買い物かごへ

中小企業だからこそできる
BOMで会社の利益体質を改善しよう!

定価(税込)  1,760円

著者
サイズ 四六判
ページ数 184頁
ISBNコード 978-4-526-07268-0
コード C3034
発行月 2014年06月
ジャンル 生産管理

内容

製造業においてこれまで設計部門の改革は見落とされてきた。BOM(部品構成表)の導入による設計の標準化は、設計部門を合理化するにとどまらず、中小製造業では企業全体を改革する手法としても有効である。BOM構築によって中小製造業が強い企業に生まれ変わる具体策とコツを紹介する。

谷口 潤  著者プロフィール

(たにぐち じゅん)

(株)大塚商会 本部SI統括部製造SP統括グループ コンサルタント。

1976年、芝浦工業大学卒業。

開発設計会社に入社し、設計開発部長、企画・運営部部長などを経て米国設計・生産現地法人の経営、海外企業とのプロジェクト運営、新規事業開拓に携わる。その後、ドイツ・米国系通信機器関連企業の日本現地法人の代表取締役社長に就任。2006年より現業に至る。 

目次

はじめに

この本を手にされた皆様へ



《プロローグ》なぜ今、中小製造業でBOMなのか

 設計部門から会社全体に与える「気づき」

 人材育成の重要なツールとなるBOM

第Ⅰ部 導入編

PART1 プロジェクトチームを発足させる

 最初にどうする? BOM導入への最初のステップ
 プロジェクトチームは会社横断の組織にすべし

 トップは必ずプロジェクトに参加すべし
 後継者も参加させて育成しよう

 メンバーはパートさんでもいい
 最初の会議では何を話し合えばいいか

 プロジェクトの主役である設計担当者に伝えたい3つのこと

 タコツボ設計からは脱却しよう
PART2 最初にやるべき「図面整理」

 設計のメタボリック症候群

 図面整理の難関を突破しよう

 品目コードの作成と属性情報の付与

 レゴブロック設計を目指そう

 ジグソーパズル設計では会社は良くならない

 設計部門のモチベーションプランニング


第Ⅱ部 実践編

PART3 BOMの命は品目コードと運用ルール

 最初におさえておきたい品目コードの付与

 E-BOMの重要性の4つのポイント

 設計の尻拭いから抜け出し、つくりやすい生産現場にしよう

 3Wayジョブローテーションのすすめ

 中小企業にこそ一気通貫力のある人材は必要

 同じモノが二度つくれない製造業ではダメ

 絶対に失敗しないコツは成功するまでやることだ!

 運用ルールの維持はITで
PART4 M‐BOMの構築で全方位受注を可能にしよう

 モノつくりの情報から見たM-BOM

 E-BOMとM-BOMの関係

 M-BOMフロントローディングの考え方

 M-BOM構築でどんなお客様の仕事もOK

 M-BOMの4つの利点

PART5 失敗事例

 事例1:声の大きい取締役のもたらした混乱

 事例2:無作為のままジリジリと後退させたトップの責任

 事例3:会議はまわる……まわるだけで何の解決にもならず

 事例4:目標なく取り組んだ結果、やる気ゼロ

 事例5:反対だらけの社内で孤立

PART6 成功事例
 事例1:「気がついたら部品だらけ」を解決

 事例2:自力開発の流用化・標準化設計の落とし穴に気づく

 事例3:注力すべきはアナログ・インターフェイス
 事例4:営業マンもパソコンから設計・製造の情報を引き出せる

 事例5:経理担当ベテラン女性社員の奮起


第Ⅲ部 完成編

PART7 世界市場で活躍できる中小企業となるために

 シングルE-BOMとマルチE-BOM

 グローバルBOMで生き残りを賭ける

 マルチM-BOMの構築例

 部門の業態に特化したローカルBOM

 E-BOMとM-BOMのグレーゾーン

 P-BOMの構築手法

 「儲かる保守ビジネス」S-BOM

 S-BOMの構築手法
PART8 BOMで一気通貫力のある社員を育てる
 BOMで会社に余剰人材をつくろう

 なぜ設計者がマネジメントに適しているのか

 ジョブローテーションで一気通貫力のある人材を育てる

 ジョブローテーションさせる経営者の覚悟

 経営者となった設計者A君の事例
 「3Wayジョブローテーション」成功と失敗の差はどこに?

 「利」のバランスマネジメントのできる人材に変わる

 3Wayジョブローテーションは中小企業でなければ不可能

 これからますます中小企業の優位性が増す

はじめに

今、中小製造業のみなさんが直面している問題・課題はどんなものでしょうか。経営者でしたら真っ先に資金繰り、設計担当者は相手先からのきびしい仕様要求に頭をかかえ、生産現場で働く人は常に納期との戦いといったところが真っ先に思い浮かぶでしょう。
 
組織におけるあらゆる人のあらゆる課題に対応できる解決策はどこにあるのか。この本では、その解決策の切り口として「設計部門の改革」と「部品構成表(BOM)の導入」を挙げて読者のみなさんに提案したいと考えています。
 
みなさんの会社が真に変化に対応できる組織へ生まれ変わり、社員が楽しく、やり甲斐をもって仕事ができる組織にするために取り組むべきBOMとは何か。その具体策とコツを紹介します。
 
私がBOMと出合ったのは、設計者としての第一歩を歩んだ中小製造業においてでした。もう30年以上も前になりますが、先進的で技術レベルも高い会社でした。その当時としては大変高価なオフコンシステムを駆使してBOMをIT環境によって構築できた体験が私の考えの基礎を作っています。特にBOMの効用と必須性を肌で感じたのは、米国で設計製造業を営んだ時です。設計部門と購買・生産部門の間には連携はなく、おまけに毎月社員が辞めては入ってくるという環境でも「同じモノが何度でもつくれる」という製造業のアタリマエを実現させるためにBOMは不可欠でした。
 
私は現在、(株)大塚商会で製造業に特化したコンサルタントをしていますが、そこで最初に気づいたのが日本の中小製造業の設計成果物の「形」でした。BOMにはほど遠い「図面+メモ書き」がほとんどでした。「日本の中小製造業が抱える最も大切なことは設計部門の改革であり、BOMを駆使した流用化・標準化設計の実現にある」という考えに至ったのです。
 
この本の構成は、最初にBOM導入の第一歩としてプロジェクトチームの発足について解説した後、最初に手をつける改革として図面整理のやりかた、コードのつけかた、人材育成の方法などを紹介した後、具体的に成功した事例、失敗事例について紹介します。
 
ここでBOMのベースができたところで、基礎から応用までBOM構築のテクニックを実際に身につけてもらい、真に持続可能な組織への道しるべとしました。
 
すでにBOM構築が進んでいる企業は失敗事例や成功事例を先に読んで、現状をブラッシュアップしていただいても構いません。目次から検索して必要な部分のみ拾い読みしていただいても良いでしょう。パートごとに独立して読めるように編集したので、レベルに合わせて自由に活用していただきたいと思います。
 
私自身のキャラクターとしてあまり額にシワ寄せて仕事に取り組むのは性に合いません。せっかく新しいことをスタートさせるのですから、楽しく前向きにやった方が面白いはず。マンガを読むとき、わざと笑い顔をつくって読むと内容を面白く感じられるという研究結果があるそうですから、無理にでも楽しく元気のあるフリをしてしまいましょう。本当に元気のある組織にするため、まずはカタチから入るわけです。
 
難しい内容もできるかぎりソフトで、わかりやすいたとえや文章を使って、面白く読み進めるための工夫を凝らしました。みなさんのお役に立っていただけると確信しています。

買い物かごへ