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調達力・購買力の強化書
この本こそがバイヤーの最強ツールだ!

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07251-2
コード C3034
発行月 2014年04月
ジャンル ビジネス

内容

「調達・購買」業務に必要な実務力アップのための、バイヤー強化本。調達・購買業務のなかで、具体的な課題を解決するための戦術、評価、戦略について、具体的なノウハウをすべて丁寧に解説している。実務に役立つツールやシート類も豊富に紹介した、あらゆる業務に使える『最強ツール』。本書を読まずに「調達・購買実務」は成り立たない!

坂口孝則  著者プロフィール

(さかぐち たかのり)
大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。現在は未来調達研究所株式会社取締役。株式会社アジルアソシエイツ取締役。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。とくに企業内調達業務研修について依頼が相次ぐ。100ページを超える資料を使った情熱的な講義が大好評。また、調達・購買担当者同士の情報交換ができる場、「購買ネットワーク会」発起人。バイヤーの立場から見た営業のあり方や、商売のあり方についても多くの情報発信を行う。

「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。「世界一のバイヤーになってみろ!!」執筆者。『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)『大震災のとき! 企業の調達・購買部門はこう動いた』(日刊工業新聞社)『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書23作。

ホームページ「未来調達研究所」より、坂口孝則の無料教材がダウンロード可能。業界最大の読者数を誇る。

●メールアドレス:sakaguchitakanori@future-procurement.com
●ホームページ「未来調達研究所」:http://www.future-procurement.com/
●ブログ「坂口孝則の本棚と雑文」:http://buyer.blogzine.jp/blog/
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 http://www16.ocn.ne.jp/~fastska/topbuyer.html
●Twitter:@earthcream

目次

はじめに

第1章 調達・購買 戦略
1-1 調達(基本)プロセス整備
■よりよい調達プロセス模索の際に重要な心がけ
■若き調達・購買部員のために
■瑣末なトラブルを超える意味づけが必要
1-2 サプライヤ基本情報入手
■新規サプライヤは価格だけではない
1-3 見積依頼
■見積依頼書に必要なこと
■そして最後に
1-4 見積書整備
■見積書フォーマットで大切な三つのこと
■見積書の算出基準年月日
1-5 攻めの見積書比較
■見積書比較とは何のためにあって、何を考えるべきか
■敗者サプライヤはなぜ敗者なのか
コラム1 購買王さまの跋扈
1-6 労務費・加工費査定
■コストドライバー分析の手順
■コストドライバー分析シートについて
■価格予想についての注意点
■コスト構造分析
■コスト構造分析〈加工費〉
■コスト構造分析〈経費等・利益〉
1-7 労務費逆算
■稼動率ってどうやって求めるの?
■全員の給料が一緒というのは強引か?
■具体的労務費試算
コラム2 購買王さまの跋扈パート2
1-8 交渉
■交渉準備シート作成4つのブロック
■これまでの交渉論と異なる意見
■不等価交換検討の重要性
■SCQA分析とは
■いざ、交渉!に入るときに
1-9 値上げ抑制(値上申請査定の方法)
■市況は上昇しても、ただし、それが単純に値上がり幅ではない
■その他チェックシート
■それでも妥当なときに
コラム3 コスト削減と努力
1-10 VA/VE提案依頼(書)
■VA/VE分類
■そして最後にVA/VE提案書フォーマットを作成
コラム4 受講者からの恐るべき質問
コラム5 すぐに誰かと仲良くなる方法

第2章 調達・購買 評価〈サプライヤ評価・マネジメント〉
2-1 サプライヤ評価と選定
■サプライヤ評価表について
■サプライヤへの評価結果の連絡
■サプライヤ評価と通知
■サプライヤ通知の目的
■サプライヤへ全部門からのメッセージ
■サプライヤ評価で注意すべきその他事項
■サプライヤ収益管理
■調べるべき4つの指標
■そして最後のまとめと「見える化」
2-2 サプライヤとの定例ミーティング
■定例ミーティングの雛形公開
■定例ミーティングのあとに
2-3 倒産後対応と処理
■サプライヤの立場になること
■サプライヤへの「ありがとう」
■サプライヤと接する際に大切なこと
コラム6 会議にお客様は要らない

第3章 調達・購買 戦略
3-1 調達データの支出分析
■ABC分析とデシル分析
■それでも動いてくれない社内と対峙するみなさんへのメッセージ
3-2 調達戦略
■調達戦略で重要なこと
3-3 サプライヤ戦略
■サプライヤ戦略書作成について
■サプライヤ改善は目的があってこそ
■サプライヤへの資本注入について
3-4 開発購買
■私が開発購買のためにやった三つのこと
■開発購買を経て私が得たこと
コラム7 最高のプレゼンテーションを行うたった一つの冴えたやり方


