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現代無電解めっき

定価(税込)  3,456円

編者
著者
著者
サイズ A5判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-07192-8
コード C3057
発行月 2014年01月
ジャンル 金属

内容

さまざまな機能特性が付与され、応用面で進化を見せる無電解めっきの技術の基礎を整理して紹介。エレクトロニクス用途への対応から中性浴や非シアン化物浴に重点を置いて解説する。また、環境に配慮した新しい無電解めっき法の開発動向や用途展開についても触れる。

縄舟秀美  著者プロフィール

(なわふね ひでみ)
 
1971年 近畿大学理工学部応用化学科卒業
 
1981年 工学博士(大阪府立大学)
 
1982年 甲南大学助手、講師、助教授を経て
 
1997年 同大学教授 現在に至る

松岡政夫  著者プロフィール

(まつおか まさお)
 
1972年 
大阪府立大学工学研究科修士課程応用化学専攻修了

同大学助手
 
1979年 工学博士(大阪府立大学)
 
1994年 立命館大学助教授を経て
 
1998年 同大学教授 2008年 同大学退職

目次

序 文


第1章 無電解めっきの基礎

1.1 無電解めっきの分類
 1.1.1 置換型無電解めっき

 1.1.2 自己触媒型無電解めっき

1.2 無電解めっきの駆動力とめっき浴の構成成分の作用機構
1.3 還元剤の酸化反応と金属の触媒活性
1.4 混成電位理論に基づく無電解めっきの析出機構

1.5 無電解めっきの理解と深化


第2章 無電解ニッケルめっき

2.1 無電解ニッケル-リン合金めっき

 2.1.1 無電解ニッケル-リン合金めっき浴とリンの共析機構

 2.1.2 無電解ニッケル-リン合金めっきの皮膜特性

2.2 無電解ニッケル-ホウ素合金めっき

 2.2.1 無電解ニッケル-ホウ素合金めっき浴とホウ素の共析機構

 2.2.2 無電解ニッケル-ホウ素合金めっきの皮膜特性

2.3 無電解ニッケル合金めっきの皮膜特性と用途展開

 2.3.1 無電解ニッケル二元系合金めっき

 2.3.2 無電解ニッケル三元系合金めっき

 2.3.3 無電解ニッケル四元系および五元系合金めっき

2.4 無電解ニッケルめっきの開発動向


第3章 無電解銅めっき

3.1 無電解銅めっき浴の種類と安定性

3.2 無電解銅めっきの皮膜特性と皮膜評価

 3.2.1 無電解銅めっきの皮膜特性に及ぼす各種因子の影響

 3.2.2 無電解銅めっきの皮膜特性の評価

3.3 無電解銅めっき浴の管理

3.4 無電解銅めっきの開発動向


第4章 無電解金めっき

4.1 置換型無電解金めっき
 4.1.1 シアン化物浴からの置換型無電解金めっき

 4.1.2 非シアン化物浴からの置換型無電解金めっき

4.2 自己触媒型無電解金めっき
 4.2.1 シアン化物浴からの自己触媒型無電解金めっき

 4.2.2 非シアン化物浴からの自己触媒型無電解金めっき

4.3 無電解金めっきの開発動向


第5章 無電解パラジウムめっき

5.1 ホスフィン酸塩(次亜リン酸塩)およびホスホン酸塩(亜リン酸塩)を還元剤とする無電解パラジウム-リン合金めっき

 5.1.1 
無電解パラジウム-リン合金めっき浴中における化学種の化学平衡および電気化学平衡

 5.1.2 
無電解パラジウム-リン合金めっき浴の組成、析出速度、および皮膜特性

5.2 ギ酸を還元剤とする無電解パラジウムめっき

 5.2.1 
ギ酸を還元剤とするエチレンジアミン錯体浴からの無電解パラジウムめっき
 5.2.2 ギ酸を還元剤とするモノアミノジカルボン酸錯体浴からの無電解パラジウムめっき
5.3 トリメチルアミンボランを還元剤とする無電解パラジウム-ホウ素合金めっき

 5.3.1 無電解パラジウム-ホウ素合金めっき浴の組成および析出速度

 5.3.2 無電解パラジウム-ホウ素合金めっきの皮膜特性

5.4 無電解パラジウムめっきの用途展開および開発動向

 5.4.1 無電解パラジウムめっきのプリント配線板製造への適用

 5.4.2 
無電解パラジウムめっきによる貴金属ペーストの代替およびパラジウム担持触媒製造
 5.4.3 無電解パラジウムめっきによる水素ガス精製膜製造

 5.4.4 無電解パラジウムめっきによるゴムとの直接加硫接着

 5.4.5 無電解パラジウムめっきの開発動向


第6章 無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解白金めっき

6.1 無電解スズめっき

 6.1.1 置換型無電解スズめっき

 6.1.2 TiCl3を還元剤とする自己触媒型無電解スズめっき

 6.1.3 Sn(Ⅱ)の不均化反応による無電解スズめっき

6.2 無電解銀めっき

 6.2.1 銀鏡反応を利用する無電解銀めっき

 6.2.2 置換型無電解銀めっき

 6.2.3 自己触媒型無電解銀めっき

6.3 無電解白金めっき


第7章 無電解めっきにおけるマテリアル・イノベーション

7.1 ホルムアルデヒド以外の還元剤を用いる無電解銅めっき
 7.1.1 グリオキシル酸を還元剤とする無電解銅めっき

 7.1.2 ホスフィン酸塩を還元剤とする無電解銅めっき

7.2 金属イオンレドックス系無電解めっき
 7.2.1 Co2+およびSn2+イオンを還元剤とする無電解銅めっき
 7.2.2 Ti3+イオンを還元剤とする無電解純ニッケルめっきとめっき液の電解再生


