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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいマシニングセンタの本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07188-1
コード C3034
発行月 2014年01月
ジャンル ビジネス 機械

内容

マシニングセンタ(MC)は、機械加工現場で活躍する工作機械の1つで、自動車や機械、電機業界などで広く使用されている。本書は、MCが私たちの生活をどれだけ便利にしてくれているのか、MCで何をつくることができるのかといったところから話を始め、MCをより身近に理解できるように、イラスト、写真、図表を使ってわかりやすく解説する。

澤 武一  著者プロフィール

(さわ たけかず)
1977年3月 滋賀県生まれ
2004年2月 国家検定1級技能士取得(機械加工職種、機械保全職種)
2005年3月 熊本大学大学院自然科学研究科生産システム科学専攻 修了 博士(工学)
2005年4月 職業能力開発総合大学校精密機械システム工学科 助手
2005年6月 富士フイルムグループ フジノン佐野株式会社(現:富士フイルムオプティクス株式会社)6カ月実務研修
2010年4月 東京電機大学工学部機械工学科 准教授
2013年4月 芝浦工業大学デザイン工学部デザイン工学科 准教授

専門分野:砥粒加工、切削加工、超精密加工

主な著書
絵とき「旋盤加工」基礎のきそ
絵とき「フライス加工」基礎のきそ
絵とき 続・「旋盤加工」基礎のきそ-スキルアップ編
目で見てわかる旋盤作業-Visual Books
目で見てわかるフライス盤作業-Visual Books
目で見てわかる研削盤作業-Visual Books
目で見てわかる機械現場のべからず集「旋盤作業編」
 -Visual Books
目で見てわかる機械現場のべからず集
 「フライス盤作業編」-Visual Books
目で見てわかる機械現場のべからず集
 「研削盤作業編」-Visual Books
目で見てわかる エンドミルの選び方・使い方
 -Visual Books
目で見てわかる ミニ旋盤の使い方-Visual Books
目で見て合格技能検定実技試験「普通旋盤作業2級」
 手順と解説
目で見て合格技能検定実技試験「普通旋盤作業3級」
 手順と解説
今日からモノ知りシリーズ「トコトンやさしい旋盤の本」
ココからはじめる旋盤加工
……いずれも日刊工業新聞社発行

目次

第1章 マシニングセンタと私たちの生活
1 マシニングセンタって何?「マシニングセンタは働く機械」
2 マシニングセンタは工業製品の原点「金型は工業製品の産みの親」
3 携帯電話とマシニングセンタ「携帯電話のフレームは金型で作る方法とマシニングセンタで削って作る方法がある」
4 船とマシニングセンタ「スクリューは職人芸とデジタル技術の融合」
5 航空機とマシニングセンタ「ジェットエンジンの羽根はマシニングセンタで作られる」
6 自動車のエンジンとマシニングセンタ「マシニングセンタは自動車生産ラインの主役」
7 自動車のボディーとマシニングセンタ「マシニングセンタは複雑な形状加工が得意」
8 家電とマシニングセンタ「インペラーはマシニングセンタで作られる」
9 病院とマシニングセンタ「私たちの健康を支えるマシニングセンタ」
10 レジャーとマシニングセンタ「マシニングセンタで鍛造金型を作る」
11 スーパーマーケットとマシニングセンタ「卵のパックとペットボトルは非常に優秀な工業製品」

第2章 NC工作機械の進展
12 NC工作機械が出現した歴史的背景「パーソンズがNC工作機械を作った」
13 マシニングセンタの誕生と経済成長「マシニングセンタの誕生は大量生産の時代を築くきっかけになった」
14 NC工作機械の進化「その①」「手動プログラムから自動プログラムへ」
15 NC工作機械の進化「その②」「NCからCNCへ」
16 NC工作機械の進化と盲点「NC工作機械は良くも悪くも指令どうりにしか動かない」
17 オイルショックとNC工作機械「マシニングセンタ」「作れば売れる時代から売れる製品を作る時代に」
18 バブルの崩壊とNC工作機械「マシニングセンタ」「国内老舗工作機械メーカの経営破綻」
19 リーマンショックとNC工作機械「マシニングセンタ」「欧州・アジアの工作機械メーカと合弁会社を設立する動き」

