買い物かごへ

成長する資源大陸アフリカを掘り起こせ
鉱業技術者が説く資源開発のポテンシャルとビジネスチャンス

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07210-9
コード C3034
発行月 2014年02月
ジャンル 環境 ビジネス

内容

豊富な地下資源を原動力に経済成長を始めたアフリカ。採掘可能な埋蔵量をまだ多く秘めたアフリカの資源開発に日本も産官連携で動き出した。アフリカをよく知る著者が、資源国の開発の実態、これからのポテンシャル、日本企業がアフリカの資源開発のために何が必要かを解説する。

細井義孝  著者プロフィール

(ほそい よしたか)
秋田大学客員教授。北海道大学、大阪大学非常勤講師。国際協力機構(JICA)資源開発アドバイザー。経済学博士。鉱業技術者。鉱業アナリスト協会(本部英国)会員。英国Oxford Policy Management登録会員。
1974年、秋田大学鉱山学部採鉱学科卒業。在学中に休学してザイール(現・コンゴ民主共和国)で銅鉱山開発に1年半従事する。
1976年、東京大学工学部資源開発工学科研究生修了。同年、金属鉱業事業団〔現・石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)〕に入団。資源探査、鉱山開発、深海底資源探査、鉱山環境対策国際協力などを経験。在職中にサントトーマス大学大学院経済学専攻修士課程、クイーンズランド大学大学院経済学専攻博士課程を修了。
2003年より秋田大学客員教授。
2005年より深海資源開発㈱に出向。
2011年よりJICA資源開発アドバイザー。
2013年より北海道大学、大阪大学非常勤講師。
著書:「Mining and Development」(LAP LAMBERT)
「陸上から海底まで広がる鉱物資源フロンティア」(日刊工業新聞社)

目次

はじめに

第1章 「最後の成長市場」アフリカ
民族・文化・言語の多様なアフリカ
この半世紀のめまぐるしい変遷-独立,内戦,開発-
急成長するアフリカの社会・経済力
援助対象から投資対象へ変貌
アフリカ開発に向け二大プロジェクトが始動

第2章 拡大するアフリカの資源ポテンシャル
アフリカ各地で新たな埋蔵資源が次々と発見
アフリカを舞台とする資源争奪戦
中国のめざましいアフリカ進出
遅れを取っていた日本も挽回に動き出した
アフリカでの鉱山開発に共通する課題
資源ナショナリズムの台頭

第3章 資源国の開発ポテンシャルとビジネスチャンス
南アフリカ
 鉱業国から工業国に成長
コンゴ民主共和国
 豊富な資源が紛争を生む
ザンビア
 銅鉱山で栄枯盛衰する経済
アンゴラ
 眠れる資源のポテンシャルは南アに迫る
ボツワナ
 ダイヤ依存経済からの脱却を目指す
ジンバブエ
 豊富な資源を活かしきれず経済の低迷が続く
ナミビア
 ダイヤとウランで急成長する新しい独立国
マラウイ
 未調査資源の宝庫
モザンビーク
 石炭と天然ガスで脚光を浴びる資源国のニューフェース
マダガスカル
 ニッケル開発が進む大きな島国
タンザニア
 ウラン開発か環境保全かで揺れる
ケニア
 大地溝帯に資源が眠る新フロンティア
エチオピア
 かつての資源国は甦るか
ニジェール
 ウランで勃興しつつある最貧国
ガーナ
 金から石油・天然ガスにシフト
コートジボワール
 西アフリカ経済を牽引する産油国

第4章 アフリカの資源開発には何が必要か
リスクはチャンスと心得よ
案件発掘と鉱区開発には人脈と情報が第一
日本式を押し付けるな、日本流を認めさせろ
日本の技術と機械・機器を売り込め
信頼は搾取より強し
鉱床をを熟知しないと採掘は成功しない
輸送ルートと電力・水を確保せよ
政治の安定をにらみ逃げ道を確保せよ
これから増えてくる国の支援策を大いに活用すべし
世界を股にかけて活躍できる日本人を発掘せよ

おわりに

はじめに

かつて「暗黒大陸」と呼ばれていたアフリカが今「成長市場」に変わろうとしている。その原動力となっているのが豊富な地下資源だ。アフリカは「資源の宝庫」と言われてきたが、近年の探査・採掘技術の進歩により新たな埋蔵資源がアフリカ各地で続々と見つかっている。
 石油・天然ガスにおいては「旧フロンティア諸国」(ナイジェリア、ガボンなど)に対して「新フロンティア諸国」(タンザニア、ケニア、リベリア、シェラレオネなど)が誕生している。また、かつての金とベースメタルのみがターゲットとされた時代から、レアメタルを含むものまで対象金属が多様化し、今まで注目を集めなかったマラウイ(レアアース)、マダガスカル(ニッケル)などの国が脚光を浴び、ケニアなど他の国でも新たなターゲットに探査が始められ、資源国といわれる国がさらに増えている。
 各国企業はアフリカへの投資を進めており、とりわけ中国の進出は著しい。これに比べて日本は出遅れていたが、ここにきて産官連携でアフリカとの関係強化を目指す動きが本格化してきた。
 2013年6月に横浜で第5回アフリカ会議(TICAD V)が開催された。アフリカ全54カ国中51カ国の代表団が来日し、日本からは安倍首相、経団連会長など官民の首脳が参加し会談を行った。今回のTICADの特徴は、アフリカを今までの「援助の対象」から「投資の対象」に位置づけたことである。TICAD Vを契機にアフリカをビジネスの対象として捉えようとする動きが目立ってきた。TICAD Vに先立つ5月には、経済産業省主導で日本初の国際資源大会となった国際資源ビジネスサミットが開催され、アフリカ資源各国の資源大臣を含む約2,000名の参加を得た。サミット終了翌日には日アフリカ資源大臣会合が開催された。
 2014年1月には安倍首相はモザンビーク、エチオピア、コートジボワールを訪問した。モゼンビークでは、日本が必要とする石炭、石油・天然ガスの開発を後押しするインフラ整備、人材育成を改めて表明し、日本企業の進出を後押しする姿勢を打ち出した。
 日本企業がアフリカでの資源開発ビジネスに本格的に参入しようという機運が高まったこの時、本書を著すことにした。
 本書は、日本人にとってまだなじみの薄いアフリカ諸国のなかでも、金属鉱物資源の宝庫で油田・ガス田も見つかっている南部アフリカ諸国を中心に資源の賦存と開発の実態、これからのポテンシャル、日本企業がアフリカの資源開発のために何が必要かを解説する。
 著者のアフリカとの関わりは、秋田大学鉱山学部在学中に1年半休学してザイール(現・コンゴ民主共和国)の銅鉱山開発に参加したのが始まりである。大学卒業後、金属鉱業事業団〔現・石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)〕に入団し資源探査や鉱山開発などで、そして2011年からは国際協力機構(JICA)の資源開発アドバイザーとして、アフリカとは40年以上関わってきた。著者の経験、知識がお役に立てば幸いである。
 
2014年2月
細井 義孝 

買い物かごへ