とても長いあとがき~『拝啓、調達・購買担当者様』

はじめに

~調達・購買部門の地位の上げかた教えます~


 「要するに、何がいいたいんだよ!」
 調達・購買部門に配属されたばかりのころ、上司から怒られたことを昨日のように思い出します。「説明が長い」「要点は何だ」「結局のところ、一言でいうと何だ」。そして--、「要するに、何をすればいいんだ?」
 私の調達・購買業務における苦悩は、つねにこの「要するに」とともにありました。
 世の中に流布している調達・購買ノウハウを読んでいて気づくことがあります。それは、そのノウハウが、ノウハウになっていない事実です。高尚な思想や建前はわかります。理想も大切でしょう。しかし、「で、要するに今日から俺はなにすりゃいいの?」とシンプルな問いに答えられるものは多くありません。
 「開発購買が大切だ」
 「調達部門がサプライヤ決定権を持たねばならない」
 「バイヤーはサプライヤの経営改善指導をせねばならない」
 それはそうですが、具体的に何をすればよいのでしょうか。大事なことなんて誰でもわかっています。わからないのは、その具体的な方法です。だから、私は方法論、ツールをお伝えするために本書を書かねばなりませんでした。
 たかが調達・購買の話です。
 しかし、私たちがいま必要なのは、使える調達・購買の話です。
 「八百屋さんがありました。コボちゃんはバナナを買いにいきました。他のお客さんよりも、バナナを10円ほど安く買うために、コボちゃんは何をすればいいでしょう?」
 これは明確な問いです。コボちゃんの様子も想像できます。実務家はこういう具体的な問いから逃れてはいけない、と私は思うのです。
 考え方や思想も大事にしつつ、目の前の具体的な問いに具体的な手法を考えていく。私は本書でそれを目指します。

 本書で書いていくのは、調達・購買業務のなかで、目の前の具体的問題を解くためのツールです。そしてそれらを通じて、調達・購買部門の地位向上を目指したいと思っています。
 調達・購買部門の地位向上が叫ばれながら、いまだに社内地位は低いまま。そう感じるのは私だけでしょうか。
 ただし、その気になって、一人ひとりが真剣に業務とぶつかれば、地位向上をはかるのは不可能ではないはずです。

●調達・購買業務の知識体系について
 私が思うに、調達・購買知識を三つにわけると、次の分類ができます。
・「思想」:仕事に取り組む姿勢、想いや考えを語ったもの
・「マニュアル」:業務の手順を述べたもの。または改革ステップを述べたもの
・「ツール」:業務で使える表や道具。より実践的、より実務的なもの

この分類にしたがっていうと、これまでに上梓した私の著作でいいますと、
・「思想」:『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社刊)
・「マニュアル」:『調達・購買の教科書』(同社刊)
・「ツール」:本書

となります。もちろん、思想の要素も、マニュアルの要素も含まれているものの、著者の思いとしては、「で、要するに?」を意識したものが本書です。私の語る調達・購買手法がぴったり当てはまる企業はないかもしれません。ただ、私なりの方法論をお伝えしたいと思います。
 どんな会社も、自社のことを「ウチは特殊だ」と考えています。でも、一つでも二つでも、みなさんが使えそうなツールをお渡ししていきたい。そして悩みの尽きない調達・購買担当者を一人でも救っていきたい。
 厚かましいものの、私はほんとうに真剣にそう考えています。

●本書の構成について
 私は本書で、肝となるツール類を調達・購買業務の流れにそって説明していきます。

 業務が「戦略」構築から→日々の「戦術」を経て→「評価」にいたり→それが次なる「戦略」につながっていく……とします。すると、それぞれのフェーズにおいて業務が生じます。

 前著「調達・購買の教科書」(日刊工業新聞社刊)では、調達・購買担当者がもつべきスキルを25に分解していきました。それにたいして本書は業務プロセスでわけています。あわせてお読みいただければ幸いです。
 ところで、本書では意図的に「戦略」からの説明とせず、「戦術」からの説明としています。つまり、「戦術」→「評価」→「戦略」です。この順番にしたのは、戦略という概念論からはじめるよりも、目の前の業務からサプライヤ実力を引き出していき、それを評価に結びつけ、さらに戦略を構築する……と流れを感じていただきたかったからです。「戦術」の「基本プロセス整備」から、ぐるりと業務を俯瞰していきましょう。

 現在、私は調達・購買業務のコンサルティングや研修を行っています。この本を書くにあたり、これまでの受講者の所属企業数を数えてもらうと1560社にいたりました。本書でご紹介するツールは私の実務経験からきたものです。ただし、少なからぬツールが、研修の受講者との対話や、あるいはコンサルティングの現場で生み出されてきました。その意味では、本書の著者は私一人ではありません。
 本書のなかで私は、自分が初学者のころを思い出し、そのころもっとも知りたかった内容を書いていきます。
 あるアフリカの部族は、踊ればかならず雨が降るそうです。それを研究しに行った学者いわく「雨が降るまで踊るから」だと。私はここに一つの真実を見ます。成功するまで努力すれば、かならず成功する。そんな単純な真実です。
 調達・購買業務も良くなるまでやれば、かならず良くなる。楽しくなるまで工夫すれば、かならず楽しくなる。これは間違いありません。とすれば、残るは、私がみなさんにその試行を重ねる一押しをできるかです。
 私なりの「要するに」が、一人でも多くの読者の一押しになることを願って。

2014年3月 坂口孝則

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