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おもしろサイエンス
サプリメント・機能性食品の科学

定価(税込)  1,728円

著者
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サイズ A5判
ページ数 144頁
ISBNコード 978-4-526-07208-6
コード C3034
発行月 2014年03月
ジャンル ビジネス 化学

内容

「栄養」、「おいしさ」に次ぐ食品の第3の機能である「生体調節」機能を強化したサプリメントを始めとする機能性食品は多くの商品が開発され市場に投入されている。CMなどを通じて名前はよく聞くがその実態はそれほど理解されていない機能性食品に含まれるさまざまな成分や素材をやさしく解説する。

近藤和雄  著者プロフィール

(こんどう かずお)
1979年、東京慈恵医科大学卒業。東京慈恵医科大学附属青戸病院、防衛医科大学校病院、国立健康・栄養研究所を経て99年よりお茶の水女子大学生活環境研究センター教授。2001年より同センター長。07年より同大学大学院人間文化創生科学研究科教授を兼任。医学博士。日本機能性食品医用学会理事長
著書:「赤ワイン健康法」、「続・赤ワイン健康法」、「ココア・チョコレート健康法」、「第3の栄養学」(以上、ごま書房)、「注目の栄養素」、「活性酸素」(以上、PHP出版)、「からだに効く赤ワインの条件」(講談社)、「体の酸化を防ぎ血管を若返らせる赤ワイン」(ハート出版)、「中性脂肪を減らす食事」(成美堂出版)、「こんなおもしろい脂肪があった!」(ジーオー企画出版)

佐竹元吉  著者プロフィール

(さたけ もとよし)
1964年、東京薬科大学卒業。同年、国立衛生試験所(現・国立医薬品食品衛生研究所)入所。91年、国立衛生試験所生薬部長。2001年、国立医薬品食品衛生研究所退官。02年よりお茶の水女子大学生活環境研究センター教授。06年より同センター客員教授。13年より同センター研究協力員。学術博士。
著書:「スキルアップのための漢方相談ガイド」(共著)(南山堂)、「薬用植物・生薬開発のの最前線」、「薬用植物・生薬開発の新展開」(監修)(以上、シーエムシー出版)、「日本の有毒植物」(監修)(学研教育出版)、「おもしろサイエンス薬草の科学」(日刊工業新聞社)

目次

第1章 サプリメントと機能性食品は同じものなのか違うのか?
1  飽食の時代で重要になる食品の三次機能「生体調節機能」  
2  アメリカから普及したサプリメント  
3  ヨーロッパで普及しているフードサプリメント  
4  最近よく目につくトクホとは  

2章 生体調節機能を高める食品成分
(1)ミネラル
5  日本人は慢性的なミネラル不足  
6  カルシウム(Ca)・リン(P)―骨や歯を形成する  
7  鉄(Fe)―血液中の酸素を運搬する  
8  マグネシウム(Mg)―骨格を形成する  
9  カリウム(K)・ナトリウム(Na)―血圧を調整する  
10  亜鉛(Zn)―不足すると味覚障害が起きる  
11  セレン(Se)―活性酸素を抑える  
12  イオウ(S)―髪の毛、爪、皮膚のタンパク質を生成する  
13  ヨウ素(I)―甲状腺ホルモンを構成する  

第3章 生体調節機能を高める食品成分
(2)有機化合物
14  日本ではまだ少ないサプリメントからのビタミン摂取  
15  ビタミンB群―炭水化物をエネルギーに変える  
16  ビタミンC―皮膚の健康を維持する  
17  ビタミンE(トコフェロール)―活性酸素を抑える  
18  セサミン―ゴマの健康効果の主成分  
19  食物繊維―便秘を解消する  
20  コラーゲン―美肌だけでなく様々な体質改善が期待される  
21  DHA、EPA―脳を活性化し老化を防止する  
22  中鎖脂肪酸―赤ちゃんから老人まで効果が期待される  
23  血糖値を上昇させない甘味料  
24  オリゴ糖―腸内有用菌を増やす  
25  グルコサミン・コンドロイチン―関節痛を予防する  
26  ポリフェノールといってもたくさんの種類がある  
27  動脈硬化の予防にもポリフェノールは働く  
28  カテキン―緑茶の渋み成分のポリフェノール  
29  イソフラボン―大豆に豊富に含まれるポリフェノール  
30  フラバノン―柑橘類に豊富に含まれるポリフェノール  
31  アントシアニン―赤ワインの赤色色素のポリフェノール  
32  ケルセチン―多くの野菜や果物に含まれるポリフェノール  
33  クロロゲン酸―コーヒー豆に豊富に含まれるポリフェノール  
34  クルクミン―ウコンの黄色色素にがん予防効果  
35  カロテノイド―野菜の色素が機能性成分として働く?  
36  β―カロテン―緑黄野菜に多く含まれるカロテノイド  
37  アスタキサンチン―魚にも豊富なカロテノイド  
38  リコペン―トマトに多く含まれるカロテノイド  