第8章 無電解めっきにおけるプロセス・イノベーション

8.1 界面ナノ構造制御による樹脂上への回路形成

 8.1.1 樹脂の表面改質を利用する銅のダイレクトパターニング

 8.1.2 銀ナノ粒子複合樹脂をテンプレートとする透明回路の形成

 8.1.3 金属ナノ粒子複合樹脂によるメタマテリアル作製の可能性

8.2 光化学還元法によるガラス基板表面への銅のダイレクトパターニング

 8.2.1 光化学還元法における還元助剤の選択および銅の析出速度

 8.2.2 ガラス基板表面へのOTSパターンおよび銅回路の形成

 8.2.3 光化学還元法における銅の析出機構


付 表
 

1.元素の周期表
2.関連する元素の物性
3.めっき関連物質の標準電極電位E0

4.
めっきに関連する配位子(L)の酸解離定数および錯イオンの生成定数
(25℃)


索 引

はじめに

序 文
 

 本書の出版は電気鍍金研究会創立60周年記念事業の一環として、60年の輝かしい歴史を刻み、特に無電解めっきの基礎を確立し、無電解めっき技術の現状を再認識することにより、より深い基礎に立脚した独自技術の開発につなげる新たな第一歩を踏み出すために企画されたものである。
 
 60年の歴史の前半において、生産性に優れた湿式めっき技術、特に無電解めっき技術の機能性が認識されるようになり、高度経済成長を牽引したエレクトロニクスおよび自動車産業などの発展を支える要素技術の1つとして成長・成熟し、この間に数多くの優れた無電解めっき関連技術が開発・実用化された。しかし、バブル崩壊以降の後半は、製造技術関連における東アジア諸国の台頭に伴い、各種汎用部品の製造拠点は東アジア諸国に移り、部品製造の要素技術であるめっき技術に携わる企業には、その影響は極めて大きいものがある。
 
 このような状況の中で、川下企業では技術再建の要因として、国際競争力を念頭に置いた従来技術の見直しによる低コスト技術の再構築、および新規技術開発の双方向での対応の必要性が提示されている。プラスチックおよびセラミックスなどの表面に金属・合金膜の被覆、および微細回路形成が可能な無電解めっきは、今後も部品製造の要素技術の1つであることは確かであるが、現行技術による部品製造拠点は我が国ではないことも明らかである。
 
 我が国における部品製造技術の存続には、現行の無電解めっき技術の深化と新たな独自技術の開発が必須であることは自明の理であり、国際競争力のある低コスト部品製造技術の確立、新たな無電解めっき技術の開発とこれに伴う関連技術の確立が必要不可欠である。

 このような観点から、特に無電解めっきの基礎および無電解めっき技術の現状を再認識し、無電解めっき技術の深化と新たな独自技術の開発を促すことに主眼を置いた「現代 無電解めっき」を上梓することになった。この目的を果たすために、本書ではまず無電解めっき技術の基礎から始まり、無電解めっき各論を経て、最後に無電解めっきにおけるマテリアル・イノベーションおよびプロセス・イノベーションを解説する、基礎から将来展望を見据えた体系立った構成を採用した。

 第1章では無電解めっきの基礎である駆動力と構成成分の作用機構および無電解めっきの析出機構を詳しく解説した。以下の各論では無電解めっきをより深く理解し、その実用に供するために、第2章では無電解ニッケルめっき、第3章では無電解銅めっき、第4章では無電解金めっき、第5章では無電解パラジウムめっき、第6章では無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解白金めっき、について現行のめっき浴の種類、組成、めっき条件、および皮膜特性について詳述した。第7章では無電解めっきにおけるマテリアル・イノベーションとして、発癌性が指摘されているホルムアルデヒドに代わる還元剤を用いる無電解銅めっきについて詳述した。また、還元剤の再生使用が期待されている、金属イオンレドックス系の無電解めっきの開発動向と用途展開を紹介した。

 そして、第8章では無電解めっきにおけるプロセス・イノベーションとして、樹脂基板の表面改質および光化学還元法を利用するプラスチックおよびセラミックス基板上にレジストを用いることなく微細金属回路を形成するダイレクトパターニング法の開発動向と用途展開の可能性を紹介した。さらに補遺として、無電解めっき技術の開発現場・生産現場で有用な数値データを網羅した。

 本書がめっき関連技術者のみならず、各種の次世代技術等の開発に携わる技術者にも、無電解めっき技術のより深い理解と現行技術の再認識のための必携の書として活用されることを期待する。そして願わくば、革新的な技術開発によって新たな一歩を踏み出す一助となれば幸いである。

 最後に、本書の出版にご尽力いただいた日刊工業新聞社出版局、大阪支社出版部 辻 總一郎氏に謝意を表します。

 

2014年1月

縄舟秀美、松岡政夫

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