第3章 マシニングセンタの種類と機械的なしくみ
20 NCフライス盤とマシニングセンタの違い「マシニングセンタは低コストのモノづくりを可能にした」
21 マシニングセンタの基本構造「基本構造を知ることで最大の能力を引き出せる」
22 マシニングセンタの種類 その①「立て形マシニングセンタ」「立て形マシニングセンタは小型で省スペースに設置できる」
23 マシニングセンタの種類 その②「横形マシニングセンタ」「横形マシニングセンタは自動化に適している」
24 マシニングセンタの種類 その③「門形マシニングセンタ」「門形マシニングセンタは5面加工ができる」
25 運動軸の種類と運動方向「5軸マシニングセンタ」「直線軸と回転軸を把握することが重要」
26 5軸マシニングセンタの利点「5軸マシニングセンタでは複雑な形状を加工することが可能」
27 構造で変わるストレスの流れ「立て形、横形、門形ではストレスパスが異なる」
28 本体を支えるベッドのしくみ「マシニングセンタの構造を支えるベッド」
29 背骨の役割をするコラムのしくみ「コラムには外力にも屈せず強固で頑丈さが求められる」
30 高速回転を支える主軸頭のしくみ「主軸頭は「剛性」と「俊敏性」が大切」
31 切削工具を素早く交換するしくみ「自動工具交換機能(ATC)はマシニングセンタの最大の特長」
32 変幻自在な回転テーブルのしくみ「回転機能を有するテーブルを回転テーブルという」
33 自動運転を実現するパレット交換機能のしくみ「工作物を取り付けて供給するパレット」
34 厄介な切りくずを回収するしくみ「切りくずは各種トラブルの主因」

第4章 マシニングセンタを動かすソフトウエア
35 マシニングセンタを動かすための座標系「座標値の軸となる座標系」
36 マシニングセンタの道案内の方法「運動を指令する2つの方法」
37 NCプログラムのための各種機能「アドレスは機能別に入力するアルファベット」
38 NCプログラムの基本的な構成「NCプログラムの約束事」
39 切削工具の長さを気にしない工具長補正「工具長さに関係なくプログラムを作成する」
40 エンドミルの直径を気にしない工具径補正「工具径補正と下向き削り、上向き削りの関係」
41 マシニングセンタの制御方法「位置決め精度の信頼性」
42 複雑な形状も簡単に加工できるCAD/CAM「人とコンピュータが融合したデジタルモノづくり」

第5章 高速・高精度を支える要素技術
43 静かに高速に回転する主軸「主軸はマシニングセンタの命」
44 主軸を支える軸受の種類「軸受の種類と特性を理解することが大切」
45 加工精度を左右する案内面形状の種類「案内面は運動部を支えガイドの役割を担う」
46 加工精度を左右する案内方式の種類「古代からあった「物を運ぶ手段」を改良」
47 高速で高精度な運動を実現する駆動機構「ボールねじとリニアモータの特性」
48 最適構造設計を支援するCAE「コンピュータ支援エンジニアリング」
49 ツーリングシステムその① 一般的なBTシャンク「自動工具交換用はBT、手動交換用はNT」
50 ツールシステムその② 高速・高精度仕様のHSKシャンク「ドイツで開発されたHSKシャンク」
51 強固で振れ精度に優れた切削工具ホルダの種類「回転振れを抑えることが重要」
52 切削点を確実に冷やすスピンドルスルー給油「切削油剤の供給方法」
53 高速に確実に「めねじ」を切るシンクロタッピング「1回転に正確に1ピッチだけ加工する」
54 自動化を支援する技術「機上計測」「生産性を向上させる機上計測」
55 知能をもったマシニングセンタ「自動化支援する知能化技術」
56 早く削るといいことあるの?「高速切削の利点」

