより厳しい目線で、より愛情を注ぎながら日立を見続けていく。
 
2014年8月                               
明 豊 

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