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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい工場管理の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07236-9
コード C3034
発行月 2014年03月
ジャンル ビジネス 生産管理

内容

本書は、モノづくりに携わっている者なら知っていなければならない生産現場で必要とされる知識をわかりやすく解説した工場管理の超入門書。QC(品質・コスト)の基本から紐解き、具体例を交えて初心者でも理解できる内容となっている。

岡田貞夫  著者プロフィール

(おかだ さだお)


1938年生まれ、岡田技術経営コンサルタント代表。
技術士(機械)、中小企業診断士、職業訓練指導員の資格を持ち、岡山県技術アドバイザー、環境カウンセラー、中小企業大学校、中国職業能力開発大学校講師を経て岡山大学産業連携コーディネーターとしても活躍中。
主な著書に、「コストダウン手法と着眼点入門」(日本実業出版社)、同韓国版(韓国生産性本部)、「間接部門で手堅く利益を確保する本」(かんき出版)、「製造コスト削減マニュアル」(PHP研究所)、「購買部長マニュアル」(PHP研究所)、「絵を見て進めるコストダウン」(日刊工業新聞社)、「続々目で見て進める工場管理」(日刊工業新聞社)、「トコトンやさしいトヨタ生産方式の本」(共著、日刊工業新聞社)、「トコトンやさしいコストダウンの本」(共著、日刊工業新聞社)、「目で見て進める「工場管理」Part Ⅳ」(日刊工業新聞社)、「目で見て進める〈即戦〉購買管理」(日刊工業新聞社)、「トコトンやさしい品質改善の本」(共著、日刊工業新聞社)、「トコトンやさしいトヨタ式設備改善の本」(日刊工業新聞社)などがある。

目次

第1章 まずこれだけは知っておこう


1 生産活動と原価 「生産活動で発生する費用はすべて原価となる」

2 量に頼らないモノづくり 「総コストの中の固定費をいかに少なくするか」

3 利益と売上・原価との関係 「販売価格は競争関係で決まる。いかに原価を下げるかがカギ」

4 方針管理と日常管理を効果的に行う 「方針管理と日常管理の推進で統一ある企業活動の展開を」

5 生産性向上の本当の意味 「売上げが伸びない中での企業の生き残り」

6 自社のコストを把握する 「正しい標準コストの算出によりコストターゲットを決定する」

7 品質の良否は売上と利益を左右する 「製造部門が品質に関して責任を持つ」

8 標準作業と安全作業の徹底 「安全は常に急所・“安全なくして生産なし”」

9 納期を守る進捗管理 「日々の進捗を目で見て対策を徹底する」

10 トヨタ生産方式と後工程引き取り方式 「トヨタ生産方式はものと情報が一緒に流れるシステム」



第2章 原価低減のマネジメント


11 原価低減の必要性 「企業内外のあらゆるミス、ロス、ムダを省いて競争力ある原価へと下げていく」

12 開発段階で原価目標を設定する原価企画 「製品開発計画に原価目標を織り込む必要がある」

13 コストダウン設計 「コストの大半は設計段階で決まる」
14 原価低減と品質保証 「品質保証は企業の命、つまり生命線」

15 在庫は資産でも何でもない 「在庫削減はキャッシュフローの改善による財務体質の強化になる」

16 従来の原価低減活動との違い 「商品の全生涯や環境に配慮した総合的な原価低減が求められている」


第3章 ムダをとる


17 改善と目で見る管理 「現場としてやるべきことの明確化」

18 探す手間を省く整理・整頓 「ものを探し回るムダの排除」

19 目で見る管理の推進 「目で見る管理は改善できる体制にするのが目的」

20 現場のムダ排除 「ムダに気づく人づくり」
21 改善対象の選択と手順 「管理技術を利用する狙いは、少ない工数で最大の効果をあげる工夫や知恵を出すこと」
22 現状把握と現状分析 「製品や作業の現状を正確に把握し、効果の大きい問題を見つける」
23 自社に適した効果的な改善手法を選択する 「あらゆる経営資源を有効活用」