第4章 機能性成分に富む食品素材
39  柑橘類は身も皮も機能性成分がいっぱい  
40  楊貴妃も好きだったライチはポリフェノールが豊富  
41  赤ワインの赤色色素と渋味が悪玉コレステロールを抑える  
42  緑茶はカテキン、紅茶はテアフラビン  
43  嗜好飲料の王様コーヒーの秘める多様な健康効果  
44  ココアは動脈硬化の予防にも期待される  
45  おつまみのアーモンドにも機能性成分がつまっている  
46  シソには香りだけでなく機能性成分も豊富  
47  レッドビートはヨーロッパの伝統的な機能性野菜  
48  古くからの食材キノコに新たに見つかった健康効果  
49  サツマイモの葉は機能性野菜のホープ  
50  樹皮にも含まれている機能性成分 
51  スパイスが果たす健康効果  
52  日本の伝統的発酵食品も機能性食品  
53  地中海式食事には欠かせないバルサミコ酢  
54  豆腐は機能性成分の宝庫  
55  米にも機能性成分は豊富に含まれる  
56  健康食品の素材に使われるプラセンタ(胎盤)  
57  ボケ防止に期待される食品素材  

第5章 サプリメント・機能性食品の安全性にも注意しよう
58  サプリメントにも副作用がある  
59  健康食品に含まれる医薬成分で起きた健康被害  
60  健康食品の安全性評価  

はじめに

人間が生きていくために欠かせない食品の機能はこれまで「栄養」と「おいしさ」を中心に考えられてきましたが、この他に、生理系統(免疫、分泌、神経、循環、消化)を調節し健康を維持・回復する第3の機能として「生体調節」機能があります。「栄養」や「おいしさ」が充分に満たされた飽食の時代となった今日、この第3の機能が重視されるようになりました。
 「機能性食品」とは、通常の食品成分の中にもともと存在する「生体調節」機能を人工的に抽出・強化した食品で明確な科学的根拠のあるものをいい、1980年代に日本が提唱した名称ですが今では世界的に用いられています。商品化されている機能性食品の多くは「サプリメント」とか「健康食品」と呼ばれているものです。医薬品と異なり、あくまで疾病の予防、生態の調節手段として健常な人に長期間食される食品であり、血圧に関するもの、腹の調子を整えるもの、歯の健康に関するもの、血糖値に関するもの、コレステロール、ミネラル、中性脂肪に関するものなどたくさんの食品が販売されています。
 ビタミンやミネラルなどの微量栄養成分の補給の目的で食されるサプリメントは医薬品と一般食品の中間に位置し、国民皆保険制度がなく病気になると高額の医療費がかかるアメリカから普及しました。日本で「健康食品」という俗称で販売されていたものには有効性・安全性が怪しいものもありましたが、1991年に厚生省は有効性・安全性の基準を満たした健康食品を「特定保健用食品」(トクホ)として認定し、2001年には、基準に適合していれば許可申請を経ずに栄養成分の機能表示ができる「栄養機能食品」を認定、この両者を合わせて「保健機能食品」として認定しました。こうした制度の充実により研究開発が促進され、食品メーカーばかりでなく医薬品メーカーも参入して、多くの種類の機能性商品が開発され市場に投入されています。今後、高齢化により日本の人口減少は必至で多くの業界は市場規模の縮小が予想されますが、サプリメントをはじめとする機能性食品の市場は今後も成長が予想されます。
 機能性食品は最新の加工食品ばかりではありません。2013年に和食がユネスコの世界文化遺産に登録されましたが、日本の伝統食品の中にも機能性食品といえるものがいっぱいあるのです。
 最近では、テレビCMや広告などを通してトクホなどの機能性食品が盛んに宣伝され、それらに含まれるいろいろな成分の名前を見たり聞いたりすることも多くなってきましたが、そうした機能性成分の実際についてはそれほど理解されてはいません。また、サプリメントをはじめとする機能性食品の使用量が急増するにつれ、これらに表示する内容と安全性の確保も大切になってきています。
 本書は、機能性食品に含まれるさまざまな成分を紹介し、それらの機能性成分を豊富に含む食品素材についても取り上げます。
 本書は、福田詩織、田口千恵、上條文夏、板垣萌花を中心に、岸本良美、才田恵美、杉原規恵、中山志織、藤澤朋加、谷真理子の協力をいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

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