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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい化学の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07278-9
コード C3034
発行月 2014年07月
ジャンル ビジネス

内容

化学について、その研究の歴史、法則、つくり方(製法)、そして最近の注目技術などを中心に、楽しく、わかりやすく、そして実際に役に立つように紹介した、将来、化学を学び、研究し、開発に携わる人向けの一番やさしい本。学校の教科書とは一味違う、「興味をもつ」ツボをとらえた、読んで楽しい内容が満載されている。

井沢省吾  著者プロフィール

(いざわ しょうご)

1958年、愛知県東海市に生まれる。1984年、名古屋大学工学部大学院化学工学科修士課程修了。同年、自動車部品メーカーに入社。以降、プラスチックの成形加工技術の研究・開発に従事する。

目次

第1章 錬金術の時代
1 鉛を金に「賢者の石」
2 自然は真空をきらう「アリストテレスの四元素説」
3 ニュートンも錬金術師だった「アラビアとヨーロッパの錬金術」
4 仙人になる「火薬を発見した中国の錬金術」
5 大乗仏教の創始者「インドの錬金術師「龍樹」」

第2章 近代化学の誕生
6 真空の発見「トリチェリの真空」
7 自然は真空をきらわない「ボイルの法則」
8 シャルルは学会未発表「ゲイ・リュサックの第1法則」
9 燃える意味は不明のまま「酸素の発見」
10 燃える意味がわかった!「近代化学の父ラボアジエ」
11 フランス革命とラボアジエの化学革命「「化学要論」と化学革命」
12 ルネサンスが復活させた「「atom」の語源」
13 「化学の基本3法則」がアシスト「ドルトンの「原子説」」
14 ドルトンが毛嫌いした「気体反応の法則(ゲイ・リュサックの第2法則)」
15 原子説と気体反応の法則を仲裁「アボガドロの「分子説」」
16 誰も認めてくれない「悲運の人アボガドロ」

第3章 酸・塩基理論の進化
17 世界初の化学工学者グラウバー「グラウバー塩で富と名声を得る」
18 酸の素(もと)は酸素か?「酸の素(もと)は酸素ではなかった!」
19 酸の素(もと)は水素イオン「アレニウスの「電離説」」
20 非水溶液でも成り立つ「ブレンステッドの理論」
21 水素イオンがなくても酸塩基「電子対に着眼したルイス」

第4章 酸化と還元~ビッグバンから鋼(はがね)ができるまで
22 誰もが信じた「燃えると何かが逃げていく…火の元素説」
23 酸素がなくても酸化・還元「電子のやりとりに着眼」
24 宇宙で生まれた鉄が鉄鉱石になるまで「自然界で酸化されて鉄鉱石に」
25 世界最多の化学プラント溶鉱炉「鉄鉱石を人工的に還元して銑鉄に」
26 強靭な鋼(はがね)をつくる製鋼プロセス「銑鉄をもう一度酸化して鋼に」
27 ボーキサイトから砂を除去「ピュアなアルミナを取り出す」
28 運命的な二人ホールとエルーが発見「アルミナを融解塩電解してAlをつくる」

第5章 熱化学(紙の本質の解明)
29 「熱」と「温度」を区別した白人~ブラックの熱量保存の法則「熱化学の基礎を築いたブラック」
30 質量がない元素「カロリック」
31 熱運動説を復活させたランフォード「ラボアジエ未亡人と結婚」
32 血の色の変化から生まれたエネルギー保存則「「熱」と「仕事」は等価なもの」
33 仕事をすれば熱くなる「ジュールの熱の仕事当量」

第6章 ハロゲン元素(猛毒への探究心)
34 たまらないほど肺を刺激する気体「塩素の発見」
35 わずかなデンプンを嗅ぎ分ける「ヨウ素の発見」
36 化学者「殺人“気”」フッ素の発見「人体を破壊する魔の元素」
37 周期表のスター家族「ハロゲン族」

第7章 アルカリ金属とアルカリ工業
38 草木と海藻からの発見「カリウムとナトリウム」
39 石と炎色反応からの発見「リチウム、セシウム、ルビジウム」
40 フランス人が発見~フランシウム「陸上植物の灰、を意味する「アルカリ」」
41 古代から続くアルカリ工業「ガラスと石鹸」
42 アルカリ不足が生んだイノベーション「ルブラン法によるアルカリの大量生産」
43 非連続的なイノベーション「根本的に製造方法を変革したソルベー」
44 ナトリウムが析出しない電気分解「アルカリ工業のもう一つの主役苛性ソーダ」