24 アイデア発想から問題解決まで 「アイデアを発想したらQC手法などで整理」

25 まずは作業改善、設備改善は次 「改善には作業改善と設備改善がある」

26 動作経済の原則 「両手、両足をうまく使う」

27 サーブリッグ分析と要素作業分析 「ものの動き、人の動きを時間とともに観察し、作業を簡略化し、標準化する」
28 手待ち/持ち台数改善 「見張り番を廃止し、多工程持ちで効率的な生産」

29 作業標準と標準作業 「標準作業は繰り返し作業で人の作業が対象」
30 標準作業関連帳票の作成と改善 「現場作業の品質維持の拠り所であり、三種類の帳票を標準に改善を進めていく」



第4章 運搬およびレイアウトの改善

31 運搬システム 「物流はラインとユーザーを結ぶコンベア」

32 運搬工程の改善 「製造物流の中の運搬、停滞は加工に付随するムダでリードタイムの大半を占めている」

33 スムーズでフレキシブルなレイアウト 「人・もの・情報の流れを考える」

34 レイアウト編成の実際 「ものの流れを分析し、受注に対応した効率的なレイアウトに改善」

35 1個流しのラインづくりのポイント 「1人多工程持ちのできる少人化ラインを」

36 コンベアは必要最小限に 「使い方次第でムダが発生する」


第5章 生産付随作業と検査業務の改善


37 多品種生産を乗り切る段取り時間短縮「 多品種少ロット生産を実現するカギ」

38 可動率を高める自主保全 「自分達の扱う設備は自分達でベストな状態に維持する」
39 身の丈にあったTPM 「TPMによる生産性・品質向上へ」

40 設備改善への取り組み 「新設備は投資費用が大きく固定費増を招く」

41 品質問題の未然防止、流出防止(その1) 「設計ミスは製品の品質だけでなく、原価アップを招き企業基盤を脅かす」

42 品質問題の未然防止、流出防止(その2) 「設計品質を客観的に評価し、改善する組織的活動」

43 水平展開活動 「類似製品、類似工程でのトラブルを未然に防止」

44 全数検査を合理化する 「工数をかけずに現場の知恵を活用」


第6章 調達、資材在庫、納品管理業務の改善


45 よい取引先からより安く買うことを心がける 「資材購買費は製造原価の55~75%、しかもその性格は外部流出費用」

46 外注先活用で自社の総合力アップ 「総合的なパートナーシップの活用へ」

47 買い方で企業利益は大きく変わる 「設備計画者、現場マンも調達品価格に関心を持とう」
48 育成購買によるコスト改善 「サプライヤと買い手の双方が協力して製造原価低減に取り組む」

49 低コストの設備調達 「設備は高価な買い物、設備担当者とバイヤーの連携・協力が大切」

50 資材在庫の管理 「生産に必要な資材をタイムリーに提供するよう管理する」

51 在庫削減を図るための手順・方法 「在庫品の内訳調査とその内容に応じた処置がカギ」

52 ジャスト・イン・タイム納品と納期遅延 「物流管理の効率化を図りながら、少ロット、多頻度納入にも対応し納期を守る」

53 納入不具合への対策 「注意力に依存するだけにヒューマンエラーが多い」


第7章 省材料、省エネの実践と環境負荷の低減


54 材料歩留まりの向上 「材料歩留まり向上は設計段階での工夫が奏功する」
55 少エネルギーと省エネルギー 「環境問題から化石燃料によるCO2の発生を抑制」

56 省エネ推進は全員参加で 「一般社員に省エネに関心を持たせることが大切」
57 電力費節減のための着眼点 「電力の上手な節約は、使われ方の実情を的確に把握し、分析・評価を進める」

58 工場内廃棄物の削減 「工場内廃棄物低減は、製造コストと環境負荷を同時に低減する」
59 資源リサイクル 「資源の減量(リデュース)、再使用(リユース)、リサイクル(再利用)の適正処理を進める」



