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受注生産に徹すれば利益はついてくる!
取引先に信頼で応える“おもてなし”経営

定価(税込)  1,944円

著者
サイズ 四六判
ページ数 232頁
ISBNコード 978-4-526-07228-4
コード C3034
発行月 2014年03月
ジャンル 経営

内容

受注生産型企業が儲かるための対応力向上に向けて、「取引先の販売動向に注視」「遠慮せず情報共有を密にする」「限りない改善に励む」「取引先の資源を徹底的に使おう」の4本柱を解説。客先に安心と信頼で応える「おもてなし経営」に取り組む極意を披露する。

本間峰一  著者プロフィール

(ほんま みねかず)

1958年生まれ、東京都出身。電気通信大学電気通信学部応用電子工学科卒業。

NEC製造業システム事業部、みずほ総合研究所コンサルティング部を経て、2012年に経営コンサルタントとして独立(株式会社ほんまコンサルティング事業部)


中堅・中小の製造業者、卸売業者、サービス業者、情報システム業者などの収益性改善、生産性改善、在庫マネジメント強化、生産管理システム見直し、SCM改革、情報システム活用などのコンサルティングを実施中。


一般社団法人 東京都中小企業診断士協会会員

東京都中小企業診断士協会中央支部認定「生産革新フォーラム研究会」代表

川崎市中小企業サポートセンター派遣専門員

東京商工会議所経営力向上フォローアップ事業 支援担当中小企業診断士

未来サポート派遣専門家

一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会理事

日本生産管理学会会員、経営情報学会会員、システム監査人協会会員



主な資格:中小企業診断士、情報処理技術者(システムアナリスト、システム監査、プロジェクトマネジャー、アプリケーションエンジニア)

主な著書:『コストダウンが会社をダメにする』『社長が「在庫削減!」と言い出した会社は成長しない』『“JIT生産”を卒業するための本』(以上日刊工業新聞社)『サプライチェーン・マネジメントがわかる本』『生産計画』『失敗しないERP導入ハンドブック』(以上日本能率協会マネジメントセンター)など


目次



はじめに



第1章 受注生産が日本企業の強みだ

1.1 日本の産業は受注生産が支えている  

1.2 受注生産には2つのタイプがある  

1.3 自動車、電気機械業界に見る受注生産の違い  

1.4 注目される新形態受注生産  
1.5 製造戦略から紐解く受注生産  

1.6 受注生産ビジネスの長所と短所  

1.7 受注生産は日本企業に向いている  
COLUMN 1  海外のEMSはなぜ安くつくれるのか  

View  自動車メーカーの受注生産政策の違い  



第2章 取引先のわがまま要求の背景を知る

2.1 取引先の要求に対応しないと取引から外される  

2.2 大企業の余裕がなくなり要求内容がエスカレート  
2.3 ERP導入が大企業のわがまま要求を加速させた  

2.4 海外生産が安いと信じ込んでいる経営者  

2.5 誤ったJIT生産導入が下請け企業を苦しめる  

2.6 わがまま要求には必要悪という側面もある  

View  ATP(Available To Promise:販売可能数)とは  


第3章 受注生産を取り巻く環境変化が起きている

3.1 受注生産ビジネスはなぜ人気が低いか  

3.2 受注生産メーカーはぬるま湯経営になりやすい  

3.3 行政が煽る下請け企業弱者論  

COLUMN 2  多段階下請け構造が受注生産を疲弊させる  
3.4 経営戦略論で受注生産企業を導くことはできない  

3.5 誰かが受注生産対応してくれないと事業が成り立たない  

3.6 同業者の廃業が取引先を覚醒させた  

3.7 海外生産から国内生産への回帰が始まった  

3.8 受注生産にも押し寄せる高級化の波  

第4章 受注生産メーカーの利益向上策

4.1 自社だけで売上を向上させることは難しい  

4.2 時間単価と発注量は反比例する  

4.3 親会社のコストダウン圧力を切り抜ける  

4.4 スループットバランス分析で収益構造を把握する 

4.5 作業経費を減らしてスループットを増やす  

4.6 内製化を進めてスループットを増やす  

4.7 現場改善で生産能力を上げる  

View  1人当たりスループットが上がらないと給料は上がらない  



第5章 受注生産メーカーの工場運営の秘訣

5.1 ブルウィップ効果に気をつける  

5.2 取引先の注文変動に慌てない  
5.3 親会社の先を読む  
5.4 制約工程をフル稼働にする  
5.5 受注品と在庫品を組み合わせることで稼働率を高める 