第8章 命を生む元素となった窒素肥料
45 死の元素から生の元素へ「命の素 窒素」
46 オストワルトの硝酸の大量生産技術「アンモニア合成法を呼び込んだ」
47 二十世紀最大の化学イノベーション「アンモニア合成法」
48 化学肥料の主役「窒素肥料」
49 肥料の三要素「窒素N、リンP、カリウムK」
50 アンモニア合成法の上を行く「微生物の空中窒素固定化能力」

第9章 有機化学の誕生
51 生物しかつくれない「有機化合物の生気説」
52 無機物から有機物ができてしまった「ヴェーラーの尿素合成」
53 ドイツを世界一の有機化学大国にした男「農芸化学の父 リービッヒ」
54 夢から得たインスピレーション「ケクレの構造式」

第10章 高分子化学の誕生
55 ミセルではなく、「巨大分子」が高分子「高分子化学の父 シュタウディンガー」
56 象牙の代わり「セルロイド樹脂」
57 ベークランドが興した「ベークライト工業」
58 高圧ゆえに難産だった「低密度ポリエチレン樹脂」
59 低圧でポリエチレンを「チーグラ触媒(高密度ポリエチレン樹脂)」
60 高分子の立体規則を制御する「ナッタ触媒(ポリプロピレン樹脂)」

第11章 自動車で注目されている化学トピックス
61 自動車をより高性能に「エンジニアリングプラスチック」
62 自動車軽量化の主役「軽くて強い炭素繊維」
63 ハイブリッド車を支えるハイブリッド材料「高熱伝導性樹脂」
64 自動車部品の次世代の加工技術「プラズマ技術」

コラム
●錬金術の歴史から学ぶこと
●近代化学の歴史から学ぶこと
●酸と塩基の歴史から学ぶこと
●酸化と還元の歴史から学ぶこと
●熱化学の歴史から学ぶこと
●ハロゲン元素の歴史から学ぶこと
●アルカリ金属の歴史から学ぶこと
●窒素肥料の歴史から学ぶこと
●有機化学の歴史から学ぶこと
●イノベーションの誘因

はじめに

 本書は、「化学」に関係した研究開発、技術開発などの業務に従事されている社会人の方や「化学」を専門に勉強されている大学生の方はもちろんのこと、「化学」に少しでも関心をもつ一般の皆様を対象にしています。
 本書のねらいは二つあります。一つ目は、「化学の専門書」として化学全般に渡って、重要なポイントが学べるところです。そのため化学の歴史を振り返りながら、近代化学の前史と呼べる「錬金術」から始まり、近代化学を切り開いた「気体化学」、酸・塩基、酸化・還元、ハロゲン元素、アルカリ金属などの「無機化学」さらに「熱化学」「有機化学」「高分子化学」などの重要ポイントを幅広く取り上げています。単に教科書的な記述ではなく、たとえばある発見がされた場合、その発見に至るまでの歴史的な背景、実験方法、偉人たちの人柄、失敗のエピソード、現代社会に対する貢献など、興味深い話題を盛り込むように工夫しました。楽しみながら、化学の基本を復習することができますので、実務等に役立てて頂きたいと思います。
 また本書は、「化学」の歴史を振り返り、近代化学を誕生させて今日の現代化学の基礎を築いた偉大な化学者たちの研究の足跡を辿っています。彼等が、なぜ歴史に残るような卓越した発見や発明をし、イノベーションに結びつけることができたかを記し、事実に基づいて彼らの行動や考え方についても記載しています。従ってそれらの歴史的事実を現認し、彼らの成功の秘訣を学ぶことができるのが、本書の二つ目のねらいです。その成功の秘訣を、読者の皆様の、仕事の仕方、勉強の仕方、モノの見方・考え方の参考にして頂きたいと筆者は願っております。
 明るい話題にこと欠く最近の日本ですが、化学の力により日本にイノベーションを興して、経済を活性化すると同時に精神的にも豊かな日本をつくることに、ほんのわずかでもお役に立ちたいという想いで本書を執筆いたしました。

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