第8章 やる気を育てる

60 人の能力を最大限活用する 「人は最大の財産、人財の能力の活用策を」

61 監督者は自らの役割を認識しよう 「監督者はラインの経営者」

62 管理・監督者とOJT 「企業内教育の中でも一般的かつ大事な実践教育」

63 多能工化の推進 「複数の仕事をこなすことでフレキシブルな生産体制が構築される」

64 改善提案制度の活性化 「改善提案は職場構成員の落ちこぼれをなくして、現場をパワーアップさせる」
65 小集団活動の活性化 「問題解決を行う少人数のグループでテーマを解決」



【コラム】

●自働化と自動化

●PDCAとABCDのサイクルをまわそう

●変化への対応(改善)

●工場内の運搬

●不適合とは何か
●在庫に対する見方の変遷

●原価低減活動としての省エネルギー

●ヒューマンエラー対策



参考文献

索引

はじめに



 長く続いたデフレ不況からようやく脱し、わが国の景気は上向いています。企業に求められているのは消費税アップへの対応とともに賃金増と設備投資増への対処です。国外に目を向ければ、経済のフラット化が進み新興国は先進国に頼らず自力で工業製品を生産できるようになりました。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)などを含めて、モノづくり環境は製品品質から「商品+コスト+サービス」の競争になっています。

 小さいパイをめぐって熾烈な販売競争が展開されています。そうした状況下で企業が生き残っていくためには、お客様に評価される製品をつくり、お客様が望む価格で提供しても利益が確保できるようにすることです。そのためには原価低減が不可欠になっています。多品種少量生産という環境の中での原価引き下げが企業活力の源泉になっているのです。中国、インドなどの新興国の製品と一線を画し、販売価格に連動し、かつ利益を確保できる原価でつくり込むという難題にどう取り組むか、これが課題です。

 本書は、

●現場マンでも知っていただきたい利益管理の知識

●改善の推進はトヨタ生産方式をベンチマークに、自社の方式に生かす

●原価の源である工程から動作までのムダ排除による低減のヒント

 などをテーマにして65項目にまとめ、見開きで紹介しています。

 第1章の「まずこれだけは知っておこう」で、経営における原価の役割と生産諸活動を推進するための概念を解説します。第2章の「原価低減のマネジメント」では、原価構成の大半を担当する資材購買部門、コスト構成の80%を占めもとになる設計開発部門の担う原価企画、社内加工費の低減ポイント、品質保証、在庫削減について実践的立場から記述しています。

 第3章ではムダ取り、改善活動の具体的な進め方、加工工程を主に、第4章では運搬・レイアウトから生ずるマテハンのムダを排除、第5章では社内での取り組み事例を軸に、段取り改善、自主保全、検査などにページを費やしています。事例は主として加工組立型製造業が中心ですが、それを仕入れる販売その他の業種にも応用できると確信しています。

 第6章では製造原価の半分以上を構成する外部流出費用でもある資材購買などの業務について、発生しているムダを買わないための購入先・外注先支援による購入単価引き下げ、設備導入、在庫削減、納期トラブル対応など外部対応策を述べています。第7章では材料取り改善、環境にも影響する省エネルギー、廃棄物削減を取り上げています。

 第8章では人財を引き出す、キーマンである監督者、リーダー、作業者のやる気を中心に述べています。

 本書の対象は、企業の実務家、現場スタッフや機関要員、訓練所学習者、大学・高等専門学校の学生などで、未来を担う技術者の卵のために作成したものです。いつも手元において役に立てていただければ幸いです。

 長年の企業コンサル経験からのノウハウも織り込みましたので、現場改善コンサルの方々にも成果を出せる役立ち本として、また工場関係者のイノベーション教本としての活用も期待しています。
姉妹書の『トコトンやさしい作業改善』『トコトンやさしい設備改善』『トコトンやさしい品質改善』『トコトンやさしいコストダウン』と合わせて活用していただければ著者としては望外の喜びです。



2014年1月                           
岡田 貞夫

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