第6章 これだけは知っておきたい基礎知識
57 母性原理って何?「蛙の子は蛙?」
58 重いマシニングセンタに耐える地耐力「マシニングセンタが大型になるほど地盤の力も重要」
59 主軸の特性を知る!「トルクと動力の関係」
60 きれいな円が加工ができない象限突起「小さな突起の発生」
61 製造メーカが自慢する「きさげ加工」「平面と平面をピッタリ合わせる方法」
62 マシニングセンタに求められる性能「人と環境にやさしい」
63 環境にやさしい工夫「3Rが重要な位置付けになってきた」
64 マシニングセンタを使った研削加工「グラインディングセンタの利点」
65 マシニングセンタを使った変形加工「棒状工具を薄板に押し付ける「遂次成形法」」
66 マシニングセンタVSトランスファマシン「利点、欠点を考慮した使い分け」
67 自働化のススメ「「自動化」と「自働化」の使い分け」

【コラム】
●「緊張の一瞬」
●一般加工と金型加工の違い
●戦略と戦術(加工工程の考え方)
●複合機の定義
●マシニングセンタの資格(技能検定)

参考文献
索引

はじめに

 私たちの生活は年々便利に、快適になっています。これはスマートフォンやパソコン、家電など身の回りを支える工業製品が充実してきていることが大きな要因です。近年では、デジタル製品のモデルチェンジは早く、3カ月や6カ月で新製品が発表されています。なぜ、これほどサイクルが早いのでしょうか。工業製品の新製品開発はユーザニーズを反映させて行われるため、私たちのニーズの多様化がモデルチェンジのサイクルを早めているのです。
 さて、デジタル製品をはじめとする工業製品は、多数の部品を組み立てた完成品であり、1つひとつの部品は工作機械によって作られています。そして、工作機械の中で最も活躍しているのが本著で取り上げる「マシニングセンタ」です。マシニングセンタは名前のとおり、マシニング(加工)のセンタ(中心)という意味です。
 マシニングセンタに関する著書はすでに数多く出版されていますが、いずれの図書も専門書の域を出ず、マシニングセンタの定義や物理的しくみから説明するものばかりです。このため、ちょっとマシニングセンタに関して勉強したい人には専門的な情報が多く、理解し難いというのが本音だと思います。また、理工系の学生にとっても従来の専門書は情報が氾濫し過ぎており、とっつきにくいのではないでしょうか。そこで本著ではマシニングセンタに関する「欲しい情報」だけを網羅し、的確に解説しました。したがって、工作機械をまったく知らない人でも、理工系の勉強をしている人でも十分に満足していただける書籍だと自負しています。
 本著を読んでいただくことによって、マシニングセンタは何をするための機械なのか、マシニングセンタが社会にどのように貢献しているのか、マシニングセンタが私たちの生活をどれだけ便利に豊かにしてくれているのか、マシニングセンタがなければ私たちの生活はどのようになるのか、そして、マシニングセンタを使用したモノづくり作業がいかに大変かなど、モノづくりのカラクリを身近に感じることができると思います。たとえば、お父さんが生産工場で働き、マシニングセンタを使用して仕事をしている家族の方々には、お父さんの仕事がどれだけ素晴らしいのかを理解いただけると思います。本著はそれほどわかりやすい内容にしてあります。同時に、本著は専門的視点も大切にし、マシニングセンタがたどってきた時代背景を含め、マシニングセンタを通してモノづくりの世界を知り、モノづくりの視点から社会を見ることができる内容にもなっています。
 本著が広く普及し、モノづくりの啓蒙のきっかけになれば著者としてそれ以上の喜びはありません。
 最後になりましたが、本書を執筆するにあたり、ご懇篤な御指導と適切な御助言を賜りました職業能力開発総合大学校の岡部眞幸先生に心から御礼申し上げます。また、本書を執筆する機会を与えて頂きました日刊工業新聞出版局長の奥村功様、執筆、編集、校正に際し、ご懇篤なご指導、ご鞭撻を賜りましたエム編集事務所の飯嶋光雄様、デザイン・紙面作成・DTPを努めていただきました志岐デザイン事務所の大山陽子様に厚く御礼申し上げます。

2014年1月 
澤 武一

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