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よくわかる工業触媒

定価(税込)  2,376円

編者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07221-5
コード C3043
発行月 2014年03月
ジャンル 化学

内容

化学工業製品の製造には、化学反応を促進させる触媒の利用が欠かせない。また、燃料の製造や大気・水質などの環境保全においても触媒は重要な役割を果たしている。今日の産業社会にはなくてはならない縁の下の力持ちである工業触媒の基礎と応用を解説する。

触媒学会  著者プロフィール

一般社団法人 触媒学会
「よくわかる工業触媒」編集実行委員会
委員長
 瀬川 幸一〔上智大学 名誉教授〕

委 員
 今木 直〔元・三菱化学㈱〕
 菊地 英一〔早稲田大学 名誉教授〕
 出口 隆〔元・住友化学㈱〕
 藤原 謙二〔元・三井化学㈱〕
 室井 髙城〔アイシーラボ 代表〕
 渡部 恭吉〔一般社団法人 触媒学会 常務理事・事務局長〕

目次

はじめに

1章 触媒の基礎知識
1 触媒とは
2 触媒の利用分野(1)化学産業
3 触媒の利用分野(2)エネルギー・環境
4 触媒機能の3つの要件
5 触媒の活性
6 触媒の選択性
7 触媒の寿命
8 均一系触媒反応と不均一系触媒反応
9 触媒の使用形態
10 工業触媒プロセスの反応工学
11 キャラクタリゼーション(1)吸光と分光分析
12 キャラクタリゼーション(2)電子顕微鏡観察
13 触媒の開発と実用化

2章 触媒の種類
1 酸と塩基
2 固体酸・固体塩基
3 ゼオライト
4 遷移金属
5 遷移金属酸化物
6 触媒担体
7 金属錯体
8 酵素

3章 化学産業の触媒(1) 
水素と酸素が関わる反応
1 水素製造
2 アンモニア合成・メタノール合成
3 硫酸・硝酸合成
4 液相酸化(1)テレフタル酸
5 液相酸化(2)プロピレンオキシド
6 気相酸化(1)エチレンオキシド
7 気相酸化(2)アンモ酸化
8 気相酸化(3)アクリル酸・MMA
9 気相酸化(4)無水マレイン酸
10 オキシ塩素化
11 酸化的アセトキシル化
12 水素化
13 脱水素

4章 化学産業の触媒(2)
その他の基本反応
1 アルキル化
2 水和・脱水
3 異性化・転位
4 COを用いる合成
5 メタセシス
6 オレフィン重合(1)ラジカル重合
7 オレフィン重合(2)触媒重合
8 その他の高分子合成

5章 これからの工業化学プロセスと触媒
1 グリーンケミストリー
2 触媒が可能にするプロセスの簡素化(1)ポリプロピレン製造触媒
3 触媒が可能にするプロセスの簡素化(2)気相ベックマン転移
4 触媒が可能にするプロセスの簡素化(3)MMAの製造方法
5 過酸化水素を用いるクリーンな合成
6 バイオ法 アクリルアミドの製法
7 原料問題と触媒

6章 エネルギー・環境と触媒
1 硫黄や窒素を取り除く水素化脱硫
2 流動接触分解
3 高オクタン価ガソリン基材
4 ガソリン接触改質
5 排煙脱硝
6 ガソリンエンジン排ガス処理
7 ディーゼル排ガス処理
8 VOC除去と触媒燃焼
9 燃料電池
10 光触媒
11 多様な石油代替エネルギー
12 触媒の回収とリサイクル

7章 こんな分野でも活躍する触媒
1 医農薬分野 不斉触媒反応
2 食品分野
3 家電分野
4 情報・電子分野 クロスカップリング反応
5 航空・宇宙分野
6 健康・安全分野

【コラム】
●言葉としての「触媒」
●「負触媒」はあるか
●自然が作り出した絶妙の触媒
●ノーベル賞と触媒
●オゾン層の破壊と代替フロン
●戦時中に石炭から作られた航空燃料

索  引

はじめに

 化学産業は地球上に存在するさまざまな資源を利用し、化学的な物質変換により有用な材料を世の中に送り出す産業です。その製品は、プラスチック・合成繊維・医薬品・農薬・染料・洗剤・接着剤など多岐にわたりますが、ほとんど天然には存在せず、しかも私たちの生活に欠かすことができないものです。これらの材料を製造するプロセスの心臓部、すなわち物質変換で「触媒」が働いています。また「触媒」は、石油精製を含めたエネルギー分野、そして環境保全分野でも重要な役割を果たしています。しかし「触媒」という言葉自体が一般になじみが薄く、しかも古臭い印象をもたれがちで、その役割については充分理解されているとは言えません。
 触媒学会は、化学産業の中の「触媒」の役割と、それを取り巻く化学技術の面白さ、また新しい技術の可能性について、できるだけ分かりやすく解説した本を編集し、科学コミュニケーションの一助にしたいと願ってきました。そして平成19年には触媒学会編として「トコトンやさしい触媒の本」を日刊工業新聞社より刊行し、好評を博してきました。このたび、この本を改訂して「工業触媒」について学びたい方々のための解説書を発行することになりました。このために新たに編集委員会を設立して、内容の精査と適正化を進めました。
 現代の科学技術は猛烈なスピードで進化しています。「触媒」の技術も例外ではありません。本書には最近の進歩も取り入れて、多くの方々の興味に応えられるように努めました。本書は、高校で化学を学んだ人なら誰でも理解できるように、できる限り平易な記述をしたつもりです。なお本書の内容についての一切の責任は編集委員会にあります。
 編集委員会での企画と編集にあたり日刊工業新聞社出版局書籍編集部に大変お世話になりました。この場を借りて、厚くお礼申し上げます。

平成26年3月
一般社団法人 触媒学会
「よくわかる工業触媒」編集実行委員会
委員長 瀬川幸一

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