5.6 同じ悩みを持った仲間と共同物流を推進する  

COLUMN 3  SCMはなぜうまくいかなかったか  

5.7 自社独自の情報システムを構築する  

5.8 困ったときは親会社に泣きつく  



第6章 受注生産メーカーに合った生産管理

6.1 リードタイムを短縮すると仕掛品在庫も削減される  

6.2 MRP生産管理システムは受注生産には使えない  

6.3 ATO生産を取り入れる  

6.4 流動数曲線管理で進捗管理する  

6.5 理想的な現場管理システムは必要ない  
6.6 設計部門を治外法権にしない  



第7章 小さくても戦える新規営業戦略

7.1 無闇に新規ビジネスに飛びつかない  

7.2 社長が動かないと誰もついてこない  

7.3 自社の強みをはっきりさせる  

7.4 受注生産メーカーの営業では実績をアピールする  

7.5 受注生産メーカーの提案書には何を書けばいいか  

7.6 中小企業が最終製品を開発することは難しい  

7.7 ハイレベル受注生産力を売りにできる企業になる  

7.8 世界の工場を目指そう  




参考文献

はじめに

本書の執筆を考えたきっかけは、知人の銀行員との何気ない会話であった。「受注生産企業って本当に儲からないんだろうか?  コンサルタント活動をしていると、儲かっている受注生産企業に出会うことも多いのだけど…」。

 減益企業は大げさに騒ぎ立て、儲かっている企業は低く静かに伏せているとはよく言われることだが、受注生産企業はもともと知名度が低いこともあり、儲かっている企業があってもまわりからは気づかれにくい。上場や店頭公開していない企業も多く、ホームページで業績を公開している企業も限られる。無借金経営の企業は、信用調査会社のインタビュー調査にもおざなりの対応しかしないのが普通の姿だ。

 日本の製造業者の大半は受注生産メーカーである。最終製品を抱え、自分たちの意のままのモノづくりができている会社はごく少数派だ。本書では受注生産メーカーの「儲けの秘密」を、「受注生産力」という観点から整理した。受注生産力の原点は、2013年に流行語にもなった「おもてなし」の精神にある。「おもてなし」は、「言いなり」とはまったく違う。おもてなしは、取引先と対等な関係が維持できているからこそ効果を発揮する。トップが、おもてなし精神で取引先に相対しているからこそ利益はついてくる。


 本書の第1章から第3章までは、日本の受注生産メーカーが置かれている経営環境に関して紹介する。受注生産メーカーが安定的に利益を上げ続けるためには、自社を取り巻く環境の変化に適応していけるかどうかがが重要なカギを握っている。そして、第4章から第6章では受注生産メーカーの経営管理に関する基本事項を整理した。ここで紹介する製造業経営の王道を実践することで、利益は生み出される。儲かっている企業ほど、このような王道の実践に積極的に取り組んでいるものである。

 続く第7章は、受注生産メーカーの営業問題に焦点を当てた。受注生産メーカーには特定の取引先だけを相手してきた企業が多く、総じて新規営業を苦手とする。これでは、なかなか儲けていくことは難しい。そこで、受注生産力を前面に出した営業のあり方を整理してみた。

 いくらアベノミクスで金融緩和しても、それだけでは経済成長は実現しない。日本の産業を支える個々の受注生産メーカーに、自信を持って付加価値(スループット)を稼いでもらうことが重要である。本書がその実現のために少しでも役に立つことを祈念している。


 本書の出版に際してさまざまな方にお世話になった。生産革新フォーラムのメンバーをはじめとする中小企業診断士やコンサルタントのみなさん、過去のコンサルティング活動を通じて知り合った多くの企業のみなさんからは、企業経営の厳しさを教えていただいた。また、本書出版の機会を与えていただいた日刊工業新聞社、そして小生独立後の家庭を支えてくれた妻や息子がいなければ、本書の出版は実現しなかった。みなさんのご多幸をお祈り申し上るとともに、心より感謝申し上げる。



平成26年2月
株式会社ほんま

経営コンサルタント

本間 峰一

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